翻訳へ戻る        疼痛管理 Pain Control  A Guide for People With Cancer
 and Their Families
目 次
はじめに
  ガンの疼痛管理に関する重要な事柄

ガンの痛みについて
  痛みの種類とは
  ガン患者に何が痛みを引き起こすのか
  痛みはどのように治療されるか
  鎮痛薬を変える必要がおきたら

鎮痛に使用される薬剤
  鎮痛薬はどのように処方されるか
  鎮痛薬の副作用は
  どの薬剤を選択するか
  非オピオイド
    製品名、ジェネリック品、化学名
    NSAIDs
    アセトアミノフェン
  オピオイド(アヘンに似た作用を持つ合成麻酔薬)
    薬剤耐性とは
    オピオイドでどのように痛みを抑えるか  
    オピオイドを使用するときの事前の注意
    オピオイドの副作用
    オピオイドの必要がなくなったとき
  その他の鎮痛薬

薬によらない鎮痛法
  リラクゼイション
  生体フィードバック
  イメージ法
  ディストラクション
  催眠療法
  肌への刺激
  電気刺激(TENS)
  鍼灸治療
  情緒面の支援とカウンセリング

その他の鎮痛法
  放射線療法
  外科手術
  神経遮断
  終末期介護

鎮痛法の研究

資 料

参 考
  患者記録
  鎮痛の記録
  書式:服用中の薬剤
  書式:過去の薬剤

用語集


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はじめに

ガンの痛みに関する重要な事柄
  ガンの疼痛管理に関する重要な事柄
  ガンの疼痛はほとんど和らげることができる
  疼痛をコントロールすることは、ガン治療の一部である
  疼痛の発生を抑えたり悪化を防ぐことは疼痛管理の最上の方法である
  あなたには鎮痛を求める権利がある
  ガンの疼痛鎮痛薬を服用する人が中毒になることはまれである
  医師により処方された疼痛薬により、いわゆる“ハイ“の状態になったり
    自制不能になったりすることはない
  薬剤による副作用は予防やコントロールすることができる
  あなたの体に疼痛薬の免疫ができるということではない


(もどる) ガンの疼痛治療に関する重要な事柄

疼痛の管理:がん患者とその家族へのガイド」は、ガン患者のための疼痛管理についての知識を与えてくれます。疼痛を管理するさまざまな薬剤と薬剤に頼らない方法、安全に薬剤を服用する方法、疼痛と治療が効果的かどうかなどについて医師や看護師と話をする方法など、疼痛を管理する最良の方法を得るために、医師や看護師、薬剤師などとどのように協同したらよいかをおしえてくれます。
 ガンに罹っていることは、疼痛があることを必ずしも意味しません。疼痛に対しては、さまざまな種類の薬剤、薬剤の服用法、薬剤を用いない方法などの疼痛の軽減の方法があります。ガンには痛みがつき物と思う必要はありません。疼痛から自由になれれば、睡眠を取り十分な食事ができ、家族や友人と楽しいときを過ごすことができ、仕事や趣味を再開することができます。
 どのくらいの痛みがあるのかを知っているのはあなただけですから、どのようなときに疼痛があるのかを医師や看護師に話をすることは大切なことです。疼痛の初期にそれを処置することは容易なことであるばかりでなく、疼痛は、ガンそのものまたは、ガン治療の副作用の初期警告であることもあります。あなた自身、看護師、医師などと疼痛の処置について話し合い、痛みを軽減することはあなたの権利ですから、その処置を求めてください。

 
ここに疼痛に関するあなたの質問への答えがあります


ガンの疼痛はほとんど和らげることができます

 ガンの疼痛をコントロールするさまざまな薬剤と方法があります。医師は、あなたをできるだけ快適にするのに必要な情報や資源をさがしてくれます。しかし、一人の医師がすべての医学的な問題について知っているというわけではありませんので、疼痛があり、医師がそれに対して処置をしないのであれば、疼痛の専門家を紹介してもらうか、医師に疼痛の専門家と相談をしてもらいましょう。疼痛の専門家とは、腫瘍学者、麻酔科医、神経科医、神経外科医、または他の医師や看護師薬剤師などのこともあります。疼痛管理チームには心理学者やソーシャルワーカーがいる場合もあります。
 疼痛管理プログラムや専門家を探すことが難しければ、ガンセンターやホスピス、近くの病院や医療センターの腫瘍内科をたずねましょう。NCIのガン情報サービス(CIS)やその他の機関で疼痛管理施設のリストを得ることもできます。アメリカガン学会‘ACS)やその他の機関で、あなたの近くの疼痛専門家、ペインクリニック、疼痛管理プログラムなどを知ることもでき案巣。
 これらの組織に関する情報は、「資源」の章を参照してください。


(もどる) ガンの痛みをコントロールすることはガンの治療の一部です

 医師は、あなたの痛みに何が効果があり、何が効果がないかを知っておく必要があります。それはあなたの体に、ガンや治療がどのように作用しているかをより良く理解することができるからです。痛みについて医師と議論することは、ガンの治療を妨げることにはなりません。


痛みの発生を抑えたり、悪化を防ぐのは、痛みをコントロールする最良の方法です

 早期に治療することにより、疼痛は最もよく緩和されます。よく「痛みが良い状態にとどまっている」ということを聞くことがあると思います。痛みが起こるまで服用を伸ばすなど服用する間隔を伸ばしてはいけません。痛みがあるまで待っていたりすると、より酷くなることがあり、痛みを抑えるのに時間がかかり、より多くの量を服用しなければならなくなります。


あなたには、鎮痛を求める権利があります

 誰でも同じように痛みを感じるわけではありません。同じ種類のガンに罹った人よりも強い痛みを感じるときには、我慢をしたり強がったりする必要はありません。実際、痛みを感じたらすぐにそれを医師や看護師に伝えましょう。それはひ弱ということではありません。痛みを抑えることは、それが激しいものになるまで我慢しているより、初期に抑えてしまうほうが簡単であることを、おぼえておいてください。


(もどる) ガンの痛みの治療薬で中毒が起こることはほとんどありません

 ガンの鎮痛薬での中毒は一般的におそれられていることです。そのような恐れから薬剤の服用をやめてしまう人もいます。また家族の中には、服用の間隔をできるだけ長くするようにすすめる人もいます。多くの医学会の定義では、中毒とは抑えきれない薬物の渇望、欲求、とその使用ということです。オピオイド(あへん:麻薬)―利用可能な最高の鎮痛剤―が鎮痛薬として用いられたときには稀に中毒を引き起こすことがあります。オピオイドの服用をやめてもよくなったときには、医師は段階的に服用している薬剤の量を減らしていきます。完全に服用をやめるころには、体は依存状態から復帰しています。
 問題なく鎮痛剤を服用する方法について、また中毒に関するどんな疑問についても、医師や看護師や薬剤師と話をしてみましょう。


医師により処方された鎮痛薬により、いわゆる“ハイ“の状態になったり自制不能になったりすることはありません

 初めて鎮痛薬を使用したときには眠気を感じることがありますが、この感覚はたいてい2〜3日のうちになくなります。痛みが抑制されたことで、痛みのあるときの睡眠不足を解消できるようになったので、眠気を催すようになったのです。鎮痛薬を服用することによりめまいがしたり、混乱したりすることもあります。このようなことがあったら、医師や看護師に相談しましょう。薬剤の種類を変えたり服用量を替えることでこれらの問題を解消することができます。


薬剤の副作用は抑制したり予防することができます

 薬剤によっては、便秘、悪心、嘔吐、うとうと状態などを引き起こすことがありますが、医師や看護師はこのような副作用を抑制することができます。またこのような問題は服用後2〜3日後になくなります。たいていの副作用は薬剤の種類や服用量や服用時間を変えることによりコントロ−ルできます。


(もどる) 体が疼痛薬に免疫になることはありません

 痛みは早く処置されなければなりません。そのときにはどんな薬でも服用することが大切であり、後のために強力な鎮痛剤をとっておく必要はありません。体が服用している薬になれてしまうと、従来までのような鎮痛効果はなくなります。これを薬剤耐性といいます。服用量を変えたり他の薬剤を加えたりできるので、この耐性は通常ガンの痛みの管理の問題とはなりません。


痛みが適切に管理されていないと、以下のような症状が出ることがあります
 ・ 疲労感
 ・ うつ状態
 ・ 怒り
 ・ 心配
 ・ 孤独感
 ・ ストレス


痛みが適切に管理されていれば、以下のことができます

(もどる)



 ・ 活発な活動
 ・ 良い睡眠
 ・ 家族や友人との団欒
 ・ 食欲の増進
 ・ 性の楽しみ
 ・ うつ状態の予防




TOPへ ガンの痛みについて

  ガンの痛みにはどのようなものがある
  何がガンの痛みを生じるか
  ガンの処置による痛み
  幻痛
  脊髄圧迫
  痛みはどのように治療されるか
  ガンの痛みの管理計画の作成
  ガンの痛みの経過の観察
  ガンの鎮痛剤を替える必要ができたとき



ガンの痛みにはどのようなものがあるか

 ガンの痛みには急性のものと慢性のものがあり、急性の痛みは激しい痛みですが
短時間でなくなります。体組織が何らかの損傷を受けていることが痛みの元となっていることが一般的で、その損傷が回復するにつれて痛みがなくなっていきます。
 慢性的な痛みや持続的な痛みは、軽いものから激しいものまでいろいろなものがあり、その継続期間もさまざまです。鎮痛剤により抑制されている慢性的な痛みには、軽い痛みから激しい痛みまでの、さまざまな突発性の痛みが短時間起こることがあります。慢性の痛みや持続的な痛みに対して適切な量の鎮痛薬が処方されていても、一日のうちに数回起こることがあります。



(もどる) 何が痛みを引き起こすか

 ガンそのものから痛みを生じることもあります。痛みを感じたり、その痛みを感じる程度はガンの種類、疾患の段階(範囲)、痛みの感受性(痛みに対する抵抗力)などによります。ほとんどの痛みは、腫瘍が骨や神経を圧迫することにより生じます。また、ガンの治療やガンの診断の過程で生じることもあります。
 しかし、誰にでもある頭痛、筋肉痛、その他の痛みなどのように疾患や治療とは無関係の痛みを生じる場合もあります。

