KATOAYUの全国鮎友釣漫遊記

静岡県(2019年)



2019/6/1:藁科川下見



5月中旬過ぎの大雨で静岡県内の河川は既に解禁していた興津川、狩野川を含めて何れも大増水で、今年の解禁は諦め模様であった。月曜日に湯の島温泉に行くついでに、藁科川の様子を見た限りではかなり濁りが強く、とても解禁には間に合わないと思っていた。それでも念のためにと前日に漁協のHPを除くと、何とか笹濁りまで回復しているとの事であったので、様子を見にゆっくりと出かけた。8時過ぎに藁科川へ到着すると、既に釣り人がポツポツと竿を出していたが、見るからに河川の状況は悪く、垢は殆ど無い状態であった。とても竿を出す気にはなれず、何時もの囮屋で年券を買ったのちに、良く行くポイントの状況を観察して帰る事とした。見た中では昨年良く通った釜戸の瀬があまり変わりなく、今年も良さそうな状態であったが、鏡岩の下は護岸工事か始まっていて流れがすっかり変わってしまい、瀬も上流半分は埋まってしまっていた。更に上流も見に行ったが、バラ沢辺りまで行くと濁りが強くなり、釣人も殆ど見えなくなったので終わりにした。




2019/6/4:藁科川



解禁日の状態から見て本格的に石垢が乗ってくるのにはまだ早いかと思いつつも、今週の後半には再び天気が悪くなる予報である。それに加え明日には市民大会が開かれるとの情報があり、それ前に今期の初釣行をしておこうと思い立った。9時に何時もの囮屋へ着くものの、見える範囲では釣り人が見えず、如何に釣果が出ていないかを物語っていた。実際に囮屋さんで聞くと、昨日は3人の釣人が前の瀬に入ったが、全員ボウズとの事であった。今日も期待せず何とか初鮎の顔を見られれば良しとしようと小さな目標を立てる。囮を仕入れて解禁日に少しでも残り垢が見られ、鮎の姿も見られた釜戸の瀬へ向かう。先行者が一名瀬頭で竿を出していたので、昨年割と釣果が出た瀬尻へ入る。先ずは右岸寄りの緩い瀬から始めると、開始10分程でピクピクとアタリがあり14cm程が口掛りで釣れる。何とか囮には使える大きさであったが、まだ養殖囮も元気であったので、一応囮缶に入れて釣りを続ける。しかし、その後は何処を攻めてもピクリとも反応は無し。瀬の中や辺地も駄目であったので、大石周りのトロ瀬へ囮を入れると一発で根掛してしまう。やはり先日の大雨で小枝が石の間には多く流れている様だ。外しに入れる訳もなく、やむを得ず仕掛けを切る。これを機に釜戸の瀬の上流部へ移動して、浅い平瀬にある磨かれていそうな石が点在するポイントで再開する。最初に掛った小鮎を囮として使い、泳がせているとやっと良いアタリで一回り大きい15cmが背掛りで釣れる。囮頃に変わったのでやや流れがあるポイントへ送り込むと即座に野鮎の反応があり、やはり15cmが掛ったが、腹掛りで囮に使えない。その後もここぞと言うポイントでポツポツと掛り、特に左岸側の護岸際の流れのあるポイントでは18cmも混じり、午前中に8匹と予想以上の釣果であった。この分では楽にツ抜けが出来ると余裕で昼食を取る。午後も同じポイントで始めるが、午前中の好調が何だったのか、全く野鮎の反応が無くなってしまう。偶々時合が終わったのか、元々鮎が少なく釣り返しがきかないのかははっきりしない。止むを得ずガンガン瀬の頭へ囮を入れるとやっと午後の一匹目を追加したが、やはり続かない。2時を過ぎたので他のポイントを見ながら釣り下って行くとトロ場には放流魚と見られるやや良型が群れを成して垢を食んでいる姿が確認できたが、何時もなら辺地で群れを成す小型の遡上鮎は全く見られなかったので、今後が心配である。福養橋の下の瀬でも竿を出したが、一回ケラレがあったのみで3時で納竿とした。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針一角6.5号3本錨、背バリ使用、使用竿:小太刀(ソリッド穂先)




