| 翻訳へもどる | ガン治療後の生活 Life After Cancer Treatment | |
| ガン治療をした人たちへのガイド |
目次
| はじめに | ・・・・・・i | |
| ガン治療後の医学治療 | ・・・・・・１ | |
| フォローアップケアーとは | ・・・・・・３ | |
| どちらの医師の診察を受けるか、また頻度は | ・・・・・・４ | |
| 健康プランの開発 | ・・・・・・６ | |
| 医師との話し合いの問題 | ・・・・・・８ | |
| 補完代替治療薬 | ・・・・・１０ | |
| サービスのこと | ・・・・・１９ | |
| ガン治療後の身体 | ・・・・・１９ | |
| 疲労 | ・・・・・２０ | |
| 疼痛 | ・・・・・２２ | |
| リンパ水腫 腕、脚の腫脹 | ・・・・・２８ | |
| 口や歯の問題 | ・・・・・３０ | |
| 体重の変化 | ・・・・・３３ | |
| 排便排尿の問題 | ・・・・・３６ | |
| 更年期障害 | ・・・・・３７ | |
| 親しさと性 | ・・・・・４０ | |
| ほかの健康問題が起きたら | ・・・・・４４ | |
| ガン治療後の心と情緒 | ・・・・・４７ | |
| 再発の恐怖 | ・・・・・４８ | |
| ストレス | ・・・・・５２ | |
| 抑うつと不安 | ・・・・・５３ | |
| 抑うつの支援 | ・・・・・５３ | |
| 記憶力と集中力の変化 | ・・・・・５５ | |
| 身体の変化への適応 | ・・・・・５７ | |
| 憤りを覚える | ・・・・・５９ | |
| 孤独感 | ・・・・・５９ | |
| 支援グループへの参加 | ・・・・・６１ | |
| 支援グループの種類と所在地 | ・・・・・６２ | |
| 適切な支援グループ | ・・・・・６２ | |
| 術後の意味を見出す | ・・・・・６４ | |
| 信頼、宗教心、精神性の意味を見出す | ・・・・・６７ | |
| ガン治療後の社会的関係 | ・・・・・７１ | |
| 家族に関して | ・・・・・７１ | |
| 家族への支援 | ・・・・・７４ | |
| パートナーとデートの問題 | ・・・・・７５ | |
| パートナーとデートの問題に関する支援 | ・・・・・７６ | |
| 職場の問題 | ・・・・・７８ | |
| 友人と職場の仲間の問題 | ・・・・・８０ | |
| 友人と職場の仲間の問題に関する支援 | ・・・・・８１ | |
| 補完治療用ガン患者ノート | ・・・・１１５ | |
| 疼痛記録 | ・・・・１２０ | |
| （もどる） | 疼痛・ストレス緩和のエクササイズ | ・・・・１２１ |
| （もどる） | はじめに | |
| ・ | ||
| 化学療法を受けている間、ほとんどのことをやめてしまいました。ですから、私がすることは、私の人生のために何をしようか、何をもう一度始めようかということでした。 レン 大腸ガン生存者 60歳 |
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| ガン治療後、何が普通か おめでとう。ガン治療が終了しました。 ガン治療の終了は、すばらしいことであると同時に、問題への第一歩です。治療の必要性から開放されたことで安心する人がほとんどですが、一部には、ガンが再発するのではないか、治療後何をしなければならないのだろうかと、悲しみや心配を抱く人もいます。 治療が終了したとき、ガンと診断される前の生活に戻れるものと期待しますが、体に手術の傷跡が残ったり、以前、簡単にできていたことができなくなってしまったりすることが、時たまあります。また、人に、何か変わってしまったと思われたり、自分自身で感じたりすることもあります。 治療後に起こるもっとも困難なことは、どうなるのかわからないということです。 “医師も看護士も、私に、変わるかもしれないと思われる事について何も言ってくれな かったので、回復後の健康状態についてはまったく予想できませんでした。” とある婦人がいいました。 “これは、家族や友たちも同じでした。これが心配のたねでした。” i ガン治療後は、何が普通なのでしょうか。ガンの治療を乗り切った人たちは、「術後数ヶ月間は変化の期間」といっています。普通に戻るのではなく、今の自分に何が普通かを理解することです。社会復帰を開始するにつれて変わっていくものを知ることになります。 ある人はこのように言っています。 “治療が終わったとき---医師がテスト結果を見て、良好だといったとき---よし、これ で終わったと思いました。しかし終わりではなかったのです。” あなたの、これからの普通の生活ということについては、食べること、行動すること、支援に関することなどの変化も含めて、この小冊子に述べられています。 |
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| この小冊子の使い方 この小冊子は、最近ガン治療を終了したガンの生存者を主な対象としていますが、以前にガン治療を終えられた方にも有用な情報を提供できるように作られています。この小冊子は、治療の終了後の数ヶ月間に起こることに対処するためのヒントを、ガンの生存者や、その愛する人に提供することを目的としています。 この5つの章は、以下のような事に対して起こるかもしれないことを述べています。 ・ 治療に関すること ・ 身体に関すること ・ 精神や感情に関すること ・ 社会的な関係に関すること ・ 仕事や保健など実務に関すること ii 一度にこの冊子全部を読む必要はありません。将来にわたって使っていただけるように企画されていますので、必要と思われるところを読むか、生活上必要と思われる事項をチェックしておいてください。 この小冊子は、ガンの治療を乗り越えた人に関することや、前向きに生きようとしている人に役に立つ、さまざまな示唆を含んでいることがわかると思います。読み進むにつれて、 “そうなんだ” と感じることでしょう。 またこの小冊子には、ガンに罹ったことによりさまざまな反応をみせる、ガン生存者にとって重要なことも述べています。この中に述べられていることが非常によく当てはまったり、まったく関係しないこともあるでしょう。必要なことについてのみ絞ってください。ここではすべてのことについて述べているのではありません。後記の資料は、ここに述べられた事に関して、更なる情報が必要になったときや、もれていることに関しての情報を提供します。情報や必要な支援を提供することで、活発な活動を展開できるように援助します。 iii |
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| （もどる） | ここでは、この小冊子の情報から、自分のとる方法を見つけやすいように、二つの記号を使います。 Ｍ ：問題に対処する医学的な方法について述べている ? ：問題に対処したほかのガン生存者に有効であったヒント 注意事項 この小冊子の中では、ガン生存者には、ガンと診断された人、診断されてからガンとともに生きている人も含めています。この用語は好きではないかもしれませんし、この用語はあなたにはあてはまらないかもしれません。しかし、生存者という用語は、疾患を乗り越え、その命を受け入れようとしている多くの人々を援助する言葉です。 iv |
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ガン治療後の医療を受けること “あなたには管理が必要です。体がそう言っています。医師をコンサルタントにしまし ょう。あなたの命なのだから、どこが悪いのか知る必要があります。” メイ 子宮ガン生存者 54歳 ”何を聞いてよいのかわからなかったのです。ですから何を知らなければならないの かを医師に聞きました。“ ジャック 膀胱ガン生存者 70歳 ガン治療を終えた人にとって、将来に何が待ち構えているのかが気になることは、自然なことです。多くの人にとって、見たり感じたりすることや、またガンが再発するのではないかということなどが、心配になります。また、再発を防止するために何ができるのかを心配する人もいます。ガン治療後になにが起こるのかということを知っておくことは、生存者や家族にとって、フォローアップケアーの計画や生活様式を変えたり、希望を持ち続けたり、重要な決定をしたりするのに、非常に役にたちます。 Ｐ−1 ガンの生存者はフォローアップケアーを受けなければなりません。でも、その必要な治療を受けるためにさまざまな疑問をもっていることでしょう。 たとえば ・ 悩まされている症状について医師に話すべきかどうか ・ 術後はどちらの医師にかかればよいのか ・ どれくらいの頻度で治療を受けるのか ・ どんな特別な検査が必要なのか ・ 術後の疼痛やさまざまな問題をどう回避したらよいのか ・ 治療を終えるのに、また自分自身を取り戻すのにどれくらいかかるのか。 これらの問題に対処するには決心が必要です。将来の医療や生活様式に関する決定をしなければならないことは、ガン治療中に失ったと思われる自己管理を取り戻すとても良い機会です。調査によれば、このようなことをしなかった人に比べて、感情や、機能の向上に著しい効果が現れています。医師と仲間になって、ほかの医療チームから支援を受けることが、第1段階です。 この章では、フォローアップケアーをしてくれる人たちと一緒に協力していくためのガイダンスを示しています。必要な支援について述べており、さらに必要な治療を受けるためのヒントを提供しています。この章を読むことにより、社会復帰への行動や将来の健康のためのプランの作りに役に立つことでしょう。 ｐ−２ |
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| フォローアップケアーとは フォローアップケアーの主目的は、あなたのガンが戻ってきたか（再発）、または体のほかの部分に広がったか（転移）を調べることにあります。またフォローアップケアーは以下のような役割もあります。 ・ ほかのタイプのガンを見つける ・ 治療による現在の副作用や、治療後数年してから起こるかもしれない副作用を見つけ る。 フォローアップケアーとは、定期的な健康診断を受けるために医師に会うことです。この診察で医師は次のようなことをチェックします。 ・ 病歴を検討する ・ 身体の検査をする また、次のような検査もします。 ・ 画像検査（体の内部の画像の撮影） ・ 内視鏡検査（体の内部の器官を検査する、細い、照明のつく管を使用する） ・ 血液検査 フォローアップケアーは、在宅医療、専門家による治療、疼痛への対処、理学療法、支援グループなどを含みます。（Ｐ14-16 のこれらの説明の項を参照） ｐ-3 留意事項 もし、健康保険や、メディケアー、メディカードを持っていなければ、この中にかかれていることの数項目については、該当しないと思われるでしょう。処置を受けるために苦労をして、今度はフォローアップケアーのために新たな苦労に面していることでしょう。良い健康保険がなければ、治療を受けることが難しく思われるかもしれませんが、必要な治療を受けることは、特に処置終了後であれば、可能なのです。 地域社会には、それらの支援を受けることのできるさまざまなサービスがあります。医師やソーシャルワーカー、近くの病院やクリニックの事務所で相談してください。また、この小冊子の参考資料編（Ｐ−92-98）に、医療費の補助をする政府機関や、ＮＰＯ団体のリストを載せてあります。 |
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| どちらの医師の診察を受けるか またその頻度は どちらの医師から、ガンのフォローアップケアーを受け、どちらからほかの病気の治療を受けるかを決めなくてはなりません。ガンのフォローアップケアーは、ガンの手術をしてくれた医師から受けます。ほかの病気の治療は、かかりつけの医師や専門医から受けることになります。 どこに住んでいるかによりますが、遠くまで通いながら腫瘍内科医からフォローアップケアーを受けるよりも、近くのかかりつけの医師から受けるほうが、理にかなっています。いずれの医師を選ぶにしても、安心できる医師を選ぶことです。 ｐ-4 最初の治療のときに、フォローアップケアーの計画を聞いておきましょう。一般的に、ガンのフォローアップケアーは、初めの2−3年は3〜4ヶ月おきに通い、その後は年に1〜２回通うのが普通です。医学研究機関の中には、特定のガンに関するフォローアップケアーのガイドラインを決めていて、研究者が新しい方法を開発するごとに改定しているところもあります。（Ｐ−１１０参照） 注 フォローアップケアーの記録のために、患者ノートや治療ガイド（Ｐ-115参照）を使用しましょう。 ガンの治療を受けた人により、このフォローアップケアーには違いがあります。ガンの種類やその治療、また各自の健康状態によるのです。研究者は常に新しい最上の方法を研究しています。この研究が、医師にとって、あなたにどの方法が最上かを決定するために重要なことになります。 最後に、重要なことですが、保険によっては、フォローアップケアーを受ける医師や、その回数まで制限のある場合があります。フォローアップケアーを計画する際には、保険にどのような制限があるのかをチェックしておく必要があります。 留意事項 ガンが戻ってきたような疑いを持ったり、からだに何か変化が起こったことに気づくときがあります。健康状態の変化に注意をはらっておき、どのような問題でも医師に話をすることは大変重要なことです。医師は、その問題がガンに関係するものか、受けた治療によるものか、またまったく別の問題なのか判断します。 もし、ガンが再発したとしても、希望を失う必要はありません。再発したガンとともに豊かな生活を何年も過ごしている人はたくさんいます。 ｐ-5 |
