H29.5.14~5.17 屋久島宮之浦岳

3月末で41年間の会社勤務を卒業した。自分へのご褒美という理由を付けて、九州で一番高い屋久島宮之浦岳に登ってきた。天候は5月の連休後、梅雨までの間が一番安定しているため、この時期を選んだ。さすがに降雨量全国でも1・2を争う地域、下山時に降られたが、縄文杉をはじめとして多くの並はずれた杉を目の当たりにし、4日間の屋久島を楽しんできた。


H29.5.14(日) 1日目

本日は、屋久島安房地区にある民宿を予約している。セントレアを午後からの便で鹿児島へ。鹿児島からはさらに飛行機で屋久島に入る。鹿児島港からジェット船やフェリーもあるが、値段的には変わらない。飛行機を選択する。久しぶりにプロペラ機に乗った。

16時50分屋久島空港到着。空港からは宮之浦岳を見上げることができた。17時30分頃民宿に到着。明日からの入山に備えた。


鹿児島経由屋久島へ

 
 
空港を出ると宮之浦岳がそびえる

H29.5.15(月) 2日目

朝5時に民宿を出発。屋久杉自然館からの登山バスに乗るためには、そこまでの路線バスが民宿近くのバス停5時19分発だ。屋久杉自然館で5時40分発の登山バスに乗り換える。平日だというのにバスは満員だ。増発していた。車できている人もここで登山バスに乗らなければならない。

約35分で荒川登山口に到着。宿で作っていただいた朝食を取り、6時30分歩き始めた。縄文杉までの人がほとんどではあるが、登山道は人であふれている。

 
荒川登山口から入る

 
縄文杉まで人であふれている

最初の6kmほどは、トロッコ列車の軌道を歩く。その昔杉の木を運び出すために使用されていたトロッコ列車だが、今でもトイレの処理に使われているそうだ。手が付けられていない自然の中、新緑がきれいだ。

 
 
トロッコ列車の軌道を歩く

 
屋久島は水が豊富

 
三代杉

 
本格的な登山道に入る

大きな杉が現れ始めた。大株歩道入口から本格的な登山道が始まる。ここから25分ほどで人気のスポットウイルソン株に到着する。樹齢推定3000年の切り株で、空洞になった株の中に入ることができる。そして下から見上げるとハート型に見える。な~るほど、と言いながら写真を撮る。

 
ウイルソン株にて

 
ウイルソン株の中から上を見上げると♡に

ウイルソン株を出て、大王杉、夫婦杉を経て約1時間30分で、縄文杉に到着。胸高周囲16.4m、推定樹齢7200年だそうだ。まさに縄文時代から生き続けた杉の木だ。雨が多いことにもよるようだが、驚くほどの生命力だ。いままで見てきたどこのパワースポットよりもパワーをもらった気がした。

 
縄文杉

 
風格がある

ほとんどの人は、この縄文杉を見てUターンする。ここまでのコースタイムは約5時間、Uターンする人は往復9時間以上の行程となる。本日の私の行程よりも長いことになる。登山バスが朝早いのはそのためのようだ。

縄文杉から宮之浦岳方面は、ばったり人が消えて静かな山歩きとなる。10分ほどで「高塚小屋」に到着。昼食にした。ここから約1時間本日の宿、「新高塚小屋」に到着。13時前だった。屋久島の山小屋はすべて避難小屋で営業小屋はない。もちろんシュラフと食料は持参する。

13時前に到着したときは、他にご夫婦の1組と私だけだったが、その後60~70人となり、部屋の中(定員60人)に入り切れず、テント泊の人も出てきた。明るいうちに夕食にして、早めの就寝。

 
新高塚小屋(避難小屋)

 
H29.5.16(火) 3日目

本日は、いよいよ九州最高峰の「宮之浦岳」に登る。沖縄・奄美地方は梅雨に入ったとの報道。その影響を受けてか、曇り空だ。6時10分山小屋出発。第1展望台、第2展望台、平石展望台を経て出発して約2時間30分、8時35分宮之浦岳頂上に到着。

 
宮之浦岳めざして出発

 
第2展望台から

頂上からは横に長い種子島が見下ろせる。2年前噴火した口永良部島が見える。屋久島は円形の島であり、360度の展望は海なのだ。開聞岳、桜島もかすかに確認できた。

 
宮之浦岳頂上

 
頂上から種子島

 
頂上から口永良部島

 
あせびが咲き誇っていた

頂上で30分ほど楽しんでいると、心配していた雨が降り出した。やはり屋久島だ。でも頂上まで持ってくれたのはありがたかった。雨具を着ての下山となったが、本日は淀川小屋の避難小屋泊を予定しているので、ゆっくりと下山していった。下山の途中「花之江河」と呼ばれる湿地帯がある。宮之浦岳を振り返る。ここからは3つの登山道に分岐している。(登るときは3つの登山道が合流している)

本日も避難小屋に13時に到着した。お湯を沸かして「おやつ」の時間にした。時間をつぶすのに苦労したが、やがて登山者が到着して山談義しているうちに、夕方になったので、今日も早めの夕食として、早めの就寝。日常では考えられない生活をしている。

 
花之江河

 
淀川小屋(避難小屋)

H29.5.17(水) 4日目

午前2時30分頃から起きて、ゴソゴソしている人がいる。ご来光を拝むために早出の人だ。それからほとんど寝られなかった。4時30分頃起きて朝食にした。ゆっくりしても良かったが6時には全員出発してしまった。6時10分出発。

約30分で淀川登山口に到着。ここから20分ほど歩いたところの紀元杉からバスがあるが、10時40分発までない。4時間ある。紀元杉を越えてヤクスギランドまで歩く予定にしている。

 
淀川登山口

 
紀元杉

登山口からヤクスギランドまでは車道を歩く。歩いているとヤクサル、ヤクシカが迎えてくれる。まったく人を恐れない。何もしないのをよく知っているようだ。

 
ヤクサルが

 
ヤクシカが

ヤクスギランドに入ってみた。30分コース、50分コース、80分コース、150分コースとある。当初50分コースのつもりで入ったが、80分コースまで入っていった。それでも時間が余って11時発のバスを待った。

安房の街まで帰ってきて昼食にした。久しぶりのビールと食堂の食事をいただいた。安房の港をぶらぶらして0mまで下りてみた。屋久島の最高峰1963mと0mにタッチしたことになる。別に何の意味はないが、子供みたいなことをしたがる性格なのだ。

 
ヤクスギランド仏陀杉

 
0mまで下りてみた

屋久島空港で2時間待ち、鹿児島空港で3時間待ち、日が暮れない、時間がつぶれない、酔いつぶれて23時無事自宅に到着。4日間の屋久島宮之浦岳を終えた。

一言ではいい尽くされない。やはり行ってみないと、その良さはわからない。歩いて、見て、感じて。すばらしい島だった。

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