4.3 大十二面体 The great dodecahedron [5,5/2]
星形正多面体=ケプラー・ポアンソの多面体の製作第3回目は,大十二面体です。
立体図形の模型作りはこれまでに,
1.プラトンの立体=正多面体 5種類
2.アルキメデスの立体=準正多面体 13種類
3.カタランの立体=アルキメデス立体の双対 13種類
に続いて,第4回目のシリーズは
4.ケプラー・ポアンソの多面体
で,その
第1回は,4.1 星形小十二面体
第2回は,4.2 星形大十二面体
でした。
なお,この記事はブログ<立体図形の模型作り> の内容を,まとめ上げたものです。
今回は,大十二面体です。
4種類あるうちの,第3作目です。
今回の,大十二面体は正五角形が12個から出来ているので,正十二面体とよく似ています。
とりあえず画像をどうぞ。
大きさが分かるように,CDのジャケツを並べました。
初めて大十二面体の写真を見たとき,どこに正五角形があるのかよくわかりませんでした。
でも上の写真のように各正五角形を色分けしてあると,正五角形の位置関係がよくわかると思います。
12個の正五角形の星形五辺形の部分が互いに交わりあっているので分かりにくいのです。
6色モデルです。
12個の面のうち,向かい合った平行な正五角形の面を同じ色にして,全部で6色です。
(正五角形がペアで平行に向かい合っている様子は,このページの下の方,CGで動かしてもらうとよくわかりますよ。)
正十二面体は正五角形が頂点で3個ずつ集まります。
このため,正十二面体は記号[5,3]と書かれます。
それにたいして,大十二面体は各頂点に正五角形が5個ずつ集まっています。
普通に集まるのではなく,頂点を上から見ると,星形正五角形の状態に集まっています。
(この下の3つ目の写真参照)
このため大十二面体は,記号[5, 5/2]と表されます。
(なお,星形小十二面体は[5/2, 5]でしたから,紛らわしいです。)
3つの方向から見た写真をどうぞ。
展開図をアップしておきます。---> <大十二面体の展開図ダウンロード>
ここでの紙模型,つまり面模型としての構成要素は1種類の三角形だけです。
辺の比が黄金比 1 : 1.62 の二等辺三角形です。
星形小十二面体と星形大十二面体でも黄金三角形でしたが,そこでは鋭角三角形でした。
大十二面体の場合は鈍角三角形つまり鈍角黄金三角形です。
図をどうぞ。
写真だけでは,図形の形状がわかりにくいので,
分かりやすいように,全体の見取り図をパソコン画面上で動かせるようにしました。
ぜひ動かしてみてください。
下の図にリンクしてありますので,クリックしてみてください。
まず新しいウィンドウでプラグインのインストールについてのセキュリティの確認をすると,
Cabri3Dというソフトのプラグインがインストールされます。
インストールに同意して,インストールが終了すると,見取り図が表示されます。
その見取り図の上にカーソルを置いて,マウスの右ボタンを押して動かすと,マウスのポインターが回転用の矢印に変わります。
すると,図が回転して立体の形がよくわかります。
まずは,大十二面体の枠の部分の正二十面体に注目して眺めてください。
赤く正五角形ABCDEという頂点の記号を振ってありますが,
大十二面体のすべての正五角形の頂点が,枠の正二十面体の大きな正五角形の頂点に一致します。
なおかつ,正二十面体から「面取り法」(faceting)で大十二面体ができる様子も読み取れると思います。
<大十二面体 (枠の正二十面体の面取り) を動かす>
次は,正十二面体から(広い意味での)「星形化」(stellating)をする方法の外観図です。
芯の正十二面体における正五角形の面を延長して,大きな正五角形を作る,という意味での「星形化」です。
芯の正十二面体を赤く塗ってあります。
また芯が見えるように,いくつかの面を取り去ってあります。
<大十二面体(芯の正十二面体の星形化)を 動かす>
さて,いよいよ次回は大二十面体です。
期待してください。
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