レーザーによるガン治療:Q&A Laser in Cancer Treatment: Questions and Answers
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  目 次

  キーポイント
1. レーザー光とは何か
2. レーザー治療とは何か、またどのようにガン治療に用いられるか
3.どのようにレーザー治療は行われるか
4.ガン治療にはどのようなレーザーが用いられるか
5.レーザー治療の利点は何か
6.レーザー治療の欠点は何か
7.レーザー治療の将来性は
  関連情報
  国立カン研究所(NCI)資料





  キーポイント

(もどる) ・ レーザー光とは、ガンや前ガンの腫瘍を切除するか、ガンの症状を取り除くための正確
 な手術をするために用いられる高い強度と細い集光された光線です。体の表面や身体内
 の器官(Q1,Q2参照)の表面上のガンを処置するために最もよく使用されます。

・ レーザー治療は内視鏡と呼ばれる細い管を通して行われます。内視鏡は、ガンや気管、
 食道、胃、または大腸(Q2参照)などの前ガンの増大を処置するため身体の開口部に挿
 入されます。

・ レーザー治療は、正常な組織に一般的外科手術器具よりも出血や損傷を与える事が少
 なく、感染症(Q5参照)のリスクも低くおさえられます。

・ しかしながら、レーザー治療は極端に高価であり、また手術の効果は永続的であるとは
 限らないので繰り返し行う(Q6参照)必要がでることもあります。



1. レーザー光とは何か

(もどる)  レーザーとは放射線の誘導放出により増幅された光です。(Laser : Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)
 電球からの光のような、多くの光は多くの波長を含んでおり、あらゆる方向に広がっていきます。一方、レーザー光は特異的な波長を持っています。細い光線に収束され高い強度を持つ光となります。この強力な光線は鋼鉄を切断したり、ダイヤモンドの成形に用いられたりします。
 レーザーは非常に正確に極小領域に集中させることができるので、正確な外科的作業や組織の切断(メスの代わりに)に使用することもできます。



2. レーザー治療とは何か、またどのようにガン治療に用いられるか

 レーザー治療は、ガンやその他の疾患を治療するために高い強度の光を用います。レーザー光は腫瘍を縮小させるか、破壊するのに用いられます。レーザーは基底細胞皮膚ガンや非常に初期段階にあるガン、例えば子宮頸、陰茎、膣、外陰部、非小細胞ガンなどの表在性ガン(身体の表面または内部臓器の表面のガン)の治療に一般的に用いられます。
 レーザーは、特定の症状のガン、例えば出血性や閉塞性のガンを取り除くのにも用いられます。例えば、レーザーは、患者の気管や食道を封鎖している腫瘍を、縮小したり破壊したりするのにも用いられます。また、大腸や胃を封鎖している結腸ポリープや腫瘍を切除するのにも用いられます。
 レーザー治療は単独で用いられることもありますが、多くは外科手術や化学療法、放射線療法など他の処置と併用されます。加えて、レーザーは手術後の疼痛緩和のために神経末端を封じたり、膨化や腫瘍細胞の拡散を制限するために、リンパ管を封入するためにも使われます。



3.どのようにレーザー治療は行われるか

(もどる)  レーザー治療は柔軟な内視鏡(身体の内部を観察する、細い、点灯された管)を通して行われます。内視鏡は光学線維(光を伝達する細い線維)を束ねたもので、口、鼻、肛門、膣などの身体の開口部を通して挿入されます。その後レーザー光は腫瘍を切除したり破壊するために正確にねらいをさだめられます。
 レーザー誘発温熱療法(LITT : Laser-induced Interstitial Thermo Therapy)はある種のガンの治療にレーザーを用います。LITTは、熱を用いてガン細胞に損傷を与えるか、殺す高体温療法と呼ばれるガン治療に類似しています。

 高体温療法に関する詳細情報は国立ガンセンター(NCI)の、高体温療法 Q&A(NCI fact sheet : Hyperthermia in Cancer Treatment : Questions and Answers)を参照してください。

