調理実演:2003年6月11日
前回、籾山艦船模型製作所の
初代海王丸の模型について書きましたが、
(この当時は)海王丸があるなら対の日本丸の模型もあるかもしれない、
という訳で、学生には見えない一般人が
カメラ抱えて校舎内を隅から隅まで歩き回っても特に怪しまれない日、
すなわち学園祭の日に再度東京海洋大の越中島キャンパスまで行ってきました。
肝心の日本丸の模型はどこにも見当たらなかったのですが、
1号館の入口に戦前活躍した練習帆船大成丸のかなり大きな模型があり、
そして新2号館の入口に
大阪商船の高千穂丸の大型模型が展示されていました。
高千穂丸は1934年に台湾航路用に建造され、
日本の大型客船では始めて
船体中央部のシアーやキャンバー構造を廃止した
造船史上画期的な船でした。
これも籾山艦船模型製作所の逸品ですが、
近代的なデザインを見事に捉えています。
しかし、この模型そのものには船名以外に何一つ説明が無く、
外を通る人たちも気を引かないのか
あまり目も留めずに通り過ぎていったように見えたのは気になりました。
もちろん大学の「教材」として使われているのでしょうが、
日頃は一般の目に触れない場所にある事も含めて
少し首をひねりながら帰ってきました。
初代海王丸の製作は依然細々と続行中です。
今月末までには右舷側の舷窓と外板の修正が終わると思います。
あと、備考として日本丸との相違点について掘り下げて書いてあります。
(実船に関する検討はこれで終わりです)
(補足)
東京海洋大学・百周年記念館の主な展示物は
初代海王丸の模型の他に以下のものがあります。
練習帆船大成丸の遺品
日本郵船「日光丸」「三島丸」「上海丸」模型
東洋汽船「天洋丸」模型(1935年建造の貨物船)
三井物産「六甲山丸」模型
大阪商船「鉄嶺丸」「くれない丸」模型
国際汽船「鹿野丸」模型
練習帆船新日本丸の風洞水槽試験用の検討模型
三段膨張蒸気レシプロ機関の実物
艦本式巡航蒸気タービンの実物