「 うわっ ・・・・ ちょっと懐かしいかも ・・・ 」
扉を開けた第一声
美作さんたちがリビングを出て行った後
事態が飲み込めず テラスで呆然としていたあたしの元に
『 あきら様よりこれをお渡しするようにと言付かりました 』
とお手伝いさんが現れたのが数分前
その見るからにラブリーなキーホルダーに付いた鍵を使ってあたしが訪れたのは ――――――――――
約3年ぶりに訪れた 美作邸の一角に建てられた東屋だった
あかい糸
act.50
「 でも何と言うか ・・・・・・ 相変らず凄いっつーか、何っつーか 」
温室を兼ねた部屋をグルリと見回して 思わず漏れた言葉
ほんと ・・・・・ 相変らずブリッブリ ・・・ あっいや かっ可愛い?!造りで ・・・・
だけどガラス張りの窓から差し込む夕日は それはそれは見事なオレンジ色で ―――――
「 ・・・・・・ すごっ 」
幻想的な空間を生み出した光の屈折は 暫しの間あたしから時間の感覚を奪っていく
けれども少しすると夕日はあっという間に姿を隠し それと同時に闇を誘う
部屋の中も徐々に明るさを奪われ まるで花たちが眠る準備に入るかのようだった
壁際にあった電気のスイッチをつけ 暖炉のある場所へと歩み寄る
昔 ・・・・ ここで道明寺とキスしたときのことを思い出した
あの時と同じように座り込んで 手にしていたキーホルダを床に置いた
ジャラッ――― と音がしたそのキーホルダーには鍵が3つ
それを見てあたしはお手伝いさんに言われた言葉を思い出した
『 あきら様より東屋のマスターキーと、そのスペアを全てお渡しするように言われております 』
たぶん このバラの細工が施された鍵がマスターキーで、残りの2つはスペアなのだろう
スペアらしき2つの鍵は 頭の部分に小さく東屋と書かれた紙が貼ってあるだけだった
そう言えば ――――――――――
『 こちらはあきら様から東屋に入ったら見るように、との事でございました 』
お手伝いさんから小さな封筒を貰ったっけと 鞄の中からソレを取り出し中を開く
なんか ・・・・ ものすごい嫌な予感がするんですけど ・・・・・
予感は見事的中し 中には一枚のメッセージカードが入っていた
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「 なっ・・・・・・///// 」
カーッと一気に顔が熱くなる
なっななな なんなのよっ一体! //////////
幸運って何っ!! そんなもん祈ってもらわなくてもいいからっ!
ってかあの二人 進歩なさすぎッ
「 やってることが3年前と同じなんだっつーの ・・・・・ 」
決定的な言葉こそ書いてないものの さっきのあの2人の話から大体の想像はつく
これはつまり ・・・・ その ・・・・ あの ・・・/////
―――――――――― ・・・・・ ってか
「 こんな風にお膳立てされたら、出来るもんも出来ないってッ! 」
はぁ〜と独り溜息を吐きながら 握られた紙を丸めポケットに突っ込んだ
何とも言えない脱力感の所為で急に身体が重くなったあたしは
もう一度深い溜息を吐くと その場にゴロンと横になった
ついさっきまで光が差し込んでいたせいだろうか
室内はまだ暖かく その心地よさはここのところ寝不足だったあたしを闇の世界へ誘うのには十分で ・・・
欠伸をひとつしたところで あたしは一気に睡魔に襲われた
―――――――――― はずなのに ・・・・
「 何が出来ねぇって? 」
その聞き覚えのある声に あたしの眠気は一瞬にして吹っ飛んだ
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