ジョフ登場

フレアたちは岩の隙間から洞窟の中に入った。
フレア 「なんだ、中も外とほとんど変わらないな・・・」
入った洞窟の中にも霧が満ちていた。
ムーン 「・・・霧が出た後に入口に岩が落ちてきたんでしょうか?」
フレア 「たぶんな・・・おっ?」
浩二 「どうしたの?」
何かに気づいたフレアに浩二が聞いた。
フレア 「なんか・・・人がいないか?ほら、そこ」
フレアが指さした方向にうっすらと人影が見えた。
フレア 「・・・ここがどこかも知っておきたいんだけど・・・聞いてみるか。ちょっと!」
フレアは人影に声をかける。
人影はそれに気づいて振り向いた。
??? 「・・・何だあんたら。」
人影の主は剣を持った男だった。
ムーンが先に聞いた。
ムーン 「あのー・・・僕たちコステル諸島の方から渡ってきたんですけど・・・ここってもしかしてクレセント大陸ですか?」
ムーンの質問に先に反応したのはフレアだった。
フレア 「ちょ、ちょっと待て!コステル諸島?クレセント大陸?なんだそれ、聞いたことないぞ?」
ムーン 「えっ?コステル諸島は僕の住んでいたところで、その近くにあるのがクレセント大陸ですけど・・・知らないんですか?」
首をかしげるフレアとムーン。
浩二が言った。
浩二 「・・・これも僕と兄さんの時と同じだね・・・。ブライトにいきなり知らない名前を出されて混乱したんだよ・・・」
今度は浩二も首をかしげる。
そんな3人は、会話を聞いていた男が目つきを険しくしていくのに気がつかなかった。
突然男が走り出した。
フレア 「あっ!?ちょっと、なんで逃げるんだよ!?」
慌てて後を追いかける3人。
そして3人は、男が何もない場所でジャンプするのを見た。
フレア 「・・・!?何だ、急にうわっ!?」
不意にフレアの足元の地面が消えた。
海に落ちた時のように。
落下したフレアを見て浩二とムーンは立ち止まった。
浩二 「あっ、大丈夫!?・・・あれ?」
そこで浩二があることに気がついた。
浩二 「なんか・・・地面の色が変わってない?」
ムーン 「えっ?・・・そういえばそうですね・・・」
ムーンも床や壁を見る。
さっきまで見てきた黒い岩ではなく、そこにあったのは赤い岩だった。
しかもフレアの落ちた床は洞窟のようにでこぼこではなく整備されたものだった。
フレア 「これは・・・確か大陸の山辺りにある岩じゃなかったか?じゃあここは・・・神殿の中か?」
自分の知っている場所に戻ってきたことに安堵するフレア。
??? 「ちっ、行き止まりか・・・」
ふと剣の男がつぶやいた。
どうやら4人の出た場所は扉が閉まっていて出られないようである。
男はフレアに聞いた。
??? 「あんたら何者だ?なんでこの霧について知っている?」
3人は驚く。
フレア 「!?あんた、この霧のこと知ってるのか!?もしかしてヘイズって奴のことも!?」
ヘイズの名前に男は眉をひそめる。
??? 「ヘイズ?・・・まさかあんたらがヘイズの言っていた・・・なるほど」
男は納得したようにうなずく。
フレア 「えっ?・・・じゃああんたはヘイズの仲間か!?」
その質問に男は持っていた剣を構えて答えた。
ジョフ 「・・・俺はジョフ。確かにヘイズの仲間だ」
ジョフと名乗った男は続けた。
ジョフ 「あちこちで霧を晴らしてるらしいな。俺たちの邪魔はしないでもらおうか」


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