処置による痛み
 ガンの診断をするある種の処置や、治療がどの程度作用しているかを確認する方法などには痛みをともなうものがあります。その処置が必要と判断され、同意されたのであれば痛みを伴うからといって処置を躊躇してはいけません。そのような痛みはどのような痛みでも抑えることができます。個人の必要性となされる処置の種類により、鎮痛薬の種類が決まります。処置に伴う痛みが回避不能であるが、短時間である場合であっても、必要と感じたら鎮痛薬の使用を希望しましょう。

幻痛
 腕や足が手術により切り取られてしまったとしても、あたかも痛みや不快感が、存在しない腕や足から来ているように感じることがあります。医師もこれがなぜおこるのかはよくわかっていませんが、この幻肢痛は確かに存在します。これは、精神的なものではなく、乳房を取り去ってしまったとしても、ないはずの乳房に痛みを感ずることも会います。
 ある幻痛に対する鎮痛法がいつでも誰にでも湯工であるとは限りません。鎮痛薬、物理療法、抗うつ薬、経皮的電気神経刺激(TENS)などのさまざまな方法がこの腫の痛みの処置に使用されています。ものこの幻痛があるときはどのような治療ができるか医師、看護師、薬剤師などに相談してみましょう。

脊髄圧迫
 腫瘍が脊髄まで広がると、脊髄圧迫を生ずることがあります。脊髄圧迫の第一段階は脊柱や頚骨の痛みです。くしゃみや咳や体を動かしたときに痛みを強く感じることがありますが、このような痛みを感じたならすぐに医師に連絡することが重要です。この痛みを発生している原因を取り除き、鎮痛剤を処方してくれるでしょう。このような圧迫による痛みがすぐに治療されれば、膀胱や腸などに関する合併症は回避されます。
 この様なときの治療には腫瘍を縮小させるための放射線療法や、放射線療法で縮小させその後手術により腫瘍を取り除く併用療法がおこなわれます。



(もどる) ガンの痛みはどのように治療されるか

 ガンの痛みは通常、薬剤(鎮痛薬と呼ばれる)や、リラクゼーション法、生体フィードバック法、イメージ療法、などの非薬療法により治療されます。鎮痛薬を使用しようと思うのであれば、それがどのようなものでも医師や看護師に相談しましょう。薬剤は適切に使用されたときのみ安全なものです。処方箋や医師の指示がなくても鎮痛剤を買うことができますが、このような薬剤を、非処方鎮痛剤または店頭販売(OTC)鎮痛剤といいます。他の薬剤には医師の処方箋が必要です。
 薬剤や非薬療法の効果がない人のためには、そのほかの方法が使用されます。それは、腫瘍を縮小させる放射線療法、腫瘍の一部または全部を取り除く手術、痛みの刺激を伝わらなくするために、神経の周辺や脊椎内に直接鎮痛剤を注入する神経遮断法、痛みを感じなくするための神経切断法などです。



ガンの痛みの管理計画の作成

 管理プランの第一段階は医師、看護師、薬剤師などと痛みについて話し合うことです。あなたの痛みについて、家族や友人にも、医療者にと同じように話をしておきましょう。相すれば、疲れきっていたり、あまりの痛みで自分で話をすることができないときに、家族や友人にあなたの代わりに管理プランについて医療者と話をしてもらうことができます。
 
痛みの尺度(ペインスケール)を使用すると、どれくらいの痛みを感じているかを表現するのに便利です。ペインスケールの例は“参考”の章にあります。

 痛みの程度に10段階をつけます。 
 痛みをまったく感じないときを0とします。
 痛みが酷くなるにつれて数を大きくしていきます。
 10はもう我慢できないくらいの痛みをあらわします。

(もどる)  もちろん、5段階でも100段階でも、自分の好きなスケールを使うことができます。
しかし、ほかの人にあなたがどのようなペインスケールを使用しているかを知らせ、同じスケールを使いましょう。たとえば 「私の痛みは、0〜10のスケールの7です。」というようにです。

 記述式のスケールを使うこともできます。

・痛みの最悪の場合はどのようか
・いつもの痛みの程度はどれくらいか
・痛みの少ないときはどのようか
・治療で痛みがどのように変るか



医師や看護師、薬剤師、家族・友人に話す内容

 ・ 痛みを感じるところ。
 ・ どのように感じるか。刺すような、鈍い、ズキズキする、ずっと続く
 ・ どれくらいの痛さか。
 ・ どれくらい続くか。
 ・ 何が痛みを和らげたり、酷くしたりするか。
 ・ どんな薬剤を使用しているかと、それがどのような効果があるか。

医師や看護師、薬剤師が知っておくこと

 ・ 今どんな鎮痛薬を服用しているか。またどのような鎮痛薬を使っていたか。その
  効果は。
  “参考”の章にある「服用中の薬剤」「以前の薬剤」という医療記録にこの情報を
  記録しておきましょう。
 ・ 薬剤に関する既知のすべてのアレルギー反応





(もどる)
鎮痛剤についての医師や看護師への質問事項

 ・ どれくらいの薬剤を服用しなければならないか。また、どれくらいの間隔で。
 ・ 痛みが和らがないときは、服用量を増やしても良いか。どれくらい増やしても良
  いのか。
 ・ 服用量を増やす前に連絡する必要があるか。
 ・ 鎮痛薬を飲み忘れたり、間隔があいてしまったときにはどうするか。
 ・ 鎮痛薬は食事と一緒にとるべきか。
 ・ 鎮痛薬を飲むときにどれくらいの水を飲めばよいか。
 ・ 効き始めるまでどれくらい時間がかかるか。
 ・ 鎮痛薬を服用後、アルコール類の摂取、車の運転、機械の操作、などをしても
  良いか。
 ・ 鎮痛薬と一緒にどんな薬を服用して良いか。
 ・ どんな副作用が予想されるか。それをそのように防いだらよいか。



癌の痛みの経過を観察すること

 痛みの経過と痛みの緩和には 「何が効果的であったか」 などの記録や日記をつけることが、とても役に立ちます。この記録を、あなたをケアしてくれる人と共有しましょう。そうすれば、あなたにとって傷みの緩和にどのような方法が有効かを知ることができます。この記録をつけるために“参考”の章にある「痛み緩和の記録」を使用してみましょう。

 記録には、次のようなことを記入します。


  ・どのような痛みか。
  ・痛みの影響を受ける活動や、痛みが増したり、少なくなったりする活動
  ・痛みのためにできない活動
  ・服用している鎮痛薬の名前と服用量
  ・鎮痛剤を服用する時間や、痛みを緩和するほかの方法
  ・ペインスケールを使用している場合の数値
  ・鎮痛の手当てをした1〜2時間後の痛みの程度
  ・鎮痛薬の効果の持続時間
  ・いつもの気分を保っていられる一日を通しての痛みの程度
  ・痛みにより睡眠、食事、性行為、仕事などの日常の活動が、どのように妨げら
   れるか
  ・休息、リラックス法、ディストラクション、マッサージ、指圧、イメージ法など薬剤
   以外の痛みの緩和法
  ・すべての副作用


薬剤を変えたいときにはどうすればよいか

(もどる)  ある薬剤や治療の効果がない場合には、他の方法があります。また、薬剤を服用するスケジュールや方法が、効果がない場合でも、変更がなされます。もっとも効果的な鎮痛薬や方法を見つけるために、医師や看護師と相談しましょう。
 もし、以下のようなことがあれば、別の鎮痛薬や、異なる鎮痛薬の組み合わせ、服用量の変更などがあります。

  ・痛みが和らがない。
  ・医師が予測したときまでに鎮痛薬の効果が現れない。
  ・効果持続時間が、医師の予測より短い。
  ・激痛が起こる。
  ・副作用を呈する。
  ・呼吸困難、めまい、発疹などの副作用がおこる。これらの症状が起こったら、
   すぐに医師に連絡してください。通常、眠気、吐き気、かゆみなどの副作用は
   体が鎮痛薬に適応すれば無くなります。もしこれらが不快であれば、医師に
   連絡してください。
  ・鎮痛薬を服用するスケジュールや方法に効果がない。
  ・痛みが食事、睡眠、性行為などの日常活動の妨げになる。


鎮痛計画の最大効果をあげるために

(もどる)   ・持続的や慢性的な痛みを予防するために、規則的に(時計を使って)服用しま
   しょう。
  ・予定された服用を飛ばしてはいけません。もし痛みが出てしまうと緩和すること
   が難しくなります。
  ・もし激痛が起こったなら、医師の指示に従い、短時間作用型の薬剤を使いまし
   ょう。痛みがさらにひどくなるまで待たないでください。緩和するのがさらに困難
   になります。
  ・一人の医師に処方してもらいましょう。別の医師が処方を変えるときには、二人
   の医師があなたの治療について、さまざまな議論をしなければなりません。
  ・他の人の薬を服用してはいけません。以前効果のあった薬や、友人や親戚に
   効果のある薬は、あなたに効くという可能性はありません。
  ・鎮痛薬は別の人には異なった効果を生じます。あなたにはほんの少しの量で痛
   みの緩和効果があっても、他の人には大量に必要かもしれません。
  ・いつでも痛み緩和の計画を変えることができることを、忘れないでください。




鎮痛に使用される薬剤

TOPへ   痛みを和らげるのに用いられる薬剤
  軽度から中度の痛みのために

 
中度から重度の痛みのために
  激痛のために
  刺すような痛みと焼けるような痛みのために
  膨張による痛みのために
  どのように鎮痛剤が投与されるか
  鎮痛薬の副作用は何か
  どちらの薬が処方されるか
  純正薬とジェネリック薬
  NSAIDs
  隠れたアスピリン
  NSAIDの副作用
  アセトアミノフェン
  オピオイド
  薬剤耐性とは
  オピオイドにより適切な鎮痛効果を得る
  オピオイドを使用するときの事前注意
  オピオイドの副作用
  うとうと状態
  便秘
  悪心と嘔吐
  オピオイドを必要としなくなったとき
  他の鎮痛薬




