|
海王丸の係留場所の正面は、シェルスペースと呼ばれる貝の形を模したスペースになっていて、現役当時の木製ヤードがモニュメントとしてその外側を取り囲む形で展示されています。説明板によれば現在海王丸に装備されているのは鋼鉄製のものという事で、これは当時の帆船のヤードのディテールを直接間近で見学できる貴重な展示です。左の写真に写っているのは、フォアマストのアッパーゲルンヤード(一番前のマストの上から2番目のヤード)です。ヤードの金具類は現役当時のまま残っているようですが、チーク・プロック(直上のシートチェーンを折り返す滑車、詳細は後述)は外されています。 スペースから海王丸の方向に降りてゆく階段の途中にフォア・トップゲルンマスト(一番前のマストの最も上の部分)が展示されています。これもヤードと同様に鋼鉄製と取り替えられたものです。 |
|
海王丸のフィギュアヘッド(船首像)は、初代日本丸が引退した後の1985年秋の入渠工事の際に唐草模様から婦人像のものに取り替えられました。しかし船にマッチしていない印象がぬぐえず、当時強い違和感を覚えたものです。1989年に引退した際に船首像は二代目に移設され、現在は往時の唐草模様に戻っています(移設された船首像は2004年10月に起きた座礁事故の際に流失しました)。 またフォアマストのトップ直下にあるレーダースキャナは、当初は1基だけでしたが、1983年秋に2基に増設され、防護フェンスの形状も一部変化しています。現在市販されている初代海王丸の模型は全て1基の時代を想定しているので、現在の写真と比較する際には注意が必要です。 |
→次に進む |