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| （もどる） | 健康プランの開発 ガン治療後、生存者は、ガンが再発するチャンスをできる限り少なくしたいと思っています。食事に関すること、生活上のストレス、化学薬品による汚染などの心配がそれらのリスクとなっています。ガン生存者は、これがまた、自分自身や自分の健康に、いかに気をつけていくかを見直す良い機会であると感じています。これが、ガン治療後に健康的に生きていくうえでの重要な出発点となります。 フォローアップケアーで医師の診察を受けるとき、身体的、感情的、社会的、精神的な事柄を含む健康プランの開発について相談をしましょう。おそらく、今まで医師を自分の健康プランの相談者として話し合ったことがないでしょうから、はじめは難しく思うことでしょうが、それは、とても大切なことです。何度も相談することで容易なことになってきます。医師との話し方に関しては８ページを参照してください。 研究によって、どのような人が、ガンにかかる確率を低くすることができるかがわかってきつつあります。しかし、まだなぜ特定の人にガンが再発するのかについてはわかっていません。食習慣、運動、生活スタイルなどの変更は、ガンの再発の予防には関係しないでしょう。しかし、これらの変更は気分が良くなったり、ほかの健康上の問題の発生を抑える効果はあるでしょう。 考慮したほうが良い生活上の変更 ・ 禁煙。研究によれば、喫煙は同部位またはほかの部位への、ガンの発生の確率を上 昇させます。禁煙に関しては、16ページの禁煙プログラムを参照してください。 ・ 飲酒量を減らす。研究によれば、飲酒は再発の可能性を高めます。 ・ 良い食事と運動 （次項参照） ｐ−６ ガン治療後の食事 １． 植物性の食品を中心に、健康的なさまざまな食物をとりましょう。 ・毎日5種類以上の野菜や果物をとりましょう。 ・精白された穀物や砂糖よりも、全粒の穀物を取りましょう。 ・赤身の肉の摂取を控えましょう。特に高脂肪や加工されたもの。 ・健康的な体重を維持する食物を選びましょう。 ２． 活動的な生活スタイルをとりましょう。 ３． 健康的な体重を維持しましょう。 ４． 飲酒の習慣があるならば、それを控えましょう。 出典：アメリカガン協会の、ガン予防のための栄養と身体活動の薦め、２００２ ガン治療後の身体運動 身体運動が、ガン治療後の生存に関係するかどうかの、いくつかの研究が行われました。この問題には、さらに多くの研究が必要ですが、毎日か、ほぼ毎日の３０分くらいの、ゆっくりとした運動（歩行、自転車、水泳など）は、以下のことに効果があります。 ・不安や憂鬱の解消 ・気分の高揚 ・自尊心の増加 ・疲労感、吐き気、疼痛、下痢などの症状の抑制 回復期間中は、運動プログラムをゆっくりと始め、だんだんと増やしていくことが重要で必要に応じて医師や専門家（身体矯正指導員など）に相談しましょう。もし、回復期間中にベッドにいるとしても、小さな運動、手や足を回すなど、は自由度を保ち、筋肉の緊張をほぐし、気分をよくしてくれます。特別な運動を必要とする生存者もいます。運動プログラムを始める前に、医師に相談しましょう。 ｐ−７ “ガンについて知れば知るほど、自分自身の話をしなければならないことがわかるでし ょう。何度となく医師に話をしました。” エレン 胃ガン生存者 ７０歳 |
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| （もどる） | 医師との話し合いに問題がありますか 医師と話をすることは、かならずしも容易なことではありません。あなたの知らない用語を話したりするからです。このようなことがあったらいつでも、話を中断してその言葉がどのような意味なのか、医師に尋ねましょう。どのように医師に言ったらよいのか心配することでしょうが、疑問を持つことは正常なことです。 医師と話をすることは重要なことです。あなたの治療を管理するには、情報は必要なことです。あなたの健康状態について医師に話をし、疑問をたずねることは、お互いに仕事をうまくこなしていくために有用なことです。以下にいくつかのポイントをあげておきます。 初めてのフォローアップケアーのときに、医師や医療チームに以下のことを聞いてみましょう。 ・必要な検査とフォローアップケアー、またその必要頻度 ・ガン治療から起こると思われる身体的な問題と、それを予防、減少、または解決する 方法 ｐ−８ ・治療の効果持続期間と危険信号 ・再発の危険信号とその場合の対処法 ・フォローアップケアーに関する心配なこと 留意事項 ガンの生存者は、ガンが戻ってきたか再発したかということを示す症状について知りたいことでしょう。 ガンが戻ったかどうかを示す症状には、さまざまなものがあり、人によっても違い、また治療されたガンによっても、どのような治療を受けたかによっても違います。 ですから、注意している兆候や症状についてや、それについて何をしたら良いかを医師に話をしなければならないのです。 フォローアップケアーに通うたびに次の点を医師や医療チームに話をしてください ・ガンが戻ってきたかもしれないと思われる兆候。 ・悩ませられている疼痛。（疼痛の表現については24ページ参照） ・日常の生活から感じる、または障害となっている身体的な問題。疲労、睡眠困難、性欲 の減退、体重の増加や減少など。（19ページからの項参照） ・心臓病、糖尿病、関節炎など、ほかの身体的問題 ｐ−９ ・薬やビタミン剤、ハーブなどやほかの治療などについて。（補完代替療法の項参照） ・感情的な問題や過去にあった悩みや憂鬱について。（47ページの“心”の項参照） ・家族の病歴の変化 ・自分の知りたいこと（新治療法や副作用など） 医療チームが副作用についてや諸問題について、援助してくれるか、誰かほかの人を紹介してくれます。あなたには援助を受ける権利があるのです。 |
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| （もどる） | 補完代替医療 補完代替医療には、病気の予防、ストレスの減少、副作用や症状の予防や減少、疾患を抑えたり治療するなどのさまざまなものが含まれます。一般的に、医師により治療の補助的なものとして処方されたときに補完治療とよばれます。また、治療の代わりに医師により処方されたときには、代替治療と呼ばれます。研究によれば、ガン患者の半数を超える人が、ひとつかそれ以上のこれらの治療をしています。 一般的な代替療法には次のようなものがあります。 リラクゼーション療法、指圧治療とマッサージ、類似療法、ビタミン・ハーブ商品、食餌療法、心理療法、精神療法、鍼灸治療 ガンの治療が終了したとしても、これらの治療法を取り入れたいと思ったなら、それについて医師や看護士に相談してください。補完代替医療の中には、医師から処方されている治療と干渉したり、害を生じたりするものがあります。 ｐ−１０ |
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| ？ 助言：フォローアップケアーから最大の効果を得るために フォローアップケアーから、どのようにして最大の効果を得ることができるでしょうか。 ここにほかの患者の役に立ったアイデアがあります。 ・ 誰かほかの人に、治療に同行してもらう。友人や家族などの同行者は、医師に何を言 われたか、考えたり理解したりする助けとなります。また、気づかなかった疑問などを考 えてもくれます。 ・ 筆記用具テープレコーダーなどを持参し、医師が答えてくれた質問などを記録する。 ・ 医師の時間がなくならないうちに、最重要な事柄をまず先に質問する。 ・次回の予約をするときに、もう少し長く時間が取れないか遠慮なく聞いてみる。または 電話で回答をもらう良い時間があるかどうか聞く。 ・ ドアの閉まる個室で医師や看護士と話すことをお願いする。 ・ 明確な自己表現をする。 ・簡単に問題や懸念事項を述べる。 ・問題や懸念事項をどのように感じているかを、医師に話す ・何が希望か、必要かを述べる。 たとえば： “最近疲れています。睡眠をとってみたのですが、解決しません。疲労は日常生活の 妨げになるし、いらいらしたり、怒りっぽくなります。これを治療していただきたいので す。または誰かを紹介してください。” ｐ−１１ ・ どの程度のことが知りたいのか、医師に話しましょう。 ・聞きたいことを十分に聞いたのか、もっと知りたいことがあるのかを医師に話す。 ・家で読む小冊子や資料を依頼する。 ・医師の回答が理解できたか確認する。 ・医師が話したことを、自分の言葉で繰り返してみる。 ･自分が理解できる言葉で説明してくれるように頼む。 ・ もし、質問の回答が得られないときは、医師に不満足であることを表明しましょう。それ でも、だめであれば別な医師を探しましょう。これは難しいことかもしれませんが、必要 な情報を入手することは、自分の健康のためにはとても大事なことです。 ・正しい薬の服用法や副作用について、薬剤師に尋ねましょう。 ・処置されたフォローアップケアーに関する記録を保存しておきましょう。（次ページ参照） 診察を受けるすべての医師にガンの罹歴を話しましょう。どのようなガンにかかったか、どのような治療を受けたかということは、将来の診療の決定に影響をあたえます。あなたがそれを言わなければ、あなたが診察を受けるほかの医師には、あなたのガンやガン治療についてはまったく知識がないことになります。 Ｐ−１２ |
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| 医療記録 ガン治療の記録や要約のコピーをとっておきましょう（有料となるかも知れません）。記録を更新することで、新しく診察を受ける医師にも、同じ十分な情報を共有することができます。 もし、コピーをとっておかないと、記録が医師の間で分散してしまい、ガンの病歴の肝心な部分が無くなってしまうかもしれません。 以下は、保存しておく必要な記録です。 ・治療を受けたガンの種類 ・いつ診断を受けたか ・ガン治療の内容（すべての外科的手術、薬の種類と服用量、放射線治療を受けた位置 と総量、治療を受けた場所と日付など） ・検体試験記録、病理記録、Ｘ線撮影記録 ・治療やフォローアップケアーにかかわったすべての医療関係者の記録 ・治療後に起こったあらゆる問題 ・受けたすべての支持療法の記録（特別な薬物療法、精神的支援、栄養補助食品など） Ｐ−13 サービスのこと 治療後には、ガン生存者を一人にしておいてはいけません。友人や家族で援助しましょう。また、下記にあげたような支援を地域内で探すことに関して、医師、看護士、ソーシャルワーカー、地域のガン団体に尋ねましょう。 必要となる専門的援助 聖職者精神相談：訓練を受けた聖職者が、孤独感、死の恐怖、生きる意味合い、神への信頼の疑いなどの、ガンに関する不安の相談をしてくれます。 カップル相談：あなたとパートナーが一緒に、専門家と、問題点、お互いの要求、協同する方法、などに関して相談します。 家族支援プログラム：回復プログラムに家族全員が加わります。このプログラムにはあなたと家族が療養期間中に、問題を討議したり、お互いの欲求を知ったり、解決したりということの援助をしてくれる専門家とともに加わります。 遺伝子相談：専門家が、ガンの遺伝子検査をするかどうか、またその結果をどうするかということの相談をします。これはあなたや家族が自身の健康について心配事があるときに役に立ちます。 家庭介護サービス：州や市町村の役所がガン治療後の有用なサービスを提供しています。看護士や身体療法士などが家庭訪問をしてくれます。また、家庭内の用事や料理などのサービスも受けられます。電話帳の社会支援、健康支援、老人支援などのところに記載されています。（有料、無料いずれもあります。） Ｐ-14 個別相談：精神医学の専門家が、憤り、悲しみ、将来への不安などの相談に応じてくれます。 長期療養施設：医師の誰でもが術後医療をしてくれますが、長期に渡る術後医療をしてくれる施設もあります。これらの施設は、腫瘍内科医の治療がもう受けられない人や、病気から解放された人たちが利用しています。近くに療養施設があるか医師に尋ねてください。 栄養学者／栄養士：健康的な食事により、体重を落としたり増やしたりする指導をしてくれます。 生活指導士：日常生活に必要な重要な能力の再取得、開発、能力開発などを指導してくれます。ガン治療後の入浴、脱着衣、食事、などの日常生活を独立してできるように再指導をしてくれます。 腫瘍社会福祉士：この専門家は、ガン治療に関連する事柄や、ガンに起因する家族の問題などの相談をしてくれます。地域の関係機関についての情報や、そこへの紹介をしてくれます。 疼痛治療施設（痛みと緩和サービスとも呼ばれる）：痛みからの解放を援助する各方面の専門家を集めた施設。 Ｐ−１５ 身体訓練士：身体訓練士は身体各部の相互作用と働きについての専門家です。ガン治療後の体力の回復や運動能力などを回復するための適切な運動と体の動きを教えてくれます。怪我をしないための適切な姿勢も教えてくれます。 発声訓練士：発生訓練士は、ガン治療後の発声法や言語、嚥下などの問題を発見し処置をしてくれます。 ストレス管理プログラム：このプログラムはリラックスしたり、ストレスを制御する方法を教えてくれます。病院、施設、地域のガン組織などがこのプログラムを提供し、またクラスも開いています。 生存者への支援グループ：人的またはオンラインのグループが、同様な状態にある生存者同士の相互活動を可能にしてくれます。 リハビリ専門指導員：ガン治療後に障害や特別に必要なことが起きた場合に、適切な仕事を見出してくれます。この中にはカウンセリング、教育と技能指導、補助技能や補助具の入手や使用法などが含まれます。 Ｐ−１６ |
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ガン治療後の身体 “からだが良くなって、痛みがなくなれば、すばらしい。” ローズ 肺ガン生存者 70歳 |
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| ガン治療が終わったとしても、引き続き治療が体に与えた影響に対処しなくではなりません。ガン治療の影響から回復するには時間がかかります。人によりそのプログラムは異なります。この間、身体がどのような感じになるのか、ガンが戻ってきた徴候はどのようなものだろうかと心配をするかもしれません。この章ではガン治療後に起こるいくつかの問題について触れています。いくつかのよく言われる影響は以下のようなことです。 ・ 疲労 ・ 疼痛 ・ 浮腫、または腫れ物 ・ 口や歯に関する問題 ・ 体重や食事の問題 ・ 排尿排便の問題 ・ 更年期障害 ・ 性生活の変化 どのようなことが起こるかは、ガンの種類と受けた治療によります。また、重要なことですが、二人として同じ人はいないということです。ですから同じ種類のガンで同じような治療を受けたとしてもほかの人とはまったく違う症状が起こることもあります。 Ｐ−１９ |
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（モドル２） |
疲 労 “歩いたり、仕事を続けたりはできます。”ある睾丸ガンの生存者が言いました。“でもそれは非常に疲れるのです。いすに座り、何か読んだり見たりしたいと思っても、30秒くらいたつとぐっすりと眠っているんです。 あるガン生存者の話では、ガン治療が終わった後でも、疲れや、くたくたになった感じが続いているということです。疲労感は、治療後一年目に良く起こる苦情のひとつです。 休養や睡眠はこのガン治療後の疲労感の回復には役に立たず、また医師も正確な原因を知りません。疲労の原因は、治療を受けている人たちと、治療を終わった人たちではちがっています。 ・ 治療中の疲労は、ガンの治療によっておこります。貧血（血液中の赤血球の減少）、栄 養不良、水分補給の不十分、気落ちなどの問題も疲労を引き起こす要因です。疼痛も 疲労感を悪化させます。 ・ ガン治療後の疲労感に関しては、まだ研究中です。 疲労感はいつまで続くのでしょうか。これには一定の型はありません。ある人には、治療が終わると同時に疲労感が無くなります。またほかの人、たとえば骨髄移植を受けた人には、最後の治療を受けてから数年間、虚脱感があります。 疲労感が考えていた以上に長く、日常の生活の中に残っていることに苛立ちを感じている人もいます。また、疲れをたびたび言うことで友人や家族、同僚などを困惑させることを心配してもいます。 Ｐ−２０ |
