翻訳へもどる ガン患者のための食事のヒント Eating Hints for Cancer Patients

・
監修 お茶の水女子大学 准教授  博士(栄養学) 池本 真二

               目 次

この小冊子について ・・・・・・1
  この小冊子の構成 ・・・・・・1
  この冊子の使い方 ・・・・・・3
・
治療が始まる前に  ・・・・・・4
  ガン患者によって異なる栄養指導 ・・・・・・6
  ガン治療のための準備 ・・・・・・6
    前向きに考える ・・・・・・6
    健康な食事を取る ・・・・・・6
    事前の準備 ・・・・・・7
・
治療中の食事の問題への対処 ・・・・・・8
  副作用への対処 ・・・・・10
  食欲不振 ・・・・・10
  体重の減少 ・・・・・13
  体重の増加 ・・・・・17
  口やのどの痛み ・・・・・18
  口腔内の乾燥 ・・・・・21
  歯や歯肉の問題 ・・・・・22
  味覚や臭覚の変化 ・・・・・22
  吐き気 ・・・・・24
  嘔吐 ・・・・・26
  下痢 ・・・・・27
  乳頭不耐症 ・・・・・29
  便秘 ・・・・・31
  疲労とうつ ・・・・・33
・
介護者への特記事項 ・・・・・36
・
ガン治療後 ・・・・・37
・
食事に戻る方法 ・・・・・38
レシピ集
  バナナミルクセーキ(食欲がないとき) ・・・・・12
  栄養強化ミルク(体重が減少したとき) ・・・・・14
  高たんぱくミルクセーキ(体重が減少したとき) ・・・・・15
  ピーナッツバタースプレッド(体重が減少したとき) ・・・・・16
  フルーツアイスクリーム(口やのどが痛いとき) ・・・・・19
  チョコレートプリン、ミルク抜き(乳糖不耐症の方) ・・・・・30
  りんご/プルーンソース(便秘のとき) ・・・・・32
・
特別事項
  栄養強化の商品 ・・・・・11
  特殊用途食品 ・・・・・29
  食中毒の予防 ・・・・・34
  補助ビタミン、ミネラルは効果があるか ・・・・・34
  代替療法とは ・・・・・35
・
一覧表
  表−1 ガン治療はいかに食事に影響するか ・・・・・40
  表−2 澄んだ液体とは ・・・・・42
  表−3 流動食とは ・・・・・43
  表−4 手軽な軽食 ・・・・・44
  表−5 カロリー摂取の増やし方 ・・・・・45
  表−6 たんぱく質摂取の増やし方 ・・・・・48
・
副作用の経過記録 ・・・・・51
・
用語解説 ・・・・・52
資料 ・・・・・56
他の小冊子 ・・・・・56
ノート


・・・・・58

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この小冊子について

  食事はガン治療の大切な一部分です。ガン治療前、治療中、治療後などに正しい食事を取れば、快適な気分でしかも強靭な体でいることができます。
 国立ガン研究所(NCI)はこの小冊子を、治療中の食事に関する知識と、副作用の食事への障害に対処することに関して、ガン患者とその家族、また介護者のために製作しました。この内容はさまざまな情報源から持ちよられ、ガン患者、医師、看護師、栄養士など共同製作者の経験と実績が反映されています。

小冊子「ガン患者のための食事のヒント」の構成

 人々は、ガンの治療前、治療中、治療後にさまざまな感情と、身体的な反応を経験します。また情報への欲求も多岐に及んでいます。手にはいるすべての情報を読み、誰にでも話をする人もいれば、まったくしない人もいます。
 また、必要な情報も時間とともに変化していきます。私たちが話をした患者さんが言うには、初めはガンやガン治療に関する一般的な情報が役に立ったし、またそれだけを理解することで精一杯だったとのことです。後になって、治療中には、治療に関することや、治療がどのように影響するかなどのもっと詳しい情報が必要になったとのことでした。
 そのため、この「ガン患者のための食事のヒント」は、ガン治療の特殊な段階に合わせて分割した章から成り立っています。それぞれの章は独立していますので、必要に応じて読んでください。                                             P−1


