日々のエッセイ


   2008年前半の大きなイベントは、 絵本講座を開いたことです。
   青山のウィメンズ・プラザにて、 3月に行いました。
  
     この日のために、たくさんの
  絵本や絵童話を読みました。子どもの本の楽しさって、文だけじゃ
  なく、絵があって、その二つが、おたがいの魅力を引き出し合って
  ひとつの世界を作っているところかなぁ、と思います。

  小さな頃、好きだった本は、フランスの『あるきだした小さな木』
  です。いたずらなちびっこの木が、地面から根っこを抜き、それを
  足がわりに町を歩いて、いろんな人たちに出会い、大人になっていく
  お話です。  文章も元気があって良いけれど、セリグさんの描いた
  深紅のバラだらけの庭園の絵が、忘れられません。 
  濃厚な赤ワインみたいな、香ってきそうな挿絵。
  今でも、本屋さんの棚で見かけますが、版を重ねるうちに、色調が
  薄くなっていたので、ちょっと残念でした。

  ハタチを少し過ぎた頃、自分で絵本を作りたくて、笹塚図書館の
  絵本講座に通いました。 講師は、少女の面影を残す若い編集者の
  米田佳代子さん、そして少年のような四十代半ばの東君平さん
  でした。  製本から何から、すべて自分でやる本作り。先生がたも
  気さくで、とても楽しかったのを思い出します。 上の写真の絵本が
  その頃、作ったものです。

  その後、もっと絵を学びたくなって、千駄ヶ谷社会教育会館の
  イラスト講座に参加しました。  講師は、当時、東京新聞の日曜版
  編集長もやっていらした、河原淳さんでした。絵は、楽しく描くもの、
  のびのび描くもの、学ぶ必要なんて何もない、と教えていただき、
  トレードマークの笑った太陽のイラストをくださいました。
  その後、東京新聞で、私が写真つきの街歩きコラムを担当したのも
  この時のご縁からでした。

  たくさんのことを、皆様がたに教わってきました。
  2008年の絵本講座では、今度は私が、知っていることを誰かに
  伝えたいと、時間をかけて準備しました。 そして、あらためて、
  自分自身が絵本の世界の素晴らしさにひたりました。
  今、家で開いているのは、ムナーリの名作、『霧の中のサーカス』。
  トレーシングペーパーで、からだにまとわりつく乳白色の霧が
  表現され、ページをめくると、奥へ奥へと踏み込む感じがします。
  いいなぁ、と思います。
  誰かの心に、情景や香りを残せる物語を、私も作りたいです。




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