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Ｍ 疲労に関する援助を医師や看護士から得る 何が疲労を生じさているか、それに対して何ができるか医師に相談しましょう。次のようなことを聞いてみましょう。 ・ 服用している薬や医療上の問題が、いかにエネルギーレベルに影響を与えているのか ・ もし痛みが問題となるなら、どのように疼痛をコントロールできるか。 ・ たとえば散歩のような、有効な運動について。 ・ リラックスする方法。 ・ 食事や飲料をさらに液化すること。 ・ 有効な薬や栄養補助食品。 ・ 援助してくれる専門家、たとえば身体療法士、作業療法士、栄養士、心理療法士など。 疲労に打ち勝つためのヒント いかに疲労感を克服しますか。ここにいくつかのアイデアをあげておきます。 ・ 一日の予定を立てましょう。一日のうちで一番活動てきで、活力があると感じるときに 積極的に行動しましょう。 ・ 仕事のやり方を変えて、エネルギーを蓄えましょう。たとえば、料理や皿洗いの時には 腰掛に座るとか。 ・ 活動の合間に短時間の居眠りや休息をとりましょう。 ・ 毎日同じ時間に寝たり起きたりしましょう。 ・ 楽しめることをしましょう。でも少しにしましょう。疲れを感じない、従来の、または新し い興味を引くものにしましょう。読書や音楽を聴くことも短時間にしましょう。 Ｐ−２１ ・ 手伝ってもらいましょう。調理をしたり、買い物をしたり、洗濯などをしてくれます。誰も 手伝ってくれないときには、何をしてほしいか頼みましょう。友達や家族は手伝いたい けど、何をして良いかわからないでいるのです。 ・ いま必要のないことに関しては“いいえ”といいましょう。これは家事やほかの雑用など も含んでいます。価値のあることにエネルギーを使うことで、最良の人生を送ることが できます。 ・ ガン患者のための支援／教育グループに加入しましょう。（Ｐ６１〜Ｐ６４参照）同じ疲 労感の問題をもった人たちと、あなたの疲労感に関して話をすることは、新しい対処 の方法を学ぶ助けになります。 |
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（モドル２） |
疼 痛 治療後に疼痛を感じるかもしれません。場合によっては、治療そのものによって痛みがひき起こされていることがあります。 ガン治療後に感じる痛みには次のようなものがあります。 ・ 放射線治療を受けた部分の肌の敏感性：このタイプの痛みはよくおこり、数ヶ月続く ことがあります。“肌が敏感になってしまい、ぴったりとしたものを着ることができないの です。”と、ある乳ガン生存者が言っていました。 ・ 神経損傷による手と足の疼痛や麻痺：化学療法や外科手術は神経を傷つけることが あり、激痛を起こすことがあります。（これはニューロパシー（神経障害）と呼ばれます。） ・ 外科手術による痛みを伴う傷跡 ・ 切除された肢や胸の痛み：なぜこの痛みが生ずるのか、医師にはわかっていません が、これは事実です。これは気のせいではありません。 |
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Ｍ 疼痛に関する援助を医師や看護士から得る 痛みから解放されることは当然のことであり、医師や看護士はそれを援助します。痛みから解放されたいということは、弱さをあらわすことではありません。それは気分良く、活発な状態を維持する方法です。 もし、高齢者であれば、その痛みがガンによるものなのか、ほかの健康上の問題、たとえば関節炎のようなものによるのか、わからないときがあるかもしれません。そのため、その痛みを腫瘍内科医や主治医に話そうとしないことがあるかもしれませんが、やはり、話をしなければなりません。痛みがあったら、腫瘍内科医やほかの医師に話をしてください。 あなたと話をすることによって、主治医はその痛みがどれくらい厳しいのかを判断することができます。それによって医師は以下のいくつかの方法を提案します。これらはガンから回復した人々に有効でしたし、あなたにも有効でしょう。 ・ 鎮痛剤：たいてい、医師は最初はもっとも穏やかな薬を処方します。必要に応じて少し ずつ強い薬に変えていきます。疼痛を抑えるためには、医師から処方されたすべての 薬を使用することです。痛みを抑えておくためには服用を飛ばしたり、痛みが出るまで この薬の服用を待ったりしないことです。薬の服用を続けると“薬中毒”になるかもしれ ないと不安に思うかもしれませんが、正しい服用法を守り、定期的に医師の診察を受 けていれば決してそのようことにはなりません。 ・ 抗うつ剤：これらは傷ついた神経からおこる、痛みや痺れを和らげるために処方され ます。 ・ 理学療法：理学療法士の処置を受けることは、痛みを和らげることに役立ちます。理 学療法士は、加熱、冷却、マッサージ、指圧、さらに運動などを用いて気分をよくします。 ・ 固定器：これは、痛い肢や関節の運動を制限します。 ・ 鍼：痛みを和らげるためにつぼに針を打つ、実証された方法です。 Ｐ−２３ ・ 催眠、瞑想、ヨガ：これらは痛みを和らげます。 ・ リラックス法：多くのガン患者は、深いリラックスの実践は痛みを和らげたりストレスを 緩和することに気づいています。Ｐ２６，Ｐ１２１〜１２４を参照してください。 ・ 神経のブロックと手術：この章のほかの方法で効果のない場合は、神経ブロックや 手術を医師にきいてみてください。持続的な、厳しい痛みがある場合この方法は有効 ですが、ほかの問題を引き起こす可能性があります。この方法は入院を必要とする ときもあります。 注：医療保険がこれらの方法を常にカバーするとは限りません。契約内容がこれらをカバーしているかどうか医師に確認してください。 |
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| ? ヒント ：痛みに関して主治医と話をすること ここに、主治医と話をするときに、痛みを表現するヒントをあげておきます。 ・ 数字を使いましょう。０〜１０の尺度で、どのくらいの痛さを感じているかを表現しま しょう。０は痛みを感じていない、１０はあなたがもてると思われる最悪の痛みです。 ・ 痛みがどのようか表現しましょう。鋭い、鈍い、ズキズキする、常に痛いなど。 ・ 痛い部分の正確な位置を体の上を指すか、絵を描いて示しましょう。痛みが一箇 所にとどまっているのか、場所が移動するのかも示しましょう。 ・ いつ痛みを感じるかを説明しましょう。いつ痛みが始まり、どれくらい続くか、日中や 夜のいつごろに良くなったり悪くなったりするか、どうすれば、良くなったり悪くなったりす るのか。 Ｐ−２４ ・ 痛みが、日常生活にどのような影響があるか。痛みで仕事ができなくなるか。家庭 の雑用、友人や家族との面会、楽しみの外出などか。 ・ 服用しているすべての薬（どのような理由であれ）のリストを作る。鎮痛剤を使用し ているのなら、どのような効果があるか。 ・ 鎮痛薬の副作用、たとえば、便秘や排泄習慣の変化や、グロッキーや失神などにつ いて話をする。これらのたいていの症状は処置できます。 ・ 鎮痛の目標について話をする。痛みが全く感じられない状態（これは大変難しい ）か、 特定の仕事をするのには差し支えない程度でよいのか。 疼痛日記をつけましょう。日記は時間による変化を追うのに役に立ちます。また、鎮痛 剤にどのように反応したかや、受けた治療にそのような反応があったかを見ることがで きます。疼痛日記の大型編は、Ｐ１２０ 参照。 Ｐ−２５ |
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? ヒント：疼痛やストレスの緩和のためのリラックスの実践 リラックスは精神的、肉体的に気分をよくすることに役立ちます。しかし、たいていの人には“リラックスする”ということは易しいことではありません。リラックスは技能であり、ほかの技能と同じように練習が必要です。 たいていの人は、多くの痛みや多くのストレスを感じてしまうまで、リラックスをしようとしないものです。もうその時点では成功は難しいのですが。それで、過食、喫煙、飲酒役に立たないどころか、有害である活動、などでリラックスしようとします。 ・ 有効なリラックス法を学ぶ時間を作りましょう。そしてたびたび練習しましょう。Ｐ１２１ −１２４の練習をするか教室に入会しましょう。またはリラックス法のテープやＣＤを買い ましょう。 ・ユーモアを見つけできるだけ笑いましょう “ガンは致命的ですか。はい、でも、なぜ不機嫌のまま死ぬのでしょう。私はすっとジョ ークを飛ばしていました。それは私を助けたと思います。” アリ 肝ガン生存者 ５６歳 笑いはリラックスさせます。笑うと、脳から喜びと筋肉を弛緩させる化学物質が分泌されます。微笑みでさえストレスの多い考えを退けます。もちろんいつでも笑いたいと思うわけではありませんが、以下のようなアイデアが笑いを助けてくれます。 ・ 子供やペットと楽しいことをする。 ・ 面白い映画やテレビを見る。 ・ 面白い卓上カレンダーを買う。 ・ ジョークの本を読んだりインターネットをチェックする。コンピューターがなければ、近所 の図書館のものを利用しましょう。 ・ コメディショーを見に行く。 自分を笑いの種にすることもできます。 ある女性が、いいました。 「この夏、友人のコンピューターの仕事を手伝っていました。あんまり暑かったので、かつらを脱いでいました。」 「帰る支度をしましたが、かつらが見つからないのです。彼女のかわいい犬がそれをいたずらしていました。でも、それをかぶって家に帰りました。そうしたら夫が言いました。」 「いったいどうしたんだ。」 「かつらがぐちゃぐちゃだったことは言わずもがなです。」 Ｐ−２７ |
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リンパ水腫：腕または肢の膨張 リンパ水腫は体の一部分の膨張で、通常は腕や足におこり、リンパ液の蓄積に起因します。ガンやガンの治療により引きおこされ、さまざまな型のリンパ浮腫があります。外科手術の後で起こる種類のものは軽く、持続期間も長くありません。ほかのものではガンの治療後数ヶ月、または数年をしてから発生し、激痛を伴うものもあります。リンパ水腫は昆虫の刺傷、小さな傷、やけどなどでも発現することもあります。 リンパ水腫の危険があるのは次のような人です。 ・ 乳ガン放射線治療を受けたか、脇の下のリンパ節を切除した場合。脇の下のリンパ節 を取り除いた後、そこに放射線治療を受けた場合はリスクが高くなります。 ・ 腕または足の黒色腫−リンパ節を切除し、放射線治療を受けた場合。 ・ 前立腺ガン外科手術を受けたか、骨盤全面に放射線治療を受けた場合。 ・ 女性または男性生殖器のガン。リンパ節切除の外科手術を受けたか、放射線治療を受 けた場合。 ・ ほかのガンで下腹部に広がったもの−成長しているガン細胞の圧力で、体液の排出が 困難になる。 Ｐ−２８ |
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Ｍ 主治医や看護士からリンパ水腫の援助を得ること 主治医や看護士は、リンパ水腫の予防をし、また治療法を見つけることができるかもしれません。次のことを尋ねてみましょう。 ・ 皮膚を健康に保つ方法。皮膚を清潔に保っておくことは重要なことです。また皮膚をレ −ションで保湿しておくことも必要です。 ・ 運動。リンパ液の体外への排出を助ける運動と、してはいけない運動。 ・ リンパ水腫の治療法。次のようなことを指示してくれます。 ・腕や足を胸よりも高く位置しておく ・リンパ液が滞留しているところから移動させる特別なマッサージ法 ・リンパ液を排出する助けとなる特別な包帯と衣服 ・体重の減量 |
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| ? ヒント：リンパ水腫の予防と緩和 ガン生存者は以下の方法が有効であることを知っています。 ・ 膨化や感染（発疹、痛み、熱感、発熱）などの徴候に気をつける。もし腕や足が痛みや 膨らみを持ったなら、主治医や看護士に連絡しましょう。 ・ 腕や足の怪我や昆虫刺傷や日焼けに気をつける。注射や血液検査などはその部分で は行わないようにしましょう。 ・ バランスの良い、高たんぱく質で塩分の少ない食事をする。 ・ 主治医に、定期的なフォローアップケアーを受ける。 ・ 腕や足にゆったりとした衣服を着用する。 ・ 腕や足で浴槽や調理した食品などの熱いか冷たいかなど、温度を測るようなことをしな い。現在は、温・冷を感じる感覚が低下しています。 注意：良い食事に関する更なる事はＰ−７を参照。 Ｐ−２９ |
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口や歯に関する問題 研究によれば、ガンの治療を受けたひとは、口や歯に問題を起こしていることをしめしています。 頭や頸への放射線は、歯や歯ぐき、口の柔らかい湿潤な皮膚、唾液腺、顎骨、に問題を生じることがあります。これは以下の症状を引き起こします。 ・ 口渇 ・ 虫歯やほかの水類の歯の問題 ・ 味覚の消失や変化 ・ 口腔や歯ぐきの痛み ・ 口内感染症 ・ 顎のこわばりや顎骨の変化 もし、ある種の化学療法を受けていると、同様の問題が生じることがあります。 若干の問題は治療後消滅します。ほかのものは長期間継続したり、永久に残ったりします。またある問題は、治療後数ヶ月、数年して発生することもあります。 誰にこの問題が起こるか ・ 頭や頸に放射線療法を受けた人。 ・ 骨髄移植を受けたほとんどの人。 ・ 化学療法を受けた人の５人中の２人 Ｐ−３０ |
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Ｍ 口や歯の問題で援助を受けること ガンの治療が終わった後で、これらの問題が持続するときは、以下のことについて主治医に相談しましょう。 ・ 何がこの問題を引き起こしているか ・ 口内の痛みに対処する方法 治療が終わった後すぐに歯科医へ行き次のことを相談しましょう。 ・ どのくらいの頻度で検査をする必要があるか。 ・ 口内や歯を保護する方法 |