治療が始まる前
 この章はさまざまなガン治療により引き起こされる食事に関する副作用についての概要の説明をしています。また、あなたの治療に関して、身体的、感情的に準備しておくためのヒントもあります。P−4〜7を参照。

治療中の食事の問題への対処
 この章は、治療中に経験する食事に関する副作用についての、より詳しい情報について述べています。たくさんの副作用が述べられていますが、必ずしもそれがあなたにおこるとは限りません。患者が経験することにはさまざまなことがあります。この章には、患者や介護人にとても役に立つと思われる対処法:食事のレシピのヒントがたくさんあります。  P−8〜35を参照

治療終了後
 この章では、治療終了後のことについて触れています。通常の食事に戻るために役に立つことや健康な食事のためのヒントが述べられています。 P−37〜38を参照


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「ガン患者のための食事のヒント」にほかに次の3章も含まれています。

 介護者のための特記事項
 家族や介護者のためのヒントが述べられています。 P−36を参照

 用語集
 食事や栄養やガン介護などに関する用語のリストとその説明があります。この小冊子の太字で書かれた用語の意味がここにあります。 P−52〜55を参照

 資料
 ここにはガン、ガン治療、病状への対処法などに関するNCIのほかの出版物の情報があります。また、NCIのCancer Information Service (CIS) 1-800-4-CANCER にもリストがあります。CISはガン、ガン治療、臨床試験などの情報や、患者、その家族、医療専門家、一般の方に対してガンとともに生きるための情報を提供しています。また、ここにはNCIと米国AHHSの栄養に関する出版物の情報も含まれています。 P−56〜58を参照
                                                    P−2

 この本の使い方

 この冊子を一度にすべて読む必要はありません。ざっと見て今あなたの状況に合ったところを読んでください。後ほど、必要に応じて他のところを読み返してください。たとえば、たいていの人には食事に関する副作用は起こらないか起こっても軽いものでしょう。その場合は「治療前」「治療後」の章が役に立つでしょう。逆に、食事に関する副作用に悩まされているのなら、「治療中の食事の問題への対処」の章のヒントやレシピが役に立つでしょう。


 登録栄養士 (日本では管理栄養士)
登録栄養士は食事に関する最良の情報源です。ここでは栄養士がどのような情報を与えてくれるかをのべています。必要に応じて、気軽に援助やアドバイスを求めてください。先に質問事項を用意しておくと必要な情報を忘れずに聞くことができるでしょう。わからないことは繰り返して説明してもらいましょう。この冊子でわからないことがあれば、その詳しい説明もしてくれますし、更なる情報も得られます。医師や看護師も有用なアドバイスをしてくれますし、登録栄養士への紹介もしてくれます。もし紹介がなければ米国栄養士協会(ADA)のフリーダイヤル、栄養ホットラインへ電話してください。専門家が近くの登録栄養士を紹介してくれます。「食事のヒント」の資料の章に、ADAの電話番号と連絡方法が載っています。
                                                    P−3


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治療が始まる前に

 ガンと初めて診断されたときに、主治医は治療計画について話をします。治療には、外科手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、生物学的(免疫)療法などがあり、単独で、または、これらの組み合わせによって行われます。
 これらのガン治療法はガン細胞を殺すことを目的としています。この、ガン細胞を殺す過程の中で健康な細胞も損傷を受けます。これがガン治療の副作用を引き起こすのです。食事に関する副作用には、以下のようなものがあります。

 ・ 食欲不振
 ・ 体重の変化(体重の減少や増加)
 ・ 口腔やのどの痛み
 ・ 口渇
 ・ 歯や歯肉の問題
 ・ 味覚や臭覚の変化
 ・ 吐き気/嘔吐
 ・ 下痢
 ・ 乳糖不耐症
 ・ 便秘
 ・ 疲労やうつ病

 これらの副作用は人により、起こったり起こらなかったりしますが、それには副作用の程度も含めて多くの要因が作用しています。この要因には、ガンの種類、治療を受けているからだの部位、治療の種類と期間、治療の程度などがあります。しかし、副作用があったとしても、それはたいていうまく緩和されます。また、ほとんどの副作用は治療が終われば無くなります。主治医や看護師は副作用が起こるかおこらないか、また起こるとすればどのような副作用か、などについておしえてくれます。
                                                    P−4

