NHKの朝ドラを見るのが日課だということは以前(「目指せ、達人?」<2009年3月10日>)書きました。現在放映中の「ゲゲゲの女房」ももちろん見ています。しかも今回はおじさんまでも。
実在する人(漫画家の水木しげるご夫妻)の自伝的ドラマであるということに加え、おばさんが育った時代が描かれているということで親近感をもって見られるというのも魅力の一つです。実際、「ゲゲゲの鬼太郎」はおばさんの子供時代を代表するTV漫画の一つです。
ひょうひょうとしていてどこかユーモラスな人柄が画面から伝わってきて、ほのぼのした気分にしてくれる。そういう意味でも朝ドラにぴったりな気がします。
でも、おばさんが一番魅力的だと感じているのは、その生き方です。
子供の頃から絵を描くのが好きで、漫画を生涯の職業とすることを決める。そう決めたら、どんなに売れなくても、仕事に恵まれず収入がなくても、「ただ一生懸命描いてさえいればいいんだ」と机に向かってひたすらペンを動かす。布美枝(ドラマ上での奥様の名前)も「夫は本物の漫画家だからいつか必ず報われる日が来る」と信じてやりくりをしながら夫を支える。
売れるようになっても決しておごらず、これまでと同じ真摯な姿勢で漫画に取り組むその情熱、漫画へのぶれない強さにとても惹かれます。茂(ドラマ状での名前)にとって、漫画は人生そのものであり、自分を貫く大きな一本の柱です。そしてそれは決して揺るがず、見ているおばさんには「ぶれない強さ」として映るのです。
やってみたいことや好きなことはあっても、「必死になってやりきる」ということがなく、どこか中途半端なまま過ごしてきたおばんさんにしたら「すごいな」と思いこそすれ、とてもまねなどできそうもありません。せめて一日一日を大切にしていかなくてはと、暑さを理由にだらけている自分を反省するのが関の山です。
ドラマが今後どのように展開し、おばさんを刺激してくれるのか益々楽しみです。
そしていつか機会があれば、「ゲゲゲの鬼太郎」の原作を読んでみたい、もう一度境港の水木ロードの妖怪達と会話しながらゆっくりと歩いてみたいと思っています。願わくば「ぶれない何か」を持って。