二十数年前になりますが、愛媛県にいた時に「ニューサンマが出始めたね。」「ニューサンマは○○産が美味しいよ。」と話しているのが聞こえてきました。
ニューサンマとは何だろう。秋刀魚の新種だろうか、それとも秋刀魚の新しい食べ方なんだろうかと思ってしまいました。ちょうど今頃の時期です。秋刀魚には早すぎます。
よく話を聞いてみるとみると「小夏」のことだったのです。小夏を「ニューサマーオレンジ」と呼ぶことは知っていました。それで、話していた人がたまたま「ニューサマー」を「ニューサンマ」と聞き間違えて、そのまま覚えてしまったのだろうと思いました。
ところが色々な人が「ニューサンマ」と言っているのです。それでひょっとしてと思いスーパーで見てみると、商品名を書いた札にも「ニューサンマ」と書かれているのです。そればかりか横に積まれてある段ボールの箱には「ニューサンマ」としっかり印刷されているのです。
このことをおばさんに話すと、おばさんも「ニューサンマ」だと思っていたそうで、南予(愛媛県の南部)ではこの呼び方が定着していたようです。
誰かが「ニューサマーオレンジ」を「ニューサンマ」と聞き間違えて、それが定着してしまったのでしょうか。
いつ頃からか「ニューサンマ」という呼び方が気にならなくなりました。「ニューサンマ」は間違いだとみんなが気が付き表記も改められたんだと想像しました。
ところが先月、愛媛県でまた見かけたのです。店頭に展示されている小夏には「ニューサンマ」と書かれた札が置かれ、その横には「ニューサンマ」と印刷された段ボールの箱が積まれていたのです。
これを出荷した人は今でも「ニューサンマ」だと思っているのか、それとも間違いだと知りながら印刷済の段ボールが残っているのでそのまま使っているのかが気になりました。
インターネットで調べてみると「ニューサンマ−オレンジ」としてネット販売しているページもありました。「地元ではニューサンマと呼びます」と書かれているブログもあります。
どうでも良いことかもしれませんが「ニューサンマ−オレンジ」ならまだしも「ニューサンマ」には違和感を覚えます。
高知の人間としてはやはり「小夏」ですよね。