H24.8.31~9.2 鹿島槍ヶ岳

 
秀麗な双耳峰で有名な鹿島槍ヶ岳に登ってきた。1か月前、「剱岳」の頂上から望み、昨年「五竜岳」からも望んでいて、今度はここに登ってみたいと思っていたところ、山の会のリーダーSさんからのお誘いで即決。今回は、テント泊で2人での山行となった。
 
H24.8.31(1日目)

名古屋7:00発のしなの1号で出発。松本経由信濃大町駅に10:06に到着。東京のSさんは、新宿発あずさ号で信濃大町まで乗り換えなしで、11:01に到着する。自炊のための水(2ℓ)などの準備をしてSさんを待った。合流して、鹿島槍ヶ岳の登山口である柏原新道登山口(標高1350m)までタクシーで行く。準備を整えて11時45分に登り始めた。

柏原新道は、登りやすい登山道と案内されているとおりで、道はよく整備されていて歩きやすい。今回は、テント泊ということで、小生はテントや水をザックに詰めており、Sさんも2人分の食料を持っていただいている。ザックの重さは14~15kgはあるので、ペースを落としてゆっくり登った。登り始めは急坂であるが、やがて緩やかになって、種池山荘が見えてくる。

標高1900mあたりからガスの中に入り、視界も悪くなった。種池山荘に到着したのはちょうど16時。登山口から休憩を含んで4時間15分だった。

柏原新道登山口(扇沢出合い)


もうすぐ種池山荘

テント泊の受付を済ませて、テントの設営だ。実はここのテント場、8月中旬にクマが出没し、人の被害はなかったが、テントやザックの被害があったとのこと。2週間ほど使用禁止されていたが、さわぎを起こしたクマが捕獲されたため再開された。

さて、テント泊、山を始めて今回初めてなのである。学生時代(サイクリング部)では、数週間ものテント泊を経験しているが、久しぶりのテント泊で期待していた。シーズン中の山小屋は、多くの登山者で肩を寄せ合って寝ることも多く、それならばテントのほうがゆったり寝られるし、そもそも宿泊代の節約にもなるということで購入した。それにもまして、テント泊は、より自然と一体となれることが楽しい。

本日の夕食は、Sさんの持参された飯盒での「牛炊き込みご飯(今半)」だ。飯盒の「めし」も学生時代からやっていなくて久しぶりだ。ストーブ(ガス)でじっくり焚いておいしく頂いた。きゅうりと玉ねぎを切ってサラダもたっぷり。山小屋では味わえない、本当の山の食事だと思う。

夜中、時折小雨の音や風のざわつく音がしていたが、まったく問題なし。クマの声もしなかったし、テント泊初夜は無事に過ごせた。

種池山荘テント場(テント泊デビュー)

H24.9.1(土)2日目

まだ、夜が明けない4時30分頃から行動を開始した。当然朝食も準備をしなければならない。献立はラーメンである。昨日の炊き込みご飯の残りも合わせて、おいしくいただいた。

本日は予定では、鹿島槍ヶ岳の頂上を目指し、冷池山荘テント場まで戻ってくることとしていたが、ここ種池山荘のテント場の方が便利そうだし、十分戻ってこられそうなので、荷物をデポして往復することとした。 

6時20分過ぎガスの中を出発。種池から爺ヶ岳へは、標高差220m程度だ。爺ヶ岳頂上を経由しないで、トラバース道を選択。冷池山荘へは7時50分過ぎに到着した。(種池から1時間30分)

一息入れて、頂上への登りにかかる。ほとんどガスの中を登るが、時折ガスが薄くなって、頂上付近が見え隠れする。

登山道から見え隠れする鹿島槍ヶ岳頂上


鹿島槍ヶ岳頂上


ガスの中の頂上

布引山を経由して、ちょうど10時に鹿島槍ヶ岳南峰に到着。本日頂上からの視界はなく、1か月前に登った剱岳を今度はこちらから望みたかったのであるが、残念。20分程度、雲が切れるのを待ったが、剱岳は姿を見せてくれなかった。この状況では、北峰に行っても展望は期待できないだろうし、北峰もあきらめて10時25分下山することにした。

30分程下山した時だ。西方面の雲が切れて、剱岳が現れた。腰を下ろしてしばらくその雄姿を眺めた。感激の一瞬だ。Sさんに「三の窓雪渓」「小窓雪渓」等を教えていただいて、地図で確認した。雲の流れは速く、剱岳や立山連峰が見え隠れする。しかし今回の目的は、一応達成することができた。

 
やっと見せてくれた剱岳


迫力のある剱岳

爺ヶ岳まで下山した時、雷鳥のつがいを見つけた。ズームの写真はピントがあっていなかったので、小さく写ったものしか載せられないが、動物の写真は撮影が難しい。登りの時、「おこじょ」もいたが、カメラを準備する前に、ハイマツの中に姿をくらませた。
下山道で見つけた雷鳥のつがい

爺ヶ岳南峰を登ろうとした時、雨がポツリポツリしてきた。天気が良ければ双耳峰を眺める絶好のポイントであろうが、視界もきかないので、種池山荘に向かうことにした。種池山荘に戻ってきたのは14時20分だった。

昨日と同じ場所にテントを張って、ゆっくりと夕食の準備を始めた。持ってきたレトルトのホルモンを酒のつまみにして、Sさんと、今まで行った山、これから行きたい山などの山行談義で過ごし、夕食を済ませて、早めに就寝した。


H24.9.2(日)3日目

本日は、ここ種池から登山口までの下山である。やや水を含んだテントをたたんで6時に出発。小屋からタクシーの予約ができるので、8時45分の到着予定で予約を入れる。朝早くから登ってくる人も多かった。扇沢のターミナルが見えてくるとまもなくだ。順調に下山して、8時20分に登山口に到着した。早めに来ていたタクシーに乗って「大町温泉郷薬師の湯」に直行。今回の山行を締めくくった。

今回の山行は、前述のとおり、鹿島槍ヶ岳から剱岳を眺めることとテント泊を楽しむことだった。天候は決して良くはなかったが、ほとんど濡れるほどの雨にはならなかったし、テント泊で自然との一体感を経験できたことをうれしく思っている。山の会のリーダーSさんのご指導もいただき、これまでの山行とは一味違った山旅だった。


 
鹿島槍ケ岳で出合った花


トリカブト                      チングルマの綿毛                    黒ユリ(?)


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