痛みを和らげるのに用いられる薬剤
(もどる)
 薬剤の種類や投与の方法は、痛みの種類とその原因によります。たとえば、常に感じる自足的な痛みは、薬剤を含ませた皮膚に貼り付けるパッチや、緩溶解性の経口薬剤などのような長時間にわたり効果を持続する方法によって最もよく緩和されます。
 以下に、痛みを緩和する薬剤の種類の概様を示します。

軽度から中程度の痛みには

非オピオイド

 アセトアミノフェンとアスピリンやイブプロフェンのような、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)。これらの薬剤は処方箋無しで店頭で購入できます。他の薬剤には処方箋が必要です。これらの薬剤を使用する場合には、医師に相談してください。特に化学療法を受けているときには、NSAIDは血液凝固を緩慢にしてしまいます。

中程度から重度の痛みには

オピオイド(別名麻薬)

 モルヒネ、フェンタニル、ヒドロモルフォン、オキシコドン、コデインなど
これらの購入には、処方箋が必要です。非オピオイドが、オピオイドと共に中程度から重度の痛みに使用されることもあります。

激痛には

即効性オピオイド

 
急溶解性経口モルヒネ
この購入には処方箋が必要です。
急速に激痛を緩和する短時間作用性のオピオイドは、持続的な痛みに対処する長時間作用性のオピオイドと共に使用する必要があります。

刺すような痛みや焼けるような痛みには

(もどる) 抗うつ剤:

 アミトリプチリン、ノルトリプチリン、デシプラミン
これらの購入には処方箋が必要です。抗うつ剤もある種の痛みを和らげるために処方されます。抗うつ剤を使用しても、うつ状態や他の精神障害があるということではありません。

抗けいれん薬(抗発作薬)

 カルバマゼピン、フェニトイン
これらの購入には処方箋が必要です。名前にかかわらず、抗けいれん薬がけいれんのためだけでなく焼け付くような痛みや刺すような痛みの緩和にも用いられます。

膨張による痛みには

ステロイド:

 プレドニゾン、デキサメサゾン
これらの購入には処方箋が必要です。これは痛みを生じる膨張を抑えるために使用されます。


どのように鎮痛薬が投与されるか

 一般には痛みが酷くなったときには注射を受ける必要があると思っていますが、実際は酷い痛みに注射が行われることは稀なことです。

薬剤の投与にはさまざまな方法があります。


 ・ 経口投与:薬剤は錠剤やカプセルで投与されます。
 ・ 皮膚への貼付:皮膚を通して2~3日間、ゆっくりと継続的に薬剤を浸透させる包
  帯のようなパッチ。オピオイド薬の一つであるフェンタニルは皮膚パッチとして使
  用さ れます。この方法によれば、悪心や嘔吐を引き起すことがありません。
 ・ 肛門座薬:直腸で溶解し身体に吸収されます。
 ・ 注射
     皮下注射:小さい針を使用して、皮膚下に注入されます。
     静脈内注射:針により直接静脈内に注入されます。
     脊髄注射:脊髄(鞘内)の体液内や脊髄の周辺(硬膜外)に注入されます。
 ・ ポンプ
     患者自己管理鎮痛法(PCA)この方法により自分が摂取する薬剤の量を調
     整することができます。痛みを抑えたいときに、身体に設置された細い管につ
     ながったコンピューターによって制御されたポンプのボタンを押すことによっ
     てあらかじめセットされた量の鎮痛薬を服用することができます。薬剤は静脈
     (静脈内に)、皮膚下(皮下)または脊髄領域に注入されます。


鎮痛剤の副作用は何か

(もどる)  鎮痛剤に折る副作用はたいてい予防することができます。身体が薬剤に順応するにつれて、吐き気、かゆみ、うとうと状態などの軽度の副作用は、たいてい2~3日でなくなります。もしこれらの副作用の症状があるのであれば、すぐに医師や看護師に相談しましょう。

 もし、化学療法を受けているのであれば、アスピリン、イブプロフェン、その他のNSAIDを服用することはできません。


どちらの薬剤を服用したらよいか

 たいていの場合、非オピオイドが、痛みの緩和に使用されます。特に、定期的な服用で痛みを抑えるときにはこれを使用します。これらの薬剤は、たいていの人が思っているより強力な鎮痛薬です。たとえば。経口で投与されるオピオイドはアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンの2〜3錠よりも効果がうすいのです。
 もし、非オピオイドが鎮痛効果がないのであれば、オピオイドが必要な鎮痛薬として使用されます。オピオイドのたいていの副作用は、予防することができたり抑えることができます。非オピオイドと共にオピオイドについても医師、看護師、薬剤師などと話しあいをする必要が有ります。二種類の薬剤は、それぞれ異なった方法で痛みを緩和します。
 一日に4回服用するアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンは、より強い鎮痛薬の必要性を回避したり使用をへらします。オピオイドを服用している多くの人は、アスピリン、アセトアミノフェン、イブオプロフェンの定期的な服用をしなくてもすみます。
 鎮痛薬の中には、オピオイドと、アスピリン、アセトアミノフェンなどの非オピオイドを一緒に配合したものもあります。あなたの処方には、アスピリンやアセトアミノフェンなどが入っているのか、またその量はどれくらいかを医師や看護師や薬剤師に確認しましょう。医師や看護師は、これらの薬剤をどのくらいなら安全に摂取できるかをおしえてくれます。抗うつ剤や抗けいれん剤などの薬剤は特定の種類のガンの痛みの緩和に用いられます。


 この表は薬剤の種類、作用、副作用についてまとめてあります。


非オピオイド 
  非オピオイドは中程度の痛みを和らげるのに使用されます。
  いずれ処方箋無しで購入することができるようになります。
  非オピオイドの詳細については下記の表を参照してください。


(もどる) 表―1 非オピオイド 

アセトアミノフェン、NSAID


種  類 作  用     副 作 用
アセトアミノフェン 鎮痛、解熱 大量の服用は肝臓および腎臓に障害をあたえる。

一日3杯以上のアルコールを飲む人による使用は肝障害を引き起こす場合がある

アセトアミノフェンは解熱作用があるので、服用中に体温が正常値(98.6°F  37℃)よりも高いのであれば、どんな処置をすべきか医師に相談してください。 



NSAID (非ステロイド系抗炎症薬

店頭販売薬
鎮痛 抗炎症
解熱

NSAID薬剤は以下の副作用があります

アスピリン
    (Aspirin)
イブプロフェン
    (Ibuprofen)
ケトプロフェン
    (Ketoprofen)
ナプロキセン・ナトリウム
   (Naproxen sodium)
 胃がヒリヒリする

 特にアルコールと結合すると胃粘膜の出血を引き起こすことがある

 腎臓の問題を引き起こすことがある

 もし、抗がん剤により出血があるときには、これらの鎮痛薬の使用をやめてください

 アスピリンとNSAIDは、解熱作用があるので、服用中に体温が正常値(98.6°F  37℃)よりも高いのであれば、どんな処置をすべきか医師に相談してください。

箋薬

セレコキシブ
         (Celecoxib)
コリン・マグネシウム
  (Choline magnesium)
ジクロフェナク
       (Diclofenac)
エトドラック
       (Etodolac)
フェノプロフェンカルシウム
   (Fenoprofen calcium)
インドメタシン
       (indomethacin)
ケトロラック
         (Ketoralac))
メクロフェナム酸
    (Meclofenamic acid)
ナブメトン
       (Nabumetone)
ナプロキセン
         (Naproxen)
オキサプロジン
        (Oxaprozen)
ピロキシカム
         (piroxicam)
ロフェコキシブ
         (Rofecoxib)
スリンダグ
          (Sulindac)
トルメチンナトリウム
     (Tolmetin sodium)

 

  (もどる)


純正薬とジェネリック薬

 薬剤には3種類の異なった名称が有ることがあります。それはブランド名、ジェネリック名、化学名です。製薬会社は、製品に商標名(ブランドネーム)をつけます。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、ジェネリック薬に一般に知られているよりも短い名前をつけることを承認しています。化学名は長くて、発音しにくい傾向があります。

 たとえばこのように呼ばれます。

ブランド名 
  タイルノール Tylenol

ジェネリック名 
  アセトアミノフェン Acetoaminophen

化学名 
 ノーマル(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド N-(4-hydroxyphenyl) acetamide


 多くの鎮痛薬は、ブランド名とジェネリック名と両方を呼ばれています。医師、看護師、薬剤師はジェネリック名でよぶことがあります。
 ジェネリック品は、有名ブランドの薬よりも一般的に廉価です。異なる会社で作られた薬剤でも、同じジェネリック名でよばれることがあります。しかし、それぞれの工場は異なる方法で薬剤を生産しますので、同じ名称でも、体に吸収される方法が異なる場合があります。このような理由から医師はブランド品を使用することを好む傾向があります。
 もし、廉価品を使いたいのであれば医師や看護師や薬剤師に相談しましょう。薬剤師は、高品質のジェネリック製品を入手するように気をつけているので、使用する薬剤を取り替えることは可能です。
 主成分(アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン)に、添加物と呼ばれるものを加えるメーカーもあります。

(もどる) 一般的な添加物は下記のようなものです。

・ 緩衝材:胃の負担を和らげる(炭酸マグネシウム、水酸化アルミニュームなど)
・ カフェイン:刺激薬として作用し、痛みを和らげる
・ 抗ヒスタミン剤:緊張をほぐし睡眠を助ける(ジフェンヒドラミン、ピリラミンなど)

