霧の発生した草原を進むと正男は誰かとあった。
正男
「えーと・・・あんた誰だ?」
すると男に逆に聞き返された。
???
「あっあんたこそこんなところで何やってるんだ!?家に入ってろ!」
正男
「なんだよ、いきなり。そりゃあんただって一緒だろ?・・・そういや浩二見なかった?俺の双子の弟なんだけど。」
???
「弟?・・・まさか他に誰かこの草原にいるのか?」
その男はさっきのように驚いて聞き返してきた。
正男
「買い物に行ったはずなんだが・・・。あっ、言っとくが買い物に行ったのは霧が出る前だからな。」
???
「・・・」
正男
「ところでなんなんだこの霧?急に出てきたんだが・・・」
正男はとりあえず聞いてみる。
???
「・・・悪いが俺は急いでいるんだ。はやくしないとこの草原が消えてしまう。」
正男
「消える?・・・草原が?」
正男は何言ってんだ、という風に男を見る。
???
「とにかくあんたはさっさと家に帰れ。外にいると家の中より危険だぞ。」
正男
「危険?・・・あ」
正男ははっとして後ろを振り返り、
正男
「あれ?家はどっちだ?」
ここまで歩いてきたが帰ることを考えていなかったことに気づく。
???
「・・・はぁ」
男はため息をついてしばらく考える。そして、
???
「・・・あんたはこれをもってここにいろ。」
正男にオレンジ色の石を手渡した。
正男
「何だこれ・・・まさか宝石!?」
???
「違うわ!」
反射的に男は言い返す。
???
「・・・とりあえずそれを持っていればすぐに消えることもないだろ。手放すなよ。」
正男
「何なんだ、さっきから危険とか消えるとか、教えてくれ。」
正男は少し不愉快になって言う。しかし、
正男
「うぉ!?いつの間に!?」
正男の目の前から男は消えていた。