乗鞍岳・焼岳(H22.7.18〜7.19)

7/18(日)乗鞍岳

昨年も同じ時期に計画して、現地まで行ったが悪天候のため断念した。今年も全く同じ計画のリベンジである。実は、今回「北穂高岳」に登る予定であったが、この時期まだ雪が多く残っていて、アイゼン・ピッケルを必要とするとの情報もあるし、連休初日に梅雨明けしたのであるが、2泊3日の予定を1泊2日の計画に変更せざるを得なかったため、急遽「乗鞍岳・焼岳」に変更したのだ。

K君と車で6時過ぎに名古屋を出発。朝早いため、東海北陸自動車道はスムーズに通過でき、ほうのき平駐車場に到着したのは、8時45分頃だった。ここから上は、マイカー規制されているため、畳平までシャトルバスに乗らなくてはならない。観光客も多く、臨時バスが出ていた。

天気も良く、バスの車窓から「穂高連峰」「槍ヶ岳」が眺められた。北アルプスは、いつ見ても、どこから見ても雄大だ。約40分で標高2700mの畳平に到着した。

畳平は、一周15分程度で回遊できる木道の整備されたお花畑がある。「ハクサンイチゲ」「ミヤマキンバイ」「イワギキョウ」が今を盛りと咲き誇っていた。


        畳平のお花畑                            乗鞍岳頂上


         ハクサンイチゲ                         ミヤマキンバイ

頂上剣ヶ峰までは、1時間30分程で登ることができる。3000mを越える山で、これほど手軽に登ることのできる山は他にない。小学校就学前と思われる子供連れも登っている。観光地化された百名山だ。10時前に畳平を出発。25分程登ると肩の小屋がある。一息入れて頂上を目指す。頂上へ到着したのは、11時15分頃だった。

さすがに、3026mの剣ヶ峰からの展望は素晴らしかった。北に穂高連峰・槍ヶ岳、西に白山、東に遠く南アルプス、八ヶ岳を見渡すことができた。南側ガスが出てきて、御嶽山は見ることができなかったが、独立峰ゆえに360度展望が開けている。大雪渓では、サマースキーを楽しんでいる人も多くいた。ここへ来る人の目的は様々だ。下山後、昨年も宿泊した「中の湯温泉旅館」に16時前に入り、ゆっくりと露天風呂で体を癒した。

 

7/19(月)焼岳

朝5時に起床。身支度を整えて6時に登り始めた。中の湯温泉旅館のすぐ脇にある登山道を登る。15分程登ると、車の通る道、旧道の11号カーブ付近に出る。ここまで車で来ることもできる。10台程度駐車していた。

しばらく樹林帯を登るため、ほとんど景色は見られない。霞沢岳を背にひたすら登って行く。約1時間30分程度登っていくと、高い樹木はなくなり、ハイマツ・笹に変わる。頂上付近を見上げることができるようになる。そしてしばらくすると、今度はガレ場に変わる。頂上付近の噴煙がだんだん近づき、樹林帯がだんだん遠くなっていく。頂上に近づくにつれて硫黄のにおいが鼻をつくようになる。

登り始めて約2時間50分、稜線に辿りついた。南峰と北峰の間にある稜線だ。稜線から見た火口湖、切り立つ岩壁、空に向かって吐き出す噴煙はなにか不気味な雰囲気に囲まれている。ガスの噴出しているすぐ脇を通って頂上へ向かう。頂上には、9時15分に到着した。出発して3時間15分だった。

頂上からの眺めは、ここもまた360度の視界で素晴らしい。北東の方向に槍ヶ岳と西穂高山荘から続く西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳と連なる穂高連峰が。北西の方向に笠ヶ岳、南に昨日登った乗鞍岳、南東の方向には中央アルプスと南アルプスが重なって、さらにその上に、富士山の頭だけが覗いていた。そして、眼下には蛇行する梓川と上高地、赤い屋根の上高地帝国ホテルが目に入る。どんなにきれいな、プロが写した写真でも、この空間、この現実には勝てない。


          焼岳頂上                           焼岳頂上から槍ヶ岳

30分程頂上からの眺めを楽しみ、焼岳小屋経由で上高地へ下山することとしている。(9時45分出発)焼岳小屋までの登山道は、大小入り乱れた石がゴロゴロした道でかなり歩きにくい。K君も私も何回か尻もちをついた。頂上からすぐ下に見えていた焼岳小屋であるが、辿りつくまで約1時間要した。

焼岳小屋で昼食を取り、30分ほど休憩した。ここから上高地田代橋まで、樹林帯の中を下っていく。時折木々の隙間から、蛇行する梓川や上高地帝国ホテルの赤い屋根が見え隠れする。垂直に近い長い梯子やロープのある危険個所もある。慎重に下っていく。かなり田代橋へ近くなったところで、沢に出会った。冷たい水を頭からかぶり体を冷やした。

登山道入り口の林道に出たのは、13時30分頃、焼岳小屋から1時間45分程度だった。そのまま上高地バスターミナルまで歩き、一息ついてタクシーで中の湯温泉旅館の駐車時用まで戻ってきた。中の湯温泉旅館の露天風呂に入ったのは言うまでもない。汗を流して帰路についた。

今回の山行、手軽に登れる観光地化された乗鞍岳と本当の汗をかかなくては登れない焼岳の2つの百名山に登ってきた。お花畑のきれいな天国を思わせる乗鞍岳と今でも噴煙を上げる地獄を思わせる焼岳、まだ当分行きたくないけど、あの世を思い起こす山旅だった。

 

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