翻訳へもどる | 終末期医療 Q&A End of Life Care | |
患者の医療チームが、ガンがもはや抑えきれないと判断したとき、医療テストやガン治療は終了されます。しかし患者への治療は続きます。それは患者を快適にすることを目的とされます。患者は疼痛や他の治療、たとえば便秘、嘔吐、息切れなどを抑えるために薬物や治療を受けます。この期間、家庭に残る人もいますし、病院や施設に入る人もいます。いずれの方法でも、患者と家族に関して、医学的、心理的、及び死にまつわる精神的な事柄などに関するサービスを受けることができます。ホスピスはそのようなサービスを提供します。 |
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人により命の終わりの時間は異なります。人それぞれに異なる情報と支援の必要性があります。人生の終焉を迎えた患者と家族の疑問や懸念に関して、その必要が起こったときに、医療チームと話し合いがされなければなりません。 以下の事柄は、人生の終焉に際して患者、患者の家族、医療提供者の疑問に答えることができるでしょう。 |
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1.患者がどれくらい生きられるか 2.自宅で療養しているとき、いつ専門家の助けを求めたらよいか 3.介護人が患者に情緒的な慰めを与える方法 4.死期が迫った予兆は何でしょうか。介護人は患者を慰めるために 何ができるか 5.患者が死亡したという徴候は何か。 6.患者の死後、何をする必要があるか 7.終末期に関するそのほかの情報 |
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1.患者がどれくらい生きられるか
患者や家族は、患者が後どれくらい生きられるかを知りたいと思います。これは答えるのに難しい疑問です。ガンがどこにあるのか、患者が他の疾患を持っているのかなどの要因が、関係してきます。医師は患者に関して知っていることを基にして推測しますが、ためらいが生じます。医師は患者の寿命を過大にまたは過少に評価することを悩みます。医師は空頼みを与えたり、望みをくじいてしまったりします。 |
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2.自宅で療養しているとき、いつ専門家の助けを求めたらよいか
自宅療養をしているとき、介護人は患者の医療チームの助けが必要なときがあります。看護人は、以下のような状況になったときには、主治医や看護師に連絡を取りましょう。 |
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3.介護人が患者に情緒的な慰めを与える方法 人さまざまな要求がありますが、人生の終焉を迎えた人に共通な情緒的なものがあります。これには自暴自棄や重荷を負っている恐れなどがあります。また自己の尊厳の消失や自制心の喪失などの懸念も含まれます。以下に、介護人が慰めを与えることのできる方法があります。 |
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・一緒にいる。 話をしたり、映画を見たり、本を読んだり、ただ一緒にいたり する。 ・家族や友達を残してしまうような、死についての恐れや心配を話しさせる。聞く 準備をしておきましょう。 ・人生の思い出にふけさせる。 ・困難な問題を隠さないようにしましょう。たいていの患者はそれらの困難な問題 の討議に加わることを好みます。 ・尊厳死などの事前指示を守るといって患者を安心させましょう。 ・何かできることがあるか聞きましょう。 ・プライバシーを尊重しましょう。 |
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4.死期が迫った予兆は何でしょうか。介護人は患者を慰める 特定の徴候と症状により、介護人は死期が近いことを知ることができます。それを管理するヒントとともに、以下に述べてあります。すべての患者がこれらの予兆や症状を呈することではないことに注意をしておきましょう。付け加えるなら、いくつかの症状が出たとしても、死期が近づいたということを示しているわけではないのです。医療チームは家族や介護人に何を予想するべきかという詳細な情報を与えてくれるでしょう。 |
