涸沢(H19.9.14〜9.16)

H19.9.14(金)

「山は順追って登るもの」K君から学んだことだ。初心者がいきなり奥穂高岳の頂上を目指すのは無謀だ。とりあえず涸沢まで行ってみようと声をかけてもらった。何も知らない小生にとって、涸沢まで行くことさえ心が躍った。その日は上高地の明神までの日程だ。

電車とバスを利用して、松本経由で上高地へ入った。大正池でバスを下り、大正池ホテルで昼食を済ませた。大正池から河童橋を経由して、右岸を明神に向かった。いつ来てもここは、観光客でにぎわっている。

明神へ着くと、まずは明神池にある穂高神社で安全登山を祈願した。ここには、うまい岩魚がいただける嘉門次小屋がある。養殖の岩魚ではあるが実にうまい。穂高連峰から流れてきた雪解けのきれいな水に育てられた岩魚だ。この日は、明神館に泊まった。

 

H19.9.15(土)

朝起きると、窓から明神岳が赤く染まっていた。「朝日に染まった明神岳」だ。今日もいい天気に恵まれた。さあ、行くぞ。明神館を7:30に出発した。すでに上高地方面から来た人たちが休憩している。夜行バスで来た人や、上高地河童橋付近に泊まった人達だろう。山登りの人達は朝が早い。


          明神池                            モルゲンロート明神岳

歩き始めて約45分徳沢へ到着。そしてさらに45分程度で横尾到着。(9:15) しばらく休憩後、横尾大橋を渡ると、本流から分かれ山道となるが、まだそれほどの登りではない。50分程度歩くと本谷橋に到着する。(10:30)

橋のたもとで、清流を横ににして休憩だ。水は冷たく、暑さを凌ぐことができて快い。約15分程度休憩して涸沢を目指した。ここからは、本当の山登りというか、急坂となっている。ここまでのほとんど平地と違って本格的な登りとなっている。途中何回か休憩をしながら登る。本日の目的地である「涸沢ヒュッテ」が見え隠れするが、なかなか辿りつかない。「涸沢ヒュッテ」に到着したのは13時前だった。

明神から約5時間半、いい汗をかいた。汗ででた水分を取り戻すべくK君と「涸沢ヒュッテ」のビールで乾杯。穂高連峰を仰ぎ見ながらのビールは特別だ。正面に奥穂高(西側)、右に(北西側)北穂高、左に(南側)に前穂高を仰ぐ。上高地から見た穂高で驚く人は、涸沢では腰を抜かすというけど、本当だと思える。


          涸沢から穂高連峰                    涸沢カールから東方面

13時前に到着したことで、夜までの時間が長い。少し部屋で眠った。いつの間にか、多くの人が登ってきていた。まだ、紅葉には早いのであるが、3連休とあって「ヒュッテ」も満杯だ。隣の人と触れ合うぐらい詰めて寝た。

初めて「山小屋」なるものを体験したのであるが、夜あまり眠れなかった。携帯ラジオを持参していたので、プロ野球と深夜放送を聞いて時間が過ぎるのを待った。

 

H19.9.16(日)

朝暗いうちから外に出てみた。9月ではあるがさすがに2000mを超えると寒い。満天の星が輝く。

本日は下山のみのためゆっくりできる。朝730涸沢ヒュッテを出発した。このまま下山するのも、もったいないということで、少し涸沢カールを登ってみた。涸沢ヒュッテを見下ろすところまで約30分登った。

穂高連峰は、ガスで見え隠れしていた。再び涸沢ヒュッテに戻り下山した。登ってきた登山道を、本谷橋、横尾、徳沢、明神と辿り、上高地に到着したのは、1230分頃だった。

今回初めて北アルプスに登った。頂上までは行けなかったが、これから、ここには、たぶん何回も来るであろうと思いながら、上高地を後にした。山に対する魅力を増したのは確かであるが、何だろうか、ある種の畏敬を感じた山旅だった。

 

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