2023.9.30(土)〜10.4(水) 悪沢岳・赤石岳

 
日本百名山、残された悪沢岳・赤石岳を登るため5日間の予定で出かけた。今回は、埼玉に住む山の会のメンバーと2人だ。どちらの山も3000mを超える南アルプスの最深部にある。最後は簡単に登れる山にしたかったのだが、どうしても厳しい山が残ってしまう。登頂の日は2日間好天に恵まれて、天気も味方してくれた。素直にうれしい。

2023.9.30(土) 1日目

今回は、登山口の椹島ロッジまで送迎してくれる畑薙第一ダムまでの登山バスが、8月までのため車で行かざるを得ない。自宅を7時30分に出かけた。埼玉から参加のOさんを静岡駅でピックアップ。畑薙第一ダムの臨時駐車場まで山道を約3時間、さらにここから、一般車は通行できないため、椹島ロッジまで送迎バス1時間かかる。
椹島ロッジは、今回2回目で、この日は次の日からの山行に備えてゆっくり休養を取った。


2023.10.1(日) 2日目

本日は、千枚小屋まで標高差1500mを登る行程だ。小雨が降ったりやんだりの中、樹林帯をひたすら登っていく。1日で標高差1500mを登るのは、これまでも数少ない。歳を重ねた今、かなり厳しいものがあった。コースタイム6時間50分のところ、休憩入れて7時間50分だからまずまず、といっていいか。13時45分千枚小屋到着。夕方雨がやんで、富士山が顔を出した。ほとんどの南アルプスの山は富士山が展望できる。楽しみの一つだ。
 

千枚小屋


千枚小屋から富士山

 
2023.10.2(月) 3日目

前日の雨が嘘のように、朝から好天に恵まれた。本日の行程は、千枚小屋から悪沢岳(荒川東岳)をまず征して、中岳、前岳と、荒川三山を巡って荒川小屋までコースタイム4時間35分となっている。
前日かなり厳しいことが分かっていたことと次の小屋までは、かなり時間を要するので、休養もかねた。

千枚小屋を6時に出発。約50分で千枚岳頂上に到着。さらに丸山を経て、99座目3140mの悪沢岳に8時52分到着。別名(荒川)東岳ともいうが、深田久弥氏は、「読者にお願いしたいのは、どうかこれを東岳と呼ばず悪沢岳と呼んでいただきたい」と言っている。頂上標識は、「荒川東岳」とあった。


千枚岳頂上

 

悪沢岳頂上

 
頂上からは、北に目を向けると近くに塩見岳をはじめとして南アルプスの山々、さらに北アルプスの山々まで遠望できる。北西方向には中央アルプス、西の方向には御嶽山、恵那山と続く。素晴らしい眺めだ。


悪沢岳頂上にて


頂上からの展望

約30分、頂上からの展望を楽しみ、中岳に向かった。中岳のふもとの中岳避難小屋で昼食にして、中岳到着10時50分。さらに前岳11時到着。荒川三山を征して下山。本日の宿荒川小屋まで約500mを下る。荒川小屋には12時10分に到着した。
 

荒川中岳

 

荒川小屋から荒川三山

2023.10.3(火) 4日目

いよいよ本日100座目赤石岳をめざす。本日も朝から快晴。小屋の前、富士山の近くから登る御来光を拝むことができた。6時25分荒川小屋を出発。前日下った標高差と同じくらいの約500mを登り返すことになる。

 

荒川小屋から御来光と富士山


荒川小屋

大聖寺平、小赤石岳の肩を通過、9時に小赤石岳に到着。小赤石岳から本峰赤石岳が現れた。尾根道から続く堂々とした赤石岳だ。たまたまではあるが、100座目の山としてふさわしい山だと思った。


小赤石岳頂上

 

小赤石岳から赤石岳

9時36分、ついに日本百名山100座目「赤石岳」に到着。感無量だ。富士山も雲海の上に顔を出していて、富士山をバックに、持ってきた「百名山完登」の横断幕もどきをもって写真に収めた。「やったぞ」と心の中で叫んだ。
もちろんここからの展望も悪沢岳と同様素晴らしい。南アルプスの最深部、3000mを超える赤石岳の頂上からの展望は、どこにも負けないだろう。

頂上近くに赤石岳避難小屋があり、そこで昼食にした。しばらく頂上付近で喜びをかみしめながら休憩をとった。


百名山完登 バックに富士山

赤石岳頂上を10時20分に出発。本日の宿赤石小屋まで下山する。ここの下り、なんと厳しい下りが続く。危険個所は少ないが、梯子や岩場も多く、小屋の標高が2550mくらいなので、約600mの下山となるが、3時間かかった。

赤石小屋到着13時20分。Oさんと祝杯をあげた。この日は小屋泊6人だったが、本日もう一人百名山を達成した人がいた。同じ70歳の女性だった。小屋の管理人からお祝いのお酒をいただき、6人で祝賀会と相成った。

 

赤石岳避難小屋から赤石岳


赤石小屋にて祝杯

 
2023.10.4(水) 4日目

昨晩、音をたてて激しく雨が降っていたが、出かける前にはほぼ止んでいた。本日は椹島ロッジまで下山して帰宅の途につく。12時発の送迎バスに乗らなくてはならない。6時30分に赤石小屋を出発。小雨がふったりやんだりの樹林帯のなか下山していった。ほぼコースタイムどおり3時間30分かかって、10時に椹島ロッジに到着。濡れた服を着替えて送迎時間を待った。
車で来ているので、疲れるだろうと、静岡駅近くのホテルを予約している。Oさんと駅近くの店で静岡おでんで祝杯をあげて打ち上げた。


2007年5月に最初の百名山「伊吹山」に登って以来、16年間でやっと達成できた。単独でも多く登ってきたが、山の会の計画にあわせて、メンバーと一緒に登ったことで、今がある。一緒に登っていただいたメンバーに感謝しかない。
当初から百名山をめざしたわけではないが、登っているうちに山にはまってしまった。50座くらい制覇したころから100座を意識し始めた。どうせなら完登したいという気持ちが強くなった。完登できて素直にうれしい。
 
 
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