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昔々、ある村にとても貧しい家が二軒並んであったそうな・・・!
その貧しい家の一軒は、とてもおとなしく気の優しい「三平」と言う男の子が・・・。
その隣の家には、とても可愛い「サヨコ」と言うオテンバな女の子が・・・住んでおった。
二人はそれぞれ、お父さんとお母さん、そして爺ちゃんやばぁーちゃんから、
それはそれは大事に大事に育てられていた・・・。
三平の家のお父さんは、狩に出て、雉(キジ)や猪や熊、野うさぎをとっては生計を立てていた・・・

サヨコの家ではわずかばかりの田畑を耕し、お米や野菜を作って生計を立てていた・・・
どちらかというと、三平の家のほうが少しは楽な生活が出来ていたが・・・
サヨコの家のお米作りや野菜作りはその年の天候に左右され、不作の年が多かった・・・
その為、毎年正月となると、隣村のお金持ちの家からお金を借りては、正月を乗り切っていた・・・

男の子と女の子は幼なじみで、何時も一緒に野や山や川に行っては遊んでいた・・・
一番のお気に入りの場所は、ゆったりと流れる川のそばに立つ、大きなブナの木の下であった・・・
雨が降っても大きなブナの木の下は、沢山のブナの葉っぱで雨宿りが出来た・・・
夏の暑いときは、ブナの木の葉っぱで日陰となりとても涼しかった・・・。
近辺の山々では、ブナの実、ドングリや栃の実、栗、黄イチゴ、グミ、アケビ、など沢山の木の実が取れた。
二人は木の実でいろんな遊びをして楽しんだ・・・
お腹が空けば、ブナの実、栗、黄イチゴ、グミ、等を食べたりもした・・・。

野や山は、赤、黄、白、ピンクなど、季節ごとに沢山の花が咲き乱れ・・・
山や野には、クモ、バッタ、カブトムシ、蝉、トンボ、蝶々・・・など等、いっぱいの昆虫達も住んでいて・・・
夏は、セミ達の鳴き声にあふれ・・・秋は、いっぱいの赤とんぼが宙を舞い・・・。
サヨコは、ちょっぴりだけどお転婆で・・・・、
家でイタズラ等をしては、お母さんやお父さんに叱られる事もあった。
そんなときは、お気に入りのブナの木の下に行って泣いたりもした・・・
気の優しい三平は、泣いているサヨちゃんを見つけると・・・
ホーの木の葉っぱで「風車」を作ってあげたり・・・、
どんぐりの木の実で人形など作ってあげたりして、サヨちやんを慰めた・・・・
遠くに遊びに行っては、サヨちゃんが疲れた時は・・・三平はおんぶして帰ってあげた・・・
また、サヨちゃんが川で流されそうになったときは、三平は直ぐ助けあげたりもした・・・
川には、カジカ蛙なども住んでいて、夏ともなると、川のせせらぎの中で、
とても優雅な「カナカナカナカナカナ」・・と言う鳴き声も聞こえた・・・
もちろんその川には、山女や岩魚等も住んでおり、二人は釣りなどもして遊んだ・・・

そんな平和な日々は、ずうーっと、ずうーっと、続いていた・・・・!
素敵な幼い頃の日々であった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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