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vol 324:空気の乱れ
空の彼方で黄泉の国、天界の者たちが散らばって、
今か今かと真上を見上げる。
大きな雷の様な音がする度に、
空気が波打つのが解り、
皆息を殺した。
ミカエルが俺の隣に来て、
(怖いか弥勒よ。)
はにかんで声をかける。
「全然。」
柄にもなく、強がってみせた。
強がるなんて行動は、この時が初めてだ。
内心は脅えを感じている。
(そうか。今の気持ちを味方にするのだ。
そうすれば何者にも負けない。)
脅えを味方に。
「ミカエル。この空気の乱れはなんだ。」
(これは、天界の神と全ての野に生き物のエネルギーの膜が、
震えている。
爆撃を食い止めている乱れだ。)
「食い止めているだけで、こちらからは攻撃はしないのか?。」
(今の段階では地球に足を踏み入れていないからな。
だが、爆撃に底をついた時、
海王星の軍が舞い降りて来る。
地球に足を踏み入れた時は我々が戦うのだ。)
(おのれ・・・地球の神め。
どこにこれ程の力が奴にあるというのだ。)
海王星の神のエネルギーは地球の神の張る膜を破る事は出来なかった。
天界の神は自分の全てのエネルギーを使って膜を張る。
(ルシファー・・・。)
天界の神がこれ程まで耐える事が出来ているのは、
陰で動くサタンの力でもあった。
『イエス様、準備が整いました。』
『そう。ありがとう。』
僕は、闇の者たちとは別行動を取っている。
皆は空高く舞い上がり理由はどうあれ、
敵と共に新たな我らにも害のある敵に目を向けている。
今、僕の行動を気にかける闇の者は一人としていないだろう。
僕は世界中に呼びかけた。
この時に皆で神への愛を祈ろうと。
人々は各国の教会や聖地、家で天界の神のみに祈りを捧げる。
『皆さん、神の愛への感謝と、
我々の神への愛を祈るのです!
神への愛を神ご自身に伝えるのです・・・。』
中には主に祈る者もいた。
でも、そんなことはどうでもいい。
主に祈る
その行いこそが、天界の神への愛だから。
我が父よ。
貴方の源は貴方が創造された者の、
貴方への祈り。
その祈りこそが、貴方の力となるのでしょう?
海王星の神の力がなくなれば、
次は兵を向かわせるはず。
そこまで食い止めるのが貴方の役目。
僕は、それまで貴方が耐える事が出来るように、
今の自分の立場を利用しましょう。
貴方のために。
そして兵が動き出した時、
僕はこの肉体を捨てて、
貴方に頂いた2度目の命を貴方の為に使いましょう。
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