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? ヒント：口内や歯の問題を予防したり軽減する方法 口内を湿潤に保つために ・ 十分な水を飲む。 ・ 氷のかけらをなめる。 ・ 糖分なしのガムをかむか、糖分なしの硬いキャンデーをなめる。 ・ 口内を湿潤に保つために、代用唾液を使用する。 口内を清潔に保つために ・ 毎食後、就寝前にやわらかい歯ブラシを使って歯、歯ぐき、舌を掃除しましょう。もし痛 いならば、温水でブラシをやわらかくしましょう。 ・ 穏やかなフッ素歯磨き（子供用の歯磨きのようなもの）や、アルコールを含まない口内洗 浄液を使用しましょう。 ・ 毎日歯をデンタルフロスで掃除しましょう。もし歯ぐきが出血したり痛むときには、出血し たり痛いその部分は残しておいて、ほかの歯を掃除しましょう。 Ｐ−31 ・ １/４匙の重曹と１/８匙の食塩を１カップの温水に溶かした液体で、一日数回口内をうが いしましょう。その後、水でうがいをしましょう。 ・ もし義歯を入れている場合は、食後に掃除をし、ブラッシングし、よくすすぎましょう。 もし口内が傷むときには以下のことに注意をしましょう。 ・ タコスチップのような鋭い、パリパリした食品。口内を引っかいたり切ったりする。 ・ 熱い、辛い、刺激のある、酸性の高い、柑橘果物やジュースのような食品。口内をヒリヒ リさせる。 ・ 糖分の多い、キャンディやソーダのような食品。虫歯を作る。 ・ 爪楊枝。口内を傷つける。 ・ タバコ製品。 ・ アルコール飲料。 顎にしこりがあるとき ・ 一日３回、痛みがない程度にできるだけ大きく口をあけ、閉じる。２０回繰り返す。 注：咀嚼や嚥下を痛みなく行う方法については、Ｐ−３５を参照。 Ｐ−３２ |
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体重の変化 “ガンにかかっているなんて、信じられません。だって体重が増えていますから。” サラ 乳ガン生存者 ４３歳 研究によれば、ある種の化学療法や、ある種の薬を服用したガン生存者の中には体重の増加を示し、治療後も増加した体重はそのまま維持される人がいます。ある種の化学療法を受けた乳ガンの生存者には、さまざまな体重の増加、筋肉が減少し、脂肪が増えるなどがあります。残念なことに、通常の減量の方法ではこれに対する効果はありません。 また反対の問題を持っているガン生存者もいます。食欲がなく、体重が減少します。ある男性は、体重の減少は、増加よりも大きな懸念だと言います。弱々しく感じさせ、男らしくなく見えます。 Ｐ−３３ Ｍ：主治医や看護士から体重の増加に関する援助を得ること 主治医や看護士は、体重の増加に対処する援助をしてくれます。次の点を相談しましょう。 ・ 筋肉を損失し、脂肪が増えてしまったときには、腕と肩の強化をする運動をすること。 ・ 栄養士や栄養学者に、体重の増加をしない健康的な食事プランを相談すること。 ? ヒント：失われた食欲の回復 以下に、ほかの人には有効であった食欲を増進するためのヒントがあります。 ・ 小さな食事から始めましょう。一日に５回の小さな食事は、３回の大きな食事より容易に 取ることができます。いつもより少な目の朝食を取りましょう。午前中の半ばに健康的な 軽食を取りましょう。 ・ 大好きな食事を取りましょう。食べたいという気持ちがまだ起こらないときには、治療前 に大好きだった食品を試して見ましょう。食欲がわくスタートとなるでしょう。 ・ 贅沢にしましょう。食事の時間を特別なときにしましょう。たとえ、栄養補助ドリンクを飲 むだけでも、冷えたグラスやマグで飲みましょう。新鮮な果物やジュースやほかの良い 香りを加えるものなど、味をよくするものを入れましょう。 ・ 食事を良く見せる方法を考えましょう。色合いを良くする食品を選びましょう。きれいな皿 に乗せるとか、きれいなナプキンを使うとか。 注：治療後の食事を快適にするヒントは、Ｐ−７を参照 Ｐ−３４ 嚥下の問題があるとき 頭や頸に放射線療法や化学療法を受けた人は、嚥下に問題が生じることがあるので食べることが難しいことがあります。胸、肩、への放射線治療やのどの手術を受けた人に、この問題が生ずることもあります。肺ガンの生存者が言いました。“化学療法のため、咀嚼や嚥下が難しくなりました。まったくできなかったので、いつもいつもスープややわらかい米を食べていました。 嚥下の問題があるときは ・ やわらかい、口当りの良い食品をソースや肉汁で湿らせて食べましょう。プディング、ア イスクリーム、スープ、アップルソース、バナナ、ほかのやわらかい果物は、栄養豊富で 嚥下のしやすい食品です。 ・ 固形食品を加工するためにミキサーを使いましょう。 ・ 主治医、看護士、栄養学者、医療言語聴覚士などを含む医療チームにアドバイスをもら いましょう。 ・ 食事中に頭を後ろに傾けるか、前に動かしましょう。 ・ 嚥下や話を容易にするために、数分おきに水を飲みましょう。水筒を持っていればいつ でも便利に飲むことができます。 Ｐ−３５ 排便排尿の制御 排便排尿の問題は、ガン治療後に直面する最大の狼狽する問題です。公共の場所に出かけることが、恥ずかしくなったり恐ろしくします。ある前立腺ガンの生存者がこう言っています。“仕事に戻ることが大変なことでした。たびたびトイレに行かなければならないので、本当に愚かに感じました。主治医が何も言ってくれなかったので、それは本当に思いもかけないことでした。 この排便排尿の制御の損失は、膀胱、前立腺、大腸、区億町、卵巣、そのほかのガンの治療後におこります。外科手術により排尿排便の制御ができなくなってしまうのです。っ少しはこの制御能力が残っていたとしても、突然しかもたびたびトイレに行かなければならなくなります。 鎮痛薬を服用していると便秘という逆の問題が生ずることもあります。 Ｍ 主治医や看護士から排便排尿の制御に関する援助を得ること 排便排尿に関する週間の変化を主治医に相談することは、とても重要なことです。主治医や看護士に次のことを相談しましょう。 ・ 人工肛門の処置についての援助。この変化に対応するためのサービスや支援グループ があります。 ・ 治療できる便秘に関する問題。 ・ ケーゲル練習（Ｐ−４２参照）とほかの身体訓練プログラムについて。 ・ 効果のある薬剤について。 Ｐ−３６ |
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更年期障害 化学療法後、毎月の生理が止まってしまったり、永久に無くなってしまったりすることがあります。 あるガン治療（薬剤、タモキシフェン）は、女性の体を変化させ、体が作り出すホルモンの量を減少させてしまうことがあります。この変化は、生理を止め、更年期障害（「変化」とか「更年期」とも呼ばれる）を起こすことがあります。 時間とともに、生理を取り戻す人もいますが、（これは若い女性に多い）ほとんどの人は取り戻せません。 更年期障害の徴候 生理不順。始めの徴候は整理の不順です。規則性が無くなります。軽くなったり、短期間に重い出血があったりします。突然生理が無くなることもあります。 のぼせ。のぼせはしばしば夜の睡眠を中断させることがあります。これは気分の変化を生じ、意志の決定を難しくします。 膣や膀胱に関する問題。この部分の皮膚を乾燥させ、薄くしてしまいますので、膣の感染を引き起こしやすくなります。年を取るにつれ、尿路任官する問題や、排尿を我慢することに関する問題を生じることがあります。 性交に関する意欲の喪失。この変化は性的興奮を難しくします。 疲労や睡眠の問題。疲労を感じたり、眠りにつけなかったり、早く起きたり、真夜中に起き眠れなくなったりします。 Ｐ−３７ 記憶障害や、うつ病、気分の変動、イライラなどの諸問題。これらのいくつかは、特に記憶障害は都市を取ることに関連していることがあります。これらは体内のホルモンレベルと感情の変化に関連していることもあります。 身体のほかの変化。ウエストが太くなったり、筋肉が減少したり、体の回りに脂肪がついたり、皮膚が薄くなり弾力性がなくなったりすることに気づくことでしょう。 これは重要なことですが、 治療の前に生理があり、治療後に更年期障害を生じても、 妊娠することは可能です。 Ｍ 主治医や看護士から更年期障害の症状に関する援助を得ること 毎年、婦人科で検査を受け、次のことを相談しましょう。 ・ 更年期障害を管理する薬剤や補助食品やほかの方法。 ・ 必要な検査。（骨粗しょう症の危険があるときの骨密度の測定など） ・ 次のことを回避することができる方法。 ・骨粗しょう症。閉経は、骨を弱くし骨折を容易にする、骨組織の喪失の危険を生じます。 ・心臓病。閉経は血液中のコレステロール値（心臓と血管に影響を与える疾患の危険性を 増加する）を上昇させます。 Ｐ−３８ ? ヒント：更年期障害を楽にすること 更年期障害に対処するヒント ・ 喫煙をやめる。 ・ 運動−体重の調整と筋肉の強化。 ・ 賢明な食事。バランスの取れた食事は、健康でいるために必要な栄養素とカロリーを供 給します。 ・ 運動と食事によって、健康な体重を維持する。 ・ 十分な水分を取る。もし、のぼせがあるならば、いつ、何が原因かという日記をつけまし ょう。これはのぼせを回避する方法の発見に役立ちます。 ほかの方法： ・ のぼせが生じたら、涼しい場所に移動するか、小さな扇を携行しましょう。 ・ 涼しい部屋で眠りましょう。：これは夜、のぼせで眼が覚めることを防ぎます。 ・ 重ね着をしましょう。暑くなれば脱ぐことができます。 ・ 綿のシーツを使い、肌に通気性のある衣服を着ましょう。 ・ のぼせの始まりに冷たい飲み物（水やジュース）を摂りましょう。 ・ 刺激のあるものを食べないようにしましょう。アルコールやカフェインの量を制限しましょ う。 注：食事と運動のヒントはＰ−７を参照 Ｐ−３９ |
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肉体関係と性 “不能ということについては知っていました。私が知らなかったことは、私とパートナー の間の問題を生じた無関心ということでした。” ミッチ 前立腺ガン生存者 ７３歳 ガン治療後、性生活に変化が生じることがあります。これは、たいていの人に起こりますが。胸と生殖器のガンの長期治療を受けた女性の半数や、前立腺ガンの治療を受けた半数以上の男性は、長期にわたる性生活の問題を訴えています。ガン生存者の多くは性生活の変化に対する準備がなかったと言っています。 ガン治療後の性の問題は、体の変化−外科手術、化学療法、放射線療法、疼痛治療薬などによります。またこの問題は、うつ病、ガンに罹ったことによる罪の意識、外科手術による身体の外観の変化、あなたとパートナーとの間のストレスなどにより生じることもあります。 どのようなタイプの問題が起こるでしょうか。４つの主な問題があがっています。 ・ 性への興味の喪失。ガン治療後の身体の外観に悩む人たちがいます。衣服をつけ ない姿をパートナーが見ることを考えると、ストレスになることもあります。疲れていたり、 痛みがあったりして、性のことは後回しになっている人もいます。化学療法やあるガン治 療薬品が、性衝動を減少させることもあります。 ・ 以前のように性的関係を持つことができない。あるガン治療は性器に変化を生じること があり、それが性生活を変化させます。 ・前立腺ガン、ペニスのガン、精巣のガンの治療後、勃起をしたり、持続させることができ なくなる人がいます。またある治療は男性のオルガスムを弱めたり淡白にしてしまいま す。 ・ある女性には、ガン治療後性交が困難に、または痛みを伴うようになることもあります。 化学療法や外科手術、放射線療法などが、この問題を生じることもあります。この問題 に関する明確な理由がない場合があります。 ・ 更年期障害を持つ。女性が生理をなくすると、のぼせを生じたり膣の乾燥や硬化を生じ 、性交渉を持つ意欲に影響を与える問題をひきおこすことがあります。 ・ 子供を持つ能力の喪失。ガン治療は不妊症を引き起こすことがあり、ガン生存者に子供 を持つことをできなくすることがあります。受けた治療法の種類や、性別、年齢、治療の 期間などによっては、まだ子供を持つこともできます。 注：閉経期に関する更なる情報はＰ３７−３９を参照 Ｐ−４１ Ｍ 主治医や看護士に性に関する援助を得ること 主治医はこの問題に対処することができるでしょうが、医師のほうからこの問題を提示することはないでしょう。あなた自身で口火を切る必要があります。もしあなたが口火を切ることに問題を感じるのでしたら、この小冊子を持っていって、医師や看護士にこの章を見せてください。 この性に関する問題はひとりでは解決できません。これらの問題の援助を得るには主治医に相談することが重要です。次のことを聞いてみましょう。 ・ 性生活を変化させる医学的な問題。生じている問題の治療を受けることができるかもし れません。それには次のことを含んでいます。 ・勃起の問題。薬剤、カウンセリング、自分自身を喜ばせる方法、外科手術、などが役に たちます。 ・膣の乾燥。膣の乾燥や固化は、閉経によっておこります。性交中に水性潤滑剤を使うか 、性交の前に膣拡張器を使うかを聞いてみましょう。ホルモンを使うか、ホルモンクリー ムを使うかは自由です。 ・ ケーゲル練習法により筋肉の制御を獲得する方法。これらの練習をすることにより局所 の筋肉を強化することができます。筋肉をコントロールして尿の流れを止める練習。排尿 のときではなくてもこの練習をすることができます。座ったり立ったり、また排尿のときに 筋肉を閉めたり緩めたりします。 ・ 子供を持つこととあなたにできることに関する懸念。主治医と家族計画について相談し ましょう。もしあなたが女性だったらば、生理がなくても、バスコントロールをする必要が あるか聞いて見ましょう。 ・ 性療法士との相談。あなたの問題に関して、オープンに話をすることができるでしょう。 あなたの懸念事項や、あなたやパートナーを援助する新しい方法を考え出してくれるで しょう。 ヒント：ガン治療後に親近感を覚えること 多少の変更が必要だとしても、多くの人は、ガン治療後に性を楽しんだり親近感を覚えることができます。ここにそのヒントがあります。 ・ 官能的なムードの創出。照明、音楽、香り、ロマンチックな食事などが役に立ちます。 ・ デートすること。可能なら、二人のための特別な時間をつくりましょう。 ・ 触れ合うこと。キス、ハグ、寄り添いなど。たとえ従来のような性行為ができないとしても ・体位を変える。新しい体位は快感を増加してくれます。 ・セクシャルに感じるほかの部分を見つける。たとえば、今まであまり触れたことにない体 の部分で感覚を楽しむことができるかもしれません。快感を感じる方法を考えましょう。 ・始めはゆっくりしましょう。もし痛みを感じる傷跡があれば、少しずつ傷をさわり慣れさせ ましょう。 Ｐ−４３ ・必要ならもっと前戯をしましょう。女性の中にはリラックスし、性交の準備のためにより長 い前戯の時間を必要とする人もいます。男性の中にはオルガスムに達するために新し い愛撫が必要という人もいます。クライマックスに近づいたときに、２〜３度、とめたりはじ めたりするとクライマックスがより強くなります。 ・より官能的に感じる方法を探しましょう。パジャマやナイトガウンを着ることにより、傷を隠 しより魅力的に感じることがあります。パートナーを喜ばせる方法を考えましょう。 ・明るく考えましょう。性生活には考え方が大切な役割を果たします。 ・パートナーに心配事や恐れていることを話しましょう。 注：治療後の性と親近感についてパートナーに話す際のヒントについては、Ｐ７６−７７を参照してください。 |