2019/6/6:藁科川



今日は気田川へ釣行しようと思い、念のために釣果情報をチェックすると、未だ本流の垢付は悪い様で支流での釣果しか上がっていない様であった。気田川釣行を諦めて、ゆっくり朝食を済ませてから藁科川へ向かう。昨日の大会で多少釣果が出たこともあり、釣り人がポツポツと見られる。囮を持って一昨日釣れた釜戸の瀬の上流へ向かうが、既に二人が竿を出しており入れそうもない。分流の右岸側のチャラ瀬が綺麗に磨かれている様な気がしたので、竿を出す事とする。静かに泳がせていると直ぐに反応があったが、ケラレで終わってしまう。その後にも直ぐにアタリがあったが、ボウスハゼの背掛り。気を取り直してやや下流へ空中輸送でそっと囮を入れると水に入った瞬間に引っ手繰る様なアタリがあり、下流へ走る。良型かと思い慎重に遣り取りして引き抜くと、予想外の17cmの背掛りであった。囮を交換して良さそうなポイントを釣り下るとポツリポツリと追いが有り、何とか3匹を追加した。しかしその後はアタリが無く、釜戸の瀬へ移動して瀬頭の深トロで泳がせる。何時もなら多く遊び鮎が見られるポイントであるが、野鮎の姿が確認できない。それでも大石の向こう側を泳がせると囮の後ろでクネクネと野鮎の姿が、竿を少し立てるとやっと走り出して、今季初の追星のはっきりした真っ黄色の18cmが口掛りで釣れた。しかしやはり続かず、瀬の中や辺地でも全く野鮎の反応は無い。午後は福養橋の下へ移動して先ずは瀬頭から始めると10分程でアタリがあったが、12、3cmの小型、がっかりして引き抜くとキャッチミスで受け損なう。その後はアタリ無く分流の瀬を執拗に泳がせると16cmが背掛りで掛り、これを囮に元のポイントへ入れて泳がせると程なくアタリがあり、同型が掛り、囮を換えて泳がせると、流心へ入る途中で追いが有り再び同型が掛る。プチ入れ掛りがあったが、その後これを見ていた昼食に川から上がっていた釣人が続々入り始め、身動きできない状態になってしまう。その後は10cm程のビリ鮎を追加したのみで終わってしまう。止むを得ず下流のガンガン瀬へ移動して彼方此方を攻めて見るが全くアタリは無く、その内に流心で根掛、仕掛けを切る羽目になる。仕掛けを張り直して続ける気力もなくここで早上りとした。
川の状態もかなり回復してきて、磨かれた石も多く見られるようになり、辺地には遊び鮎も多く見られることから、今後は少しは釣果が上がるのではと期待される。しかし再び大雨の予報が出ているので程々の雨で終わって欲しいと願うばかりである。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針楔6.5号3本錨、背バリ使用、使用竿:小太刀(ソリッド穂先)




2019/6/26:気田川



前回の釣行から20日間、未だ藁科川では竿が出せない状態が続いている。西部の河川ではやっと釣果が出始めたとの情報があり、大千瀬川、中部天竜、気田川の3河川の内何処へ行こうかと迷っている所に、又明日から大雨の予報が出る。早朝の女子サッカーW杯のなでしこジャパンの敗戦を確認後、慌てて一番近い気田川への釣行を決めて自宅を出る。上流部では釣果が出ている様であるが、中流部は未だ早い様である。途中、熊切川は完全に澄んで居たが、やはり本流は柳色である。取り敢えず何時もの囮屋で日釣り券と囮を調達して、先ずは何時もの宮川橋下流の瀬を見るが、濁りは竿を出せそうであるが、垢付は悪く、ハミ跡も全く見えない。更に下流部へ歩いて行くと分流のチャラ瀬が割と綺麗に磨かれており、ここで竿を出す。泳がせを始めて10分程でビリビリと小型特有のアタリがあり、14cmの細い野鮎がタモに入る。何とか囮になるサイズであったので囮を交換して続けるがアタリは無かった。本流は辺地には若干垢付は見られるが、流心には全く垢が無い状態であり、30分程で此処を諦めて、上流へ移動する。杉川を見るが同じ状況であり、釣果情報があった本流上流部へ向かうと、濁りは全く無く、勝坂地区へ入るとポツポツと釣人の姿が見え始めた。如何にも釣れそうな瀬が見えたが、先行者が居なかったので、川へ下りる。先ずは瀬頭から始めると5分程で15cmが掛り、囮換えの後は入れ掛りは無いが、ポツリポツリとアタリが続き15〜16cmと小型ながら囮が代わる。段々と瀬の中へ釣り下るとやはり入れ掛りは無いが、時には18cm級も混じり、楽しめる。しかし、11時頃に風か強くなり釣りづらくなるとともに、雲で太陽の日差しが遮られた途端にアタリが遠のき我慢の釣となる。しかもこの頃に他の釣人が瀬の下へ入ったので、楽しみにしていた下流のポイントも攻められない。何とか昼前に小型を一匹追加して、午前中に8匹となったので今日のツ抜けを期待する。午後も同じ瀬を攻めると、割と早く一匹目は掛ったが、後が続かない。それでも陽が射し始めて、流れが緩やかな深場を泳がせるとアタリが出始めて、小型が掛かり始める。流心へ囮を入れると今日最大の19cmも掛り、楽しめたが、どうも17、18cm以上の良型は魚体を見る限り成魚放流物と思われた。それでも久しぶりに竿を出すことが出来て今季初のツ抜けを達成した事もあり、満足の釣行であった。下流に入った釣り人にもそこそこの釣果があったので、良いポイントに恵まれたのであろう。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針楔or一角6.5号3本錨、背バリ使用、使用竿:競(ソリッド穂先)