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ガン患者によって異なる栄養指導

 ガン患者への食物と摂取の指導は、通常の健康的な食事の指導とは異なることがあります。これは、いつも指導を受けていることと正反対のこともあり、患者を混乱させることがあります。栄養指導は通常、大量の果物、野菜、全粒パンや穀物などや、適量の肉と乳製品を取り、脂肪分、糖分、アルコール、塩分を控えるようにすすめます。この指導に関する詳しい内容は「治療後」の章にのべられています。
 ガン患者への栄養指導は、たんぱく質などの高カロリーの食品をとることを重点においています。これは、より多くの牛乳、クリーム、チーズ、卵料理などを取ることや、また、ソースやグレービー(肉や野菜を煮込んで作ったソース)を多く取りいれ、調理法をバター、マーガリン、植物油などを増加する方法に変えていくことなどです。また、下痢や口内の痛みなどを悪化させることもあるので、高繊維質の食品の摂取を控えるように指導することもあります。
 ガン患者への栄養指導は、身体を強健にし、体がガンとガン治療の効果に耐えられるように考慮されているので、通常の指導とは異なります。健康なときには、必要とする栄養分を取るために十分に食べることは問題ではありませんが、ガン治療の中には、特に副作用を起こしていたり、気分が良くなかったり、というような場合には問題となることがあります。
                                                    P−5


ガン治療のための準備

 実際に治療が始まるまで、副作用が起こるのか、どんな気分になるのかなど確かなことはわからないでしょう。一つの準備としては、治療は、自分自身で取り組み、自分の身体を回復するための時間として考えることです。以下に準備のためのいくつかの方法があります。

 前向きに考える
・ たいていの人には食事に関する副作用はあまり起こっていません。もしあなたに副作用が
 あったとしてもごく軽いか、ガン治療の終了後にはなくなってしまうでしょう。また、副作用を
 抑える新しい薬もあります。
・ 積極的な態度を持ち、自分の感情について話し、ガンやガンの治療についてよく知り、対
 処する方法を考えることは、心配や不安感を減少させ、良い自己管理をし、食欲を維持す
 ることになります。
・ 食物に期待しましょう。たとえ食事に関する副作用があったとしても、食事が楽しくなるで
 しょう。

 健康的な食事を取る
・ 健康的な食事は、体を最高に動かすために不可欠なものです。ガン患者にとっては、さら
 に重要なことです。
・ もし今まで健康な食事を取っていたら、そのたくわえで身体の強さを維持し、体組織の崩
 壊を防ぎ、組織を再建し、感染予防を維持し、治療に入れます。
・ きちんと食事をしている人は、副作用によく対処することができます。治療の量が多くなっ
 てもうまく受け入れることができます。たとえば、あるガン治療法は、患者が食事で栄養を
 十分に取り、カロリーやたんぱく質が十分であれば、ずっと効果的であることがわかってい
 ます。
                                                    P−6
・ あたらしい食品へのチャレンジを恐れてはいけません。今まで嫌いだったものでも、ガン治
 療中にはおいしく感じるようになるかも知れません。

 事前の準備
・ 食品庫や冷凍庫に好きな食品を保存しておけば、たびたび買い物に行く必要がなくなりま
 す。病気のときにも食べられる食品も用意しておきましょう。
・ 準備が簡単なものや不要なもの、たとえばプリン、ピーナッツバター、マグロ、チーズ、卵
 などを用意しておきましょう。
・ 事前に調理して、一食ごとに冷凍しておきましょう。
・ 友人や家族に、買い物や調理の手伝や、代わりにしてくれるように頼みましょう。
・ 登録栄養士に気になることやアドバイスを求めましょう。そうすれば、食事のアイディアが
 得られたり献立作成を手伝ってくれたりするでしょう。また、便秘や吐き気などの潜在的な
 副作用に効果のある食品のリストを作る協力をお願いしましょう。ほかの患者に効果のあ
 ったことも聞いてみましょう。
                                                     P−7


