H25.8.9〜8.11 北岳・間ノ岳

 

日本の高峰第2位北岳(3193m)と第4位間ノ岳(3189m)に、テントを背負って登ってきた。この2つの山は、「花と岩」「優しさと厳しさ」「標高3000mの稜線歩き」と紹介される山であり、憧れていた山だ。今回の目的は、日本の高峰第2位の山から第1位の山、世界遺産に登録された「富士山」を眺めることと、百花繚乱の高山植物に出合うことだ。3日間とも天候に恵まれて、素晴らしい山行となった。



1日目 8/9(金)

名古屋発7時出発の「しなの1号」で出かけた。甲府に10時過ぎ到着。広河原行きバスは11時発だ。意外にもわずか4人の客だけだった。広河原に13時前に到着。この日は、白根御池小屋まで登る計画にしている。13時10分登山届を提出して、広河原を出発。地図の等高線が狭いので、覚悟はしていたが、かなりの急登だ。暑さもあってかなりの体力を消耗する。
 
余談ではあるが、バスの中から一緒だった外人山ガールとほぼ同じペースだった。話をすると、カナダから1年ちょっと前に来日し、今は仙台に住んでいるとのこと。一人で山登りするのが楽しいらしい。今日はテント泊とのこと。蔵王、岩手山に登っている。乾燥パインを進められたのでいただいた。

約1時間40分ほどの急登を終えると、30分程度はほぼ平坦な道となって、やがて白根御池小屋が見えてきた。15時15分に到着。テント泊の受付を済ませ、空いている場所を見つけてテントを張る。小屋泊まりも1枚の布団に2人らしい。今回、小屋泊まりにするかテント泊にするか迷ったが、ザックが重くてもゆったり寝られる方を選んだ。

ここの小屋は近くの沢から取水していて、水は自由に使用できるのがうれしい。南アルプスの自然水だ。
かんたんなインスタント食品で夕食を済ませて就寝。



吊り橋を渡って登山口へ


白根御池小屋

 

本日の夕食


白根御池小屋から北岳

 

2日目 8/10(土)

山の朝は早い。まだ暗い4時頃から周りは動き出した。せっかくテント泊でゆっくり・ゆったり寝るつもりだったが、寝つきが悪く、遅くまで目が覚めていたので、完全な寝不足となった。

朝食を済ませ、6時10分に白根御池小屋を出発。ここから北岳へはいくつかのルートがあるが、本日は北岳を横に見て、八本歯のコル経由で間ノ岳を目指した。

広河原から大樺沢沿いに登ってくる道と合流する二俣から、さらに八本歯のコル方面と右俣コースの北岳方面に分岐している。ほとんどの人が、北岳方面へ登って行き、八本歯方面は2割程度か。北岳情報のHPで「雪渓上を歩くので自信のない方は避けてください。」と注意があったが、ほとんど雪渓横の山側を登っていて、2か所雪渓を横切る程度で、準備していたアイゼンは必要なかった。

このルートは、有名な「北岳バットレス」を横に見られるので、こちらを選択したが、なんとも壮大な岩壁だ。しかし、樹林のない登山道でとにかく暑いし、15kgのザックを背負っているしで、体力を消耗した。八本歯のコルへの最後は丸木でつくられた梯子が連続する。


左俣コースの雪渓


北岳バットレス

 

八本歯のコルへは、10時10分に到着した。北岳へは登らないで、北岳山荘を目指しているのであるが、トラバース道までは、ここ八本歯のコルから北岳頂上方面へまだ登りが続く。ここのトラバース道、高山植物を多く見ることができる。かなり疲れていたので、ゆっくり花の写真を撮りながら北岳山荘に向かった。

北岳山荘10時40分到着。本日の受付を済ませて、まずはテントを張った。この後間ノ岳を往復する予定のため、とにかく休んで体力を回復させなければならない。1時間30分程度休憩して、サブザックで「間ノ岳」に向かった。

 
連続するはしご

 
八本歯のコルから間ノ岳


3000mの稜線歩きだ。あいにく東の富士山方面はガスが出て、富士山は眺めることができなかったが、西の方向「仙丈ヶ岳」「中央アルプス」を眺めながらの稜線歩きだ。

間ノ岳頂上に13時45分到着。北岳山荘から1時間30分だった。しばらく、頂上からの展望を楽しんだ。南へ続く南アルプスの山々、南アルプスは、初めてなので山の形だけでは、名前がわからないが、農鳥岳、西農鳥岳、塩見岳(?)が眺められた。
北岳山荘に戻ってきたのは15時過ぎだった。

 
間ノ岳山頂

 
3000mの稜線

 


3日目 8/11(日)

昨日よりもさらに朝が早かった。テント場近くの団体さん、2時30分頃から食事の準備が始まった。朝と言うよりまだ深夜だ。今日はどこまで行くのだろう。テントの中でうとうとしていたが、4時ごろ起床して朝食にした。

本日も晴天なり。見上げれば満点の星。視力の悪い私にも「天ノ川」をはっきりと見ることができる。そして、東の方向、だんだんと明るくなるにつれて、優美な富士山が姿を現してきた。これを見に来たのだ、と。

本日は、北岳登頂後、広河原まで下山して、帰宅する予定だ。5時30分北岳山荘を出発。約1時間10分で頂上に到着した。(6:40) 日本第2位の高峰から日本一の富士山を眺めるという目的を達成。富士山はどこから見ても美しいが、雲海に浮かぶ、ちょっと霞んだ富士山もなかなか良いもんだ。

近くに「仙丈ヶ岳」「甲斐駒ヶ岳」はもちろん、北側に「八ヶ岳」、東に丹沢の山々が見渡せる。頂上はかなりの人で混雑していた。



北岳山頂


2位から1位の山を望む



頂上を7時前に出発。下山することにした。下山ルートは草すべり、白根御池小屋経由としていた。大樺沢沿いのルートもあるが、この暑い中、樹林帯の方がいいだろうと判断、予定のとおりとした。

北岳肩の小屋7時20分通過。白根御池小屋9時到着。だんだんと下るペースも落ちてきた。広河原に到着したのは11時35分だった。頂上から4時間40分要してしまった。

甲府行きバス12時45分発。甲府駅へ着いた時は、日中一番の暑い時間帯で、40.6℃(当日のニュース)。早朝の北岳付近は10℃程度だったので、その差30℃だ。疲れるはずだ。
 
北岳肩の小屋から北岳を振り返る

 
広河原のバス待ち

 
今回の山旅、好天に恵まれたこと、目的も達成できたことで満足しているが、この季節暑さ対策も十分にしておかなければならないことを身をもって感じた。


     
北岳で出合った花
左から ミヤマシシウド、シナノキンバイ、キタダケトリカブト、ハクサンイチゲ、タカネナデシコ


   
    年度別登山口へ  山岳名登山口へ   番外編へ   トップページへ