正男とムーンは洞窟の入り口で浩二を発見した。
正男
「浩二!お前無事だったのか!っていうかなんでこんなところに?」
ムーン
「てっきり雪崩に飲み込まれて埋まってるのかと思っていたのに・・・」
浩二は頭をかく。
浩二
「ああ、うん。兄さんたちも無事でよかったよ。僕はね、えーと・・・」
浩二はここまでの経緯を話した。
〜雪崩発生時〜
浩二は正男やブライトたち4人よりも後ろを走っていた。
前の正男たちが大きな障害もなく走っていたので浩二は気づかなかった。
岩場には人1人が落ちそうな隙間があったのだ。
浩二
「はぁ、はぁ・・・うわぁ!?」
浩二はその穴に足を取られて岩の隙間に落ちてしまった。
そして直後穴の上を雪崩が覆った。
浩二
「痛たた・・・あれ?雪崩は?」
浩二は自分の落ちた隙間を観察する。
隙間が小さいせいか、雪崩の雪はあまり入ってこなかった。
浩二はその雪を見上げる。
浩二
「これは・・・持ち上げるのは無理だよね・・・」
浩二はため息をつき、下を向く。
すると目の前にさらに下へ続く穴があった。
のぞくと真下に雪が積もっていてクッションにできそうだった。
そして下で何か光っている。
浩二
「あれ?あれってもしかして・・・『太陽宝』?」
そう、正男が落とした『太陽宝』が浩二と一緒に縦穴に入ってきたのだった。
浩二
「兄さんが落としたのかな?・・・上からは戻れなさそうだし・・・」
浩二は考えてから深呼吸した。
浩二
「ふぅ・・・たぁ!」
そして浩二は勇敢に下の雪へ飛び降りた。
浩二
「うわっ!いてて・・・。・・・助かったかな・・・」
浩二は立ちあがって「太陽宝」を拾う。
そして周りを見渡すと薄暗い洞窟だった。
浩二
「とりあえずここから出たいな・・・」
浩二は「太陽宝」を明かり代わりにして歩きだした。