 添加物を加えた薬剤には、若干の有害反応を引き起こすものもあります。たとえば、抗ヒスタミン剤を加えると、眠気をもようします。これは、就寝時にはありがたいことですが、日中や運転をしているときなどには問題となります。また、添加物は非処方箋鎮痛薬の価格を上昇させる傾向があります。また、常用している薬と併用すると、その作用を変えてしまうこともあります。
 アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンは、添加物が加えられても、無添加物と同様な作用を示すでしょうが、もし添加物が加えられた鎮痛薬を使いたいのであれば、その添加物があなたにとって安全かどうかを医師や看護師や薬剤師に相談しましょう。非処方箋薬に関するどんな懸念されることでも、相談をしましょう。



NSAIDs

 アスピリン、アセトアミノフェン、その他のどんな非オピオイドの薬剤でも、それと服用するまえに、それを服用しなくても良い理由がないか、どれくらいの期間服用しなくてはならないのか、医師や看護師に相談しましょう。
 NSAIDsはアスピリンに類似したものです。単独、または他の薬剤と併用して痛みの緩和や炎症の抑えに効果をしめします。


NSAIDsを服用するときの注意

(もどる)  NSAIDsやそれを含む製品により、症状が悪化してしまう人もいます。それは以下のような人です。

 ・ アスピリンに対するアレルギーがある。
 ・ 化学療法中(抗がん剤を使用中)である。
 ・ ステロイド系薬剤を使用中である。
 ・ 胃潰瘍、潰瘍、痛風、または出血障害の既往症がある。
 ・ 関節炎のために処方薬を服用中である。
 ・ 糖尿病や痛風の経口薬を服用している。
 ・ 腎臓に問題がある。
 ・ 1週間以内に手術の予定がある。
 ・ 血液希釈薬を服用している。

 NSAIDsとアルコール類の同時摂取を控えてください。NCAIDsを服用してアルコールを飲むと、胃の内壁に負担を与え出血を引き起こすことがあります。



隠れたアスピリン

 ある種のオピオイド薬剤もアスピリンを含んでいることがあります。医師にアスピリンの服用を止められているときには、必ずラベルをチェックするようにしてください。薬剤にアスピリンが混入されているかどうか不明なときには、薬剤師に確認しましょう。


NSAIDsの副作用

 高齢者におけるもっとも多い副作用は、胃の不調や消化不良です。NSAIDsを食事と一緒にとるか、服用後すぐに食事をとれば、この副作用を防ぐことができます。どのNSAIDs製品なら自分の胃にやさしいか、薬剤師に相談しましょう。
 NSAIDsは、損傷後の血液凝固作用をする血小板の作用を妨げます。血小板の凝固作用が働かないのであれば出血を止めることは難しくなります。
 NSAIDsは胃を刺激し、出血をひきおこすことがあります。もし便が通常よりも黒くなったり、異常なアザを見つけたりなど、何か出血の気配が有るのであれば、医師や看護師に相談してください。そのほかの副作用は腎臓の問題や胃潰瘍の問題です。



(もどる) アセトアミノフェン

 この薬剤はNSAIDsと同様に痛みを和らげますが、炎症を抑える効果はありません。これの通常量の服用で副作用を起す人はほとんどいません。しかし、長期間にわたり毎日大量に服用すしたり、また通常量でもアルコールと一緒に服用すると、肝臓や腎臓の障害をおこすことがあります。アルコールが適量でも、アセトアミノフェンを服用していると肝障害を引き起こすことがあります。
 化学療法を受けているのであれば、医師はアセトアミノフェンの定期的な服用はさけるでしょう。アセトアミノフェンは体温の上昇を抑えてしまうからです。処置が必要な感染の徴候などの発熱など、どのような熱でも、医師は知っておく必要が有るのです。



オピオイド

(もどる)  中等度から重度の痛みの緩和のために、オピオイド単独または非オピオイド薬との併用で使用されます。オピオイドは痛みを和らげるために身体内で生産される、天然の物質(エンドロフィン)とよく似た組成をしています。この薬剤が、激痛を和らげるのに非常に効果的な人もいます。これらの薬剤はかってはケシから作られていましたが、現在は合成されています。つまり、製薬会社で生産される、化学薬品です。

オピオイドの例は次の表を参照してください。


表―2 オピオイド

 ジェネリック名

コデイン Codeine
ヒドロモルフォ Hydromorphone
レボルファノール Levorphanol
メサドン Methadone
モルヒネ Morphine
オキシコドン Oxycodone
メペリジン Meperidine
オキシモルホン Oxymorphone
フェンタニル Fentanyl


オピオイドとNSAIDsの組み合わせ

コデイン(アスピリンまたはアセトアミノフェン)
       Codeine (with aspirin or acetaminophen)
オキシコドン Oxycodone
ヒドロコドン Hydrocodone



薬剤耐性とは

(もどる)  痛みを和らげるためにオピオイドを服用している人は、次第に服用量を多くしていく必要が有ることがあります。こらは、痛みの増加や、薬剤耐性の発現に代路者とおもわれます。薬剤耐性は、体が服用している薬剤に慣れてくることによりおこり、以前のように薬が痛みの緩和の効果を示さなくなります。ほとんどの人はオピオイドの耐性は高まりません。もし耐性が高まってしまったら、服用量を少し増やすか、薬剤の種類を変更することで痛みの緩和効果があらわれます。

 増加する痛みを和らげたり、薬剤耐性に打ち勝つためにオピオイドの服用量を増加しても、中毒はおこりません。


オピオイドで適切な痛みの緩和を得るには

 薬剤が十分な鎮痛効果を発揮しないときには、服用量を増やしたり服用回数を増やしたりすることがあります。注意深く薬剤の効果を観察することにより、痛みを緩和するために、薬効の強いオピオイドの服用量を安全に増加することができます。けして勝手に鎮痛薬の服用量を増やしてはいけません。設定された服用量の効果がない場合には、医師が服用量を増やすか異なる薬剤を処方してくれます。他の種類より強力なものもあり、痛み胃の緩和にはその強力なものが必要かも知れません。
 痛みが程よく緩和されていても、時々激痛が起こるような場合には、即効性モルヒネのような即効性の鎮痛薬を処方してくれるでしょう。

オピオイド服用の注意

 あまり多くの薬剤を服用しなくても良いように、医師は慎重に鎮痛剤の服用労を調整してくれます。ですから、複数の医師が十分に話し合わない限り、異なる医師がオピオイドの服用の指示を出さないことが重要です。
 アルコール飲料、精神安定剤、睡眠導入剤、抗抑うつ剤、抗ヒスタミン剤、またはその他の睡眠薬などを服用している場合には、その量、その回数などを医師に話してください。オピオイドとアルコールや精神安定剤の組み合わせは危険です。小用量でも問題を起すことがあります。



オピオイドの副作用

(もどる) 誰にでもオピオイドの副作用があるわけではありません。通常の副作用はうとうと状態、便秘、吐き気と嘔吐などです。一部には、眩惑感や、悪夢、錯乱、幻覚などの精神障害、呼吸数や深さの減少、排尿困難、掻痒などを呈する人もいます。

うとうと状態

 一部の人にオピオイド服用の初期に、うとうと状態を引き起こすことがありますが。これは2〜3日でなくなります。痛みで眠れないことがあると、オピオイド服用開始数日後に、この睡眠不足を取り返すかのように熟睡できるようになります。体が薬剤になれてくるに従いうとうと状態も少なくなってきます。
 一週間くらい服用を続けていても、日常の活動の妨げになるくらいに眠気けを感じるのであれば、医師や看護師に相談してください。
 車の運転や、一人で階段を上り下りすることが危険なこともあります。大型の装置の操作や敏捷性を要求される仕事は避けましょう。


うとうと状態に対処する方法が以下にあります。

 ・ それが消えるかどうか2~3日待つ。
 ・ 他の服用している薬剤がうとうと状態を引き起こすかどうかチェックする。
 ・ 服用量を少なくして回数を増やしたり、鎮痛効果の長いオピオイドを使えない
  か医師に相談する。
 ・ オピオイドに鎮痛効果がない場合、痛みにより体が疲れきっていることがあり
  ます。このようなときには良い鎮痛剤によりうとうと状態を解消することができ
  ます。痛みを和らげるのに何をしたら良いか医師に相談しましょう。
 ・ 少な目の服用量で、うとうと状態を引き起こさずに鎮痛効果が得られることが
  あります。うとうと状態が激しい場合は、必要量以上のオピオイドを服用して
  いることがあります。医師に服用量を減らすことができるかどうか相談しましょ
  う。
 ・ 他の種類の薬剤に変えられないか、医師に相談しましょう。
 ・ カフェインのような穏やかな覚せい剤を使っても良いか、医師に確認しましょ
  う。
 ・ しばらくオピオイドを服用していたにも係わらず、うとうと状態がひどかったり
 、突然起こったりする場合には、医師や看護師に相談しましょう。

(もどる) 便秘

 オピオイドはたいていの人に便秘を引き起します。オピオイドは便が腸壁に沿ってゆっくり移動するような作用をしますので、腸壁が水分を吸収する時間を増加させます。ですから便がかたくなります。しかし便秘は予防したり処置したりできます。

医師や看護師に確認してから、次の便秘予防法を試してみましょう。

・ 医師に便の軟化剤を聞いてみましょう。それを、どれくらいの間隔で、どれくら
 いの量をとるべきか聞きましょう。
・ 多量の水分を取りましょう。毎日8オンスグラスに8〜10杯の水分を取れば便
 がやわらかくなります。これはもっとも大切なことです。
・ 繊維質の多いものや、皮付きの生の果物のような不消化分の多いもの、野菜
 、全粒のパンやシリアルなどを食べましょう。
・ 食品にスプーン1~2杯のふすまを振りかけましょう。これは繊維質を加え腸の
 働きをよくして便通を促進します。
・ 商品にふすまを振り掛けるのを簡単にするためにシェーカーやふりかけ器を
 食事のときに用意しておきましょう。
・ 可能であれば運動をしましょう。
・ 以前に便秘を楽にしたことのある食品を食べて見ましょう。
・ 寝たきりのときでも、それがベッドから出る唯一の機会であってもトイレに行くか
 、室内便器を使用しましょう。

