最近のパソコンにはフロッピーディスクドライブが付いていないので、フロッピー(フロッピーディスク)を使ったことのない人も出てきているでしょうね。
今フロッピーと聞いて思い浮かべるのは3.5インチのものでしょう。でもおじさんがパソコンを始めた頃はCDと同じくらいの大きさの5インチのものでした。それよりももっと大きい8インチのフロッピーもありました。どちらも3.5インチのようなしっかりしたケースはなくて、四角い封筒に記録用の薄いディスクが入っているという感じで、ペラペラしていました。
8インチのフロッピーがまだ使われていた頃にある職場で見かけたことです。おじさんより少し年上の男性がワープロで文書を打っていました。パソコンではなくて本体と画面が分離したワープロ専用機で、フロッピーは8インチでした。
その男性が「すごいでしょう。」と言って画面上の作業内容を見せてくれたのですが、驚きました。何かの依頼文書の作成中で、受信者名の部分だけを打ち直しては印刷していたのです。下図の例では青色で表示している「坂元龍馬様」の部分です。依頼先は10カ所ほどだとのことでした。
男性は、同じ文面で受信者名だけが違うのだから、その受信者名だけを打ち直したらいいというワープロの便利さを自慢したかったようでした。
おじさんが驚いたのは、どうしてそんな非効率的なことをしているのだろうということです。1枚分を打ち直したら印刷する。印刷完了まで待ってまた次の作業をする。それを10回も繰り返すなんて無駄なことです。
おじさんなら差込印刷を使います。下図のように新しい文書に受信者名だけを入力して別のファイルとして保存します。
そのファイルを差込ファイルとして差込印刷の設定をします。そうすれば元の文書の受信者名の欄に、ファイルのデータが自動的に読み込まれて印刷されます。印刷が終了するまでの時間に別の仕事ができます。
このときの例では依頼先はいつも同じだということだったので、受信者名のファイルは一度作っておけばいつもそのファイルが使えるのです。
この職場では誰も差込印刷のことを知らなかったのですが、それから2年くらいすると使われるようになっていました。
差込印刷はこのようにとても便利な機能で、作成文書の内容によっては欠かせない機能だと思うのですが、今でも意外と知られていないようなのです。
「はりの助」は3月のバージョンアップで差込印刷機能を追加しました。開発当初から予定していた機能なので、昨年のデビューからは「差込印刷機能も追加します。」、3月からは「差込印刷もできるようになりました。」と説明するのですが、知らない人が多かったのです。
今回は依頼文書への差込を例にしましたが、他にも色々な使い方ができます。次回はまた別の例を紹介します。