雪崩から逃げていると目の前が崖になっていた。
正男
「くそっ、飛び降りるしかねぇ!」
正男は飛んだ。
幸いにも下には雪が積もっていてクッションになりそうだった。
フレア
「おぉっ!」
ブライト
「だっ大丈夫なのか!?・・・っ!」
ムーン
「うわぁ!」
正男たちは雪に飛び降りた。
そしてそのあとを追って大量の雪がなだれ込んだ。
崖下に積もった大量の雪。
その1か所からボコッと手が出てきた。
正男
「はぁ・・・なんとか出れた・・・」
雪から脱出した正男は体の雪を払う。
周りを見るとムーンの足が飛び出していた。
正男
「おいっ!大丈夫か!?」
正男は足を掴んでムーンを引っ張り出した。
ムーン
「ぷはっ!はぁ・・・あっありがとうございます」
しばらくしてブライトとフレアも出てきた。
ブライト
「いきなりひどい目に遭ったな・・・」
フレア
「まったくだ。雪ってのも面倒なもんだな」
正男たちはようやく一息つこうとした。
しかしブライトがあることに気がついた。
ブライト
「・・・あれ?浩二はどこにいるんだ?」
そう言われて正男たちはあたりを見渡した。
正男
「あぁ?そういえば・・・くそっ、埋まってるのか!?」
正男は慌てて雪を掘りだす。
他の3人もそれに続いてあたりを調べた。しかし、
フレア
「・・・おい、いないぞ?」
ムーン
「こっちもいませんよ。けっこうさがしたと思うんですけど」
そこでブライトが言った。
ブライト
「・・・まさか、まだ上にいるってことはないか?」
ムーン
「上って・・・崖の上で埋もれてるかもしれないってことですか?」
ムーンは崖の上を見た。
正男はそれを聞いて呼んでみる。
正男
「おーい、浩二ぃ!大丈夫かぁ!?」
しかし返事はなかった。
そんな正男を見てフレアが言った。
フレア
「・・・?っていうか正男、お前・・・さっき持ってたペンダントはどうした?」
正男はそう言われてあたりを見渡す。
この世界に来るときに首から下げていた「太陽宝」がなくなっていた。
正男
「そういえば・・・霧を晴らした後、手に持って・・・そしたら雪崩が来て・・・」
ムーン
「・・・もしかしてそれも上に落として来たんじゃ・・・」
正男たちは沈黙する。
そしてブライトが言った。
ブライト
「・・・しかたない。なんとかして上に戻ろう。ここからじゃ崖が急すぎて登れそうにないしな」
ムーン
「・・・そうですね。浩二さんが無事でいることを祈りましょう」
ブライトは崖に背を向けて振り返った。
そこには雪に覆われた森が立ちふさがっていた。