「・・・いいじゃん。似合ってる」
「・・・うっうん、ありがと///」
俺の選んだ服を着た牧野が 顔を赤くしながら頷いた。
あいつにしちゃ・・・・随分と素直な反応だ。
それに ―――― 本当によく似合ってる。
バッグも買うかと冗談を言った俺に対し本気で抵抗してくる牧野。
冗談だよと俺が笑うと、牧野もほっとしたような表情になった。
――― そんな顔すんじゃねぇ。////
ったく・・・・襲いたくなるだろっ!!
プレゼント大作戦 8 〜最終話〜
牧野が椅子に腰掛けて靴を履いた。
このデザイン・・・・・
おそらく牧野用に作ったサンプルの靴だろう。
なら、牧野の足に合わないはずがねぇ。
でもここはひとつ、すっとぼけておくか。
「靴はどうだ? サイズ合ってんのか?」
「・・・・うん。すごいピッタリ・・」
そりゃーそうだろ!
なんたってお前専用の靴なんだからな。
俺は喉まで出かかった言葉を飲み込み、オーナーへと向き直る。
「じゃ、この服と靴で頼む」
「かしこまりました。こちらの服と靴はいかがいたしましょう?」
オーナーが牧野の服を畳みながら言った。
まさか、牧野が『捨てる』と言うとも思えない。
俺が牧野の方を向く前に、あいつの慌てた声が店中に響いた。
「貰いますっ!! 持って帰りますっ!!!」
・・・・・だよな。
オーナーは店員に指示を出し、牧野の服と靴を店の紙袋へと入れさせた。
それを待つ間、あいつが俺の袖口を引っ張り、上目遣いで聞いてくる。
「ねぇ・・・道明寺?」
「あ?」
―――――!!////////
やめろっその顔。 マジで襲うぞっ!!!
「あの・・・本当にいいのかな・・・」
「何が」
「いや・・・服と、それに靴まで買ってもらって・・・」
このバカ女!!
この期に及んで、まだそんなこと言ってんのかよ。
お前が最初っから素直に受け取れば
俺はこんな回りくどいことしなくても済むっつーんだよ!!
俺はそう言いたいのを我慢して努めて冷静に答える。
「しょうがねぇだろ。服が染みだらけになっちまったんだから」
「・・・・うん。そうだね、ありがと」
「おう、それより靴・・・痛くない・・か?」
「靴・・・?」
「あぁ、前になかなか合う靴がないって言ってたろ」
「ああー、うん。この靴・・・すごいのよ・・・。
ピッタリすぎて怖いくらい。何か・・・あたしの為に作られた靴みたい」
―――――――うぐっ!!!!
思わず声が詰まってしまった。
こいつ・・・・普段鈍感なくせに、こういうところだけは敏感なんだな。
「・・・・・・・どうしたの?」
「いっいや・・・何でもない。あっ合う靴があって良かったな」
「あー、うん・・・・・・・・・」
ふぅー、危ねぇ危ねぇ。
バレて・・・・ねぇよな・・・?
さっきから――――
どうも道明寺の態度が気になる。
何か・・・・様子がおかしいのよね・・・。
まあ、おかしいのは今に始まったことじゃないんだけど。
カフェで待ち合わせしたのは問題ない・・・。
道明寺がきて・・・・紳士がわざわざコーヒーを運んだのも
相手が道明寺だと思えば、そんなに不自然なことじゃない。
だけど――――――
仮にも紳士はあのカフェの店主なわけでしょ?
コーヒーを入れて運ぶのに、あんなに手が震えるもん?
おまけに道明寺のあの発言。
―― 「なっなんだ・・・ 村上もあれだな・・・。 腕が落ちたな」 ――
・・・・・・・
暴れたりしなかったのは良かったけど
あきらかにいつもの道明寺っぽくない・・・。
いや、それだけあいつが大人になったと思えばいいのかな。
それでも・・・・ 何かしっくりこない・・・。
そして、このお店。
ここに入ったのは偶然?
それに加えてこのワンピース!!
さっきあたしが見ていたワンピースの・・・・
となりにあったやつじゃない!!
そんでもって、極めつけはこの靴よ。
ここまであたしの足にフィットする靴なんて・・・・
まさか――――――
あたし専用の靴・・・・?
・・・・・・・・・・・・
まっ・・まさかね。
―――でもあいつのことだからな。
カマ・・かけてみる・・・・かな?
「ねぇ・・・道明寺?」
「あ?」
――――って、なに、顔赤くしてんのよっ!!うつるでしょっ!!
「あの・・・本当にいいのかな・・・」
「何が」
「いや・・・服と、それに靴まで買ってもらって・・・」
こっこわっ!!
なによ、顔赤くしたと思ったら、今度は青筋なんか立てちゃって!
「しょうがねぇだろ。服が染みだらけになっちまったんだから」
「・・・・うん。そうだね、ありがと」
「おう、それより靴・・・痛くない・・か?」
おっと自ら食いついた?
「靴・・・?」
「あぁ、前になかなか合う靴がないって言ってたろ」
・・・・・・・・・・・
「ああー、うん。この靴・・・すごいのよ・・・。
ピッタリすぎて怖いくらい。何か・・・あたしの為に作られた靴みたい」
「ぅぐっ」
―――――――ん? その慌てた反応 ・・・・・
まさか ・・・・・ ビンゴッ?!
「・・・・・・・どうしたの?」
「いっいや・・・何でもない。あっ合う靴があって良かったな」
「あー、うん・・・・・・・・・」
やっぱり・・・。
この靴、あたしの為に作られたやつっぽい。
でも何で?
