窓にはブラインドをつけて、必要なところだけカーテンをつけていることは前回書きました。生家は昔の家なので窓枠に直接カーテンレールを取りつけていました。アパートでも同様でした。
別にそれでも気にならなかったのですが、新築だとカーテンボックスにするのだろうと思って、どんな雰囲気になるのかを設計士に尋ねました。するとカーテンボックスにはしないというのです。
「窓枠を延長してそこにカーテンレールを埋め込む、自分の設計する家ではその方法を薦めている」とのことでした。その時は具体的なイメージが湧かなかったのですが、仰々しくならないのだったらそれでいいと思いました。
カーテンボックスのきちんとした定義は知りませんでしたが、カーテンレールの上部と周囲が覆われてカーテンの上部が見えないタイプのものをそう呼ぶのだと思っていました。設計士の言ったカーテンボックスも同じとらえ方です。
写真でもわかると思いますが、窓枠の上部が左右より10センチほど広くなっていて、そこに溝を掘ってカーテンレールを埋め込んでいるのです。この広くなっている部分にはちょっとした飾り物をおいて楽しんでいます。
カーテン上部のヒダや隙間が気になる人はダメでしょうが、おじさん達は全く気になりません。むしろスッキリしていてとても気に入っています。特にカーテンを外している状態で強く感じます。
カーテンボックスだとカーテンのつけ外しの際に邪魔になることがありますが、そんな心配はありません。また、カーテンボックスにするよりは材料も少なくてすむし、手間もかからないはずです。確かめてはいないのですが、材料費と手間賃の分安くできると思います。
手間と言えば、カーテンレールの溝は窓枠をくむ前に掘ってありました。カーテンレールは家の完成前に埋め込みました。その作業を始める前に大工が設計士に確認していました。
その時の大工は棟梁ではなく建具屋の関係でした。カーテンレールの両端には留め具のようなものがついていて幅が広くなっています。それが邪魔になって溝に入らないということでした。
おじさんは、溝に埋め込むのだから留め具がなくても問題ないので、外してレールだけを埋め込んでもいいと言いましたが、設計士がそれではダメだから、留め具の入る部分をノミで掘ってから埋め込むように言いました。
実際にできあがった状態を見てみると、もし留め具がなかったら何か間が抜けた感じになっていただろうなと思います。
設計士がきちんと指示をしてくれて良かった、小さなことでも下手に妥協をしてはいけない思わされました。