柔らかな光が差し込む美作邸のリビング




バラの香りと微かに残っている紅茶の香りが優雅に香る




そんな異空間とも言えるこの部屋で




今回の件がややこしくなったのは 道明寺あいつが童貞だからだ とのたまった2人




一体全体 どこをどうしたらそんな結論が出てくるのか




「 そっ///// ・・・・ そっそんなの関係ないでしょっ///」




そう言って2人を睨みつけると 彼らはいつものように見事にハモってこう言った ・・・・




「「 いやいや、関係大アリだって! 」」









あかい糸
act.49















今回の一件は牧野にも責任があると 西門さんに突然言われたあたし




本音を言えば あいつがN.Yに行ってから今日までの3年間




あたしはあたしなりに いろんな事を我慢してきたつもりだった




日本でも時折流れる道明寺関連の報道




事業絡みの報道といつもセットになって流れる道明寺あいつの噂話




観たくない 耳にしたくない情報だって沢山あった




でもあたしはあいつを信じたいから ―――――




あいつの口から発せられる言葉意外は信じたくなかったから ―――――




だから今回の事だって自分で確かめようって 自分でケリをつけようって




そう思っての行動だったのに ・・・・・・・




『 牧野にも多少の責任はある 』 と言われたあたしは




いつ どの行動がいけなかったのだろうと 一瞬パニックに陥りそうになった




なのに ・・・・ ――――――――――




それがどういう意味なのかと思ったら あいつがド ・・・ ドッ 童貞だから?




・・・・・・ 何それ 全然っ意味わかんない!




挙句の果てには




『 おまえがいつまでも、もったいぶってるから 』 だの




『 もういい加減、鉄パンは脱げ 』 だの ――――――――――




余計なお世話だっつーの!














散々そんな話をしたあとで




「 まっ、そういう訳だから頼むな、牧野 」




「 そそっ。 今度こそ司を男にしてやってくれ! 」




そう言って いつものお気楽コンビはあたしに軽いウィンクを飛ばす




頼むなって ・・・・・ 男にしてやってくれって ・・・・・




なんであんたらにそんなことお願いされなくちゃなんないのよッ!




話の内容とその下らなさのせいか 顔だけに留まらず体中が火照って熱い




あたしは勢いよくソファから立ち上がると テラスの方へと歩いていった




その途中で類の姿を確認する




さして興味のない話だったからだろうか それとも時差ボケのせいだろうか




眠りの王子は肌触りの良さそうなクッションを抱きかかえ 静かな寝息を立てていて ――――――




・・・・・・ ってアンタいつ落ちたの? ついさっきまで起きてなかったっけ?




そんな類から視線を外し 火照った顔を冷やそうと窓を開けテラスに出たあたし




太陽が傾きかけたその空は微かに赤みを帯びていて




昼間の時とは違う 少し落ち着いた空気があたしの火照った頬を鎮めていく




その背後で いまだに騒いでるお気楽コンビ




「 おーい、牧野。 おまえ今日うちの東屋に泊まってけよ。なっ? 」




「 おぉ、さすがあきら! 手配がいいねぇ♪ 」




まるで漫才のように 西門さんの合いの手が入る




・・・・・ ふんっ 何が東屋よ! 何が手配がいいねぇよ!




なんであたしが美作さんちの東屋なんかに泊ま ・・・・




――――――――――― えっ? 東屋に泊まる?




「 もうすぐ司もこっちに着くと思うからよー 」




「 おっ、そうだな。 んじゃ、そろそろ邪魔者は消えますかっ 」




・・・・・・・・・・・・・・ はい?!




振り返ると美作さんが類を揺すって起こそうとしていた




西門さんはすでにリビングを後にしようとしている




「 え? は? なに? 何であたしが美作さんちに泊まるの? ってか道明寺 ・・・・ 」




すると おい起きろって! と類の肩を叩いていた美作さんは




こちらに振り向く様子もなく まるで当たり前のように淡々と言った




「 司のやつ、俺たちの6時間後の便で日本に行くって言ってたんだよ。
  だからそろそろ着いたころだと思うぜ?
  んで、本当はおまえも俺たちも司んとこに行く予定だったんだけどさ、
  道明寺邸あいつんちちの前に報道陣とかがいたから俺んちに変更したわけよ。
  まあ、そのことは司んとこにも伝言頼んどいたから、もうすぐこっちに来るはず ――――
  って ・・・・ おい、類起きろって! 」




「 なっ ・・・・・・・・・・・・ 」




「 そんなわけだから、2人揃って仲良く道明寺邸あいつんちちに帰るわけにもいかねーだろ?
  たぶんメープルもマークされてると思うし。
  だからうちの東屋使えよ。 俺たちはこれから出掛けるからさ。
  2人でごゆっくりどうぞ♪ ・・・・ ほらっ! 行くぞッ 類 」




「 んっ ・・・ もう折角いい気持ちだったのに ・・・ 」




そう言うと 半分寝ぼけたような類の腕を引っ張って 美作さんはリビングを出て行った




「 じゃあなー牧野、頑張れよー 」




西門さんの少し遠くなった声が聞こえるも とっくにリビングから離れているのだろう




その姿は見えない ―――――― けど その様子は何となく想像がつく  




頑張れよって ・・・・・・ 一体何を頑張んのよッ!////




――――――――― っつーか ・・・・




そういう大事な事は最初に言えってーのッ!!









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