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治療中の食事の問題への対処

 ガンの治療法―外科手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、生物化学的療法―などは非常に強力です。これらの治療法の相手は体の中の成長の早いガン細胞ですが、口腔や、消化管、体毛などの成長や分裂の早い正常な細胞も、やはり損傷を受けることがあります。この健康な細胞の損傷が、不愉快な副作用である食事の問題を引き起こします。
表―1(P−40〜41)に、ガン治療の結果としておこる作用をまとめてあります。
 ガン治療の副作用は患者によってさまざまです。治療を受けている部位、治療の種類や期間、治療を受ける量などが、副作用が起こるかどうかに関係します。
しかし、誰にも副作用が起こるわけではありませんし、治療が終わればほとんどの副作用はおさまってしまいます。また、副作用をうまく抑えることができる新薬もあります。治療によってどのような副作用が起こる可能性があるのか、それにどう対処したらよいのか、主治医に相談してみましょう。
 ある種の食事に関する問題は、治療によって引き起こされますが、患者の動揺や心配や恐怖などにより起こる場合もあります。食欲減退と吐き気は、患者の神経質や恐怖感により引き起こされる二つのよく見られる反応です。治療停止になり今後の見通しや行動によい方向性が持てるなら、これらの懸念に基づく食事の問題はよくなっていきます。
 入院や治療期間中に、主治医や看護師や登録栄養士と話をしましょう。そうすれば、疑問に対する答えや、特別な食事や軽食や食品、また抱えている食事に関する問題に対処するヒントが得られるでしょう。また、さまざまな文化的・民族的背景を持つ食事についても協力してくれるでしょう。回復期にこのような問題が起こったときでも、気軽に話をして見ましょう。ほかの患者に効果のあったことも聞いてみましょう。
                                                     P−8
 ガン治療の間には、栄養に関する厳しい規則などは無いことを覚えておきましょう。ガン治療の間、普通の食欲で食事を楽しみ続けている人もいますし、まったく食べたくないときのある人もいます。食べもののことを考えただけで気分が悪くなる人もいます。

以下に重要ポイントを記しておきます。

・ 食べることができるのであれば、十分なたんぱく質とカロリーの食事や軽食を取りましょう
 。これらは、身体を強くし、身体組織が壊れること防ぎ、ガン治療により損傷された組織を
 再生することに役立ちます。
・ 多くの人は、食欲は午前中のほうがあります。この点を考慮してたくさん食べられるように
 しましょう。あまり食欲が無いのであれば、主となる食事を一日の早いうちに取り、代替と
 なる流動食などは後にしましょう。
 (代替流動食については、P−11を参照)
・ あまり気分が優れず、1種類か2種類のものしか食べられないのであれば、他のものが食
 べられるようになるまで、それを食べ続けましょう。また、代替流動食でカロリーやたんぱ
 く質を補いましょう。
・ まったく何も食べられなくても心配しないことです。気分の良くなることをしましょう。なるべ
 く早く食事ができるようになりましょう。この問題が2〜3日で解決しなければ主治医に相談
 しましょう。
・ 特に食べたくないと感じる日には、十分な水分を取りましょう。水分は身体の正常な機能
 の維持に不可欠なものですから、十分な液体を取ることは身体が必要な水分を確保する
 ことになります。成人にとって一日に6−8カップの水分が適量です。日中、水筒を持って
 いることは、十分な水分を取る習慣を作ります。表―2、表−3(P−42,43)は、水分が
 摂取できる食品の例です。
                                                     P−9

 副作用への対処
 この章は食事に関する、治療の副作用に対処する現実的なヒントについてのべており、それらは同じ問題を抱えた他のガン患者に対して効果的であったものです。何が一番効果的か試してみましょう。あなたの欲求や懸念を家族や友人と、特に食事を用意してくれる人に知っておいてもらいましょう。
 手助けに感謝していることを知らせましょう。そしてこの冊子の「介護者への特記事項」の章について話をしましょう。
 この「食事のヒント」の最後の51ページと59ページに、ガン治療を行いこの小冊子を読むにつれて特別に有用な2項目があることに気がつくでしょう。初めに「副作用の経過記録」はコピーをして、治療中にどのように感じていたかを観察記録する表です。二つ目の「ノート」は、医療チームと話し合いをするときに質問事項や懸念事項をざっと書きとめておくために使用するものです。

