部品割は以下の通り。
- 船体
- 艦底板、艦首甲板
- 主砲塔、艦橋基部、羅針艦橋天蓋、煙突一式、機銃甲板、スキッドビーム、後部マスト一式、1番魚雷格納筐、艦橋前部増設機銃座、艦橋方位盤、測距儀、ほか
- X部品(1枚)WL小型艦用ディテールアップパーツに同じ
- バラスト
以上 陽炎/早潮/雪風/秋雲 共通
- 羅針艦橋甲板、前部マスト、2番砲塔砲座(陽炎/早潮)
- 羅針艦橋甲板、前部マスト、電探室、後部増設機銃座(雪風/秋雲)
以上差し替え
キットの状態は陽炎/早潮が1941年末〜1942年前半頃、雪風が1945年春頃、秋雲が1942年後半〜1943年前半頃のようです。陽炎型駆逐艦は大戦中に電探と機銃が増備され、キットはこれらの部品を入れ替える事で設定時期を変更しています。ただし艦橋前部の連装機銃台は共通部品の中に含まれており、キットでは特に指示されていないのですが、これを接着し連装機銃(X40)を載せて後部煙突前の機銃を3連装機銃(X39)に替えれば、大戦初期型設定の艦でも1942年末〜1943年初め頃までの設定として組み立てる事ができます。
また艦名や駆逐隊番号・煙突の白線などのデカールは一切ありませんが、キットは一応太平洋戦争中の設定のようなので、それで良いようです(艦名と番号は開戦直前に消されました。煙突の白線は時期によっては施された艦もあったようですが、詳細はほとんど判っていません)。
キットは羅針艦橋の平面がピットのキット同様角張った形である事を除けば、特に大きな問題は無いようです。船体形状に関してもピットで問題になった艦首形状や艦尾の平面型などが改善され、より実物に近い形状になっています。
ただし、細かい部分には色々と気になる部分があります。艦首形状は良好と書きましたが、艦首の正面が少し肉厚気味になっているので、気になる方は実艦写真などを元に削ると良いと思います。また船体には舷外電路や舷窓、アンカーレセス等のモールドが無いので、これも伸ばしランナー等を接着したりピンパイス等で開けたりするとより良くなります。
その羅針艦橋の平面型は戦前の磯風や戦後の雪風の写真を見る限りではキットのように角張った形のように見えますが、野分の公式図や大戦中に於ける洋上給油中の不知火の写真などを見る限りでは、旧作のように前面が丸みを帯びた形の方が正解ではなかったかと考えます。この修正は非常に困難ですが、窓のモールドを作り直すことが出来る方であれば前面をもう少し削った方がらしく見えるかもしれません。
主砲塔は共通のXパーツではなく独自のものが入っています。砲塔そのものの形状はXパーツのものよりは「らしく見える」のですが、砲身はXパーツのものを使うために、全体としての印象はピットのパーツよりも見劣りがするように感じます。これは個人の感覚ですが、気になる方はピットのものと交換すると良いかもしれません。
また、先に発売された陽炎/早潮では後部マスト(部品No.8)の形状が逆になっていました(右図参照)。これは雪風/秋雲では修正されており、共通部品である事から初期出荷分以外は改善されていると思うのですが、購入の際には注意が必要です。 |