 インターネット:http://www.cancer.gov/cancertopics/factsheet/Therapy/hyperthermia

 LITT治療中は光ファイバーは腫瘍に挿入されています。ファイバー先端のレーザー光は腫瘍細胞の温度をあげて、腫瘍に損傷を与えるか破壊します。LITTは肝臓の腫瘍を縮小するのにもちいられます。
 光力学治療(PDT)は、レーザーを使用するもう一つのガン治療法です。PDT治療では、光線感応物質とか光感作性薬剤と呼ばれる特定の薬剤が患者に注射され、患者の身体のあらゆる細胞に吸収されます。2〜3日後にはこれらの薬剤はガン細胞に集中します。
 レーザー光はこれらの薬剤を活性化させ、ガン細胞を破壊します。この光線感作物質は約6週間程度皮膚や眼を光線に対して敏感にしますので、患者はその間直射日光や明るい光を避けるように指導されます。
 
 PDTに関する詳細な情報はNCIのデーター表:ガン治療のための高体温療法 Q&A(NCI fact sheet : Photodynamic Therapy for Cancer: Questions and Answers )を参照してください。

 インターネット:http://www.cancer.gov/cancertopics/factsheet/Therapy/photodynamic



4.ガン治療にはどのようなレーザーが用いられるか

(もどる)  ガン治療には3種類のレーザーが用いられます。二酸化炭素(CO2)レーザー、アルゴンレーザー、ネオジウム(イットリウム―アルミニウム―ガーネット(Nd:YAG)レーザーです。
 これらの各々が腫瘍を縮小させたり破壊することができ、内視鏡で使われます。CO2とアルゴンレーザーは、深い層に入ることなく皮膚表面を切除することができます。そのため表皮ガンのような表在性ガンを取り除くことに使われます。対照的にNd-YAGレーザーは子宮、食道、大腸など内部臓器の治療のため内視鏡を通して使用されます。
 Nd-YAGレーザーはLITTの治療の間、身体内の特定の領域に光ファイバーにより送りこまれます。
 アルゴンレーザーは、PDTに使用される薬剤を励起させるのに用いられます。



5.レーザー治療の利点は何か

 レーザーは標準外科器材(メス)より正確なので、正常組織に与える損傷が少なくてすみます。その結果、患者は通常より疼痛、出血、膨化、瘢痕などが少なくてすみます。レーザー治療は、通常よりも短時間で終わりますので、。外科外来で行うことができます。
 また、治癒に要する期間が短くてすみますので、感染症に罹る可能性が低くなります。
 レーザー治療が適しているかどうかは、医療チームに相談してください。



6.レーザー治療の欠点は何か

(もどる)  レーザー治療には限界があります。レーザー治療をするためには、外科医は専門訓練を受けなければなりません。また、非常に厳しい安全管理が要求されます。また、レーザー治療は高価で、大きな器材を必要とします。
 加えて、レーザー治療の効果は永続的でないので、最大の効果を得るためには患者の治療を繰り返す必要があります。



7.レーザー治療の将来性は

 臨床試験(研究)において、脳と前立腺のガンを治療するために、レーザーを用いています。
 臨床試験についての詳細情報に関しては以下の電話番号でNCIの感情法センターにたづねるか、インターネットでNCIのウエブサイトをひらいてください。

 インターネット:http://www.cancer.gov/clinicaltrials



  関連情報

(もどる) NCI出版物は次のサイトから利用できます 

http://www.cancer.gov/publications


国立癌研究所データ表2.11、臨床試験:Q&A

National Cancer Institute Fact Sheet 2.11, Clinical Trials:Questions and Answers


国立癌研究所データ表6.7、癌:Q&A

National Cancer Institute Fact Sheet 6.7, Cancer:Questions and Answers


国立癌研究所データ表7.3、癌治療の高体温療法:Q&A

National Cancer Institute Fact Sheet 7.3, Hyperthermia in Cancer Treatment:
Questions and Answers


国立癌研究所データ表7.7、癌のための光力学療法:Q&A

National Cancer Institute Fact Sheet 7.7, Photodynamic Therapy for Cancer:
Questions and Answers



あなたが知っている必要があるもの?

What You Need To Know About?Cancer



  国立カン研究所(NCI)資料

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癌情報サービス(無料)

電話:18004-CANCER(1-800-422-6237))
TTY:1-800-332-8615

オンライン
NCIウェブサイト:http://www.cancer.gov

NCIライブヘルプ:https://cissecure.nci.nih.gov/livehelp/welcome.asp