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ほかの健康上の問題があるときには ガン生存者の中には、長期のガンや治療の影響は、年齢による影響やガンになる前にかかった糖尿病や心疾患などのほかの健康上の問題などにより、悪化することがあります。外科手術を受けた乳ガン生存者は、手を伸ばしたり、ストレッチするような毎日の行動に痛みを感じることがあります。関節炎のような健康状態はこのような行動をさらに困難にします。結腸直腸や前立腺ガンの生存者は、加齢により排便や排尿のコントロールがさらに困難になることがあります。 つぎのことを主治医に相談することは重要なことです。 ・ すべての健康状態 ・ その健康状態で服用しているすべての薬剤 ガン治療の中には、将来の健康状態に問題を起こすものがあります。これらの問題はすぐには発現しません。中には治療後数年間発現しないものもあります。 主治医に相談しましょう。 ・ ガン治療が短期または長期の問題を起こす危険性があるか。 ・ それらは、何か ・ 健康管理になにをしなければならないか。 Ｐ−４４ |
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| （もどる） | ガン治療後の心と情緒 ガン治療が、身体的な健康に影響を及ぼすと同じように、感じ方、考え方、自分でしたいと思うさまざまなことに影響を及ぼします。あなたを驚かせるさまざまな感情を引き起こすと同時に、治療は脳の働きを実際に変えてしまいます。治療後に身体の面倒をみる必要があるのと同時に、情緒の面倒も見なくてはならないのです。 患者それぞれのガンについての経験はさまざまで独特ですが、あなたが感じる、感覚や情緒や恐れなども同様に独特です。形づくられできたあなたの価値観も、ガンに対する考え方や対処の仕方に影響を与えます。強くなって友人や家族を守らなければならないと思う人もいます。愛する人からの援助や、ほかのガン生存者からの援助をうけたり、彼らが対処することを支援することに信頼を置いたりする人もいます。カウンセラーや家族外の人から援助を受けたりする人もいる反面、この様なことに不快感を感じる人もいます。どのように決断しても、自分にとって正しいことをし、ほかと自分を比較しないことが重要なことです。 以下に、ガン治療後に感じる代表的な情緒について述べておきます。 Ｐ−４７ ガンが戻ってくるのではないかという恐れ 『あなたが、ガンがいつでも戻ってくるという可能性を忘れているとは思いません。』 −グラント 白血病生存者 ６８歳− 『治療中は、ガンを鎮めていました。（治療後は）もう片方の靴が落ちるのを待って いました。』 −ジュディ 乳ガン生存者 ４５歳− ガンが戻ってくる（再発）という恐れは、特に治療後１年間は自然なことです。これは治療後に患者がもつ一般的な恐れのひとつです。治療後数年たってもこの恐れはいつでも心に去来する恐れです。 Ｐ−４８ ある人にとってはこの恐れは強烈で、人生を楽しむこと、十分眠ること、よく食べること、またフォローアップケアーに行くことさえできなくなってしまうこともあります。 『もしガンが再発したら、いったい何をしたら良いのでしょうか。』 ある女性が言いました。 『初めと同じことを繰り返すなんて考えたくもない。』 もちろん、みんなが同じように思っているとは限りません。ある生存者はこんなふうに思っています。 『ガンは人生の一部さ。だからいつでも望みを持っていなければ。』 時間が過ぎるにつれて、ガンが戻ってくるという恐怖はだんだん薄れていき、ガンについて考えることも少なくなっていきます。しかし、治療後１年であってもいくつかの事柄が、あなたの健康について心配事があることを思い出させてくれます。 それは次のような事柄です。 ・ 術後診察治療 ・ 記念日（診断を受けた日、手術を受けた日、治療を終えた日など） ・ 誕生日 ・ 家族の病気 ・ ガンにかかったとわかったときの症状に良く似た症状 ・ ほかのガン患者の死亡 ・ 個人的な記憶。たとえば、ある人が言っていました。化学療法の最中は特定のレストラ ンにいっていました。そこで出されるミルクセーキのほかは何も受け付けなかったからで す。治療後、そこへ行くことはやめてしまいました。なぜならそこは化学治療を思い出さ せ、胃がむかついてくるからです。 Ｐ−４９ ? ヒント：ガン再発の恐れに対する ガンが戻ることへの恐れにどのように対処しますか。ここにほかの人に対して効果のあった恐れへの対処法とより多くの希望を持つためのヒントがあります。 情報を受ける。ガンについて知る、今健康のために何をしたら良いかを理解する、利用可能なサービスを見出すなどは、大きな自律心を得ることになります。ある研究によれば、自分の疾患や治療に精通している人は、治療計画に従い、そうでない人よりもガンからの回復が早いといわれています。 |
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恐れや怒り悲しみなどの感情を隠さない。 開放的に自分の情緒に対処することは、悩み事を少なくします。憤りや悲しみなどのような強い感情を表明すれば、これらの感情を発散することができるということに、多くの人は気づいています。友人や家族、ほかのガン生存者、カウンセラーなどと話をすることにより、自分の気持ちを整理する人もいます。もちろんガンについてほかの人と話し合いたくなければ、話をしないことは自由です。心配事を、考えたり紙に書いたりして整理することもできます。 情緒問題について考えたり話したりすることは難しいことでしょう。ガンに関する考えやそれに付随するすべてのことを、心の中から追い出したいと思う人もいます。ガンにあなたの人生を支配させないことが重要なことなので、それは難しいことでしょう。ガンがあなたの人生を支配しようとしているのがわかったときは、自分の感情を表明する良い機会となるでしょう。 積極的な態度で仕事をしましょう。そうすれば今現在の気分がずっと良くなります。これは、悪い状態でも良いことを見出そうとしたり、最悪のことを想像するよりも希望に満ちあふれているように心がけることを意味します。健全であること、できる限り健康でいるために今何ができるかということにエネルギーを集中しましょう。 ガンにかかっていることで、自分を責めないでください。自分が何かしたことや、何もしなかったことで、ガンにかかってしまったと信じこんでしまう人もいます。これは本当ではありません。そんな風に考えるものではありません。ガンは誰にでも起こりうることを忘れてはいけません。 いつでも快活でいる必要はありません。多くの人が、時々は自分の感情に流される自由がほしいといっています。ある婦人はこのように言っています。 「本当にひどい日は、家族に今日はガンの最悪の日なのと言い、約束をすべて取り やめてしまいます。二階へ行ってベッドにもぐりこんでしまいます。」 リラックスする方法を探しましょう。悩み事があるときに、Ｐ１２１−１２４の運動は、ほかの人にも有効だったので、きっとあなたにも役に立つことでしょう。 できるだけ快活にしましょう。家から外に出て、何か価値のあることをすることは、ガンやガンによる心配よりも、ほかの事に集中することができます。 できるだけ主体性を持ちましょう。生活をきちんとしておく事は、恐怖を感じることを少なくすると、多くの人は言います。健康管理や約束を守ったり生活様式を変えたりなどは自分で主体的にできることです。一日の予定を立てることでさえ、活力を与えてくれます。さらに、誰でもすべての考えをコントロールできるわけではないので、恐れについていつまでもこだわらないことでそれを解決している人もいます。 Ｐ−５１ ストレスを感じること ガンと診断されたとき、家族の問題、仕事の問題、経済的な問題などはしばらくの間ほおっておいたことでしょう。今、治療が終わり、疲労し、しなければならないことが手に余るほどあると感じているときに、これらの問題が再浮上してきたことでしょう。 多くのガン生存者が、ストレスがガンの原因のひとつではないかと心配しています。しかし、多くのガンを発生させる原因については今でもまだ判っていないことを、記憶にとどめておくことは大切なことです。ストレスがガンを発生させたという研究報告はありませんが、ストレスはほかの健康上の問題を引き起こします。ストレスを軽減したりコントロールしたりする方法を見つけることは、気分をよくすることにつながります。 ? ヒント：ストレスの軽減 多くのガン生存者は、下記のような活動がガンやガン治療後の心配事に対処するのに役立つことに気がついています。これらの活動に参加することに関して、主治医、看護士、ソシャルワーカー、近くのガン団体に聞いてみましょう。 運動 運動は、ガンにかかっていようといまいと、ストレスを軽減し、緊張を少なくする方法として知られています。ある人がこんな風に話しています。「うつ病の症状で少し落ち込んでいるときがあります。そんな時、新鮮な空気の下で４５分〜５０分くらい歩くと、時々世界中が仲間になったような気になります。」運動のプランを作る前に主治医に相談しましょう。決して運動をし過ぎないようにしましょう。もし歩行が困難なときには、有効なほかの運動についてたずねてみましょう。 ダンスや活動 劇やダンススタイルの体の運動をしているクラスで、ガンについての感情を表現します。ほかのメンバーはその演技が何を表現していたか話し合います。 Ｐ−５２ 個人の話の共有 ガンとともに生きていることに関する話をしたり聞いたりすることは、ガンとともに生きていることに生きることへの理解と、問題解決、より望み多く感じたり、懸念を表明したり、意味合いを発見したりすることができます。支援グループに関する情報はＰ６１〜６４を参照してください。 音楽や芸術 今まで歌ったことや絵を描いたことのない人たちでも、これらの活動は役に立ち、面白いものと感じられます。 |
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抑うつと不安 治療後も怒り、緊張、悲しみ、ゆううつな気分などを感じているかもしれません。大部分の人は、時間とともにこのような感情が薄れていきます。四人に一人くらいの人がこれらの感情が深刻になる場合があります。痛みを伴う感情が少しも良くならず、日常生活の妨げになってしまいます。これらの人たちはうつ病と呼ばれる病気にかかってしまったのです。ガンの治療のいくつかが、脳の働きを変えてしまうことによってこの問題を引き起こすことがあります。 うつ病への援助を受けること 主治医に相談してください。あなたがうつ病であると主治医が判断すれば、医師はうつ病を治療してくれるか、ほかの専門家を紹介してくれるでしょう。多くのガン生存者は、うつ病とガンからの回復を援助する専門家であるセラピストの援助を受けています。主治医も恐怖感を少なくし、緊張ときほぐす薬を処方してくれるでしょう。 もしあなたの感情を話すことが難しかったら、この小冊子を主治医に見せてください。あなたの言いたいことを変わりに説明してくれます。この感情を自分ひとりでコントロールしなければならないと思う必要はありません。必要な場合、援助を受けることはあなたの人生と健康のためには重要なことなのです。 Ｐ−５３ |
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| （もどる） | うつや不安の援助が必要かどうかを知るために いかに述べた事項が2週間以上続くようであれば、主治医に治療法を相談してください。 感情的な徴候 ・ 悩んだり、心配したり、気がめいったり、落ち込んだりなどが去らない。 ・ 感情の麻痺。 ・ 圧倒されるような、コントロールできない、不確実などの感情。 ・ 罪悪感や無価値感。 ・ 無力感や絶望感。 ・ 過敏症と不機嫌。 ・ 集中力の欠如と散漫さ ・ おお泣き。 ・ 心配や問題への執着 ・ 考えがまとまらない。 ・ 馬鹿なことをすることをやめられない。 ・ 食べ物、性、人付き合いなどを楽しむことができない。 ・ 無害であるとわかっている状況やものをさけようとする。 ・ 人生を失ったというような自殺的な考えや感情。 身体的な変化 ・ 病気や治療によらない予想外の体重の増加や損失。 ・ 不眠症や睡眠要求の増加。 ・ 心臓の激しい鼓動、口腔の乾き、発汗の増加、胃のむかつき、下痢。 ・ 動作の緩慢 ・ 抜けない疲労：頭痛やほかの痛みや疼痛これらは、ガンの治療に起因することもある。Ｐ２０〜２２の疲労を参照） Ｐ―５４ |
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記憶と集中力の変化に対応する 「それは、たまたまぼけがでたせいだといっていましたが、それが頻繁に起こっている ことを知りました。治療が記憶に何か影響していると確信しています。」 ７０歳のガン生存者が話していました。 「以前のように集中することができなくなったことは、最悪になりました。」 若いガン生存者が付け加えました。 「私の仕事にどんな影響が出るのか心配しています。」 研究によると、四人に一人のガン患者が、化学療法後に記憶や集中力に問題が生じたといっています。何がこれを引き起こすかについては、更なる研究が必要です。 これらは、治療後すぐに起こったり、数年後まで起こらないこともあります。これは必ずしも直るとは限りません。もし年配者であれば、この記憶や集中力の変化が、治療によるものなのか、加齢によるものかを判断することは難しいことです。いずれにしても、以前のように集中することができなくなったと感じています。 この記憶と集中力の問題に関する研究は、現在始まったばかりです。全身的化学療法や頭部への放射線療法を受けた人には、この問題の起こる危険性がかなり高くなるようです。化学治療の摂取量の多い患者には、特に記憶障害が発生する危険性があり、また、標準治療をうけた人でさえ、記憶の変化を訴えています。 |