 上記のことをすべて試してもまだ便秘があるときには、医師に便軟化剤か緩下剤を処方してもらいましょう。自分で便軟化剤や緩下剤を用意するにしても、医師や看護師に確認しましょう。また、2日以上便通がなければ、医師の診察を受けましょう。


悪心、嘔吐

(もどる)  オピオイドの使用による悪心や嘔吐は薬の服用後2~3日でなくなりますが、以下のヒントが役に立つかも知れません。

・ もし、歩いたりすると(ベッドで横になっているときに比べて)吐き気が起こるの であれば、薬の服用後1~2時間はベッドで休みましょう。この種の吐き気は運動
 により生じます。メクリジンンやジメンヒドリネートのような一般販売薬が、この  種の吐き気に効果があります。これらを服用する前に医師や看護師に使用に  ついて確認しましょう。
・ もし、痛み自体が吐き気の原因であるときには、痛みを和らげるためにオピオ イドを使用することが吐き気を抑えることになります。
・ 吐き気を抑える薬は処方してもらえます。
・ ガンや治療の状態、ステロイドや抗ガン剤やアスピリンなど服用中の薬が吐き 気を引き起こしているのであれば、医師や看護師に相談しましょう。便秘は吐  き気を引き起こすこともあります。

 オピオイドを服用しているときに吐き気を生じる場合には、オピオイドに対するアレルギーかと思われることがありますが、吐き気や嘔吐はアレルギー反応ではありません。しかし嘔吐や吐き気と同時に起こる発疹や掻痒は、アレルギー反応であることがあります。これらがお子多なら薬剤の服用をやめて過ぎに医師に相談しましょう。


オピオイドが必要なくなったとき

 オピオイドの服用を急にやめてはいけません。オピオイドの服用をやめるときには段階的に容量を減らして聞きましょう。そうすれば退薬症状も穏やかであったり、まったく気付かなくなります。もし、急にオピオイドの服用をやめて、インフルエンザのような症状や過剰な発汗、下痢、その他何か変わった反応が出た場合にはすぐに医師や看護師に連絡しましょう。これらの症状は処置することができ、2~3日から2〜3週間で消えてしまいます。


他の種類の鎮痛薬

(もどる)  ガンの痛みを和らげるために、他の種類の薬剤がオピオイドと一緒に(または、代わりに)使われることがあります。その薬剤は、鎮痛効果があったり、オピオイドの効果を増大させることができます。その他、オピオイドの副作用を抑える働きをします。
 次の表は、d着るだけ少ない副作用で最高の鎮痛効果を発揮するために医師により処方される非オピオイド系の薬剤です。


表ー3
ガンの痛みを和らげるのに用いられる他の薬剤

薬剤の種類 薬品名 作用 副作用
抗うつ剤 アミトリプチリンAmitriptyline
ノルトリプチリンNortriptyline
デシプラミンDesipramine
神経の障害による刺痛または灼熱痛を処置するのに用いられる。
神経損傷は、手術、放射線治療または化学療法から生じることがありえる
口渇、眠気、便秘、血圧低下によるめまいや、起立中の失神
目のかすみ
尿の貯留
心疾患患者には巣製脈を呈することもある。
抗ヒスタミン剤 ヒドロキシジンHydroxyzine
ジフェンヒドラミンDiphenhydramine
嘔気をおさえ、睡眠を促進する。
そう痒を緩和する。
眠気
抗不安剤 ジアゼパムDiazepam
ロラゼパムLorazepam
激痛による筋肉のけいれんの処置に用いられる。
不安感を抑える。
眠気
尿失禁を引き起こすことがある。
アンフェタミン カフェインCaffeine
デキストロアンフェタミンDextroamphetamine
メチルフェニデートMethylphenidate

オピオイドの鎮痛作用を増加し、また、うとうと状態を緩和する。
イライラ感
心拍数の急激な増加
食欲不振
抗けいれん剤 カルバマゼピンCarbamazepine
クロナゼパムClonazepam
ガバペンチンGabapentin
フェニトインPhenytoin

ガンやガンの治療による神経損傷から来るヒリヒリや焼けるような痛みの緩和
肝臓の疾患と赤血球と白血球の減少
ガバペンチンは鎮静作用と眩惑間を引き起こすことがある。
ステロイド デキサメサジンDexamethasone
プレドニゾンPrednisone
骨の痛みや脊髄や脳腫瘍に起因する痛みと、炎症による痛みの緩和に使用される。
食欲増進効果。
体内の水分の貯留
血糖値の増加
胃炎
稀に、錯乱や行動の変化、不眠などを引き起こすことがある。
(もどる)

薬によらない鎮痛法

TOPへ   リラクゼイション
   リラクゼイションの活用法
   視覚の集中とリズミカルなマッサージ
   ゆっくりとした呼吸
   ゆっくりとした呼吸法に付加するほかの方法
   注意点
  生体フィードバック
  イメージ法
    イメージ法の活用法
  ディストラクション
   ディストラクションの活用法
  催眠療法
  皮膚刺激
  マッサージ法
  指圧法
  バイブレーション
  加熱冷却法
  メントール
  電気神経刺激(TENS)
  鍼灸治療
  情緒面の支援とカウンセリング

 薬によらない痛みの緩和法は、現在ガンの痛みを和らげるために一般的に使用されている。さまざまな方法があり、単独に用いられたり薬剤との併用で用いられたりしている。それらの方法を取り入れることで、薬剤の服用量を低く抑えることができることもあります。
 これらの方法には、リラックス法、生体フィードバック、イメージ法、ディストラクション、催眠療法、皮膚刺激、電気神経刺激、鍼灸治療、運動物理療法、情緒面の支援とカウンセリングなどがあります。
 これらの方法は、医療専門家、ソーシャルワーカー、理学療法士、心理学者、看護師、などから学ぶことができます。家族や友人も援助者になりえます。
 これらの方法の知識に関する専門家や組織を差額には、以下のことが役に立ちます。

 ・ 医師や看護師に相談する。
 ・ 地域のホスピス、ガン治療センター、痛み緩和治療院などで相談する。
 ・ 書店や図書館で調べる。
 ・ 全国の補完代替医療センターにコレクトコールで電話する。1−888−644−
  6226。またはnccamc@altmedinfo.org へメールで問い合わせる。

 痛みは、ガンの蔓延、感染症、ガン治療上の問題などが生じたという徴候ですから、新しく生じた痛みの緩和に以下の方法をとる前に、医師や看護師に連絡してください。

 非医薬による痛みの緩和に関する一般的なガイドラインは以下のようなものです。

 ・ どの方法が自分に適するかを調べましょう。
  薬剤に加えて非医薬による方法を試してみましょう。
  たとえば、鎮痛薬を服用するときにリラックス法(緊張をほぐし、不安を減らしで
  痛みを和らげる)を試してみる。
 ・ 自分自身を知り、何ができるかを知る。緊張をほぐして意識を集中すれば、より
  多くの集中力やエネルギーを必要とする方法を使うこともできます。
  たとえば、緊張をほぐし、意識が集中しているときには、ディストラクションを、
  疲れているときには冷熱パックを使用しましょう。
 ・ おおらかに、続けましょう。何が効果があったか、何が効果がなかったか記録し
  ましょう。
 ・ それぞれの方法を、何度か試してみましょう。最初のときに効果がなかったか
  らといって、ダメだとは思わずにさらに2〜3度試してみましょう。

リラクゼイション法

(もどる) リラクゼイション法の方法

 椅子に座ったり、横になったりして行うことができます。
 できるだけ静かな場所を選びましょう。
 目を閉じます。
 血行を妨げ、しびれや痛みを生ずることがあるので、手や足を組んではいけま
 せん。
 横になっているときには、ゆったりとしましょう。
 首やひざの下に小さな枕を置くか、すねを保持するために小さな台を使用しま
 しょう。

さまざまな方法がありますが、以下はいくつかの例です。

視覚の集中とリズミカルなマッサージ
 
・ 目を開き何かを凝視するか、目を閉じて静かな穏やかな場面を想像します。
・ 手のひらで、痛みのある部分を円を描くようにしっかりとマッサージします。ただし
 発疹があったりただれていたり晴れているようなところは除きます。家族や友人 
 に手伝ってもらうことも良いでしょう。
息を吸って止め、吐き出して力を抜く

・ 大きく息を吸い込みます。同時に筋肉を引き締めます。たとえば、目を強く閉じる、眉をひそめる、歯を食いしばる、握りこぶしを作る、手や足にできる限りの力を入れるなどです。
・ 息を止め、筋肉の緊張を1~2秒間保ちます。
・ 息を吐き、体の力を抜きます。


ゆっくりとした規則的な呼吸

・ 目を開き何かを凝視するか、目を閉じて静かな穏やかな場面を想像します。
・ ゆっくりと深く息を吸い込み、そのときに筋肉(腕など)に力を入れます。
・ 息を吐きながら筋肉の力を緩め、力の抜けたことを感じます。
・ リラックスしたままでゆっくりとくつろいだ感じで9〜12回呼吸しましょう。あまり
 深い呼吸をしてはいけません。
・ ゆっくりと呼吸しながら、「吸って、1,2.はいて、1,2」と静かに言うことで一定の
 リズムを保つことができます。初めは誰かに言ってもらうことも良いかもしれませ
 ん。息が切れるように感じるときには深呼吸をしてみましょう。それからもう一度
 ゆっくり呼吸をしましょう。息を吐くたびにゆったりとくつろいでいるような間隔を
 持ちましょう。もしどこかの筋肉(たとえば方の筋肉)の緊張が解けないのであれ
 ば、息を吸うときに力を入れてみましょう。そして息を吐くときに力を緩めてみま
 しょう。この方法は特定部分に対して1〜2回くらい行ってみましょう。
・ 必要に応じて2〜3秒間のゆっくりとしたリズミカルな呼吸を10分くらい行いまし
 ょう。
・ ゆっくりとしたリズミカルな呼吸を終えるには、1〜3まで静かにゆっくり数えましょ
 う。目を開けて「私はリラックスした。」と静かに言いましょう。ゆっくりと起き上がり
 ましょう。