 食欲不振
 食欲の損失や食欲不振は、ガンやガンの治療に起こる頻度の高い問題の一つです。その原因については知られていません。治療やガンそのものにより起こるものなのでしょうが、恐怖やふさぎこみなどの情緒により引き起こされることもあります。看護師やソーシャルワーカーに、この情緒による問題を軽減する方法についてたづねてみましょう。それは人々が食べたくなくなる、吐き気、嘔吐、食物の味覚や臭覚の変化などの治療の副作用によることもあります。その場合は主治医や看護師に相談して、副作用を抑えてもらいましょう。
 食欲不振が1日2日で終わる人もいれば、ずっと続く人もいます。その理由が何であろうと、ここに有用なヒントがあります。

・ 食物を食べることが難しい時は、インスタントな朝食として液状あるいは粉末の代用食を
 試みましょう。
・ 一度にたくさん食べ、回数が少ない食事よりは、一日を通して少しずつ何回かに分けて食
 べましょう。そうすれば満腹感を得ずにより多く食べることが出来るでしょう。
                                                    P−10


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 栄養を改善する市販商品
 食事から十分なカロリーやたんぱく質を取ることができないのであれば、代用食品として液状の“シェイク”や、“インスタントな朝食”の粉末が有効でしょう。他の商品も、いろいろな食品や飲み物にも添加することができます。これらの補助食品はたんぱく質やカロリーが高く、ビタミンやミネラル分も含んでおり、液状やプリンのような状態や粉末状になっています。ほとんどの代用食品には乳糖はごくわずかしか含まれておらず、またはまったく含まれていないものもあります。乳糖不耐症であれば、ラベルをチェックすることは重要なことです。看護師や登録栄養士なら、どの商品があなたに合っているか、どれが近くで手に入るかを教えてくれます。
 これらの商品は、開封するまでは冷蔵する必要はありませんので、携帯することができ、おなかがすいたり、のどが渇いたりしたときいつでも食べることができます。食事の間の軽食としても就寝前の軽食としても、冷やして食べればおいしいです。治療に行くときや何か長時間の待ち時間のあるときに、持っていけば便利です。
 たいていのスーパーマーケットやドラッグストアーにはいろいろな液状代用食品がおいてあります。もし見つからないときには注文できるかどうか聞いてみましょう。

・ すぐに手の届くところに軽食をおいておけば、ほしくなったときにすぐに何かを食べること
 ができます。チーズとクラッカー、マフィン、アイスクリーム、ピーナッツバター、果物、プリン
 などはおすすめです。外出するときには、ピーナッツバタークラッカーや小箱に入れたレー
 ズンなどの携行食品を持っていきましょう。更なる軽食のヒントに関しては表―4(P−44)
 を参照してください。
・ たとえ固形の食品を食べたくなくても、飲料は飲んでください。ジュースやスープ、他の流
 動物は重要なカロリーや栄養素を供給します。ミルクを使った飲料は、たんぱく質を供給し
 ます。表―2、3(P−42,43)には飲料の多数の例があります。
                                                   P−11
・ もし可能ならば、就寝前に何か食べてください。それは次の食事への食欲をそぐことには
 なりません。
・ 食品の形を変えることは食欲をわかせ、よく食べられることがあります。たとえば、果物そ
 のままが食べにくければ、ミルクシェイクにしてみましょう。


参考例です。

 バナナミルクシェイク

よく熟れたたバナナ1本 薄切り
バニラ香料  数滴
ミルク   1カップ (牛乳タイプによって以下のように分ける)

すべての材料をミキサーに入れる
滑らかになるまで高速で混ぜ合わせる

出来上がり:1食分
1食分:約2カップ

無調整乳仕様の場合
 1食あたりのエネルギー:255 kcal
 1食あたりのたんぱく質:9g

2%乳脂肪ミルク(低脂肪乳)仕様の場合
 1食あたりのエネルギー:226 kcal
 1食あたりのたんぱく質:9g

スキムミルク仕様の場合
 1食あたりのエネルギー:190 kcal
 1食あたりのたんぱく質:9g
                                                    P−12

