六甲全山縦走(H23.12.23〜12.24)

今年の締めくくりに「六甲全山縦走」を選んだ。山好きの人はよく知っている「加藤文太郎」の愛した、そして自らを奮い立たせた(と思う)コースだ。

「彼は二十歳の時、6時に和田岬の寮を出て塩谷から山に入り、横尾山、高取山、菊水山、再度山、六甲山、石の宝殿、大平山、岩原山、岩倉山、宝塚とおよそ50qの縦走路を踏破し、その夜の11時に和田岬まで歩いて帰った。およそ100qを17時間かけて歩き通したのだ。」(新田次郎「孤高の人」より)

以前から、その加藤文太郎の足跡を辿ってみようと考えていた。

12/23(金)1日目

新幹線6時20分発の始発電車で出かけた。新大阪経由で塩屋駅に8時過ぎに到着。年3回行われている「六甲全山縦走大会」は、集合場所の関係だと思うが、須磨浦公園が起点となっているが、本来、ここ塩屋が西の起点となっている。

塩屋駅を8時15分にスタート。まず、目指すは旗振山だ。今年一番の寒波で日本海側は大雪となっているようであるが、ここは寒いながらも天気も良く、登るに従って汗も出てくる。ウォーミングアップのつもりで、ゆっくりと登り始めた。住宅地の中、登山口までの道をやや迷ったが、9時に旗振山の頂上に到着。旗振山からは西に明石大橋、淡路島、四国までも望めた。


         六甲全山縦走西の起点                      旗振山から明石大橋


5分程度の休憩にとどめて、次の鉄拐山に向かった。鉄拐山までは歩きやすい道で、10分程度で到着。(9時15分)巻道があってほとんどここには立ち寄らないようだ。近くの人だろうか、ほとんど手ぶらで登ってきている人が多い。毎日登山の発祥の地だけあると感じる。

ここから、一旦高倉台の住宅地に下る。高倉台のメインストリートを通り抜けて、次は栂尾山だ。400段の階段は圧巻だ。一番上の段は見えていない。栂尾山到着9時55分。さらに横尾山へと進んだ。横尾山から下ってくるところが、加藤文太郎が「神戸槍」と言って親しんだ「馬の背」だ。風化が進んでいて、もろい岩場である。鎖場もあって、慎重に通過する。

   
          馬の背(神戸槍)                   栂尾山への400段の階段


馬の背を過ぎて、また登り返すと東山だ。(10時40分)朝が早かったので昼食にした。15分の休憩ですぐに歩き出した。とにかく本日は、日が暮れるまでに、新神戸駅の近くに予約しているホテルまで辿り着かなければならない。先を急いだ。東山からまた市街地妙法寺方面に下る。山の中に入ると「六甲全山縦走路」と書かれた道標があってほとんど迷うことはないが、街中は少しわかりにくい。なんとか高取山の入口を見つけてまた登りにかかる。12時高取山の頂上に到着した。

高取山頂上にある高取神社にお参りする。ここからの展望も神戸の街が一望できる。本日は天気が良く、東に大阪の市街地、金剛山、紀伊の山々が、西には、淡路島、四国まで遠望できた。度々ここへ登ってきている人の話しでは、今日は珍しく良く見えているとのことだった。

ここから、またまた市街地へ下る。有馬線鵯越駅の横を通過して、次は菊水山だ。菊水山に到着したのは、14時過ぎだった。さらに六甲全山縦走路の道標に従ってアップダウンを繰り返すこと約1時間、15時過ぎに鍋蓋山に到着。かなり足が重くなり、下りはまだしも登る時は、何度も立ち止まっては、息をつきながらの登りだ。

さらに縦走路を進んで、布引方面への分岐地点、市ヶ原に到着したのは16時前だった。明日はここからまた縦走のスタートとなる。本日はここから一旦新神戸駅方面へ下山としている。下山途中で布引の滝に立ち寄った。前からこの滝の名前は知っていたが、初めてである。神戸の市街地からこんな近くに、立派な滝があったのだと感動。山と海に囲まれた神戸の街らしい。


