「ねぇ、萌絵・・・、萌絵ってば!」
「・・・?! ん? なに?洋子」
「もぅ、なに?じゃないわよ。ここのチーズケーキどう?って訊いていたのにさっきからず〜っと上の空じゃない。どうかしたの?」
「そうだったかしら? それより、さすが洋子オススメのお店ね。このチーズケーキ甘さが控えめで、フワッとした食感が最高よ。」
と、応えてみたものの、頭の中では今朝の夢のことで飽和していた。あの天才は、人の夢の中まで自由自在に往来できるのか?そんな幻想さえいだかせてしまうほど、鮮明だった。
「道琉が、現れたのは、いつ頃かこれで分かったかしら?」