・ ヨーグルトやミルクシェイクやアイスキャンデーのような、柔らかな、冷たいものや凍った食
 品を試してみましょう。
・ 気分の良いときを逃さずに、ボリュームのある食事をしましょう。よく休んだときには朝一
 番に、より旺盛な食欲があるといいます。
・ 食事中には少しずつ飲み込みましょう。たくさん飲み込むと満腹感を味わってしまいます。
 少し何かを飲みたいと思ったら、食事の30分〜1時間前後にしましょう。
・ 食事のときはできるだけリラックスして楽しくしましょう。魅力的な盛り付けは食事をすすめ
 ます。
・ 主治医の許可があれば、食事中に小さめのグラスでワインやビールを楽しみましょう。ア
 ルコールは食欲を増進します。
・ 定期的な運動は食欲を増します。どのような運動ができるか医師に相談しましょう。


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 体重の減少
 ガンの治療中には、たいていの人に体重の減少が見られます。これは一つには体内のガンによっておこるものです。また、治療や心配などにより食欲を無くし、いつもより少ししか食べられないと体重の減少が起こります。表5:カロリーを増加する方法、表6:たんぱく質を増加する方法には、体重の減少を少なくしたり、2〜3ポンド(約1〜1.5kg)増加させたりするヒントが示されています。また“食欲不振”の章(P−10)も役に立つでしょう。
 次の3ページには、なじみのある食品の、カロリーやたんぱく質を増加する方法についての簡単な調理法が載っています。
                                                   P−13


 強化ミルク

全乳 : 1クォート(約1リットル)
脱脂粉乳 : 1カップ

深いボールに牛乳を注ぎます。
粉ミルクを加え、泡だて器でゆっくりと粉ミルクが解けるまでかき回します。
(通常5分以内)
冷蔵し冷たくして供します。

注:濃すぎるようであれば、粉ミルクを1/2カップにして、徐々に1カップまで増量します。

出来上がり:1クォート (約1リットル)
1食分:1カップ

1食あたりのエネルギー :211kcal
1食あたりのたんぱく質 :14g

強化ミルクを使用して
・ マカロニ&チーズ
・ プリンやカスタード
・ 野菜のクリームソース
・ マッシュポテト
・ ココア
・ フレンチトースト、ホットケーキ生地
・ スープ
                                                    P−14


 高たんぱくミルクシェイク

強化ミルク:1カップ
バタースコッチ、チョコレートまたは好みの果物シロップや果物ソース:テーブルスプーン2杯
アイスクリーム:1/2カップ
バニラエッセンス:ティースプーン1/2

すべての材料をミキサーに入れる。
低速で10秒間混ぜ合わせる。

出来上がり:1杯分
1食分:約1−1/2カップ

1食あたりのエネルギー:425kcal
1食あたりのたんぱく質17g


 たんぱく質粉末としての即席粉ミルク

 料理へのたんぱく質の強化物として、スクランブルエッグ、スープ、シリアル、ソース、グレービーなどに、脱脂粉乳を加えることを試してみましょう。
                                                   P−15

 ピーナッツバタースプレッド

脱脂粉乳:テーブルスプーン1杯
蜂蜜:テーブルスプーン1杯
水:ティースプーン1杯
練りピーナッツバター:テーブルスプーン5杯
バニラエッセンス:ティースプーン1杯

粉ミルク、水、バニラエッセンスを加え、よくかき混ぜる。
蜂蜜とピーナッツバターを加え、よく混ざるまでゆっくりかき混ぜる。
クラッカーの上に塗る。
混ぜ合わされたものは、ボール状にして冷やし、キャンディとしても楽しめる。
冷蔵庫で保存ができるが、冷たい時に塗るのは大変なので、室温に戻してやわらかくした状態で塗りましょう。

