本文へジャンプ
奥州街道を歩く(26:小峰城) 福島県白河市 2018.11.21




(写真は、小峰城の三重櫓)

ここ「白河」の地は、古代から「白河関」(しらかわのせき)が設置され、奥州の関門としての
要衝でした。

小峰城は、南北朝時代の1340年、結城(ゆうき)氏が、小峰ヶ岡に城をかまえて、「小峰城」と
名づけたのが始まりです。

江戸初期の1627年、棚倉藩主だった丹羽長重が、この地に10万石で着任し、白河藩主と
なりました。

丹羽長重は、幕命により、小峰城の大改築に着手、約4年の歳月を費やして、1632年に大改築
は完成しました。

当時は、天守に代わる「三重櫓」の他に、10余の櫓がありました。

やがて、丹羽氏は、二本松に国替えとなり、その後は、譜代や親藩の7家の城主交代がありました。

幕末の1867年、最後の城主の阿部氏が棚倉へ国替えとなった後、白河は幕領となり、小峰城は
二本松藩の丹羽氏が預かることとなりました。

そして、1868年の戊辰戦争の攻防で、旧幕府軍は惨敗、小峰城は落城して灰燼に帰して
しまいました。





白河宿の見物を終わり、JR白河駅の脇の広場から、東北本線の向こう側に出るための下の
写真の地下道を潜って、「小峰城址」へ向かいます。



もともと、JR白河駅のある辺りは、城郭内だったらしいです。

小峰城は、東日本大震災で石垣が大きく崩壊などの被害を受けた様ですが、私が訪れた
ときには、大部分の修復が終わっていた感じでした。
「三重櫓」が平成3年に、「前御門」が平成6年に、下の写真の様に復元されています。



(三重櫓と前御門)

小峰城の三重櫓は、「一国一城令」以後の築城なので、天守とすることは許されません
でしたが、天守の代用として、奥州関門の名城にふさわしい外観にしたそうです。

戊辰戦争で焼け落ちた三重櫓の復元作業にあたっては、江戸後期に小峰城を修理した際の
絵図を参考にしたそうです。



(城内から見る三重櫓と前御門)



三重櫓の入口の脇に、写真の「おとめ桜の碑」が建っていました。





「おとめ桜」について、案内板には、以下のように書かれていました。

初代藩主の丹羽長重は、幕府の命により、小峰城の大改修を行い、石垣造りの城郭を築き
あげました。

その際、本丸の一角にある石垣が、幾度となく崩れ落ちてしまうことから、人柱を立てることに
なりました!

たまたま、父に会うためにやって来た藩士の和知平左衛門の娘の「おとめ」が、不運にも
捕らえられて人柱となったそうです。

何と!、無茶な!、可哀想〜・・・

小峰城の完成後に、人々は、おとめの悲運を哀れんで、城内に桜を植え「おとめ桜」と呼びました。

三重櫓は、3層3階建てで、本瓦葺きの入母屋形式です。

櫓の中の見学は無料です。



(三重櫓の内部)





(矢や銃を撃つ狭間と石落とし)



櫓からは、市街がよく見下ろせます。



三重櫓を出て、城址を散策します。

















(裏門にあたる本丸桜門の石垣)





(本丸石垣) 



城址には、上の写真の「白河集古苑」があり、結城家の古文書と阿部家の名品を展示
しているそうですが、時間がなくなってしまったのでパスしました。



小峰城址とJR白河駅の境目は、写真の様に白壁の塀です。





「小峰城址」の見学を終え、城址の目の前のJR白河駅からJR東北本線に乗り、新白河駅で
新幹線に乗り換えて、横浜に帰りました。







ps.
ご参考までに、これまでにご紹介した城を下記に書き出してみましたので、城に
興味のある方はクリックしてみてださい。

なお下記の城名で、(100)とある城は「日本100名城」で、(200)とある城は「続日本100名城」
です。

2018/9の吉野ケ里(100)(佐賀県)、2018/12の韮山城(静岡県)(100)、2018/9の熊本城(100)(西南戦争)、2018/9の佐賀城(100)、2018/10の八代城(200)(熊本県)、2018/7の新発田城(新潟県)、2018/3の船岡城(宮城県)
2017/11の白石城(100)(宮城県)、2017/11の二本松城(100)(福島県)2018/8の松代城(100)(長野県)、2018/8の上田城(100)(長野県)、2018/3の仙台城、2018/3の多賀城(100)(宮城県)、2018/3の佐敷城(熊本県)
2018/10の一夜城(小田原市)2018/5の小田原城、2018/5の小田原城・北条五代祭り、、2017/11の大田原城(栃木県)、2017/12の箕輪城(群馬県)、2017/10の喜連川城(栃木県)、2017/10の勝山城 (栃木県)、2017/9の忍城(200)(埼玉県)
2017/8の沼田城(200)(群馬県)、2017/8の名胡桃城(200)(群馬県)2017/8の小机城(200)(横浜市)、2017/4の熊本城(100)(被災後)、2017/4の館山城(千葉県)、2017/1の宇都宮城、2017/1の徳次郎城(栃木県)
2016/12の金山城(100)(群馬県)、2016/11の小山城(栃木県)、2016/11の古河城(茨城県)、2016/9の今治城(100)(愛媛県)、2016/4の彦根城(100)、2016/4の福江城(200)、2016/4の熊本城(100)(被災前)、2015/10の岐阜城(100)
2015/10の犬山城(100)(岐阜県)、2014/7の小倉城(200)、2014/6の福岡城(100)、2015/5の苗木城(200)(岐阜県) 、2014/4の島原城(100)、2012/3の水口城(滋賀県)、2012/02の亀山城、2012/1の桑名城、2011/12の吉田城(200)(愛知県)
2011/11の 浜松城(200)、2011/11の掛川城(100)





27:白河へ

        
00:目次へ戻る