暗い世界

神殿の奥にいたのは、海の神殿ではぐれた浩二たち3人だった。
浩二 「あっ兄さん!どうしてここに!?」
正男 「そりゃこっちのセリフだ!お前らこそどこ行ってたんだ!?」
ブライト 「フレア、無事だったのか!」
フレア 「ああ、なんとかな・・・」
正男たちはとりあえず再会を喜ぶ。
そして浩二たちと一緒の部屋にいた男は正男たちを見渡す。
??? 「・・・味方か?これは分が悪いな・・・」
男はそうつぶやくと天井に飛び上がる。
すると持っていた剣で天井を斬り穴をあけ、そこから飛び出して行った。
フレア 「あっ、おい待て!・・・逃げたか」
正男 「そういや・・・誰なんだ、あいつ?」
正男は浩二に聞いた。
浩二 「えーとね、実は・・・」
浩二は自分たちがマウントブライトに来るまでの経緯を話し始めた。

━時間をさかのぼり海の神殿━
浩二たちが神殿の2階に上がろうとしたとき、突然海水が降ってきた。
浩二 「えっ!?なっなに!?」
フレア 「まず・・・うおっ!?」
ムーン 「うわぁ!?」
3人は急に増え始めた水に足を取られ沈んでしまう。
それでもフレアとムーンは泳いでなんとか2階に上がろうとした。しかし、
フレア 「(・・・!?泳いでるのに進まないぞ!?)」
フレアは後ろを振り返った。
するとさっきまでいたはずの浩二とムーンの姿がない。
代わりに水中に黒い穴が現れていた。
フレア 「(そうか・・・あの穴に吸い込まれているのか!?)」
フレアは必死に手足を動かすが、穴が近かったせいかまったく前に進まない。
とうとうその穴に吸い込まれてしまった。
フレア 「・・・ぶ、おう!?」
フレアは突然自分の体が空中に放りだされるのを感じた。
そしてフレアは水の中に再び落ちた。
フレア 「ぷはっ!・・・ん?・・・浅い?」
水中から顔を出したフレアは首をかしげる。
さっきまで足のつかない水浸しの部屋にいたにもかかわらず、今は浅瀬にいた。
ムーン 「あっ、えーと・・・フレアさん!大丈夫ですか!?」
そばの陸地から声がした。ムーンである。
フレア 「あっムーン・・・だっけ?一体何が・・・?」
フレアは陸にあがりながらムーンに聞いた。
ムーン 「うーん、急にあの建物の天井から水が流れてきて・・・沈んだと思ったら急に放り出されてここに」
フレアは周りを見渡しあることに気づいた。
フレア 「しかし・・・なんだ、暗いな。洞窟の中か?」
さっきまでいた神殿も少し薄暗かったがここはそれよりも暗かった。
ムーン 「あれ?ここって・・・」
ムーンは足元を見渡して言った。
ムーン 「・・・あっ!ここ、僕がついさっきまでいたところかもしれない!」
フレア 「ついさっきって、あの神殿に来る前ってことか?」
フレアの問いにムーンはうなずく。
ムーン 「はい、こういう岩場を歩いていたらあの神殿に来たんです」
フレア 「んじゃあ、あの穴はこことつながってるのか?俺たちはお前のきた道を戻ってきた・・・」
フレアが上を見ると、空中から水が流れ出していた。
どうやらそこにあの穴があいているらしい。
フレア 「・・・正男たちやブライトの言っていたことはこういうことだったのか?
    ・・・じゃああの穴は一体何なんだ?これも霧のせいか?」

フレアは穴を見上げながら考えた。
ムーン 「あの・・・どうします?このあと・・・」
ムーンがフレアに聞いてきた。
フレア 「そうだな、あの穴を通ればたぶん戻れると思うけど・・・あの水の勢いには逆らえそうにないしなぁ・・・」
そこでフレアはブライトの言っていたことを思い出す。
ブライトも砂漠から別の場所に移動したが、歩いているうちに元の砂漠に戻ってきた。
フレア 「運がよければ戻れるかもしれないな・・・。ちょっと進んでみるか・・・まぁ泳がなきゃならないけどな」
ムーン 「・・・それで大丈夫なんですか?」
ムーンが不安そうに聞く。
フレア 「どっちみちここからは戻れそうにないしな。ならどこかへ進むしかないだろ?」
ムーン 「・・・そうですね。じゃあ行きましょうか」
そこでフレアはふと思った。
フレア 「・・・そういえばなんか忘れてる気がするな・・・」


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