H24.9.15〜9.17 北穂高岳

 
2年前から温めていた計画の「北穂高岳」にK君と登ってきた。何回か涸沢に来ていて、気になっていた山だ。奥穂高岳に登って、北穂高岳を望むと今度はあっちからこっちを見てみたいとか思ってしまう。それも私にとって「山への想い」かも知れない。
 
H24.9.15(1日目)

5時前、拙宅まで迎えに来てくれたK君の車で一路あかんだな駐車場へ。駐車場へは3時間弱で到着。ここからマイカー規制されている上高地までバスで約30分。

上高地をちょうど9時に出発、歩き始めた。明神で穂高神社奥宮に参拝。安全登山と天候をお祈りする。明神岳もきれいに姿を現わせてくれて、仰ぎ見ることができた。徳沢で昼食をとり、横尾へ12時に到着。ここまでは、ゆっくり歩いても約3時間だ。横尾は、穂高方面、槍ヶ岳方面への分岐となる要所で多くの人でにぎわっている。

横尾を12時10分に出発。屏風岩が歓迎してくれた。(と勝手に思っているだけ) 本谷橋へは約50分で到着。ここまでは、ほとんど平坦な道で、これから涸沢までの登りに備えていっぷくだ。河原の冷たい水で、顔を洗って体を休める。


明神橋から明神岳


屏風岩

本谷橋を13時10分に出発。涸沢にはちょうど15時に到着した。3連休とあって人は多い。テント泊の人も多く、色とりどりのテントの花が咲いていた。山小屋のほうも多分、本日は超満員と思われる。

テント泊の受付を済ませて、テントの設営だ。涸沢は広いのでテント場も広いのだが、石が多く、ゴロゴロした石の上にテントを張ることになるし、あまりにも多いので、夜テントを離れると、自分のテントを探すのに苦労する。

持ってきたインスタントもので食事をとって早めに就寝した。


涸沢に咲く テントの花

   
 H24.9.16(2日目)

3時ころ目を覚ました。周りも3時過ぎから準備にかかっている人も多い。テントの外に出て空を見上げてみた。満天の星だ。視力の良くない小生にも数多くの星の輝きを見ることができる。今日は天気もよさそうだ。4時前、ヘッドランプをつけて登り始めている人もけっこういた。北穂高岳方面、奥穂高岳方面どちらも中腹あたり、ヘッドランプの光が揺れていた。

朝食の準備をしていると、奥穂高岳・北穂高岳が、真っ赤に染まってきた。白い涸沢の雪渓も赤く染まった。素晴らしいモルゲンロートだ。穂高に囲まれたここだけの絶景だろう。
 

 赤く染まる奥穂高岳



涸沢から仰ぎ見る北穂高岳


 
テントはそのままで、サブザックで6時過ぎに登り始めた。穂高の山はどこもそうであるが、岩のゴロゴロした登山道だ。奥穂高岳への道ザイテングラートを横に見ながら高度を上げていくと、やがて南稜の取りつきにさしかかる。鎖場と梯子を登っていく。高度感はそれほどでもないが、ここは落石に注意しなければならないようだ。

やがて、南稜の稜線に出て、しばらくなだらかになるが、頂上が近くに見えてくると再び鎖場がある。奥穂高岳方面と高度を比較しながら登っていく。奥穂高岳山荘のあるコルと同じ程度の標高となると、頂上はすぐそこだ。テント場を越え、奥穂高岳方面への縦走路との分岐を過ぎ、15分程度で、頂上に到着した。(8時40分) 涸沢小屋から約2時間40分だった。


これまでずっと隠れていた「槍ヶ岳」が頂上に着いたと同時に目の前に現れた。「槍だ!!」と思わずつぶやく。南から登ってきたのだから、北穂高岳の北に位置する「槍ヶ岳」は、ここまで登らないと望めないのは当然だけど、目に入った時の感動は、言葉では言い表せない。

天気がいいので360度見渡すことができた。奥穂高岳とジャンダルム、笠ヶ岳など、近くの北アルプスの山々。遠くは、八ヶ岳連峰、南アルプス、その奥に日本一の高さを誇る富士山。西には「白山」まで見渡せた。

大キレットも間近に見えていて、縦走している人の姿まで確認できた。

K君の知り合いのお勧めもあって、北穂高小屋の挽きたてコーヒーを雲上のテラスでいただき、しばらく絶景を楽しんだ。


 
北穂高岳頂上から槍ヶ岳



滝谷

 
 
北穂高岳頂上から奥穂高岳&ジャンダルム



北穂高岳頂上から笠ヶ岳


   

大キレット


 

雲上のテラスから富士山を望む



なごり惜しいが、9時30分下山することにした。当初の予定では、涸沢に連泊することとしていたが、時間的に余裕もあるし、どうもゴツゴツ石では快適に眠れないこともあって、横尾のテント場まで下ることにした。

テントをたたんで、13時過ぎ涸沢を出発。横尾に15時45分到着。再度テントを張って、本日の絶景を語りながら、食事を済ませ、早めに就寝。



H24.9.17(3日目)

5時起床。本日は上高地まで3時間程度歩いて帰るだけだ。

朝食を準備しているとき、どうも聞き覚えのある人の声が聞こえてくる。10年以上前、小生がまだ山登りをしていない頃なのに、よく通った飲み処のおやじさんとお母さんだ。東京京橋にある、その名も「ジャンダルム」というお店で、まさにテーブルや椅子まで山小屋そのものの、気取らないお店だ。横尾のテント場では、タイミングを逸したが、明神でまた出合ったので声をかけた。良く覚えていただいていた。御歳を召されたが、頑張っていらっしゃる。わけありで、毎年涸沢まで来ているとのこと。上京の際には、立ち寄ることを約して別れた。

横尾のテント場を6時30分に出発。9時前に上高地に到着。「ひらゆの森」の日帰り入浴で汗を流して、今回の山旅を終了した。


 
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