25.10.12〜10.14 仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳 


花崗岩の名峰「甲斐駒ケ岳」と南アルプスの女王とよばれる「仙丈ケ岳」に登ってきた。2つの山の登山口である北沢峠をベースにすれば、2日間で二つの百名山に登ることが可能だ。今回は、3連休を利用して単独で登ってきたが、今年最高の秋晴れの下、期待通りの山行を楽しむことができた。

 
10/12(土) 1日目

本日は、北沢峠までの行程だ。名古屋から比較的アクセスが良い。南アルプスは名古屋からアクセスが悪いと思っていたが、長野県側から入れる山もいくつかある。自宅を車で9時前に出発。3連休とあって、混み合うかと思っていたが、高速道路もスムーズで、伊那インター経由、南アルプス林道バスの発着所である仙流荘まで2時間40分、11時40分に到着した。

南アルプス林道は、マイカー規制されていて、バスと指定された車しか通行できない。300台ほど駐車できる駐車場がある。12時発の臨時が出ていたので、すぐに乗車することができた。

13時前に北沢峠に到着。テント場はバス停から10分ほど歩いた「長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)」にある。100張ほど設営できるテント場は、すでに、ほとんど満杯で、空いた場所をさがして設営した。2つの山の拠点として多くの登山者が来ている。


林道バスから甲斐駒ケ岳


長衛小屋のテント場

10/13(日) 2日目

朝5時起床。食事をとって、6時30分に出発。本日は仙丈ケ岳を目指す。晴天だ。すでに暗いうちから多くの人が出発している。樹林帯の中1時間30分登ると大滝の頭という名の5合目に到着。少しすると森林限界を越え、ハイマツ帯に入って視界が開けた。

小仙丈ケ岳に9時到着。お〜っと言いたくなるような、富士山がきれいにその姿を現わせてくれた。手前に北岳がそびえていて日本の高峰ワンツーのツーショットだ。ここからの眺めは富士山をはじめ、北岳・間ノ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳と眺めがいい。


小仙丈ケ岳から富士山


富士山(1位)と北岳(2位)のツーショット

頂上仙丈ケ岳には10時に到着した。もちろんここからの眺めも最高だ。360度パノラマで、南東側に富士山、北岳を筆頭に南アルプスの山々、北東側に甲斐駒ケ岳、八ヶ岳、西には中央アルプスの山々、その奥に御嶽山が、さらに北アルプスの峰々も遠望できた。


仙丈ケ岳頂上から甲斐駒ケ岳


中央アルプスとその奥に御嶽山

天気はいいが風があるので、体感温度は低い。仙丈小屋まで下りて昼食にすることとした。
下山は馬ノ背ヒュッテ経由の藪沢沿いを下った。

下山中、かなり下った樹林帯の中で、なんと、先週一緒に雨飾山に登った山の会のメンバーHさんに偶然出会った。この連休中に仙丈ケ岳に登るとは聞いていたが、まさか出合うとは。山のあいさつ「こんにちは」を交わした途端、お互いにすぐに気がついた。彼は、3泊4日の予定で、鳳凰三山を登った後、広河原から北沢峠入り。本日は馬ノ背ヒュッテに宿泊とのこと。しばらく立ち話をして、お互いの安全登山を願って別れた。

13時20分にテント場に戻ってきた。
 

小仙丈ケ岳から仙丈ケ岳に続く尾根道


 

紅葉したダケカンバと甲斐駒ケ岳(下山中)


 

10/14(月) 3日目

本日は、甲斐駒ケ岳を目指す。4時30分に起床。といってもほとんど寝ていないが。テントのなかでも気温は5℃だ。この秋一番の寒さとなっている。まだ、暗い。星が輝いている。今日も良い天気になりそうだ。食事を済ませ、身支度をする。

夜明けと同時に5時45分テント場を出発。仙水小屋を6時通過。石のゴロゴロした北沢沿いに詰めていくと、やがて仙水峠に到着する。(6時40分)一休み。甲斐駒ケ岳と摩利支天が白く輝いている。

ここから樹林帯の中をひたすら登るが、2日目ともなるとけっこう脚力も落ちていて、つらい部分もある。歳のせいもあるが、若い人たちに抜かれていく。悔しいが仕方ない。樹林帯からハイマツ帯に変わって視界が開けてくる。

8時10分駒津峰に到着。昨日登った仙丈ケ岳、これから登る甲斐駒ケ岳の展望が素晴らしい。

 
駒津峰から甲斐駒ケ岳

 
六万石

駒津峰から両端の切れた細い尾根道となっている。六万石という大岩を越えると、直登コースとまき道コースに分かれている。迷ったが、おばちゃんたちが直登コースにすすんでいるのに、行かないわけには行かなかった。岩壁を登る直登コースを選択した。

なんと直登コースを選ぶんじゃあなかったと、思った時は後のまつりだ。引き返すことができない。足の届かない箇所、足場をうまくとれない箇所もあって、うでと体を使ってよじ登る。鎖やロープもないので、滑落の危険性は高い。

9時30分、なんとか頂上に到着。頂上からの展望は仙丈ケ岳に勝るとも劣らない。昨日に比べて少し視界が悪く、富士山は姿を見せなかったが、仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、八ヶ岳、360度見渡せる。頂上には不動明王の祠が祀られている。


 
頂上標識

 
頂上の祠

 
頂上から仙丈ケ岳

 
頂上付近の白い砂

風もないので、昼食にした。約30分頂上からの絶景を楽しんで下山した。下山はまき道を選択。とても登ってきた直登コースは下る気にはならない。まき道は白い砂道となっていて、滑りやすい道だ。この山を遠くからみて、雪がかぶさったように見えるのは、この白い砂のためだ。花崗岩の山であることがわかる。

駒津峰まで戻り、下山は双児山経由で下った。北沢峠に12時40分到着。テントを片づけて2時過ぎ仙流荘行きバスに乗りこんで、今回の山旅を終了。8月に北岳・間ノ岳に登り、2回目の南アルプスだった。紅葉はイマイチのところがあったが、充分秋の山を楽しむことができた。

   
      年度別登山口へ  山岳名登山口へ   番外編へ   トップページへ