出来上がり:テーブルスプーン6杯分
1食分:テーブルスプーン3杯

1食あたりのエネルギー:279kcal
1食あたりのたんぱく質:11g

                                                    P−16


(もどる)
 体重の増加

 治療中でも体重の変化がなく、幾分増加する人もいます。これは乳ガン、前立腺ガン、卵巣ガンなどで、特定の薬物の使用や、ホルモン療法や化学療法を受けている患者にみられます。
 もし体重の増加に気づいたとしても、すぐにダイエットなどをしないことが重要です。医師に相談することで、何が原因なのかをつかむことができます。この体重の増加は、特定の抗ガン剤が体内に水分を引き止めておく働きをすることによることがあります。この状態は浮腫と呼ばれます。体重は余分な水分に由来します。この場合、主治医は、摂取する食塩量の制限について登録栄養士に相談するようにすすめるでしょう。塩分は体内に余分な水分を保持するのでこの指導は重要なことです。また利尿剤を処方してくれるかも知れません。利尿剤は体内の余分な水分を排出する薬剤です。
 乳ガンで初期ガンと診断された患者の場合は異なります。半数以上の人は治療中に体重の増加を示します。このため、乳ガン患者へは低脂肪、低カロリーの食品がすすめられ、ガン治療が終わった患者にも同様の食品がすすめられています。(P−37参照)
 体重の増加は食欲亢進や余分な食物やカロリーを摂取することにもよります。もしこれが体重増加の原因で、この増加をとめようと思うのであれば、ここにそのヒントがあります。更なる指導については登録栄養士に相談してください。

・ 果物、野菜、パンや穀物を取りましょう。
・ 赤みの肉(脂肪を取り除いた赤みの牛肉や豚肉、皮なしの鶏肉)や低脂肪乳製品、(スキ
 ムミルクや1%乳脂肪ミルク、低脂肪ヨーグルト)を選びましょう。
・ 余分なバター、マヨネーズ、甘味類、などを控えましょう。
・ 低脂肪、低カロリーの調理法を取り入れましょう。(ゆでる、蒸す)          P−17
・ 食間の高カロリーなスナックのつまみ食いをやめましょう。
・ もしできるなら、運動量を増やしましょう。


 口やのどの痛み

 口の腫れ、歯肉の過敏、のどや食道の痛みは、放射線療法、化学療法、感染などにより生じることがあります。口腔内や歯肉に腫れ物ができたら、それが歯の病気によるものでなく、治療の副作用であるかどうか主治医に相談してください。口やのどの痛みを軽減する薬を処方してくれるでしょう。歯科医師も口腔内の管理の指導をしてくれるでしょう。
 ある食品は、敏感になった口を刺激して、咀嚼や嚥下を困難にします。食べる食品を慎重に選択することや、口腔内や歯や歯肉などの衛生に気をつけることで、食事を容易にすることができます。以下に役に立つヒントをあげておきます。
◇ 咀嚼や嚥下がしやすい柔らかな食品を試してみましょう。たとえば

・ ミルクシェイク
・ バナナ、アップルソース、その他柔らかな果物
・ 桃、なし、あんず、
・ スイカ
・ カッテージチーズ(脱脂乳から作る非熟成のチーズ)、ヨーグルト
・ マッシュポテト、麺類
・ マカロニ&チーズ
・ カスタード、プリン、ゼラチン
・ スクランブルエッグ
・ オートミール、他の調理した穀類
・ 裏ごしやつぶした野菜類、たとえばえんどう豆とにんじん
・ 裏ごしした肉類
                                                   P−18

 口腔内の痛みに適した、ミキサーを使った簡単なレシピ

フルーツ アンド クリーム

全乳 : 1カップ
バニラアイスクリームまたは冷凍ヨーグルト : 1カップ
果物の缶詰、ジュースを含む(桃、アンズ、梨): 1カップ
アーモンドやバニラ香料 : 適量

すべてをよく混ぜて、食べる前によく冷やす。

出来上がり:2食分
1食分: 1―1/2カップ

アイスクリーム使用の場合
 1食あたりのエネルギー : 302kcal
 1食あたりのたんぱく質 : 7g

冷凍ヨーグルト使用の場合
 1食あたりのエネルギー : 268kcal
 1食あたりのたんぱく質 : 9g
                                                   P−19


(もどる)
◇ 口腔に刺激をあたえる食品や液体を避けましょう。たとえば、

・ オレンジ、グレープフルーツ、レモン、その他柑橘類やそのジュース
・ トマトソースやトマトジュース
・ 香辛料のきいた食品や塩分の多い食品
・ 生野菜、グラノーラ、トースト、クラッカー、その他ざらざらした粗い食品や乾燥した食品
・ アルコール分含有の市販うがい薬

