立山(H20.10.11〜10.13)

一度3000m峰に行ってみたかったので、単独で立山に登ってきた。アルペンルートでも有名な黒部ダムも行ってみたかったし、紅葉も求めて、あれもこれもの欲張りな山登りだ。

 

1日目(H20.10.11)

名古屋を特急しらさぎ1号で出発し、富山まで。富山からは、富山地方鉄道で立山駅へ。そしてケーブルカーで美女平、美女平からは高原バスに乗り換える。ここも自然保護のためマイカー規制していて、高原バスしか通らない。

高原バスからは、あいにくガスのため視界はあまり良くなかったが、弥陀ヶ原付近のダケカンバの黄色、ナナカマドの赤が目に入ってきた。

本日の宿泊は、日本最古の山小屋「立山室堂山荘」だ。明日登る立山連峰がガスで見え隠れしていた。「立山室堂山荘」は、風呂あり暖房ありで快適な山荘だ。室堂は、電気もきている。単独登山者3名と同室になった。


           室堂から立山                      保存されている旧室堂山荘

 

2日目(H20.10.12

朝食を済ませ、640分に立山室堂山荘を出発した。10月ともなると、さすがに3000m級の山は冷え込む。最近都会生活で忘れていた霜柱の上を歩く。幼少のころが甦ってくる。

40分程度で一ノ越まで来た。同室の単独者もほぼ同時だった。一ノ越からは、槍ヶ岳、穂高連峰、そしてその奥に富士山まで眺められた。富山県から富士山が眺められるんだと驚きと感激。槍穂をバックに、ご夫婦で来られた方にシャッターを押してもらった。

一ノ越からは、ザレた急坂であるが、約40分程度で雄山頂上(3003m)に到着。頂上の雄山神社は、日本で最高峰の神主さんのいる神社である。頂上に立ち入るには、参拝料が必要であるが、それは9月末までで、すでに閉鎖されて、頂上への立ち入りもフリーだった。頂上のお社に手を合わせた。


           雄山頂上                          大汝山頂上

本日も室堂に泊まる予定であり、立山を縦走するつもりで来ている。雄山から大汝山(立山連峰の最高峰3015m)、富士の折立、真砂岳、別山と縦走だ。3000m級の縦走は初めてであり、実に爽快だ。左に室堂を見下ろし、右に緑の黒部湖を見下ろす。

一人だから自由気ままに休憩もできる。タバコを吸って、黒部湖を眺め、振り返って室堂平を眺める。来てよかったっと、至福のひとときである。雄山までは、この時期でも人は多かったが、別山方面へ縦走する人は意外と少なかった。

別山までやってきた。(1045分)目の前に剱岳が迫ってきた。剱岳も初めて見る山だ。迫力のある山だ。新田次郎の「剱岳<点の記>」を思い出しながら、しばらく眺めた。映画化され、ロケも行われているようだ。別山北峰に行ってみた。今度は鹿島槍ヶ岳が大きく迫り、北へ五竜岳、そしてこの夏登った白馬岳と続いているのがわかる。


          真砂岳付近からの黒部湖                   別山から見た剱岳

11時すぎ、別山を後にして別山乗越方面へ下る。剱御前小舎へは1130分頃到着した。立山室堂山荘で作っていただいた弁当を食べ、しばし休憩した。

ちょっと早すぎるくらい順調に来ている。1215分頃別山乗越を出発。雷鳥坂を下る。雷鳥沢のキャンプ場に着いたのは13時30分ころだった。30分程度草むらに腰を下ろして、歩いてきた縦走路を振り返った。本日の宿泊雷鳥沢ヒュッテに14時頃入った。

 

3日目(H20.10.13

730分頃出発した。本日は、登山者でなくて観光客だ。ただ、山小屋雷鳥沢ヒュッテから室堂のターミナルまでは100m以上の登りだ。硫黄の臭いがきつい噴煙が上がる地獄谷を通った。その昔まさに地獄に見立てられた場所である。

みくりが池までの登りの階段はけっこうきついものがある。山道よりも階段って、かえって疲れるし、登りにくい。何回か休憩しながら数百段の階段を登った。みくりが池を横に見ながら室堂ターミナルへ。


            地獄谷                            黒部ダム

室堂ターミナルからは、アルペンルートを黒部ダム方面へトロリーバスで行った。黒部ダムの大きさに感激し、室堂からとは反対からの立山連峰を仰いだ。そして、扇沢、信濃大町経由名古屋に帰ってきた。

今回の山行は、単独山行で自由気ままに、自分のペースで歩いてみたいという気持ちが涌いてきて計画を立てたものだ。単独山行は逆に綿密な計画を立てることができた。事前準備のため、かなり詳細な調査を行った。ガイド本、インターネット等利用して数々の情報を集めた。

単独山行は、もしものことがあった時危険だからやめなさいと言われることがあるが、自分の身を守るためには、自分しかないと考えると慎重になる。たまにはいいのではないか。若い女性の単独もいた。年老いた女性の単独もいた。皆山に魅せられてやってきているのだ。ひとり歩きの楽しさを知った山旅だった。

 

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