H25.9.3〜9.4(還暦登山) 富士山 
   
還暦の日、日本で一番高いところでご来光を仰ぐ予定だった。一生に一度しかないこの日を、富士山頂で迎えたいと、数年前からの計画だった。折しも世界遺産に登録されて、ますます人気の富士山。
残念ながら、今回は天候に恵まれず、頂上に立つことはできなかった。

9/3(火) 1日目

今回は、名古屋発のバスツアーを選択した。ツアーは、五合目までそのまま連れて行ってくれるし、山小屋も手配してくれている。一合目から登りたい気持ちはあったし、山小屋も自分でプランするのが楽しいのだが、時間的な制約等もあってツアーにした。

富士登山ツアーは、山登り初めての人も多い。ガイド付きプランとフリープランがあり、もちろんフリープランを選択。山小屋だけ指定されていて、翌日戻ってくるまで自由行動となっている。競合ツアー会社も多く、かなりお値打ちな値段となっている。

7時40分名古屋を出発。9月の平日だというのに40人乗りバスはほぼ満席。途中昼食等の休憩をしながら、富士スバルライン五合目14時過ぎに到着した。


すそ野から見え隠れする富士山



賑わう富士スバルライン五合目


五合目はすでに2300mを越えている。高度に体を慣らさなければならないので、30分程度ストレッチ等で時間を潰した。先月北岳に登った時、高山病の症状が出た(睡眠障害、吐き気、食欲不振)こともあって、気をつけた。

14時30分、ゆっくりと歩き始めた。本日は八合目の山小屋白雲荘までの行程だ。フリープランだから自由に登ればいい。それにしても、すでに閉山(9/2)したというのに、まだ登る人が多い。六合目までは、ほぼフラットになっていて、ちょうどウォーミングアップにいい。


 
登山道入り口


 
標高2305mの標識


七合目までは、側壁が整備された広いジクザグの登山道となっていて歩きやすい。七合目花小屋(2700m)に15時50分到着。ここからは、溶岩の岩肌を登る険しい道となっている。といっても、いままでに登ってきた他の山の厳しい登山道に比較すると、一般的か。

本七合目の鳥居で小休止。登ってきた登山道を振り返る。山中湖、富士吉田の街、本栖湖が眼下に広がっている。上を向くと、森林限界を超えているため、頂上付近までは見られないが、これから登っていく登山道と登山道に点在する山小屋を見上げることができる。


 
 
七合目付近から登山道と富士吉田方面を望む


 
本七合目の鳥居


17時30分八合目白雲荘に到着。標高3200mだ。先月登った2位の山、北岳の頂上3193mを越えている。登り始めて約3時間、本日はかなりペースを落として登ってきたが、明るいうちに山小屋に到着できた。後で聞くとガイド付きの方は、4時間30分くらいかけて登ってきている。山登り初めての人に標準を合わせているようだ。

到着後すぐに、富士山の山小屋定番「カレーライス」をいただき、早めに横になった。


 
 
影富士


 
宿泊した「八合目白雲荘」



9/4(水) 2日目

頂上でご来光を仰ぐには、ここ八合目からは夜中の2時頃出発する必要がある。心配された天候、かなりの強風だ。全国的に不安定な状況ではあったが、ここも例外ではなかった。ガイドさん・添乗員、その他のツアーのガイドさんで協議されたようで、ガイド付きはすべて登頂を断念した。聞けば、八合目で風速15m、頂上付近は風速30mとのこと。吹き飛ばされることもあるし、落石による怪我、滑落もありうる。

フリープランの人もほとんど登頂を断念した。残念ではあるが、小生も還暦の日の頂点を目指したが、八合目からご来光を仰ぎ、日が明けてから下山することにした。山は逃げないのはわかっているが、還暦の日は2度とない。日の出までに天候が回復したら、明るくなってからでも登頂したい気もあったが、風はおさまらなかった。


 
日の出前八合目から雲海


 
明日に架ける橋


5時50分、ガイド付きの人達と一緒に下山を開始した。時折降ってくる小雨と風の中、下山道をひたすら下っていく。せめてもの慰めは、下山途中できれいな虹が見られたということだろうか。曲の名前ではないが、これこそ「明日に架ける橋」に違いない。懲りないでまたおいでと言っているようだ。
8時5分五合目到着、今回の富士登山を終了した。

人生を登山になぞらえると、「登り坂」あり、「下り坂」あり、もうひとつ「まさか」がある。今回の山旅、何度も言ったように還暦登山で、この日を私の人生の頂点とするつもりだった。これからの人生、ゆっくりと下っていけばいいのではと思っていたのだが、「おまえはまだ下っていってはならない。」と、富士さんに言い返された気分だ。

それじゃあ、次は70歳になってから登りますか。それとも毎年高齢(恒例)行事にしますか。

   
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