    
           六甲全山縦走路の石標                   布引の滝

新神戸駅へは16時30分に到着して本日は終了した。携帯電話に付属している歩数計を見ると、4万1千歩を超えていた。


12/24(土) 2日目

ようよう白くなりゆく7時前にホテルを出た。本日は、昨日の縦走路の続きで東の半分、宝塚までを予定している。布引の滝を経由して、昨日の分岐点市ヶ原から改めてスタートだ。(7時50分)最初に目指すは、摩耶山。稲妻坂、天狗道を経て、やがて摩耶山山頂の掬星台の広場に着いた。(9時30分)ここからの展望も、眼下に神戸の街と海が広がっていて、絶景だ。山に来ているのにほとんど海を見ている。

   
         掬星台からの展望                      六甲最高峰

車道を歩けば、もっと楽に歩けるような気がするが、全山縦走路は、また登って、また下っての繰り返しで体力を消耗する。ホテル・ド・摩耶の前を通り過ぎて、また山の中へ。杣谷峠を経てサウスロードを通る。神戸の歴史を感じる六甲山ホテル前を通過して、記念碑台で一休みした。(11時)

記念碑台を過ぎてコースアウトしてしまった。右に折れなければならないところを、そのまま「サンセットドライブウェイ」を進んでしまった。おかげで、オルゴールミュージアム、高山植物園を横に見ながら歩くことができたから、良しとするか。地図で確認して、また縦走路に戻った。

舗装道路を歩いたり、山に入ったりと、道標はあるが、しっかり気を付けておかなければ、とんでもないところに行ってしまいそうだ。何度か、舗装道路を横切りながら、六甲最高峰(931.3m)に着いたのは12時30分だった。休憩込みでコースタイム通りだった。

六甲最高峰の標識の前で記念撮影をして、食事にした。ホテルで沸かしたお湯をポットに入れてきたので、コーヒーを入れてパンをほおばった。芦屋から登ってきた人も多いのだろう、頂上付近は多くの人で賑わっている。

20分程度の休憩をしただけで、早速支度をして歩いた。さあ、宝塚まであとは下っていくだけだぞ、と気を入れなおしてスタートした途端、また道を間違えた。有馬温泉方面の魚屋道(ととやみち)から分岐していると勘違いして、進んでしまったが、そのまま車道でよかった。すぐに気が付いてよかったが、危ないところだった。

摩耶方面、有馬温泉方面と比べて、最高峰から東の宝塚方面は人が少ない。下山はほとんど有馬温泉方面のようだ。2年前小生も有馬温泉へ下って、温泉に浸かっている。まだ3時間以上の下山が待っている。本日も日が暮れないうちに宝塚まで下山したい。

東六甲縦走路は、ほぼ一本の山道だ。船坂峠を14時05分に通過。大平山を14時35分に通過。六甲山縦走路33ポイント地点で一息入れた。15分程度休憩して、塩尾寺(えんぺいじ)に15時30分到着。ここからは、宝塚駅まで40分ほどで到着予定だ。

宝塚の街が眼下に広がってきた。嬉しさも一入だ。塩尾寺からは舗装道路となって、さらに高度を下げていく。ついに宝塚の街に入って行った。駅が目に入ってきた、と思いきや、阪急宝塚南口駅だった。また、道を誤ってしまった。一本道だと思っていたが、途中左へ折れるところを直進したようだ。余分に20分、1.5qほど歩く羽目になってしまった。


           宝塚の街なみ                        終点JR宝塚駅

おかげで、宝塚劇場の前も通ったし、楽しめて良しとしよう。JR宝塚駅に到着したのは、16時30分だった。六甲全山縦走完遂。携帯の歩数は本日4万6千歩だった。

2日間よく歩いた。1日目8時間15分、2日目9時間30分(休憩含む。) 合計約18時間、距離は六甲全山縦走路56q+市ヶ原〜布引間往復7q+コースアウト2qの合計65q歩いたことになる。しかしながら、加藤文太郎はとてつもなく強靭な体の持ち主だということが分かった。

思う存分歩き、満足できた山旅だった。これで2011年を越えられそうだ。


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