(もどる)
ゆっくりとした呼吸法に付加するほかの方法

・ イメージ法
・ イヤホーンやヘッドセットで、静かな慣れ親しんだ曲を聴きましょう。
・ 身体各部の高度なリラクゼイション
   いったんゆっくりとしたリズミカルな呼吸ができるようになったら、足から始めて
  頭までさまざまな身体部分をリラックスさせることができようになります。
   たとえば、柔らかい、おもい、軽い、暖かい、ふわふわと浮かぶような、などの
  言葉を思い浮かべましょう。
   息を吐くたびに、体の特定部分に気持ちを集中させ、そこがリラックスしてい
  ることを感じましょう。たとえば、息を吐くときに足と足首の間接がリラックスして
  いると感じます。次に息を吐くときには、ふくらはぎがリラックスしてオイルと感じ
 、同様に次々と体の上の部分がリラックスしているように感じまず。
・ 医師や看護師に、市販されているリラクッス方のテープについて聞いてみましょ
 う。これらのテープは、リラックス法の段階的な練習の指導を提供しています。

注意

 リラックス法で痛みの緩和をした人たちの中には以下のような問題の提起や回答をしている人がいます。

・リラクゼイションは、激痛時には用いるのが困難。
 もしこの問題が起きたなら、「視覚の集中とリズミカルなマッサージ」や「息を吸っ
 て止め、吐き出してして力を抜く」などの簡単なリラックス法を用いましょう。

・あまり深く呼吸をしすぎると、息切れを起す。
 このような時にはゆっくりと浅い呼吸をしましょう。

・眠たくなる。
 眠ろうとしているときにはとても良いことです。
 もし眠りたくないときには、リッラクゼイション法を試みているときには、固めの椅
 子に座るか、目覚まし時計をかけておきましょう。

これらのことを試しても、問題が解決しないときには医師、看護師、ソーシャルワーカー、疼痛専門家などにリラクゼイション法について相談しましょう。痛みが増したり、不安感を生じたり、不快感を感じるようなときには、この方法を続けてはいけません。


 

(もどる)
生体フィードバック

 この方法を学ぶには、生体フィードバックの公認の指導者が必要です。特別な機器を使用して、心拍数、血圧、筋肉の緊張度などの特定の身体機能をコントロールする方法を学びます。生体フィードバックは、リラックスするということを学び、それによって痛みに対処する方法です。この方法は、たいてい他の痛みを緩和する方法と一緒に使用されます。



(もどる)
 
イメージ法

 イメージ法は、こころの中にイメージや場面を作るために、想像力を用います。このイメージを利用する方法は完全には理解されていません。イメージ法は、視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚などの間隔のすべてを使用する白昼夢のようなものです。これを自己催眠と考える人もいます。
 特定のイメージは、イメージ法を行っている間や数時間後までも痛みを軽減することができます。寝たきりであったり、外出ができないようなときにイメージ法が開放感をあたえてくれます。心の中に大好きな場所を呼び起こし、そこに訪れているような気分にしてくれます。イメージ法はくつろぎを与え、倦怠感を減少させ、心配を無くし、睡眠を助けます。


イメージ法の仕方

 イメージ法は目を閉じることにより最も効果を発揮します。この方法を用いる前にリラックス法をすることも良いことです。イメージは、癒しのエネルギの球体や、自分の心の中に描いた痛みのない自分(たとえば、体の各部から脳に痛みの信号を送る神経を切ってしまった)のようなものです。または、楽しい安心できる安らぎの場所や、幸せを感じる何かの活動のようなものかもしれません。このようなこころの中の場所や活動を訪れることは、こころを穏やかにしてくれるでしょう。

 エネルギーの球体に関する練習は以下のようにします。

・ 目を閉じましょう。ゆっくり呼吸しリラックスしましょう。

・ 呼吸に集中しましょう。ゆっくりと気持ちよく複式呼吸をしましょう。息を吸い込み
 ながら静かに「吸って、1,2」、はきながら「はいて、1,2」とつぶやきましょう。
 このように数分間規則的に呼吸しましょう。

・ 肺の中か胸の中で癒しのエネルギーの球体が形作られる事を想像しましょう。
 それは白い光であったりしますが、はっきりしたものである必要はなく、ぼんやり
 としたものでかまいません。球体が生まれ形を成していくことを想像しましょう。

・ このようなものが想像できたら、吸い込んだ息がこのエネルギーの球体を痛みの
 ある部分に吹き当てることを想像しましょう。そこでこの球体があなたを癒しくつろ
 がせてくれます。

・ 吐く息で、体から球体を吹き飛ばすことを想像しましょう。そのときに球体が痛み
 を取り去っていきます。

・ 呼吸するたびに、球体を吹き当て、吹き飛ばすことを繰り返しましょう。

・ 球体があなたの体から不快感を取り去るごとに、膨らんでいくことを想像すること
 も良いでしょう。

・ イメージ法の終わりには、ゆっくりと3つ数え、大きく息を吸い込み、目を開いて、
 「リラックスできた。」と静かにつぶやきましょう。そして、ゆっくりと起き上がりまし
 ょう。

 
イメージ法でよく起こる問題は、リラックス法とよく似ています。




(もどる)
ディストラクション法

 ディストラクション法は、あなたの意識を痛み以外のものに向けることです。この方法は、テレビを見たりラジオを聴いたりして痛みから「気持ちをそらす」ことで無意識のうちに行われています。
 ディストラクション法は穏やかな痛みの対処に単独で用いられたり、処置に関連した激痛の対処法として鎮痛薬と一緒に用いられたりします。この方法は、鎮痛薬が効果を発揮するまでの間などに用いられます。もし痛みが穏やかなものであれば、数時間気を紛らわせることができます。この方法は激痛のときでさえしばらくの間、それを抑えておくことができる強力な方法です。

ディストラクション法の用い方

 注意を引き付けるどのような事でも、この方法のために用いることができます。
内面的なものでは、数を数えたり、歌を口ずさんだり、祈りをささげたり、「私にはできる。」などという言葉を繰り返したり、また外面的なことでは針仕事をしたり、模型を作ったり絵を描いたりなどがあります。良い本に夢中になることは痛みから気をそらす良い方法でしょう。映画を見る、テレビを見る、音楽を聴くなども良い方法でしょう。リラックス法と同様にゆっくりとした規則的な呼吸も用いられます。友人を訪ねたり家族を訪ねたりすることもディストラクションの方法です。
 ヘッドセットやイヤホーンで速いテンポの音楽を聴くことも効果があります。音楽に集中するためにリズムを取りましょう。酷い痛みの時には、音を大きくするなど痛みに合わせて音量を調節しましょう。この方法はそれほどエネルギーを使わないので、疲れているときなどには非常に有効です。
 ディストラクション法を行った後に疲労を感じたり、イライラしたり、さらに痛みが酷くなったりすることがありますが、このようなことがあったときには、ディストラクション法を用いないか、どのような方法が良いか、いつ行ったらよいか名どを欲検討しましょう。



(もどる)
催眠療法

 催眠は睡眠状態を覚醒状態の中間の高度に集中した無意識状態のようなものです。このリラクス状態では、人はより暗示にかかりやすくなります。催眠は、痛みを他のものに置き換えて、痛みの感覚を認識しないようにします。この方法は催眠法の経験を積んだ心理学者や精神科医などにより施術されます。また、自己催眠を訓練することもできます。

 催眠の間、多くの人は、目を開けることはできないが意識は目覚めているような、朝の目覚めのような状態とよく似た感覚を感じます。家の外や内の音を聞くことができます。目は閉じられたままで、目覚められない、目覚めたくないような感覚を持ちます。
 自分自身に対する暗示によって、自分を催眠状態に入れる方法を、催眠療法士により簡単に教えてもらうことができます。
 資格を持っている催眠療法士や、資格のある人に指導を受けている人を選びましょう。催眠に熟練したセラピストを見つけるには、近くのガンセンターの行動医学部を訪ねてみましょう。



もどる)
皮膚刺激

 皮膚に圧力、加熱、冷却などの刺激を感じるこの一連の技法により、痛みを和らげたり、抑えたりします。マッサージ、指圧、振動、加熱、冷却、メントールなどが、皮膚の刺激に使われ、これらにより、刺激を受けた部分の血液の流れを変えることができます。これらの皮膚への刺激により、刺激の処置中や、処置後数時間にわたり痛みを止めたり緩和することができます。
 皮膚への刺激は、痛みのあるところやその近くで行われます。また、体の痛みの反対側にすることもあります。たとえば、左ひざに刺激を加えて、右ひざの痛みをとるというようなことです。痛みのある部分から離れて刺激することで、身体をリラックスさせ痛みを和らげることに用いられます。

・ 放射線治療を受けているときには、皮膚刺激法について医師や看護師に相談し
 ましょう。
・ 化学療法を受けているのであれば、加熱法や冷却法を用いる前に医師の診察
 を受けましょう。
・ 治療領域には軟膏、塗剤、塗布剤などを使用してはいけません。また、治療領
 域には加熱や冷却などをしてはいけません。



(もどる)
マッサージ

 痛いところやその近くを、素手や、心地よく感じるもの、たとえばタルカムパウダー、暖かなオイル、ハンドローションなどをつけて、ゆっくりと一定の力で円を描くようにマッサージしましょう。痛みのある場所により、自分でマッサージしたり、また友人や家族やマッサージ療法士に頼みましょう。人によってはマッサージよりもブラッシングや軽くさすってもらうほうが良いこともあります。効果のあることは何でもしてみましょう。

注意
 放射線療法を受けていて、治療部位が赤く腫れていたり、ただれていたり、ヒリヒリしたり、腫れたりしているときには、その部位にマッサージをするのはやめましょう。


指圧
 指圧をするには、片手や両方の腕全体、手のひら、指先、指関節、親指のふくらみ、などを用いて、痛みのある部位やその近辺など、さまざまな部位を押します。
 それが効果があるかどうか10秒間くらい押して見ます。特別に敏感であったり痛みを感じたりする、皮膚の下の小さなポイントである“つぼ”を、痛みの周辺で見つけることができるでしょう。指圧は痛みがさらに増すことなく、適切に行われる場合にもっとも効果的に作用します。その場合1分間まで押し続けることができます。
 指圧が行われた後数分間から数時間にわたり痛みを和らげることができます。


