海の神殿の奥に来た正男たちの前に1人の男が現れた。
正男
「・・・あんた誰だ?」
正男たちはその男に注目する。
男は慌てて言った。
???
「あっいや・・・怪しい者じゃないです。」
正男たち
「・・・」
正男たちは疑わしい目で男を見る。
以前にも遺跡でヘイズに遭遇したばかりだからである。
ムーン
「あっ・・・僕はですねムーンと言います。」
ムーンと言う男は自己紹介した。
警戒しながらブライトが言った。
ブライト
「・・・それで?あんたは何だってこんなところにいるんだ?」
その質問に対しムーンは頭をかきながら話し始めた。
ムーン
「えーと・・・ある日僕が家から出たら、周りが一面霧だらけだったんです」
その言葉に正男と浩二が反応する。
正男
「家から出たら霧?・・・俺ん時と一緒だな?」
浩二
「僕の時も同じような感じだね」
ムーンは続けた。
ムーン
「それでですね。外を歩いたら急に地面の感触がなくなって・・・この建物の床に落ちたんです」
今度はブライトが言った。
ブライト
「地面の感触の変化・・・さっきの俺と一緒か。そうなったのはいつなんだ?」
ムーン
「数分前です。この部屋扉が見当たらなくて出られなくて・・・そこにあなたたちが降りてきたんです。」
ムーンは霧のせいで天井に穴があいていることに気がつかなかったのである。
そこでフレアが思いついた。
フレア
「ブライト、ムーンがここに来た時の状況がお前と一緒なら、ヘイズとやらも関係があるんじゃないか?」
ブライトははっとしてムーンに言った。
ブライト
「おい!お前、ヘイズと言う男を知らないか!?ここに来る前に遭わなかったか?」
ムーンは首をかしげる、そして振った。
ムーン
「うーん、知りませんけど?」
その返事にブライトはため息をつく。
そしてフレアが言った。
フレア
「・・・ムーンは正男たちと似た状況みたいだな。気づいたら知らない場所・・・やはりこの霧と何か関係があるのか・・・」
一同は沈黙し、しばらくして浩二が言った。
浩二
「ねぇ、そう言えば『太陽片』は集まったんだし。さっきの大きい部屋に行って霧を晴らした方がいいんじゃない?」
ブライト
「・・・それもそうだな。話は霧を晴らしてからか・・・」
正男たちは天井から再び巨大太陽光石の部屋に戻ろうとした。
正男
「んで?ここも荒らされてることがわかったが・・・次はどうするんだ?」
上にあがりながら正男が下のフレアに言った。
フレアは考える。
フレア
「そうだな・・・この様子だと未確認の他の神殿も同じかもな。
・・・ここはとりあえずもう1つの参道から行ける向こうの大り・・・」
フレアが今後の方針について説明しているときだった。
ゴオオォォッ!!
突然天井に穴があき大量の海水が入り込んできた。
しかもその海水は今正男が上がってきた小部屋の穴を直撃する。
正男
「うぉぉ!!?なっなんだ急にっ!?」
正男の隣にいるブライトが周りを見渡した。
ブライト
「・・・しまった!この霧のせいで神殿の天井が薄くなって水圧に負けたんだ!」
正男
「っ!?おいっ、フレアはともかく浩二は泳げねぇぞ!?」
正男は慌てて水が満ち始めている小部屋に飛び込んだ。
そして目を開ける。すると、
正男
「(・・・!?いねぇ?)」
小部屋には浩二だけでなくフレア、ムーンもいない。
海水に紛れ込んで入ってきた魚しかいなかった。
正男
「ぶはっ!・・・おいっ、3人ともいねぇぞ!?」
ブライト
「なにっ!?」
ブライトは驚く。
そうしている間に海水は正男たちのいる階まで迫ってきた。
ブライト
「仕方ない、正男!水が天井まで来たら水が入ってきたところから出るんだ!
この浸水じゃ参道も水につかってしまうし俺たちは装備も何もないからな!海上に出よう!」
しかし正男は反対する。
正男
「おいっ!?3人はどうするんだよ!?」
ブライト
「姿が見えないなら・・・さっきの俺やお前たちのようにどこか別の場所に行ったのかもしれないだろ!?」
ブライトが早口でしゃべるため正男は状況の理解に苦しんだが、ひとまず神殿を脱出することにした。