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Ｍ 記憶と集中力に関して、医師や看護士と共同する 主治医は、記憶と集中力の問題に対処することができます。もし、以下のようなことがあたら、主治医に相談してみましょう。 ・ 摂取している薬がこの問題を起こしたり関係しているように思える。 ・ うつ病や不安症にかかっていると思える。これらの問題は注意力や集中力や記憶に影 響します。 ・ 閉経期にあたっている。記憶や集中力の問題は閉経期に関連することもあります。 Ｐ−５４ ? ヒント：記憶と集中力の増加に関して ガン生存者は、ガン治療後に、記憶を増加させるさまざまな方法を見つけています。以下の方法が役に立つかどうか調べてみましょう。 ・ ノートやポケットカレンダーを携行する。一日の計画をするのに使用する。ここの仕事を 書きとめ、どれくらいかかるか、どこへ行かなければならないかを記録しておきます。一 日の予定を夜間を含めて計画します。単純にし、一日にどれくらいできるか実際にして見 ます。 ・ 家の周りに小さなしるしをつけておきましょう、何をする必要があるかを思い出すために 。たとえば、１）ごみを捨てる。２）ドアに施錠する。などの仕事を思い出すために使いま す。ヒント：二つか三つのサインにします。あまり多いと無視するかも知れませんので。 ・ 長い数字をグループ化しましょう。 （電話番号や、郵便番号など）チャンキングです。た とえば電話番号の812-5846は、8-12, 58, 46、などというように繰り返します。 ・ 何かする必要があることを自分にいいましょう。それに集中できるように。いくつかの段 階がある仕事、たとえば料理、コンピューターを使った仕事などのとき、それぞれの段階 で独り言を言いましょう。 ・ リラックスする方法を知りましょう。 （Ｐ１２１〜１２４を参照）リラックスする方法を学ぶこと は、ストレス一杯のときでさえ平静になることができます。ストレスをうまく処理することは 記憶と集中力を増加する助けになります。 ・ 家族の行事や仕事に行くときには重要な事柄を口に出していってみましょう。忘れては いけない名前や日付やしなければならないキーとなる事柄などをです。 ・ 覚えておきたいことを繰り返す。数回それを繰り返すことは情報をキープしておくために 非常に有効です。 Ｐ−56 「女性は、女性を感じていたい。鏡を覗くときには女性でいたい。特に独身ならば。」 サンドラ 乳ガン生存者 53歳 「治療後の体は同じだとは思えない気がする。もう孫と一緒に夢中になって遊ぶことが できません。それがさびしいです。」 ジョージ 非ホジキンリンパ腫生存者 71歳 体の変化に対処する ある種の体の変化は短期間ですが、ほかのものは永久の変化です。いずれにしてもどのように見えるかは、ガン治療後の大きな懸念となります。結腸や直腸の手術後にオストミーを取り付けた人は外出することに恐れを抱きます。ほかの人に拒絶されることに恥を感じたり恐れを感じることがあります。何か事故があってきまりが悪いことになることを心配するのです。また、頭部や首の傷あと、肌の色の変化、胸や肢の欠損、体重の増加や減少、体毛の損失、などの治療のあとを見られることを好まないのです。治療痕が見えないとしても、体の変化はあなたをわずらわせることでしょう。憤りや悲しみの思いは自然なことです。あなたは前の体を失うと同時に個性もなくしたのです。 自分の体に不快感を感じることは性への欲求も低くなり、性生活の欠如や減退が、自分自身をさらに落ち込ませます。 「精神的に、奇妙に感じた。」 ある前立腺ガンの生存者がいいました。 「自分の心のささえとなっていた男らしさについて、心配するかもしれないが、それは 常にそこにある。」 女性も同じような悩みをもちます。 「私は女として半分になったように感じました。」 ある卵巣ガン生存者が話していました。 Ｐ−５７ あなたの外観の変化はあなたの愛する人にとって苦痛となり、あなたに厳しく当たるようにもなります。両親や祖父母は、あなたが子供たちや孫たちをどのように見るかを心配することもあります。体の変化が子供たちを怖がらせたり、そばに来ることの妨げになるもではないかと心配します。 ? ヒント：体の変化に対処する どのように体の変化に対応しますか。以下にそのアイデアがあります。 ・ もし放射線療法で肌の色が変化してしまったら、肌の手入れの仕方や色が時間とともに 変化してくるかを医師や看護士に聞いてみましょう。 ・ 外観を浴する方法を見つけましょう。新しい髪形、髪の色、メーキャップ、衣服などは見 てくれを良くします。 ・ もし、人工乳房をつけるのであれば、自分によく合うことに気をつけましょう。医療保険が その支払いをしてくれるでしょう。 ・ 自分のガン異常であると自分に言い聞かせましょう。あなたがどのように見えようと人生 にどの様なことがおころうと、あなたには価値があることを知っておきましょう。 ・ 損失を嘆き悲しみましょう。それは事実ですし、あなたには深く悲しむ権利があるのです 。 ・ ガンに対処することで、より強く、より賢く、より現実的になれたということに眼を向けまし ょう。 Ｐ−５８ 憤りを感じること 多くの人は自分がガンであることや、診断や治療中におこったことなどに憤りを感じることがあります。おそらく医療従事者や協力的でない友人や親類などから良くない経験をしたのでしょう。 ? ヒント：憤りを少なくすること 憤りに固執することは、自己管理の邪魔になることがありますが、憤りは必要なケアの行動を起こすためのエネルギーとなることもあります。もし憤りを感じたなら、それを自分自身に役立つように使う方法を見つけましょう。 孤独感 “さまざまな行動や、医師の診察や、治療などを、ただしていたことに気づきました。 感情的な面の事柄に関しては、まったく考慮していませんでした。私がしていた事に 気づいたとき、私が必要としていた感情面の支援を受けているとは、まったく思えま せんでした。” カルメン ホジキン病生存者 25歳 “私は毎日放射線治療に行きました。治療をしてくれました。家族のようでしたの です が・・・。でも今は、ちょっと距離を感じています。” トム 前立腺ガン生存者 70歳 Ｐ−59 治療後、医療チームからのサポートを受けずにいることがあります。治療が終了したので、医療チームの安全の対策が終わり、あなたへの関心やサポートが減少したように感じるかもしれません。また、ガンにかかった人のみが、あなたの気持ちを理解してくれると感じるかもしれません。あなたを真剣に考えてくれている人から離れてしまうときは、このような感情はいつでも普通のことです。 ガンの治療後、家族や友人からでも、何か切り離されたと感じることも普通のことです。周りの人たちは、手助けをしたいと思っているのですが、何をしたら良いのかを知らないのです。また、疾患を恐れているのかも知れません。 ? ヒント：孤独感を少なくすること このような孤独を感じている間に、気分を良くするために何をしたら良いでしょうか。ここに有用な方法のヒントがあります。 ・ 今まで医療チームから受けていた情緒面のサポートを、どのように取り戻すかを考えま しょう。次のことを考えて見ましょう。 ・看護士や医師に、時々声をかけてよいかどうか聞いてみましょう。声をかけることが関係 を密にし、孤独感を少なくすることができるでしょう。あなたを知っているということだけ でも手助けをお願いできるでしょう。 ・電話やインターネットで、サポートサービスを探しましょう。 ・あなたの回復のための新しい提供先を探しましょう。友人や家族、ほかのガン生存者や 聖職者などはその対象者です。 ・ ガン支援グループに参加することを考えて見ましょう。ガン支援グループでは、ガンにか かったことのある人が、感情や心配事について話をしてくれるでしょう。その上、個人の 事柄を公開することで、直面している同様な問題に関して、ほかの人が何を克服してき たか、どのように対処してきたかを聞くことができます。支援グループも家族の人たちに 、さまざまな懸念について支援してくれるでしょう。 Ｐ−６２〜６３の“支援グループは適切ですか” は、どこかに加わるかどうかを考えるときに役に立つでしょう。 Ｐ−６０ |
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| （もどる） | 支援グループに加入すること “私は落ち込んでしまったので、このグループに加わりすばらしい時間をすごしました。 ともに泣き、ともに笑い、ともにすごしました。 エリア 乳ガン生存者 58歳 “私はどこにも加入しませんでした。その時分は、あまりにも多くのことがありました。” レベッカ 非ホジキンリンパ腫生存者 65歳 支援グループにはさまざまな利点があります。自尊心を持ち、人生の新しい目標を見つけ、良い疼痛管理の方法を得、新しい友人を作り、気分を改善し、ガンにさらに良い対処をし、ガンについてさらに良く知り、人生に必要なことによく対処することができるでしょう。 サポートグループは以下のことができます。 ・ あなたの感情について話をし、それについて検討する機会。 ・ 実務的な問題、たとえば病院への送り迎えや仕事や学校の問題などに対処する支援。 ・ 治療の副作用に対処する支援 Ｐ−６１ 支援グループに加入する一番の理由は、家族や友人からの支援が受けられないからではなく、そこにいる人たちと一緒にいられることです。ある研究によれば、特定の支援グループに加入していることは、生活の質の向上と生きる希望を大きくするということを示しています。 支援グループの種類と、どこで見出すか 支援グループにはさまざまなタイプがあります。ある種のガンのみであったり、どのようなタイプでも良いものがあります。女性のみや男性のみであったり、特定の民族や人種のみのばあいもあります。支援グループは医療専門家が運営したり、ガン生存者の仲間が運営しています。 支援グループはガン患者だけのものではありません。ガン生存者の子供たちや家族にも支援をおこないます。このグループは、家庭内の役割の変化、関係の変化、経済的な問題、ガン患者をどのようにサポートするか、などの家庭内の諸問題に焦点を当てます。また、ガン患者とその家族の両方を含むものもあります。 支援グループは人対人だけでなく、オンラインでも支援を行います。このインターネット支援グループは、遠隔地の人や会合に参加することに困難な人たちには、コンピューターを通した大きな支援となります。インンターネットグループでは、昼夜を分かたず支援を求めることができます。これらのグループは貴重な感情的な支援をする反面、医学的な情報は常に正確であるとは限りません。インターネットによるガンに関する情報には常に気をつけていてください。インターネットで得た知識により何かを変えようと思うときには、その前にその内容を必ず医師に確認をしてください。 支援グループは適切ですか 人によっては、他人の問題を聞くことが不快感を覚えることがあります。 “しばらくの間グループの会合に参加したことがあります。” ある婦人が話しました。 “非常に落胆してしまいました。なぜかですって。話を聞いたら、病気になったと思ってし まいます。それは恐怖の物語のようです。家で泣きました。もうグループへは参加しま せん、泣きたくありませんから。” Ｐ−６２ 支援グループは、あなたのプラスになるでしょうか。もし、以下の質問の大部分に“ハイ“と答えることができれば、参加してみましょう。あなたに適したグループを見つけるために、主治医や看護士、ソーシャルワーカーや近くのガン関係の組織に問い合わせてみましょう。 ・ グループの一員でいることを楽しめますか。 ・ あなたの感情についてほかの人に話ができますか。 ・ ガンに関するほかの人の話を聞きたいと思いますか。 ・ ガン治療をしたひとの助言を聞きますか。 ・ ほかの人のための有用なアドバイスやヒントがありますか。 ・ ほかのガン生存者をサポートすることは、気分が良くなりますか。 ・ ガンの問題に別な方法で対処している人と一緒に活動できますか。 ・ ガンと治療後の問題について知りたいと思いますか。 支援グループを選ぶ もし、支援グループに参加したいと思っているのなら、以下にそのグループの代表に尋ねる質問があります。 ・ グループはどれくらいの大きさか。 ・ 誰が参加者か。（生存者、家族、ガンの種類、年齢層） ・ 会合はどれくらいの時間か。 ・ グループはどれくらいの頻度で会合を持つのか。 ・ グループはどれくらい続いているのか。 ・ 誰がグループを主宰しているのか。専門家か、生存者か ・ 会合の流れはどのようか。 ・ 感情の共有が会の目的か、それとも共通の問題の解決のヒントも提供するのか。 Ｐ−６３ もし、今加入している支援グループに満足できなければ、異なるメンバーや懸念を持っている別のグループを探しましょう。支援グループは非常にさまざまで、ひとつの悪い経験が、それが良い選択ではなかったということを意味してはいません。 もし支援グループに興味を持たない場合には、ガンに関する経験を話し合えるほかのガン生存者を見つけることを考えましょう。たくさんの組織で、同じガンのタイプ、同年齢層、同じ背景を持つ人とペアーになることができます。 |
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ガン治療後の生活の意味合いを見出すこと “手術後の回復室での努力の後、それは突然思いついたことだった。それは残された 人生の本当の初日だった。それは、この新らしい人生の始まりを私自身の意味あるも のにした。私ができることは、私がしてきたことをほかの人ができるように手助けする ことだった。” マイケル 前立腺ガン生存者 50歳 “私の過去の人生の価値を評価することが起こった。病気の世界にとどまりたくは無 かったが、私の前の人生はまったく薄っぺらなものであった。” ロニー 大腸ガン生存者 62歳 Ｐ−６４ ガンの生存者は、ガンにかかったことが現在の人生においてどのような意味があるのかを理解する必要性を述べています。実際に、ガンが人生を新しい形で見直すきっかけになったと、多くの人が見ています。それは、精神的な面、人生の目的、もっとも価値のあるものなどの点に反映されています。 これらの変化は、非常に建設的です。 “乳ガンの手術後に、私の人生がすっかり変わったことを知りました。同じものは何も ありませんでした。私が・・をなくしたことは悲しいことですが、新しい命を与えられたと 感じました。” とある女性が話をしました。 ほかの人は、治療を耐え抜き、幸運にとか恵まれたとか感じ、一日一日に新しい喜びを持っていると言っています。また、病気の意味合いがガンとともに長い間過ごした後に現れる人もおり、また、時間とともに変化していく人もいます。また、ガンの経験を、肯定的にまた否定的に同時に見る人も普通に見受けられます。 しばしば、人は、いま何が自分にとって重要かということに人生を変化させていきます。仕事を軽く見て、愛する人と一緒にいる時間を多く取ったり、自然の楽しみを享受したりします。また、ガンのような危機を経験することで新しい力と誇りを得ることができることを知るでしょう。 “対処する方法を知ったので、とても気分が良い。” と、ある大腸ガン生存者が話しをしました。 “将来起こるかもしれない問題をうまく処理できると思っている。新しい知識を得たし、 強靭さも持ち合わせた。” ガン生存者は信仰や精神性に新しい方向を見出したともいいます。より強くなったり生き生きとしたりする人もいます。また、信仰に疑問を持ったり、人生の意味合いを疑う人もいます。