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山茶花

帆柱形花活けw32

2004年2月〜10月

拭き漆工房 翠簾洞 素舟齋

若竹を乾燥させた皺竹に、桐の木を輪切りにした台を付けた花活けです。なかなか奇抜な意匠です。

2004.02.08.

桐板と孟宗竹
桐板と皺竹

桐の輪切り板は何年か前に東急ハンズで買っていたが 磨いて平滑にするかこのまま漆をかけるか 更にこれを地板にすれば穴が気になるなど 意匠を決めかねていた

一方 皺竹は曲がり方が一寸面白いので「花活け」にしようと思いながら 一昨年から雨晒しにして放ってあり朽ちかけて表面に皺が出来た未成熟の孟宗竹だった

皺竹を改めて見ると 柱掛けより床置きがよいと思い 倒れを防ぐ方法を考えた 磁石を付けて地板に止めることも検討したが それには地板にも磁石を付けなければならない つまり地板を付属物にすることになるから それならいっそのこと地板に埋め込み固定した方が使い勝手がよいだろうと考えた

桐板の凹み
仮組み

桐板に皺竹の下端に沿って凹みを削り 仮に竹を立ててみた

板と竹を合わせてみると 節間が近い竹と黒い楕円の年輪がよく調和して まとまって見えた

2004.02.11.

桐板の工作

竹筒を桐板に如何に固定するかが問題だが 結局 馴れた手法の芯柱を入れる方法とした

3個の穴

しかし芯柱が1本では強度が心配なので3本にして 桐板の穴を3本の芯柱に合わせて彫った 穴は隠れるところだから大きめにして 充填材のウッドエポキシで固めた

2004.04.02.

中塗り

最初の漆掛けは竹全体に薄い漆を塗り 拭いた

2回目は節陰だけを塗って軽く拭いた また花生けの穴にも黒呂色を塗り込んだ

3回目は竹全体に塗って拭いた

桐板は表裏2回くらい塗ってあるが もう立派に艶が出ている 地色が黒かったので呂色漆を掛けたようだ

あとは節影を塗り込めば 難なく完成するだろう

節影塗り

2004.10.13.

その後も何回か節下に漆を掛けたので 綺麗な節影が出来た

逆に素材の皺の縦縞が意外に目立たなくて むしろ景色が付かず 平凡な竹筒になってしまった

斜めの花活けは意外に活け込むのが難しく竹筒の丈も高すぎたので 外見はよいが 適当な花材が見当たらない

節影塗り

そのまま日が経ったが ホトトギスが咲いて漸く活けて見る気になった 下草には少し大きくなり過ぎたが ツワブキを持って来た これでどうやら形が出来た

山茶花

2004.10.20.

庭のサザンカが咲いたので活けてみた
      このタイプでは花木がよく似合うようだ

床飾り

2005.01.04.

桐板に竹筒の花活けだから
     松や梅と合わせたら正月の床飾りに格好だろう

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2009.07.19.作成・2009.10.17.改訂・2010.01.17.三訂・2010.09.29.四訂・2019.10.22.五訂