――――――――――――― まさか!!!
さっき、あたしがここでワンピースに見とれてたのを見てたとか?
そんで・・・・・・・
――――そんで?
もーーう、どうなってんのよっ!!
でも、この靴は間違いない。あたしの為の靴だ。
このワンピースだって・・・・
最初に高い服を買おうとして、あたしが拒んだらあっさりこっちになったし。
安い方にしてやるから、俺に選ばせろとか言ってたけど・・・
はなっからこのワンピースにするつもりだったんじゃ・・。
ってことは何?
最初からここに来るつもりだったってこと?
そう思うと、もしかしてあのコーヒーも・・・
うっ・・嘘でしょーーーーー!!!
あいつにそんな頭が回るわけない。
でも・・・・
カフェの紳士のあの態度・・・。
それに、少し前に店に掛かってきた電話・・・。
そういえば、あの電話で大きな声を出した後
紳士の態度がおかしくなった・・・・とも言える。
あの紳士と道明寺、昔からの知り合いみたいだったし・・・・・
じゃ、じゃあなに?
道明寺はあたしに服を取り替えさせる為に
カフェでわざとコーヒーをこぼさせて、そのあとここに・・・?
で、このワンピースを着るように仕向けた・・・。
靴は・・・予めあたし専用のを用意しておく・・・。
まっ・・・マジ・・・・・・?
でも、そう考えれば全てつじつまが合う。
だけど、何のために?
あたしがひとりでアレコレ考え込んでいると道明寺が
「おい、ボーっとしてんな。行くぞ」
と、あたしの手を取った。
その顔はとても満足そうで・・・・・・
何処かで見たことのある表情。
―――――そうだっ!!
前にあたしにプレゼントを贈ったときの顔!!!!
もっ・・もしかして、あたしにプレゼントするため・・・?
あたしは今一度カマを掛ける為、道明寺に質問する。
「ねぇ道明寺」
「何だよ」
「何でこのワンピースにしたの?」
「えっ?・・・」
「何でこれを選んでくれたのかって聞いてんのっ」
「うっ・・そっそれはだな・・・・」
「うん、それは?」
「べっ・・・・別にどーでもいいだろ!!/////」
―――――――――――― 決定。
きっと―――――
あたしにこんなことを聞かれるなんて思ってなかったんだろうな。
その慌てっぷりったら可笑しいことこの上ない。
――――これで決まり。
道明寺はあたしがここでワンピースに見とれているのを何処からか見ていた。
そしてそれをプレゼントする為、あれこれ手を考えた結果 ――――――
あたしはまんまとその策略に嵌められて
今こうして道明寺からプレゼントされた服を着ている。
そしてあいつは―――――
――――とっても上機嫌。
あいつにとってみれば、してやったり・・・ってとこかな。
牧野のやつ・・・。
いきなり『この服を選んだ理由』なんて言ってビビらせやがって。
思わず変な答え方しちまったが・・・・
何も言ってこないことを考えると・・・・・
どうやらバレてはいねぇみてーだな。
まあ、どっちにしても今回のプレゼントは牧野自身、
もう袖を通しちまったから今更返品ってわけにもいかないだろ。
回りくどいやり方だったが、プレゼントには変わりねぇ。
俺様の作戦・・・・・完璧だ。
牧野より俺の方が一枚上手・・・ってことだな。
道明寺ってば・・・
今頃、やっとプレゼントを受け取らせたと思って得意になってるんだろうな。
確かに、このワンピースもとっても可愛いし気に入った。
だけど・・・・・・
あたしが見とれていたワンピースが違うものだって言うのは教えてあげない。
だって、そんなこと言ったら・・・
またプレゼント作戦、練られちゃうもん。
そしてあたしがこの事に気づいたことも、もちろん言わない。
あたしの方が一枚上手・・・・ってことね。
――「そうだ」――
――「そうよ」――
――「オレ様の方が一枚上手」――
――「あたしの方が一枚上手」――
――「今回は」――
――「今回も」――
――「オレ様の勝ちだ!!」――
――「あたしの勝ちね!!」――
俺たちは
あたし達は
お互い顔を合わせてニッコリ微笑んだ。
それぞれの想いを胸に秘めて ――――――――――
〜Fin〜
BACK←
※あとがき※ (2007年4月当時)
なんか・・・・無理矢理終わらせた感がなきにしもあらず。(汗)
最初はこんなややこしい終わり方にするつもりはなかったのですが・・。
つくしに作戦のことを気づかせたら、こんなことになってしまいました。
しかし・・・・どこまでバカップルなんだ!! 君たちは!!!
プレゼントに「勝ち負け」があるわけないだろーーーー。ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿
ホント・・・・くだらない話ですいません・・・。
しかも全然、甘くないよーーーーー。・゚・(ノД`;)・゚・ウワーン
※あとがき※ (2009年4月再アップ)
2008年8月に自分で読み直した際に、あまりの駄文に慌てて下げたこの話。
何を思ったのか、再アップしてみましたーーー!
いつか修正して再アップしたいと思いながらも、今日までダラダラと延びちゃいました。
今回の再アップにあたり、ちょこっと修正・変更はしたものの・・・・
いやいやなかなかどうして、相変わらず酷い話です。(サイテーだな)
句読点とか改行とか、いまだにメチャクチャ。構成も最悪です。
でもいいの。 私の思い出としてまた飾っておきます。
もし、この駄文を覚えて下さっていた方がいたら、ちょっと嬉しい。(*´ェ`*)ポッ