バイブレーション
 痛みの上やその近くへの振動は、一時的に痛みを和らげることができます。たとえば、バイブレーターでの頭部への刺激は頭痛を和らげることができます。また、腰痛に対しては腰のくびれた部分にあてがわれた、細長い乾電池式のバイブレーターが効果的です。
 バイブレーターは、胃の部分には使用してはいけません。また、発疹があったり、ただれたり、ヒリヒリしたり、腫れている部位へは使用してはいけません。

注意
 放射線治療を受けているときには、治療部位へバイブレーションを行ってはいけません。


(もどる) 加熱や冷却
 のべられているさまざまな方法の中で、もっとも効果的な方法を用いましょう。
 加熱は、筋肉痛を和らげます。冷却は痛みの部分を麻痺させることにより、痛みを軽減します。
 長期にわたり、痛みの緩和には、加熱が用いられ、冷却は試みられていませんでしたが、冷却が急速に痛みを緩和することが発見され、また効果の持続が長いこともわかりました。加熱と冷却を使い分けることにより、より効果的な痛みの緩和をすることができます。
 冷却のためには、氷点下の温度でも柔らかく柔軟な、プラスチックの袋に密封されたゲルパックを使用しましょう。このゲルパックはドラッグストアーや医薬用品店で入手できます。
 これはフリーザーで保存することで何度での使用できます。つめた過ぎるときはタオルでパックをくるむとよいでしょう。氷嚢や、タオルでくるんだ氷、紙コップで凍らせた水などを使っても良いでしょう。

注意
 冷却をしているときに、震えるようであればすぐにやめましょう。あまり冷たくしたり長時間用いてはいけません。冷却はそれ自体が痛みを引き起こします。

 鎮痛のために加熱法を用いるときには、それ自身が加湿機能を持っているものが便利です。加熱するには、暖めたゲルパック、熱いお湯を入れたボトル、湯たんぽ、熱いおしぼり、電気座布団、熱いお風呂やシャワー、などが使えます。
 ひじやひざなどの関節の痛みには、間接をラップなどでくるむ(テープで止める)と良いでしょう。こうすると体温と水分の蒸発を防ぎます。

注意
・ 素肌に電気座布団を使用してはいけませんし、そのまま眠ってもいけません。
 また、眠くなる薬剤を服用していたり、感覚がないようなときには、注意が大切で
 す。
・ 新しい傷があるときには、加熱すると出血を促すことがありますので、少なくとも
 24時間は待ちましょう。
・ 放射線療法を受けている部位や、治療後6ヶ月以内の時には加熱や冷却はよし
 ましょう。
・ 化学療法を受けているのであれば、冷却法を使用する前に医師に相談しましょ
 う。
・ 血行不良や知覚不良の部位には加熱や冷却をしてはいけません。
・ 5分から10分以上加熱や冷却をしてはいけません。


メントールを使用する方法
 メントールを使用する場合には、初めに痛い部分や塗布する部分の1/4くらいの大きさの部分に円を描くように少量のメントールを縫ってみましょう。これにより、メントールが不快であったり、皮膚にヒリヒリした刺激を与えるかがわかります。何の問題も無いようであれば、もう少し塗り広げましょう。メントールの感覚はだんだんと増加し、数時間にわたって効果が残ります。メントールの効果の強さと持続性をますためには、メントールを塗った後で、暖めたり(シャワーや日光浴)ラップで包んだりして皮膚の孔を開きましょう。(やけどをする恐れがあるので、電気布団の使用は避けましょう。)
 もし匂いが気になるのなら、ひとりのときや夕方か夜に、メントールを使いましょう。

注意
・ 目の周囲、傷のある皮膚、発疹のある部位、粘膜(口の中や性器や直腸の周囲
 )にはメントールを塗布してはいけません。
・ 目にメントールをつけないようにしましょう。(メントールを塗った手を洗いましょう
 。)
・ 放射線治療中は処置領域にメントールを使用してはいけません。
・ アスピリンの服用を禁止されているときには、医師の診察を受けるまではメント
 ールを使用してはいけません。多くのメントール製品には、アスピリンと類似の成
 分が添加されています。皮膚を通して、このアスピリン様の物質が吸収されるこ
 があります。


(もどる) 経皮電気刺激(TENS)
 これは、2本の電極が接続された電源を用いて、少量の電気を皮膚に通す技術ですその感覚は、ブンブン言うような、刺すような、または叩くようだといわれます。小さな電気刺激が痛覚を妨げるのであり、感覚が心地よくなり、痛みを和らげるように電流の強さが調整されます。電流が流されている時間以上に痛みの和らぎが続きます。
 医師や理学療法士に、どこでTENSを受けたらよいか、どの様に適切に使用したらよいかを訪ねましょう。


鍼灸治療
 鍼は、細い針が身体の特定の点に、さまざまな深さと角度で挿入されます。それぞれの点は身体の異なる部分の痛覚をコントロールします。針が挿入されるときにはわずかな痛み、鈍い痛み、刺痛や電気にしびれたような感じが数秒感じられます。針が挿入されてしまうと不快感は何も感じません。処置の状態により、針は通常15分〜30分くらいそのままにされます。針が抜かれるときには何も感じません。鍼は、現在鎮痛のために認められた根拠のある治療法です。また、鍼は公認された鍼灸師により行われるべきものです。
 どこで鍼治療が受けられるかは、医師や看護師、ソーシャルワーカーに尋ねましょう。

注意
・ 鍼治療師が無菌の針を使用することを確認しましょう。
・ 化学療法を受けている場合には、鍼を始める前に医師に相談しましょう。


情緒的サポートとカウンセリング
 心配事があったり、落ち込んでいるときには痛みをより酷く感じることがあります。また、痛みにより心配事や落ち込みを生じたり、また容易に落ちこんだりします。絶望感や無力感を感じる人もいますし、恥ずかしがったり、欲求不満や憤りを感じたり、おびえや疎外感を持ったり半狂乱になる人もいます。
 しかし、これらの感情はやわらげることができます。

(もどる) サポートを探す
 話をしても不安を感じない人、たとえば医師、看護師、ソーシャルワーカー、家族や友人、聖職者、ガン患者の仲間などと自分の気持ちについて話をしてみましょう。カウンセラーや精神神経科の専門家と話をするのも良いでしょう。医師や看護師や地域の病院の社会福祉事業部などが、経験のあるカウンセラーを見つける手伝いをしてくれるでしょう。
 また、ガン患者が集まって、ガンにどのように対処したかなどの経験や感情を話し合うグループに加入するのも良いでしょう。
 支援グループに関する詳細については医師や看護師やソーシャルワーカーに尋ねてみましょう。また、多くの新聞にも支援グループをどこで見いだせるかというような内容を含んだ健康情報が掲載されています。




その他の鎮痛法

TOPへ  放射線療法
 手術
 神経ブロック
 終末期医療


 一部には、医薬や非医薬的方法によっては和らげることのできない痛みを持つ人がいます。この様な場合には痛みを和らげるために以下のような方法を用いることがあります。

 放射線療法
 高エネルギーの光線(放射線治療と呼ばれる)による治療は、腫瘍を小さくすることにより、痛みを緩和することができます。痛みの緩和には放射線を一度照射することで可能です。

 手術
 脳に痛みの刺激を伝達する神経が遮断されている場合には、痛みは感知されることがありません。これらの経路を遮断するために、神経外科医は脊髄に近い神経を切断することがあります。この知覚を伝達する神経が遮断されると、圧力や温度の感覚も同時に遮断されます。疼痛処理の特殊技能を持つ専門外科医は、望ましくは他の疼痛専門家と協議の上で処置を行うことが求められます。

 神経ブロック
 神経ブロックとは、ステロイドと結合される可能性のある局所麻酔剤を、痛みを封鎖するために神経の周辺部や脊髄に注入する治療です。注入後は神経が、もはや痛みを伝達できないために、痛みが一時的に和らげられることになります。
 効果の持続を長くするために石炭酸やアルコールが注入されることもあります。神経ブロックは処置部の筋肉麻痺や感覚の損失を引き起こすことがあります。

 終末期治療
 疼痛管理の目的は、通常は、痛みから解放して仕事や趣味やレクリエーションなどの通常の生活行動が可能になるようにすることです。しかしながら、12ヶ月以下などの残された短い人生や、処置することが難しい痛みなどの場合には、生活の快適さが最重要なこととなります。長期にわたる副作用を引きおこすことがありえる疼痛管理の方法が用いられることがあります。たとえば神経ブロックをすると筋肉が麻痺する原因になります。また、眠気や通常よりも不活発となるような副作用を引き起こす可能性のある、特定の治療法や高用量の医薬品の摂取が、傷みの緩和や穏やかな日々を得るために用いられる必要が有るかもしれません。







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疼痛管理法の研究

 患者の調査や臨床研究や臨床試験が、アメリカでのガンの死亡率の減少に関与しています。臨床試験は、1980年初頭に始めて開発された連続薬物注入ポンプ(患者管理鎮痛法)などのより良好な疼痛管理方法につながりました。
 ガンの研究において、臨床試験により、有望な薬品、新しい診断方法、ガンの予防に有効な方法などが、それを受ける人にどのように作用するかという、ガンに対する戦略を見出すことができるようになりました。
 「臨床試験」は人に対する医学的な研究を表す用語です。この研究は、疾患と戦う新薬やその他の手段を開発する最終的な段階です。いったん薬品が見出されると、まず研究室で実験され、さらに動物実験がなされ、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認が得られれば、人に対する研究へと移行さえます。
 薬品が臨床試験で安全かつ有効であると判断された場合のみ、FDAは本剤を標準治療として使用する承認を与えます。