信仰に関する章（Ｐ−６７）で、生存者がいかに精神性を保ったかとか、それに対処することを援助する方法について述べています。現在への新しい関心も一般的です。 “私は、特定期間中にすることと、成果を出さなければならないことを認識した目的主義 者でした。” ある前立腺ガン生存者が話しをしました。 “しかしそれはもう過去のものです。一日一日それをしています。” Ｐ−６５ ? ヒント：ガンの後の意味合いを見出すこと ガンの後の人生の意味合いをどのように見出しますか。以下に、他のガン生存者の役に立ったアイデアがあります。 ・ 聖職者と話をしましょう。 地域のガン組織は、あなたの地域で、ガン生存者の人生の問 題の相談をする経験や訓練を積んだ聖職者を探す手伝いをしてくれます。宗教を通して 他の人と知り合うことについては、信仰に関する章（Ｐ−６７）を参照してください。 ・ 記事を保管しましょう。 今何があなたの人生に意味付けをしていると思うかを書き出して みましょう。 ・ 他のガン患者を支援することを考えましょう。 “たくさんのガン患者が、治療の後に、支援を得たいと思っていると思います。” ある白血病の生存者がいいました。 それらの人は、ほかの生存者を支援することによって、他の人の大きな助けになること ができるでしょう。” 多くの地域や国のガンのグループは支援者を必要としています。あなたの知っている人 や、友達の友達などに手を差し伸べることもできるでしょう。もちろん、これはあなたの義 務であると感じる必要はありませんが、ほかの人を援助することは、ガンにかかったこと の意味合いを見出すひとつの助けになると、多くの人は言っています。（更なる情報は、 ＮＣＩのほかの小冊子、前向きにシリーズを読んでください） ・ 古い形式に新しい見方をしましょう。 ガン生存者は、ガンが目覚ましとなり、自分が過ご したい第二の人生を与えてくれたと言っています。自分に聞いてみましょう。「家族内の役 割は、十分に果たしていますか」とか「ほかの人の期待にこたえていますか」とかです。 していなかったことが、もっともしなければならないことではないでしょうか。仕事に満足し ていますか、それともそれに慣れましたか。 ・ 研究に参加することを考えましょう。 研究はガンやその治療が生存者に効果があったか どうかを検証する研究です。研究に参加することはあくまでも自発的であり、自分にもほか の人にもためになることです。もしガン生存者に関する研究について知りたければ、主治 医と話をしてください。 Ｐ−６６ |
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信仰、宗教、精神性を通して意味合いを見出すこと 重篤な病気に対処することは、伝統的な宗教的信条に関係していると思おうと否とにかかわらす、精神的な見方に影響を与えます。治療後、あなたやあなたの愛する人は、なぜあなたの人生にガンが入り込んできたかを理解することに苦労することでしょう。あなたは、なぜそのような人生の試練に耐えなければならないのか、疑問に思うことでしょう。 同時に、ガン生存者の多くは、信仰心や宗教や精神性が、ガンの治療後の人生に立ち向かう強靭さの基になるということを言っています。多くのガン生存者は、信仰を通して人生の意味合いを見出すことができ、ガンの経験を理解することができたと言っています。信仰や宗教がガン生存者を、同様な経験や外観を分かち合ったり、支援を供給する地域の人に結びつける方法となりえます。多くの生存者は、宗教的な集会が新しい人との結びつきをつくり、つらい時間の支援を見出す助けになると言っています。研究は、ある人にとって、宗教は、ガンへの対処と感からの回復のどちらにも重要な役割を果たすことがあることを示しています。あるガン生存者が言ったように、 “私の神に対する信仰は、神とともに生きることを助けてくれました。それなしでは、 私は迷い、恐れ、さまよったことでしょう。私は神の御手の中におり、救われていることを 感じています。かには私に強さを与えてくれました。” ガンが人々の信仰や宗教に影響することは人によってさまざまです。神が見捨てたと感じ、宗教から去っていく人もいます。ガンの後に、信仰に関してこのような疑問を持つことは普通のことです。 “親愛なる神が、人々になぜこのような災いを与えるのか、悩みました。” ある脳ガン患者が言いました。 “神が私を見捨てたと感じました。”これは難しい疑問ですが、ある人にとっては、答えを 求めることや精神性に個人的な意味合いを探すことは、それらに対処することの助けと なります。 Ｐ−６７ ここに、あなたの信仰と宗教を通して、快適さと意味合いを見出す方法があります。 ・ 精神を高揚し、より高い力に触れられると感ずる宗教的な資料を読む。 ・ 恐れや心配が少なく感じられるように、祈りや瞑想をする。 ・ 宗教的な指導者と、悩みや恐れについて話す。 ・ 新しい人と合うために宗教的な集会に参加する。 ・ 同じような経験を持つ人と礼拝所で話をする。 ・ ガンのような持病に対処している人への参考になることを礼拝所で探す。 ? ヒント：信仰に基づく支援を見つけること」 地域でどのように信仰に基づく支援を見つけますか。ここに、他のガン生存者の役に立ったヒントを上げておきます。 ・ 地域の宗教指導者と連絡を取る。多くの精神的リーダーは、大きな病気の人たちへの カウンセリングを訓練しています。 ・ 地域の病院や治療施設で牧師と連絡を取る。たいていの病院には、さまざまな信仰や 宗教を持った人たちや、無宗教の人たちに支援をする牧師がいます。牧師は、患者や 危機に陥っている家族に対する支援を訓練されています。 ・ 病院、医療チーム、ソーシャルワーカーと話をしましょう。ここには、ガン生存者への特別な支援をする地域の信仰に基づく組織に関する情報があります。 Ｐ−６８ |
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ガン治療後の社会的関係 “夫は長時間はたらきました。そこに皿洗い機や洗濯機や、そのようなものがあることは 知りませんでした。働いている期間、一度も夫を訪ねたことはありませんでした。みんな 憤慨するでしょう。” ロビン 子宮ガン生存者 56歳 ガンのような疾患にかかると、日常生活での人間関係に変化が生じます。家族や友達や日々周囲にいる人たちとのあなたの付き合い方の変化に、また相手側の変化に気づくことは普通のことです。 この章では、ガンの治療後、ガン生存者が、家族、パートナーとのデート、友人、同僚などとの間に生ずる事柄について述べています。 家族との問題 治療が終わったとしても、家族との問題に直面することでしょう。たとえば、治療前には、家や庭の面倒を見ていたとしても、治療が終わった後では、これらの仕事が大変困難になっていることに気づくでしょう。あなたの代わりにそれをしていた人も、あなたが以前にしていた家に関することをしてもらい、普段の生活に戻りたいと思っていることでしょう。それで、あなたは必要な支援が得られないので、憤りを感じるでしょう。 Ｐ−７１ “それらの問題で、結婚している人はより結びつきが強くなると思います。私たちはいろ いろあったけど、もう二度とお互いを当たり前だとは思いません。” ダレル 多発骨髄症 生存者 74歳 平生は、家族から受ける以上のものを期待していることでしょう。今度は、期待が外れるとあなたは憤りを感ずることでしょう。治療中に家族の支援を得られなかったある女性にとっては 、“たった一度も、電話もお見舞いのカードもよこさなかった。今、彼女の顔を見るのも いやだ。” あなたの役割は、面倒を見られることではなくて、ほかの人の面倒をみることと思っていても、この期間中はほかの人に頼らなければならないのです。そのことに憤慨し、支援しようとする人に憤りを感じるかもしれません。子供たちや孫たちに、自分のガンについてどのように話したら良いかわからないかも知れません。 治療が終了しても、家族は回復に時間がかかるということに備えていないことがあります。一般的に、治療よりも回復に時間がかかるものです。生存者は、回復に必要な時間がどれくらい必要か知らなかったと、よく言います。これは失望や心配や欲求不満などを引き起こします。家族も、ガンの結果、家族の仕事が永久的に変化してしまったことを意識していないこともあります。この変化に対応し、家族がバラバラになってしまわないように支援が必要となります。 Ｐ−７２ 私はガンになってしまった。家族はそのリスクについて何を知らなければならないか。 遺伝子が子供に伝わっていることは、子供たちがガンにかかることを意味すると恐れているかも知れません。ある女性はガンにかかったことと、それが家族に意味することで罪の意識を持ちました。 “私には娘がいます。娘は、リスクを与えたことできっと私を責めていると思います。” これは重要なことですが、ほとんどのガンは家族に遺伝しません。発現頻度の高いガン（たとえば、（胸部、大腸、前立腺など）の５〜１０％程度は遺伝します。ガンが遺伝した多くの家族に関して、研究は以下の関連性を発見しました。 ・ 五十歳以下でのガン。 ・ 異なる種類のガン。 ・ 臓器が二つある部位のガン(二つの腎臓、二つの乳房など) ・ ガンのほかの危険因子（結腸ポリープ、皮膚のほくろなど） もしガンが遺伝するかもしれないと思ったら、ガン遺伝子相談員と話し合うことで、あなたやあなたの家族の疑問に答えてくれるでしょう。また、相談員は、あなたや、もし遺伝的な関連が見つかった場合に必要とされる医療処置を決める医師の援助をしてくれます。遺伝子の検査は家族におこったガンが遺伝的なものか、他の要因によるものかを明らかにしてくれます。遺伝子相談員を探すことについてはＰ−１０３を参照してください。 Ｐ−７３ 家族の問題で援助をうけること 家族の中には、変化への対応や、お互いの要求がかみ合わないことによる問題を抱えることがあります。それらの問題解決を、自分たちで行おうとする家族や、外部の援助を求めようとする家族もいます。主治医やソーシャルワーカーに、相談員や治療師を紹介してくれるように頼みましょう。家族の問題やガン治療後の事柄に関する専門家はこれらの問題解決に協力してくれるでしょう。 ? ヒント：家族の問題への対処 どのように家族の問題に対処しますか。以下に、家族の問題に対処するのに有効であったアイデアを述べておきます。 ・ 治癒するために何か必要か、必要でないかを知らせましょう。自分で家や庭をきちんとし ておかなければならないとは思わないことです。今までしていたのですから。何ができ、何 ができないのかを知らせましょう。 ・ 時間をかけましょう。ガンがもたらした変化に対応できるにはあなたも家族も時間が必要 でしょう。お互いが開放的でいることが、お互いの要求を一致させることを確実にします。 ・ 子供たちや孫たちにあなたがガンの治療をしていることを理解させましょう。ガン生存者 の子供たちは次のようなことが重要であったと話しています。 ・子供たちに正直である。 ・遠まわしにせず直接、できるだけオープンに話す。 ・ガンについて情報を知らされており、回復に協力すること ・子供たちとでくるだけ一緒にいること あなたの承認の下で、他の家族もあなたのガンや治療について、子供たちにオープンになってくれます。 Ｐ−７４ |
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パートナーとデート “ボーイフレンドは行ってしまった。彼は弱虫よ。私に触りもしなかったし、ガンについて 話したくも無かった。もう二度と信頼しない。” ジョイス 子宮頸ガン生存者 40歳 “ガンにかかったことで、より親密になれた。” アーサー 膀胱ガン生存者 52歳 体の変化や性に関する懸念は、パートナーとの関係や、デートについての感情に影響をあたえます。自分自身の変化を受け入れることに苦しむと同時に、ほかの人があなたの傷あと、人工肛門、性の問題、受胎力の喪失、などにいかに反応するかを心配することでしょう。性の問題は感情を幾分強く閉ざしてしまいます。長い間の関係があったカップルや一緒にいたカップルでさえ、初めは大きな障害となります。ごく僅かなカップルのみが、人工肛門や傷あとや他の身体的変化によって関係を終わらせていることを知れば、気持ちが楽になるでしょう。離婚率はガンの病歴を入れても入れなくてもほとんど代わりません。 もし独身なら、人生に現れた新しい人にガンや身体的な変化についていつどのように言うか悩むことでしょう。拒絶される恐ろしさが、これから持ちたいと思っている社会生活を求めることをやめてしまう人もいます。デートすること望まず、一人でいることを好み、友人や家族から“もっと外に出ろ。”という圧力を受けている人もいます。 Ｐ−７５ パートナーとデートの問題に援助を受けること もし、性やデートの懸念が長引くようであれば、性問題治療師や相談員に相談することを考えましょう。相談員は個人的な問題を通して援助をし、あなたがパートナーや人生の新しい人に話をすることを準備します。 ? ヒント：性についてパートナーと話をすること ガン治療後どのようにパートナーと性について話し合いをしますか。ここにそのヒントがあります。 性についてどのように感じているかや、あなたがどのように変ったかをパートナーに話しましょう。次のようなことを話すでしょう。 ・ 性生活についておこっていること。 ・ 性生活がなぜそうであるかということに関するあなたの考えや信条。 ・ それがどう感じさせるか。たとえば、恐怖か、孤独感か、悲しみか怒りか ・ 何が喜ばせるかや気分をよくさせるか この試みは非難を回避し、明るく、あなたの大切な人に、あなたが感じていることに関してよい感じを与えてくれます。ここにパートナーにどのように話をするかの例があります。 ・ ガンの治療以来数度しか愛し合っていない。（事実） ・ おそらく、この傷あとが問題なのだと思う。（あなたの考え） ・ 愛し合えないと、さびしく感じ、もっとそばにいたくなる。時々ガンが私たちの性生活に影 響を与えていることに憤りを感じることもある。（あなたの感情） ・ もし、もっと愛し合うことができれば、とてもうれしい。あなたが同じ考えなら。（あなたのニ ーズ） Ｐ−７６ あなたのパートナーの意見を聞きましょう： ・ あなたの理解を知らせるため、彼（彼女）の言ったことを自分の言葉で繰り返しましょう。 ・ 関心と愛情を示すために質問しましょう。 ・ はけましてあげましょう。こんな風に言っては：“心配し手いるみたい。”とか“ちょっとこれ は大変すぎる”とか。 ・ よく聞きましょう。パートナーの言葉に耳を傾けましょう。あなたの考えを返してはいけま せん。 親密性と性に関しての更なるヒントはＰ４０〜４７を参照。 ? ヒント：ガン治療後のデートについて ガン治療後、どのようにデートを開始しますか。ここにそのヒントがあります。 ・ デートや性生活の他に、社会生活の別な領域からはじめましょう。友人や家族と会うこと に努力しましょう。新しい活動に挑戦しましょう。クラブに加入しましょう。クラスに参加しま しょう。これらの活動は、他の人たちと一緒に過ごすことで快適さを一層増加します。 ・ 自分の良い点をリストアップしてみましょう。 ・ ガンにかかっていることを、デートをしないことや、ほかの人に逢わないことの言い訳にし ないようにしましょう。 ・ デートのときに、ガンについてすぐに話をしてはいけません。友情と信頼が感じられるまで まちましょう。でも愛し合う直前まで引き伸ばしてはいけません。 ・ ガンについて言うことが心配なら、誰かに話をする練習をしましょう。彼（彼女）がどのよう に反応するか考えましょう。そうすれば返事に対する用意ができているでしょう。 ・ デートを、あなたがエンジョイする社会生活を学ぶための一過程と考えましょう。エーとが いつでも成功裏に終わるとは、思わないことです。誰かが拒絶しても（これはガンでも、 そうでなくてもおこることです。）失敗したことにはなりません。 ・ ガンにかかる前のデートが、すべて成功したわけではないことを思い出しましょう。 Ｐ−７７ |