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・昏睡状態:睡眠の増加や無反応(患者の代謝の変化に起因する) 介護人や家族は患者が覚醒しているときに見舞いや介護をすることができます。たとえ患者の反応が無いときでも患者に直接話しかけることは重要なことです。たいていの患者は話すことができなくなっても聞くことはできます。返事が無くてもゆすったりしてはいけません。 ・混濁:時間や場所や愛する人の認識の混乱、落ち着きの無さ、実在しない人や場所の幻影、シーツや枕カバーなどや衣服を引っ張る(患者の代謝の変化に起因する)。 ・社交性の退化と引きこもり:(脳の酸素の欠乏、血流の不足、死への精神的な準備) ・食物や水分の要求の減退:食欲の減少(エネルギーを不必要とする体の働きと、食物や液体を適切に使用する能力の減退に起因する) ・大小便の失禁(骨盤周囲の筋肉の弛緩による) ・褐色の尿や量の減少(腎臓機能の退化と、液体摂取の減少による) ・触ると皮膚が冷たい 特に手や足。特に体の下になっている部分の皮膚が青紫色に変化しているときがある。(血液循環が減少し停止することによる) 肌が冷たいとしても、患者は通常それを感じていない事があります。患者を暖めるために電気毛布や電気座布団などを使用してはいけません。やけどを起こしてします。 ・ガラガラ・ゴロゴロという音 呼吸をしているとき、音を立てる。不規則で浅い呼吸;1分間の呼吸数の減少;呼吸が速くなったり遅くなったりする。(これは、液体の消費量の減少によるうっ血や、身体の老廃物の生産になどにより、また、器官の循環不良などに起因する。) 患者の体が横向きで枕を頭部と背中の下にあてがっておくと呼吸が楽になります。苦しそうな呼吸音は介護者には非常に悲惨な状態に聞こえますが、ガラガラ、ゴロゴロ言う音は患者には深いではありません。酸素マスクなどはある患者にとっては助け人あることもあります。患者が、吸い込むことができるのなら、氷塊なども良いでしょう。また、冷たい加湿も患者の呼吸を楽にします。 ・頭を明るい方向に向ける (視力の減少に起因する) 部屋を柔らかな間接照明にしましょう。 ・苦痛を抑えることの困難 (疾患の進行に起因する) 主治医の処方に従って疼痛鎮痛剤を与えることは、重要なことです。指示された処方では効果が旧聞でないと思われるときには、介護者は主治医に連絡をしなければなりません。医療チームの援助で、介護者は痛みを減少するためにマッサージやリラックス法をすることもできます。 ・不随意運動(筋間代と呼ばれる)、心拍数の変化、手足の反射の喪失 死期が近いという更なる徴候です。 |
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5.患者が死亡したという徴候は何か。 |
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・呼吸や心拍が無い ・眼球が動かなかったり瞬きがなく、瞳孔が拡大する。瞼がわずかに広がる。 ・顎が弛緩し、口がわずかに開かれる。 ・大小便を漏らす。 ・触ったり話しかけたりしても反応が無い。 |
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6.患者の死後、何をする必要があるか 患者の死後、特に急ぐことはありません。家族や介護人は患者のそばで話をした 家族の準備ができたら、次のような処置を取ります。 ・枕を一つ頭の下に置き、仰向けに寝かせます。必要があれば、患者の義歯や ・患者がホスピスにいるときには、ホスピスの指示に従います。介護人や家族は ・条例に従い、適切な機関に連絡を取ります。患者がDNRなど蘇生措置を拒否 ・主治医と斎場に連絡を取ります。 ・患者の家族の準備が整ったなら、他の家族や友人や聖職者に連絡を取ります。 ・故人の損失に対処するために、家族や友人に感情的な支援をします。 |
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7.終末期に関するそのほかの情報 |
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NCIの癌情報サービスへ連絡することにより、下記のNCIの情報が利用できます。(1-800-4-CANCER)(1-800-422-6237)。またNCIのウエブサイト上の終末期の項目をクリックすることで、ウェブサイトの情報を利用することもできます。 |
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・HCIのHospiceは、ホスピス治療に関する情報と連絡先の情報を提供します。 ・Advance Directives は医療に関する患者の権利について述べています。 ・Home care for Cancer Patients は在宅介護に関する情報を提供します。 ・Advanced Cancer, Living Each Day はがん患者と家族、友人に対する実践的な援助 を提供します。 ・PDQR支持療法は損失、悲しみ、遺族に関しての概要をしめしています。 |
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国立癌研究所情報局 2003/10/30 改定 |