 疼痛管理法に関する現在の研究の詳細については、1-800-4-CANCER(1-800-4-6237)の、NCIのガン情報サービスを参照してください。




TOPへ 資 料

 自分自身や家族や医師のために詳細な情報がほしいときには、
以下の国立ガン研究所(NCI)サービスを利用してください。


 電話

 ガン情報サービス(CIS)
  患者と家族および医療専門家、一般大衆向けにガンに関する正確な情報を提供する。情報専門家により、最新の科学的な情報をわかりやすい言葉に翻訳して、英語、スペイン語で回答し、また、TTYでも回答する。

フリーダイヤル :1-800-4-CANCER(1-800-4-6237)
  TTY: 1-800-4-8615

(もどる)  インターネット  Cancer.gov

 NCIのウエブサイトでは、ガンの原因と予防、検査と診断治療と生存率、臨床試験、統計、基金と訓練、研究所のプログラムと研究活動に関する総合的な情報を提供する。




国立補完代替医療センター

 国立衛生研究所の(NIH)の一部機関である国立補完代替医療センター (
NCCAM)は、非慣習的な医療の研究と評価をし、情報を一般に公開する。代替医療に関する情報と刊行物は以下で入手可能。

 ・NCCAMのウエブイサイト:http://nccam.nih.gov
 ・NCCAM 情報センター:
   ・フリーダイヤル:1-888-644-6226
   ・TTY/TDY :1-888-644-6226
 ・ NCCAMの電子メール:nccam@altmedinfo.org


健康管理研究機関(AHRQ)

 アメリカ保険社会福祉省(DHHS)の公衆衛生部門である健康管理研究機構(AHRQ)は、医療の質を改善して、コストを引き下げ、基本的なサービスの利用を拡大するする研究を主導する機関である。AHRQの優先事項の一つは、需要者に最高品質の保険計画と適切な医療サービスの選択を含む、自分自身の個人健康管理に関する決定をするのに役に立つ科学的根拠に基づく容易に理解できる情報を提供している。

・ウエブサイト:www.ahrq
・AHRQ刊行物情報センター
   P.O.Box 8547
   Silver Spring, MD 20907

アメリカ国内フリーダイヤル
     1-800-358-9295
   アメリカ国外 
     410-381-3150
   TDD フリーダイヤル
     1-888-586-6340
   AHRQ FAX
     301-594-2800 

アメリカガン学会(ACS)

(もどる)  アメリカガン学会(ACS)は、地方の支部を持つ、全国的なボランティア団体である。
 ACSは、ガンの研究の支持と情報の提供をし、患者と家族に対して数多くのプログラムとサービスを提供する。

・ACSウエブサイト:www.cancer.org
・ガンの特異な種類に関する情報とサ−ビスや、地域の活動に関する情報は
  フリーダイヤル: 1-800-ACS-2345(1-800-227-2345)




参 考

TOPへ   患者ノート
  疼痛管理記録



患者ノート

 主治医名                                . 
  住所                                  . 
  電話                     . 

 看護師名                                . 
  住所                                   . 
  電話                      . 

 薬剤師名                                 . 
  住所                                   . 
  電話                       .

 ソーシャルワーカー
 セラピスト名                                . 
  住所                                   . 
  電話                      . 

  質問事項



疼痛管理記録

 自分の疼痛を評価し薬剤がどの程度の効果があるかを記録を残すもので、次のような医療記録を使用することができます。


(もどる) 疼痛を評価するために、鎮痛薬を服用する前と後で、疼痛強度スケールを使用します。

     0   1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

     0:痛みがない状態               10:考えうる最悪の痛み

日付 時間 疼痛評価 薬品と服用量 他の疼痛緩和の方法 鎮痛薬の副作用
6/6 8:00am 6 モルヒネ 30mg マッサージ 便秘



 服用中の鎮痛薬のみでなく、すべての薬剤の記録に使用します。
 医師があなたの服用しているすべての薬剤の経過を追うことに役に立ちます。


    服用中の薬剤                             月  日
薬剤名 服用量 服用法 作用時間 処方医名




(もどる)  従来服用した鎮痛薬を記録します。
薬剤の効果があったかなかったかを医師が理解することに役に立ちます。


 従来服用した鎮痛薬
薬剤名 服用量 服用法 副作用 やめた理由
・・


用語集
TOPへ Acupuncture: 鍼:細い針を、疼痛を和らげるために、体の特定の点の皮膚に挿   入する治療
Acute pain: 急性痛:激しいが、比較的短時間の疼痛。
Addiction: 中毒:抑制できない薬物への渇望と使用。
Analgesics: 鎮痛薬:疼痛を和らげるのに用いられる薬剤。
Anesthesiologist: 麻酔科医:疼痛を予防するか、和らげる薬剤を与えることを
  専門とする医師
Anticonvulsants: 抗痙攣薬:発作を抑える薬剤。また、灼けつくような痛みやうず
  くような痛みを和らげるのにも使用される。
Antidepressant抗抑うつ剤:うつ病や、神経に損傷を受けたことによる刺痛また   は灼熱痛を和らげるために用いる薬剤。
Anxiolutic (or anti-anxiety medication): または抗不安の薬物):不安や筋け
  いれんの処置に用いられる薬剤。
Biofeedback: 生体フィードバック:特定の体機能、例えば心拍、血圧、筋肉の緊
  張などを特別な機械の助けを借りて制御することを学ぶ方法。この方法は、
  疼痛を和らげることにも用いられる。
Breakthrough pain: 飛躍的な疼痛:突然起こる中度から重度の疼痛。短時間持
  続する。
Chemotherapy: 化学療法:抗癌剤での治療。
Chronic pain: 慢性痛:軽度から重症ものにわたる、長期間存在する疼痛。
Distraction: 注意をそらすもの:注意を疼痛からそらす鎮痛法。
Dose: 服用量:服用される薬剤の量。
Epidural: 硬膜外麻酔:脊柱への注射。しかし脊髄の外側の部分。
Generic: ジェネリック:同一の成分内容で、同じ効果を持つ後発の薬剤。
Hospice: ホスピス:生命が終わりに近づいた患者とそれらの家族に、自宅や、
  独立した施設や、病院で専門治療を与えるプログラム。
Hypnosis: 催眠:人は睡眠状態のようになるが、意識がより覚醒して集中し、示唆
  をより受け入れる。
Imagery: イメージ:くつろぐのを補助するために、例えば浜辺によせくる波のよう
  な、良い感じのイメージや場面について考える。
Infusion: 注入:静脈に疼痛薬を与える方法;注射器で押し込む注射と異なり、注入
  は重力や、機械式ポンプで流入させる。
Intramuscular (IM): 筋肉内(IM):筋肉内に。
Intrathecal (IC): 鞘内の(IC):脊髄付近の体液に。
Intravenous (IV): 静脈(IV):静脈内に
Local anesthetic: 局所麻酔剤:体の特定の位置で疼痛の感覚を妨げる薬剤。
Narcotic: 麻薬:オピオイドを参照。
Nerve block: 神経ブロック:薬剤は、疼痛を止めるために、神経周辺や脊椎に
  直接注入される
Neurologist: 神経科医:脳、神経と脊髄とに関連した部位を処置することを専門と
  する医師。
Neurosurgeon: 神経外科医:脳、神経と脊髄の手術を専門とする医師。
Nonopioids: 非オピオイド:例えばアスピリンとイブプロフェンのようなアセトアミノ
  フェンと非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)。
Nonprescription: 非処方:(店頭での)医師の処方箋なしで買うことができる鎮痛
  剤(鎮痛薬)は、注文する。58
NSAIDs (Nonsteroidal anti-inflammatory drugs): NSAID(非ステロイド系抗炎症薬):中軽度の疼痛と炎症をおさえる薬剤。単独で、または、他の薬剤と結合
  して使われることがある。
Oncologist: 腫瘍学者:癌の治療を専門とする医師。
Onset of action: 待機時間:薬剤が作用し始めるまでにかかる時間。
Opioids: オピオイド:別名麻薬。利用可能な最も強い鎮痛剤。これらの薬剤には
  処方箋が必要とされる。
Pain threshold: 痛覚域値:人が疼痛に気づく点。
Patient-controlled analgesia (PCA): 患者管理鎮痛法(PCA):疼痛をもつ患
  者が服用する疼痛薬剤の量を制御する方法。
  鎮痛が必要なとき、体内に小さい管で接続されたコンピュータ化されたポンプの
  ボタンを押すことによって疼痛薬剤の予めセットされた服用量を受けることがで
  きる。
Phantom limb pain: 幻肢痛:疼痛または他の不快な感情が切断されてないはず
  の(幻影)肢に感じられること。
Physical therapy: 物理療法:運動、電気刺激、水治療法とマッサージ、加熱、
  冷却と電動用具の使用による筋肉、神経、関節と骨などへの疼痛のための
  治療法。
Prescription: 処方:医師の指示。
Radiation therapy: 放射線治療:癌細胞を殺すか、抑制する高エネルギーの放
  射線による処置。
Rapid-onset opioids: 即効性オピオイド:急速に疼痛を和らげるオピオイド。
Relaxation techniques: 弛緩法:緊張を少なくし、懸念を減らして、疼痛を和らげ
  る方法。
Side effect: 副作用:例えば便秘または嗜眠状態など、薬剤または治療に起因す
  る問題。
Skin patch: 皮膚パッチ:皮膚を通して血流に薬剤をしみこませる包帯のような小
  片。薬剤は、ゆっくりと着実に血液に入る
Skin stimulation: 皮膚刺激:圧力、摩擦、温度変化または化学物質などで皮膚
  を刺激すること。そのような刺激により、疼痛の感覚は、少なくなったり、妨げら
  れたりする。
Stage: 段階:疾患の状態。
Steroids: ステロイド:膨化を少なくする薬剤。
Subcutaneous injection: 皮下注:皮膚の下部。
Tolerance: 耐性:体が薬剤に慣れ、疼痛を制御するためにより多くの薬剤や異な
  る薬剤が必要となること。
Transcutaneous Electric Nerve Stimulation (TENS): 電気経皮刺激TENS):2本の電極に接続している小型電源で、穏やかな電流を皮膚のある領域にあてる
  技術。
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