外側半規管
日常の外来診療の中で、検査を行っている動画です。臥位や理学療法も、ベットではなく診察椅子を倒して簡易的に行っています。ゴーグルの固定が甘かったり、頭位眼振検査で、頭位を動かすのが早かったり、眼がちゃんと開いていなかったり色々問題はありますが、外来診療中のほぼ生の画像として見ていただければと思います。右上の体位を録画した画像は、リアルタイムのピクチャーインピクチャーで、後から合成したものではありません。
典型例と思います。臥位の頭位眼振検査で、向地性の眼振を示し、眼振の減衰を認めます。外側半規管は患側を見極めるのが難しいことがあります。下にして眼振がつよい方を患側と考えていますが、前の頭位(結石の位置)の影響が大きく、何回か頭位変換を繰り返して確認しています。
この例は、左右で眼振の強さに大きな差がなく、患側を決めるのが難しかったです。左かなあということで、左患側としてGufoni法を施行しました。
クプラ結石症は、臥位左右の体位で、背地性眼振を示し、眼振が持続します。下にして眼振が強い方の反対側を患側と考えます。ある角度の頭位を取ると眼振が止まります。BPPVではなく、メニエール病などで前庭障害を起こしている患者でも同じような眼振のパターンを認めることがあり、鑑別は難しいと思います。クプラ結石症が疑われたら、患側下135度から一気に正面0度まで戻します。結石がクプラから剥がれて半規管結石症になることがあります。半規管結石症になったらGufoni法を行います。
外側半規管でクプラ結石症のパターンの眼振を認めていましたが、検査の途中で急に眼振の方向が変わり、半規管結石症のパターンになりました。結石がクプラから剥がれ落ちたと思われます。たまにこういう例を見かけます
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検査をしているときに急に外側半規管結石症のパターンの眼振が出現しました。それまでは、非典型的な眼振でした。どこかに引っかかっていた結石が、急に剥がれ落ちたのでしょうか?剥がれ落ちてくれなければ、診断はつかなかったと思います。はっきりとした診断がつかない症例でも、何回か診ているうちにBPPVの典型的な眼振が出てくることがあります。半規管のどこかに、結石が引っかかったり、動いたり、ダイナミックな変化をしている可能性があります。