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H29.8.10(木) 前日天人峡温泉「天人閣」に9人の山仲間が集合。メンバーは2つの山の会の有志であるが、学生時代山岳部に所属した人が5人いるので心強い。今回の山行は、日本で一番美しいと言われる「クワウンナイ川」の沢登りをして、トムラウシ山へ登ろうという計画だ。これまでやさしい沢登りは2回経験しているが、本格的な沢登りは初めてだ。 天人閣を5時に出発。車道を10分ほど下った羽衣トンネル出口付近に登山口がある。しばらく林道を歩いて、5時25分いよいよ沢に入っていく。いくつかの渡渉を繰り返す。時には股のあたりまで水に浸かって渡渉する。安全確保のためロープを使うことも。 |
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ゴルジュを超えた辺り |
ロープで確保しながらの渡渉 |
何十回もの渡渉を繰り返し、沢を詰めていく。入渓して8時間、13時30分にカウン沢出会いに到着。小生体が軽い分、川の流れに弱い。必死で渡渉を行っているので疲れも多い。本日は、地図上でも幕営適地と標されたカウン沢出会いでビバークすることとなった。 釣り道具を持ってきているSさんを中心に渓流に糸を垂らす。オショロコマ(イワナの仲間)の入れ食いの状態だ。小生まったく釣りはやらないので、おいしくごしょうばいに預かった。また、持ってきたジンギスカンを焼いて、大自然の中でおいしくいただいた。 |
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オショロコマを焼いていただく |
メインはジンギスカン |
ビバーク地 |
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H29.8.11(金) 入渓2日目、6時出発(不詳)。7時過ぎ最初の滝である「魚止めの滝」に到着。ここは左岸を巻いて超えていく。 |
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魚止めの滝 |
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いよいよ今回のハイライト、「滝ノ瀬十三丁」と呼ばれるナメを歩く。川幅10mを超えるナメをジャブジャブ歩いていく。やや傾斜のある場所もあるが、楽しい沢歩きだ。約2km続く。 やがて「ハング滝」に到着。ここは登れないので、右岸の巻き道を登るが、5mほどの垂直な岸壁となっている。ロープで体を確保してもらって、残置のロープを使っての登攀だ。ザックも別にしてあげてもらう。 |
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ナメを歩く |
ハング滝 |
やがて、沢の水も少なくなり、尾根への道に入っていく。この頃から小雨が降ってきた。冷たい沢の水に浸かった沢靴と沢用靴下は乾きが悪い。体が冷えてきた。たぶん低体温症の初期状態と思われた。吐き気がする。足が上がらなくなった。少し震えも来た。メンバーに申し出て、靴と靴下を履き替え、休憩を取らせてもらった。 Yさんが私のザックを背負ってくれた。少しすると尾根筋に出たので何とか回復して歩けたが、9年前起こった「トムラウシの遭難事故」の本を読んでいたので、これを思い起こした。まさにトムラウシだ。夏でも、雨が降り風が吹くと体感温度は0℃程度だろう。いい勉強になった。 16時55分、ヒサゴ沼避難小屋到着。一般登山道に出てからも、コースタイムよりも多くの時間を費やした。なんとか9人の寝場所を確保できた。 疲れた。 |
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H29.8.12(土) 本日は、ここヒサゴ沼避難小屋からトムラウシ山往復して、またヒサゴ沼避難小屋へ戻ってくる予定となっていた。7時に出発。ヒサゴ沼分岐までは、約150mの雪渓を登り、その後ごろごろした石の登りとなっていて歩きにくい。主稜線に入ると緩やかな登りとなるが、ところどころ大きな石の上を歩く箇所もある。 日本庭園と呼ばれる箇所を過ぎるとまたごろごろ石の登りがあり、やがて9時前北沼に到着。「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」(ヤマケイ文庫)に、この辺りの描写が詳しいので、覚えていたが、ここ北沼にビバークしたガイドとツアー客がお亡くなりになっている。(合掌) |
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北沼 |
北沼からトムラウシ山 |
10時25分トムラウシ山頂上到着。登山口から3日目で頂上到着だ。雲って入るものの雨は降っていない。頂上からの展望を楽しんだ。 |
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トムラウシ山頂上 |
頂上からニペソツ山方面 |
この日は、ヒサゴ沼避難小屋に連泊だから余裕がある。避難小屋の近くに群生する高山植物をカメラに収めた。 |
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ヒサゴ分岐からヒサゴ沼 |
ヨツバシオガマ |
ミヤマオグルマ |
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H29.8.13(日) 下山の日を迎えた。4時41分出発。下りは一般の登山道だ。下りのコースタイム約7時間。途中「化雲岳」を経由。ここの登山道も高山植物が多い。コマクサが群生している。花好きの人にはたまらないだろう。 |
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化雲岳 |
コマクサの群生 |
第二公園あたりのお花畑 |
天人峡に帰ってきた |
12時30分天人峡温泉に帰ってきた。温泉に浸かって汗を流す。私とSさんは、後半の山があって旭川空港でレンタカーを借りている。他のメンバーが打ち上げしている最中に、タクシーで旭川空港へ向かって、本日の宿をめざした。 今回のトムラウシ山、本格的な沢登りは、初めてだったが、いい経験になった。元山岳部のベテランの人に連れてきていただいたからこそ成し遂げられたのであって、とても一人では経験できないことだ。 また、自分が「低体温症」になるとは思わなかったが、ある程度状況を自覚できたことで、早めに対応できたと思う。メンバーには迷惑をかけたかが、最小限に抑えることができた。本当にメンバーに感謝している。 |
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