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   ペイ・エクイティと均等待遇   
       

■ アメリカでは、80年代から男女賃金格差是正を求めるペイ・エクイティ運動が高揚し、公務部門で実績を上げました。既成の男性主導の労働組合運動の内実を変え、労働運動フェミニズムとして定着しました。

■ カナダはペイ・エクイティ法を1987年に立法化し、民間、公務を問わず使用者にその実行を期限付きで義務付け、不当な賃金差別は社会悪として淘汰されています。

■ イギリスでは、同一価値労働同一賃金を求める女性は雇用審判所に申請を行い、審判所の判断で中立の専門家に職務評価が委託されて速やかに客観的な評価が出されます。80年代から同一価値労働同一賃金原則による是正の実績を上げています。
地方公務員の労働組合ユニソンでは、あらゆる職種に適用する全国統一職務評価制度があり、パートタイマーにも適用されています。

 

 1.海外の実情

 欧米先進国では、80年代から同一価値労働同一賃金の実現に向けて、「コンパラブル・ワース」または「ペイ・エクイティ」の呼称の下に、性別職務分離によって低く評価されてきた女性の職務の再評価と男女賃金格差是正を目的とした運動が展開されました。

 女性職とは例えばケアワーカー、事務職、サービス業など女性が70%以上を占めている仕事。男性職は大型トラック運転手、建築・土木の技術者など男性が70%以上を占める仕事です。このように職種が異なる場合は、「同一労働同一賃金原則」だけでは限界があり、「職務の価値」に焦点を当てた総合的な職務分析と評価が必要です。とりわけ女性職として評価の対象外と見なされてきた職務の価値に注目することが重要で、分析や評価は、あくまでジェンダーニュートラル(性に中立)に行うことが前提となります。その職務に誰が従事しているかではなく、職務そのものの質と量の評価です。

 2.ILO100号条約(同一価値労働同一報酬)原則の実行

08年、ILO条約勧告適用専門家委員会は、100号条約に関する個別意見で、次のように求めています。

  • 同一価値労働
    男女同一価値労働同一報酬原則は、男女が行う職務または労働を、技能、負担(努力)、責任、あるいは労働条件といった客観的要素に基づいて比較することを必ず伴う点を強調したい。日本政府に対して、男女同一価値同一報酬原則を規定するために法改正の措置を取るよう求める。
  • 客観的な職務評価
    日本政府に対し、客観的な職務評価を促進するために取られた措置について、次回報告で示すよう強く要請する。
  • 労働監督
    労働監督官に対して同一価値同一報酬原則に関する特定の
    訓練が提供されているかどうか示すことを日本政府に求める。 

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3.波及効果

 低賃金が当たり前と見られていた介護や保育というケアワークの職務評価では、「ケアワーカー自身が高度な専門職と自覚し、理解を深めるための方法」として、認識が深められています。自分の職務を客観的に、かつ性に中立に分析・評価することで、無自覚であった職務の重要性を発見し、労働者は自信を取り戻します。その自信が、処遇改善要求の運動に転化し、リンクしながら大きく広がっています。職務評価は、すべての職場で適用可能です。

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