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仕事に関する事柄 あなたの過去の健康状態が、仕事を探すことに直接的な影響を与えるものでなければ、ガンについて話をする必要はありません。 研究によれば、仕事を続けているガン生存者は、他の人と同じように生産的だということです。物理的に仕事が可能なガン生存者は職場に戻っています。職場に戻ることは、ガン生存者に、ガンと診断されるまえの生活に戻ることを感じさせることができます。 ガン治療後、ガン生存者は仕事を変えていることがあります。ガン治療後新しい仕事を探そうとするのであれば、自分でできること以上のことをする（むしろ以下）必要がないことを覚えておきましょう。もし履歴書を書くなら、仕事と就業期間よりも、仕事と所有する技能や、何をしてきたかをリストしましょう。このとき、ガンの治療で仕事ができなかった期間を強調しないようにしましょう。 以前の仕事に戻るにしても、新しい仕事を始めるにしても、ガン生存者は仕事場に戻ったときに不当に取り扱われることがあります。雇用主や従業員はガン生存者の仕事の能力に疑いを持つことがあります。更なる情報に関しては、Ｐ−８９〜９１の法的な権利を参照してください。 Ｐ−７８ ? ヒント：仕事の問題を取り扱う 問題をいかに取り扱うかを決定する。 ・ 何をしたいか。 ・ そこでまだ働きたいか。 ・ 問題解決の行動をする意思があるか。 ・ むしろ新しい仕事を探すか。 必要があれば、雇用主にニーズを調整してもらいましょう。 ・ 監督者、人事事務所、従業員援助相談員、職場委員、組合の代表者などと、初めは非公 式に話しあいましょう。 ・ 今の仕事を続けるための簡単な変更（たとえば、フレックスタイム、在宅勤務、仕事の特 別な器材）などを聞いてみましょう。 ・ 要求とその結果を記録しておきましょう。 必要なら、雇用主に援助を求めましょう。 ・ 医師や看護士に、あなたの仕事に影響しないときに訪問してもらえるように依頼してみま しょう。 ・ 雇用主や人事担当宛に、あなたのガンが仕事やスケジュールにどのように影響するかと いう説明を、医師に書いてもらいましょう。 ・ 地域のガン組織、障害者のためのグループ、不当差別法を専門とする弁護士を紹介して もらうための地域の法律協会などと連絡を取りましょう。 （Ｐ−８９〜９１の参考を参照） Ｐ−７９ 友人や職場同僚に関する事柄 “「素敵だ。」なんていわれたら、ひっぱたいてやりたくなりませんか。” アリス 脳ガン生存者 50歳 ガン治療後の、友人、職場の同僚、学友などの反応は憤りや悲しみや落胆などの大きな要因となります。好意を持っている人もいますが、でも何を言ったらよいのかわからないのです。また、どのように支援を申し出たららよいのかも知りません。ガンが、あなたにとって毎日のチャレンジであっても、あなたのガンに係わり合いになりたくない人もいるのです。 “ガンのガの字を言っただけで、ただ回れ右をして、何かぶつぶつ言いながら 行ってしまう。” あるガン生存者が言っていました。 友人や同僚が援助をしないように見えることは、あなたや彼ら自身が気がかりだからです。あなたのガンの経験は、ガンは誰にでも起こるということを思い出させ、不安にさせるからです。彼らの恐れを理解し、良い人間関係が回復するまで辛抱しましょう。 周りの人に明るいふりをするのは、骨の折れることだと多くのガン生存者が言います。 “私はもう、笑顔を見せたくない。もうそれを我慢しているだけのエネルギーがない。” と、ある黒色ガン生存者が言いました。 ある前立腺ガン生存者は、 “もし誰かに不満を言うと、あっちへいってしまう。だからもうそんなことはしない。” と言いました。 ガン生存者に重要な事項を順番に並べてもらえば、薄い友達関係を強いものにすることにより時間をかけることをあげるでしょう。 ある脳ガン生存者が、ガンの後に “本当の友達が何人いたかがわかる。あなたが病気の小康状態にいると知れば、 電話をすることをやめない。彼らは本当にあなたを愛しており、あなたのことをおもって います。” ある腎臓ガン生存者は “弱い人間関係を継続することは難しかったが、同僚や協会から予期していなかった 支援をうけました。” といっていました。 仕事上やボランテアの人たちでも、ガンや治療からの回復中のあなたの行為に関して理解してはいないでしょう。ガンにかかったということは、おそらくすぐに脱落したり、すぐに死んでしまうことを意味していると思ったりしていることでしょう。恐れや知識の欠落は不平等な取り扱いを生じます。（Ｐ−８９〜９１の権利の項参照） 友人や動労に関する事柄で支援を受けること もし、友人や同僚の、あなたのガンに関する感情があなたを害することがあるのなら、その人たちと顔を合わせて問題を解決しましょう。仕事関係でそのような問題が解決できないときには、支援を求めましょう。支配人、店長、会社の医務部、従業員援助相談員、人事担当者などが同僚の考えや仕事の進め方を代えたり、問題を少なくしてあなたの仕事が他の人とうまくいくように手伝いをしてくれるでしょう。 心無い言葉や好意があなたを落ち込ませたときに、友人や家族やカウンセラーと話すことがこの問題の解決の助けになるでしょう。しかし同僚の態度があなたの仕事の妨げになるのであれば、職場問題管理の助けが必要となるでしょう。 Ｐ−８１ ? ヒント：その他に関する事柄 ガン治療後にどのように他の人と関係を保ちますか。ここにそのヒントがあります。 ・ 支援を受け入れること。 友人や家族が支援を申し出たときには“はい”と言いあなたの 人生をより快適にすることを心に思いましょう。こうすれば、必要な支援を受けることがで きるようになり、愛する人たちは満足感をえるでしょう。 “私が治療を開始したときたくさんの支援をうけました。” と大腸ガンの生存者が言いました。 “ですから、治療後に、更なる支援がほしいということがつらく感じました。でも本当は 必要だったのでそういいました。” ・ 仕事や学校に戻ったときに発生するどんな問題にでも対処しましょう。あなたの上司や先 生や同僚は、あなたがガン生存者としてどのような扱いをしてほしいかを理解し、これらの 問題の援助をしてくれるでしょう。もし他の人に関する問題が仕事や勉学の妨げになるの であれば、上司や、組合や、会社の人事課や、学校の学生相談室に相談しましょう。 ・ 回復期間中に接触を保つこと。友人や同僚はあなたを心配しています。もし彼らがあなた の治療や状態を知っていれば、心配が少なくなり恐れなくなります。電話で話したり、イー メールを送ったりしましょう。もしできるのなら友人と昼食をしたり、会社のパーティに参加 したりしましょう。もし、交際を継続していれば、職場復帰やその他の活動への復帰もし易 くなるでしょう。 ・ ガンについて何を話すか考えておきましょう。あなたの疾患についてほかの人に対処する 正しい方法などはありませんが、職場復帰をしたときに何を話すかということを考えておく 必要があります。ガン生存者の中には自分のガンについて注目されたくない人や、疾患 を記憶されたくない人もいます。また、上司や同僚に気軽に話をしたり、ほかの人に公言 したり、誤った考え方を修正したり、一緒に働くことを決めたりなど非常に開放的な人もい ます。最上の方法は、あなたに適した方法です。 Ｐ−８２ |
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患者の記録 医師の名前 専門 住所 電話 看護士の名前 質問事項 予約 薬局名 薬剤師の名前 住所 電話 質問事項 ソーシャルワーカー/ 専門治療員 専門 住所 電話 質問事項 （もどる） Ｐ１１５〜１１６ |
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フォローアップケアー計画のための質問事項 １・定期検査に何度くらいいかなければならないか ２・どの様な検査がされるのか 何回くらいあるのか ３・気をつけなければならない症状があるか ４・その症状が出た場合、誰に連絡をするのか Ｐ−１１７ |
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| （もどる） | 毎回の診察で医師や医療チームに話す事柄 ・ 再発したかも知れないと思われる症状 ・ 負担となる疼痛 ・ 日常生活の災いとなっている身体的な問題 たとえば疲労、睡眠障害、性衝動の喪失、 体重の増減 ・ 常用している薬やビタミンやハーブなどや、用いている治療など ・ 感情的な問題や過去の懸念やうつ病など ・ 家族の病歴の変化 ・ さらに知りたい事項 保管しておかなければならない医療記録や情報 ・ ガンの種類 ・ ガンの診断を受けた日付 ・ 受けた治療の詳細内容、治療を受けた場所や日付を含む ・ 治療やフォローアップケアーに関係するすべての医師や医療専門家の連絡先などの 情報 ・ 治療後に起こった合併症など ・ 受けた支持療法に関する情報（疼痛や吐き気に関する薬、情緒的な支援、補助栄養剤 など） Ｐ−１１８〜１１９ |
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疼痛日誌 疼痛日記と疼痛尺度 この用紙をコピーして使用しましょう。 Ｐ−１２０ |
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痛みやストレスを解消するリラックス法の練習 多くのガン患者は、深いリラックス法を練習することは痛みを軽減しストレスを開放するということを知っています。以下数ページの練習は、すべての人に適するというわけではありません。もしこれをしてみたいと思うなら、主治医や看護士に訊ねてみましょう。 リラックス法 以下の練習をする前に、第一段階の１〜５をまず練習しましょう。そうすれば深呼吸と筋肉の弛緩法を習得できます。 練習 １ １． ２０分ほど邪魔をされずに休息できる場所を探しましょう。他の人にここを使用すること を知らせておきましょう。 ２． リラックスできる空間であることを確認しましょう。たとえば、もしよければ照明を暗くし、 快適な椅子やソファーを見つけましょう。 ３． 筋肉を緩めることのできる快適な姿勢をとりましょう。注意をそらすようなものを取り除き 、眼を閉じましょう ４． ゆっくりとリラックスしたペースで深呼吸しましょう。通常の呼吸は胸の高い位置の浅い 呼吸です。呼吸するごとに、胸ではなく腹部を持ち上げ、深くゆっくりと呼吸することに 集中しましょう。 ５． 次に各部の筋肉にいきます。10秒間緊張（絞るように）させ、弛緩させます。緊張させる ことが痛みを伴うのであれば、そこの緊張は省き、弛緩させることに集中します。筋肉の 緊張を緩めることを意識して、筋肉が緩んだことによる感覚の違いを感じましょう。ゆっ たりした感じを楽しみましょう。 次々と緊張させ保持し弛緩しましょう。 ・ 左右の腕：こぶしを作り、肩の高さまで持ち上げましょう。腕を絞めましょう。 ・ 唇、眼、おでこ：にらんで、眉を吊り上げ、唇にしわを寄せて、それから笑顔になり ましょう。 ・ 顎とくび：歯を食いしばり、緩めましょう。顎を胸のほうに下げましょう。 ・ 肩：耳のほうへ肩をすくめましょう。 ・ 胸：胸を押しだしましょう。 ・ 胃：胃を吸い込みましょう。 ・ 背中の下部：胃を外側に押し出すようにしてゆるいアーチ状にし、背中の下部を伸 ばしましょう。筋肉が硬いので、必ず穏やかにしましょう。 ・ 臀部：両臀部を一緒に絞りましょう。 ・ 大腿部：大腿部を左右一緒に押しましょう。 ・ ふくらはぎ：つま先をひざのほうに持ち上げましょう。 ・ 足：バレーダンサーの足ように、つま先を下げましょう。 心が乱れるかもしれません。何か他の事に気を取られたら、ゆっくりと深いリラックに注意を向けていきましょう。深呼吸を忘れずに続けましょう。 Ｐ−１２２ ６． 全身の筋肉に思いをめぐらし、残っているすべての緊張を解きましょう。深呼吸を忘れずに。 ７． リラックスしていますので、穏やかな場面を想像しましょう。大好きな居心地の居場所を 選びましょう。大好きな居心地の良い部屋とか、砂浜や、暖炉の前の椅子とかなどの、 リラックスした場所です。次のことに集中しましょう。 ・周りに何が見えますか。 ・何か匂いを感じますか。 ・どんな音が聞こえますか。たとえば、砂浜にいるとすれば、砂が足裏にどんな風に感じ られるか、波の音はどんな風か、空気はどんなにおいか。 ・何か味を感じますか。 安全な、快適な場所でリラックスしていることを想像し、深呼吸を続けましょう。 ８． この時点でリラックスを増加することを考えることが有効です。たとえば、“腕や足がとて も気持ちが良い。椅子の中に沈み込んで行き、リラックス感だけを感じている” ９． 快適感や胃ラックス感をもう数分間楽しみましょう。 １０． 準備ができたら、ゆっくりと腕や足を動かし、現実に戻りましょう。眼を開け、目覚める まで数分間過ごしましましょう。リラックス法の練習を終えた今の感じを覚えておき、この 感じを持続していきましょう。 Ｐ−123 |
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| （もどる） | 練習 ２ １． 気持ちよく座りましょう。衣服をゆるめましょう。目を閉じましょう。前の４段階、５段階 、を用いて気持ちを新鮮にして、筋肉をリラックスしましょう。 ２． 右手に心を集中しましょう。“右手が重く温かく感じる”と繰り返し念じましょう。腕が重く 暖かく感じるまで行いましょう。 ３． 完全にリラックスするまで残りの筋肉に繰り返しましょう。 注意 この練習法が万人に作用するわけではありません。これが有効に作用するまでにはかなり時間がかかることもあります。もしこのいずれかの段階で不快感を感じるならば、やめましょう。この方法が有効でない場合は、医師や看護士にリラックス法についてたずねましょう。 Ｐ−１２４ |