<Melodica Live at 音や金時>


2001.6.1.(金) Melodica Live at 音や金時

Melodica初のライブステージ。

メンバーが村上聖氏(b)と榊原長紀氏(g)のユニットである。

読んでいただいてる方には想いが伝わらないかもしれないが、小生にとってはとても素敵なミュージシャンの2人であり、たまにしか会わないのだけれど活動状況が気になる2人である。スタジオミュージシャンであり、しかしながらその範疇には留めておきたくないぐらい気持ちのこもった演奏を奏でてくれる。

そして沢登秀信氏の1st ALBUM「強引にMyway」で演奏している2人で、ライブの時には「東京フラワーズ」として数々のライブハウスを共にしてきた。またその周りの友人ともお互いつながりがあるといった面白いつながりを持った縁である。

村上氏のベースは現在の活動状況でもお分かりのとおり多彩な一面を持ちながら一本筋の通ったベーシストである。榊原氏はスタジオでの活動はあまり知らないが、「東京フラワーズ」時代には各方面のライブハウスのマスターや筋金入りの常連たちを根こそぎ唸らせてきた兵である。

今回、ユニットを組んだ理由として榊原氏のリラクゼーションアルバム製作に立ち会った村上氏との話し合いによりユニットを組んでライブを行うことに決めたそうだ。

さて、1曲目「Southern wind」。リラクゼーションCDの中の榊原氏の曲。穏やかで清清しい曲でライブの一部が始まった。2曲目「鼓動」(榊原)。意識の中でゆっくりとしたリズムに合わせて聴くのが心地よい曲。3曲目「Dark side」(村上)。1年前に村上氏のセッションにて聴いたが今回のユニットで聴くと一味違う。ちょっとJazzyな曲調に榊原氏のギターが小生の頭を揺り動かす。4曲目「羽音の小路」(榊原)は今回来てよかったと思わせた、非常に気持ちに安らぎを与えてくれる曲。5曲目「5:30」(村上)夕暮れ時に家へ帰らなくては行けない子供の心境をイメージした切なさが心に残る曲。静かな雰囲気で一部の終了。

2部の始まりには榊原氏のソロから。今までステージ上で言葉をしたことがない彼が自分の曲の想いを言葉にして「遠まわり」の演奏で始まった。(あとで聴いたことだが、小生が来たことにより急遽話してくれたそうだ。感謝)小さな発見が素晴らしき一日にしてくれる、そう感じられる曲(これもいい)。2曲目「Blue mode」(榊原) 心の奥に静められた悲しみがふっと浮かんできて一人もの悲しく耽ってしまう、そんなイメージの曲。3曲目「Ebony cate」(村上) 村上氏の真骨頂。フュージョンであります。ベースをかき鳴らす姿にはやっぱり圧倒されますね。榊原氏も応戦できるところに懐の広さが窺える。今回唯一派手にかき鳴らした曲。4曲目「Mesopotamia」(村上) ギターの発祥の地を想い、単旋律で紡いでいった曲。5曲目「Melodica」(村上) 村上氏が作るとこうなるといった彼の持ち味が味わえる二人のソロをふんだんに入れたボサノヴァ調の曲で2部終了。

そしてアンコールに答えて「精霊の森」(榊原)を披露。疲れをゆっくり洗い流してくれるようなイメージの曲。ライブは終了した。

この日の榊原氏は緊張感もあったが、最近のインストゥルメンタルグループには珍しく譜面がない。自分の中で租借、吸収してライブに臨んできた姿が窺えた。そしていつのまにかMCで応戦する姿。この状況を目撃できただけでもうれしかった。

お互いの曲を持ち出してのライブ。非常に満足。榊原氏の静かに内に秘めた想いを一途に弾く姿とリズムやノリが体や音から放つように表現していく村上氏。両者の曲調も違い2人の世界をお互いが理解し合い演奏していく形態であったが、これから数を重ねていくうちに深みを増していくのではないか。その過程で作られた曲を是非聴いてみたいものである。

近年の村上氏の行動力は目を見張るものがあり、また、「東京フラワーズ」を離れてからライブハウス生演奏聴かせる舞台から遠ざかってしまった、ギター一筋で人生かけている榊原氏をその舞台に再登場させていただいたことには非常にありがたく、彼等のインストゥルメンタルのライブがどれだけ多くの人達に受け止めてくれるか見守っていきたい。

ライブ終了後に榊原氏と話す機会にも恵まれ、お互いの近況等いろいろ話した。両者プライベートでいろいろなことがあり、日々送っていることなども含めて自分の人生を再確認できたことが非常に嬉しかった。そして小生のような一聴衆に対して有難き一言を捧げてくれた榊原氏。感謝している。

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