2019/8/13:藁科川



前回の藁科川釣行から2ヶ月以上過ぎてしまった。断続的に大雨があった事は事実ながら、これ程回復に時間が要した事は無かった。最近の藁科川は少しの雨で濁りが強く入り、その濁りが中々取れなくなってしまった。原因は上流部で山が崩れたままになっているのだろうか、そうであれば早く回復を願いたいものである。明日以降に再び台風が上陸する情報もあり、その前にはと釣行した。
やっと水が澄み、垢が着き始めて如何にも釣れそうな川相になってきたが、ネットでの釣果を見てもあまり釣れていない。其の事を表しているかの様にお盆休みだと言うのに先行者は誰れも居ない。何処でも入り放題であったが、取り敢えず釜戸の瀬に向かう。ここは以前とあまり変わらず、下の瀬から始めるが、全く野鮎の反応は無く、徐々に釣り上がる。しかし、何処もアタリは無く、瀬上の棚の深瀬で泳がせるも30分程で諦める。そこで前回迄割と良く掛った上流部の瀬へ向かうと、ここは分流になっていたが主流が無くなり全体に流れが広がり浅くなってしまった。良いポイントであった左岸側の石も埋まって少なくなった。右岸側の大石周りから泳がせるが、アタリ無く、徐々に左岸側へポイントを移していくが、全く反応ない。根掛を外しに中央部に入ってしまったので、其処から左岸側の際のやや流れのあるポイントへ囮を入れると、一発でアタリがあり17cmが背掛りで釣れる。やっと囮が野鮎に変わったが、1時間以上かかってしまった。石垢の付き具合も良さそうに見え、そこそこ磨かれているのにアタリが無いのは野鮎が少なくなってしまっているのだろうか。囮を換えて同じポイントへ送ろうと手前から泳がせていくと、その手前の石横でアタリがあり、入れ掛りで2匹目が掛る。やはりポイントが良ければ掛るのかと思いつつ、続けるが後は続かなかった。暫くしてガンガン瀬の上の早瀬で何とか一匹を追加して、このポイントを諦める。昼食に戻るついでに朝一で竿を出した釜戸の瀬で小型が掛ったが、やはり続かない。午後は福養橋の下流の瀬を攻める事として昼食にする。午後、川へ戻ると瀬の最下流部で一人が竿を出していたが、他には誰も居ない。先ずは最上流部のやや流れの緩やかな瀬から始めると、15分程でもぞもぞとしたアタリで囮が下流へ引かれる。口掛りが見えたので慎重に引き抜こうとするが、中々上がってこない。やっとタモへ入れると20cmの良型であったが、追星は薄くやや痩せている。良型の囮に換ったので、流れのある瀬を攻めるがアタリは無い。再び流れの緩やかなポイントへ囮を誘導すると、又同じようなアタリで下流へ走る。慎重に引き抜くと21cmの良型がやはり口掛りであった。これも長さの割には痩せており、追星も薄かった。まだ鮎の回復は遅れているのだろうか。この囮で同じポイントやガンガン瀬を攻めて見るが、続かなかった。台風の余波なのか昼前から風が強くなり、曇っていた空が2時前には急に暗くなり、一雨きそうであったので納竿とした。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針てっぺん7.0号3本錨、背バリ使用、使用竿:小太刀(ソリッド穂先)




