世界サブカルチャー史 欲望の系譜スピンオフ 思考のオルタナティブ”を観て
 「分断を超える哲学 ジョセフ・ヒース」
 https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/episode/te/M8V6JV78L7/
 「無と向き合う世界観 モリス・バーマン」
 https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/episode/te/DQJYK34QRQ/
NHK(日本放送協会)特別番組

 一年近く前に視聴した世界サブカルチャー史 欲望の系譜シーズン3”日本篇に関連して、番組にも登場した二人の学者が語るインタビュー番組だった。両者が共通して取り上げていたのが「オタク」カルチャーで、それが世界に与えている影響力の大きさについて改めて驚きを覚えた。

 ヒース編の構成は、第一章がエリートへの反逆、第二章はデジタルの見せる夢、第三章が理性VS感情 を超えてで、言及された映画は『フォレスト・ガンプ』カッコーの巣の上でともに第一章】だった。

 バーマン編は、第一章戦後ニッポンの「魂」の所在、第二章「空虚」の両義性と向き合うとき、第三章東西を超えた「脱近代化」となっていて、言及された映画はラスト・サムライ第二章】だ。

 メキシコ在住のアメリカ人で、十六歳のときから日本文化に関心を寄せてきたと語るバーマンが第一章にて、ごく自然に1945年からアメリカの植民地となった日本という言い方をして、日本の今について言及していることがとても印象深かった。章題が「戦後ニッポンの「魂」の所在」なので、その「魂」の部分での植民地という趣旨なのだろう。

 その意味では、植魂地ということになろうが、そのような言葉はない。敗戦直後の1945年12月で既に大きなクリスマスツリーの前でクリスマスソングを唱和している日本人の記録映像が映し出されていた。アメリカ型の大量生産大量消費の経済成長型社会を目指し、アメリカ型民主主義に憧れる心性やアメリカ的プラグマティズムを志向する心性を育まれてきた末の今があるというような趣旨だろうと受け留めている。
by ヤマ

'23.12. 6. NHK Eテレ録画



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