常念岳・蝶ヶ岳(H23.7.16〜7.17)

7/16(土)

槍・穂高の展望台、蝶ヶ岳・常念岳へ登ってきた。

今回は名古屋の山仲間Y君とK君と3人の山行だ。夜明け前の4時15分頃、小生の車で出発、K君宅へ。そして上小田井駅で待ち合わせたY君と合流。5時過ぎに出発した。名二環、名古屋高速、名神道、中央道、長野道と乗り継いで、8時15分頃、蝶ヶ岳・常念岳の登山口である三股駐車場に到着。

70台〜80台の駐車スペースはすでに満車だ。やむを得ず路肩に止めるが路肩もかなり駐車していて駐車場から1キロ程度離れたところだ。3連休の初日ではあるが、ここもまた、人気の山であることを実感。

今回の山行は、車で登山口まで来ているので、同じ登山口に帰ってこなければならない。ここ三股登山口から、まず蝶ヶ岳を目指し、翌日常念岳へ縦走して、また三股登山口に帰ってくるトライアングルの行程とした。

8時45分、登山届を提出して、三股登山口を出発。蝶ヶ岳を目指して登り始めた。樹林帯の中、ただひたすら登りが続く。「まめうち平」に到着したのは、10時40分頃だった。

ここからまた、樹林帯の中を登りが続く。暑いが、ガスがかかっていて、少しは暑さをしのぐことができた。蝶ヶ岳とあって、登山道も多くの蝶が舞っている。蝶にそれほどの興味があるわけではないが、茶色っぽいのがミヤマモンキチョウだろうか。黒っぽいのが、ベニヒカゲだろうか。ビデオやガイドブックで紹介されている。

登り始めて5時間15分、霧が晴れたと思ったら、いきなり槍の穂先が目に飛び込んできた。蝶ヶ岳の頂上に近づいた時、まさにその時、登山道の正面に谷の向こうの槍ヶ岳が、真っ先に目に入ってきた。そして徐々に穂高連峰が現れてくる。感動の瞬間だ。



          蝶ヶ岳から槍ヶ岳                       蝶ヶ岳から穂高連峰


安曇野側の霧が嘘のように、西の穂高側は快晴だ。安曇野側の上昇してきた気流が穂高側から吹く風に押し戻されている。稜線ではっきり分かれているのが確認できる。


それにしても、この見事なまでの大パノラマ。南から前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、そして大キレットの北側に北アルプスのランドマーク槍ヶ岳が聳える。これまでの、登りの辛さもいっぺんに吹き飛んでしまう。これがあるから山に登るんだなあって思う。


蝶ヶ岳山頂で記念撮影し、蝶ヶ岳ヒュッテの受付を済ませて、槍・穂高を眺めながら乾杯。なんと贅沢な。今年は、梅雨も早く開け、3連休とあって山小屋は満室だ。多くの登山客で賑わっていた。近くのテント場も色とりどりのテントが花を咲かせていた。



               押し戻される気流                      穂高連峰モルゲンロート


7/17(日)

4時30分頃、東の空から7月17日の日が昇った。穂高連峰、槍ヶ岳のモルゲンロートが、映し出された。昨日と同じ槍・穂高なのに、2度目の感動だ。


5時15分に蝶ヶ岳ヒュッテを出発した。本日の行程は、常念岳への縦走と三股登山口への下山である。西に槍・穂高の大パノラマ、東に八ヶ岳、その南方向に南アルプス・冨士山、南西方向には乗鞍岳・御嶽山までも見渡せる中を縦走する。贅沢な縦走路だ。

出発して約50分蝶槍に到着(605)。さらに縦走路はアップダウンを繰り返す。途中、「ニッコウキスゲ」や「コバイケイソウ」の群落、「イワカガミ」「シナノキンバイ」などを見つけることができた。この時期花を見るには一番の季節だ。



       ニッコウキスゲ             イワカガミ                シナノキンバイ

 
最低鞍部から、常念岳頂上までは約400mの登りになる。この登りは結構厳しいものがあったが、9時45分頂上到着。蝶ヶ岳ヒュッテを出発して4時間30分の道のりだった。頂上から登ってきた縦走路を振り返り、ピークに立った喜びを噛みしめ、もう一度槍・穂高の大パノラマを目に焼き付けて下山することにした。

10時5分に頂上出発。前常念岳を経由して三股登山口へ下山するが、この登山道は疲れる。大きな岩稜の上を歩く。暑さと縦走で疲れている体を、さらに容赦なく体力を消耗させる。下りがこれほど厳しいものとは想像していなかった。

前常念岳を過ぎても、まだ1時間程度は岩稜の下りが続いた。2200m付近だっただろうか、やっと樹林帯に入ったが、かなり体力を消耗してしまった。さらに、十分な水分補給をしてこなかったので、Y君にスポーツドリンクを分けてもらうはめになってしまった。

何度も休憩しながら、登山口近くの沢に到着した。15時15分頃だっただろうか。沢の音が聞こえてきて1時間程、下山を始めて5時間以上経っていた。沢に入って童心に戻ったように水浴びだ。滑って転んでも気持ち良かった。登山口到着は、15時30分だった。本日は、安曇野の温泉宿に宿泊予定にしていた。3人で打ち上げて、今回の山行を終了した。

今回の山行、何度も言うが槍・穂高の大パノラマを眺めながらの、北アルプスで一番おいしい縦走だった。想像以上の美しさだった。登り下りの苦労はあるが、この苦労が大きいほど、達成感も大きいし、美しい山を見ることができる。

トレーニング不足と準備不足(水の補給)は、反省点だ。今後も美しい山と出会うためには、十分な下調べやトレーニングが必要だと感じた山旅だった。


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