2019/8/26:大千瀬川



前回の釣行後の台風で藁科川は増水し、泥濁りになったが、今回は割と早く回復し濁りはほぼ取れている。しかし白川で垢付が悪く、釣果情報はあまり良くない。県内の河川は何処も釣果が上がっていないが、その中でも少しは釣果が出そうな西部地区を目指して車を走らせる。大千瀬川か中部天竜川のどちらにしようかと悩んだが、時期的に下流部が釣れ始める大千瀬川を選択する。囮屋に到着して状況を聞くと未だそれ程釣れ始めてはいないが、今日は既にかなりの釣人が向かったとの事であった。考える事は皆同じかと下流部のポイントを諦めて、鉄橋下の瀬で竿を出す事とする。お錦橋の袂に車を止めて釣支度をしていると、何時もは混んでいる橋下の瀬に二人しかいない。石の色も見た目は良く磨かれている様であったので、急遽此処へ入ろうと支度を終えて川へ下りると向こう岸から一人の釣人が先に此処に入ってしまう。諦めようと下流へ向かうと最下流の釣人が移動を始めたのでその後に入る。石の色は良かったが、最初の釣人が移動する様では大して釣れなかったのかと推測された。その予想通り一時間程彼方此方を泳がせたり、引いたりして見たが全く野鮎の反応は無かった。下流の鉄橋下へ向かうと、丁度白波が立つ瀬が空いていたので、ここで竿を出す。此処でもアタリは遠く、良さそうなポイントを攻めるが反応は無く、周りの釣人の竿も立たない。それでもガンガン瀬の大石周りに無理矢理囮を沈めると、ガツンとアタリがあり下流へ走る。油断をしていたので竿を伸されそうになるが、何とか立て直して下流へ20m程下り引き抜くと、22cmの良型の背掛りであった。何時もなら囮にしないのだが、今日は躊躇なく囮を換えて、今度は向こう岸のやや流れの緩やかなポイントを泳がせていると、15分程で今度もガツンと良型のアタリ。しかし今度は下流の釣人か10m程に上がってきており、下流へ下れない。そこで竿を上流へ寝かして抑え込み上流へ引き上げ、流心の手前まで引き寄せて、囮が水を切って掛り鮎の背が見えた時に思い切って引き抜く。ドスンと玉網に収まったのは良く肥えた23cmの良型であった。再びこの野鮎を囮にして彼方此方を攻めるがアタリは続かなかった。昼食後は未使用の養殖囮が残っていたので、これを囮に同じポイントを探るが、やはり野鮎の反応は無い。上流の釣人が上がったのでガンガン瀬の上流で向こう岸の早瀬周りを探るとやっとアタリがあり、19cmが背掛りで釣れる。囮頃の鮎で泳ぎも良く、次を期待したが全く続かず2時過ぎに納竿とする。
何処も石の色は結構良く見え、鮎は居るのではと思われるが、川を歩いても鮎が逃げる姿が全く見えず、この川も野鮎は少ないのではと考えられた。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針一角7.0号3本錨、背バリ使用、使用竿:競(ソリッド穂先)




2019/9/17:藁科川



久しぶりの藁科川の釣行であるが、大水続きで良い情報はない。それでも濁りが取れて暫くたっているので、新垢も付いてきているのではと期待しつつ、何時もの囮屋へ向かう。しかし釣り人が誰も居ないだけでなく、囮屋も開店休業で誰も居ない。仕方がなく上流の囮屋で囮を調達して、青ノ木から釜戸の瀬へ向かうこととする。釣支度をして川を下っていくと、すぐに段々の瀬が気になり一旦ここで竿を出すことにする。石色もよく如何にも鮎が付いていそうだが全く反応はない。30分程で諦め、再び下流へ向かい何時もの釜戸の瀬へ。此処の石色もよく期待して彼方此方を探ってみるがさっぱり反応がない。何時もなら反応がある辺地も少し砂で埋まってしまってポイントが少なくなっている。結構良いハミ跡もあり野鮎は居そうであるが、辺地を歩いても鮎が逃げる姿は確認できない事からも絶対数はかなり少ないと思われる。2時間ほどで諦めて大きくポイント移動を考えて、車へ戻る途中で朝一に竿を出した瀬をもう一度丹念に探っていくと、一番上の棚で待望のアタリがあり、しめたと思い竿を立てるが、針掛りせずケラレてしまう。やはり元気がない囮では針掛りが甘くなってしまう。これで万事休す、今日は釣を諦めて湯の島温泉でも入るかと、車で上流へ走らせるが、釣人の姿は全く見えない。仕方がなく未使用の囮を使うために道路から一番入川が楽な鍵穴の瀬へ入る。此処も下半分は砂で埋もれてしまっている。一時間程竿を出すがやはり全く反応はない。早々に諦めて湯の島温泉へ向かった。
使用仕掛:水中糸複合0.08号、ハリス0.8号、針一角6.5号3本錨、背バリ使用、使用竿:小太刀(ソリッド穂先)