◇ やわらかく口当たりがよくなるまで調理しましょう。
◇ 食品を小さく切りましょう。
◇ 食品の裏ごしにミキサーやフードプロセッサーを使いましょう。
◇ 嚥下しやすくするために、食品をバター、マーガリン、薄いグレービー、ソースなどで
  からめましょう。
◇ 液体を飲むのに、ストローを使いましょう。
◇ 赤ちゃん用のスプーンのような小さめのスプーンを使いましょう。
◇ 冷えた食品や室温のものを食べましょう。熱い食品は敏感な口やのどには刺激が強い
  でしょう。
◇ 暖かいブイヨンや塩分のあるブロスを飲みましょう。これはのどの痛みを抑えます。
◇ 氷の塊をなめてみましょう。
◇ もし飲み込むことがつらいならば、頭を後ろに倒すか前に動かすかすると楽になります。
◇ 歯や歯肉が痛むときには、歯科医が歯磨きによい商品を薦めてくれるでしょう。
◇ 口内の食品カスや雑菌の除去のためや治癒を促すためにこまめにうがいをしましょう。
◇ 食事がきちんと取れるように、麻酔トローチやスプレーを、主治医に処方してもらいま
  しょう。
                                                    P−20

(もどる)
 口内の乾燥

 化学療法や、頭部や頚部への放射線療法は、唾液の分泌を抑え口内の乾燥を引き起こすことがあります。これが起こったときには食物をかんだり飲み込んだりすることが難しくなります。また、口の乾燥は食品の味を変えてしまいます。口やのどの痛みの項も参考になりますが、ここに口の乾燥に対処するいくつかのヒントがあります。

◇ 飲み込みや話がしやすくなるように、数分毎に水を含みましょう。水筒を携行すると、
  便利になります。
◇ 食品や液体で甘いものやすっぱいもの、たとえばレモネードのようなものを取ると、口内
  の唾液の分泌を促します。(口内が敏感なときや、のどが痛むときにはこの方法はよし
  ましょう。甘いものやすっぱいものは症状を悪化します。)
◇ 硬いアメやアイスキャンデーをなめたり、ガムを噛んだりしましょう。これらは唾液の分泌
  を促します。
◇ やわらかく裏ごしされた食品を食べましょう。これは飲みこみやすい食品です。
◇ リップクリームなどで唇を湿らせておきましょう。
◇ 飲みこみやすくするために、食品をソース、グレービー、サラダドレッシングなどで湿らせ
  ましょう。
◇ もし口の乾燥がひどければ、主治医や歯科医に、口やのどを覆い保護し湿潤にする
  商品をきいてみましょう。これは“人工唾液”とよばれます。
                                                    P−21


 歯や歯肉の問題
 ガンやガンの治療は歯や歯肉に虫歯や他の問題を生じることがあります。たとえば、口に対する放射線療法は唾液腺に影響を及ぼすこともあり、口を乾燥させ虫歯の危険性を増加します。食習慣の変化も問題のひとつです。治療を始める前に主治医や歯科医が協力して歯の問題を解決することでしょう。また間食が多かったり甘いものが好きな場合は、歯磨きを数多くしてください。食後に歯を磨くことはよいことです。歯の問題の予防に関するいくつかのヒントがあります。

◇ どのような歯の問題でも医師に話しましょう。
◇ 定期的に歯科医にかかりましょう。口に障害を起こす治療を受けている患者、たとえば
  頭部や頚部への放射線などは、いつもより頻繁に歯科医に行ってください。
◇ やわらかい歯ブラシを使いましょう。歯肉が敏感になっているのであれば、主治医や看護
 士、歯科医などに適切な歯ブラシや歯磨きを紹介してもらいましょう。
◇ 口や歯肉が痛むときには、温かいお湯でうがいをしましょう。
◇ 糖分の多い食事や歯につくような食品を食べているのならば、食後すぐに歯磨きや
  うがいをしましょう。そうすれば糖分は歯をいためることがありませんし、シュガーレスの
  ものに変えることもよいでしょう。(ソルビトールは、多くのシュガーレスの食品に含まれて
  いますが、下痢を起こすことがあります。もし下痢が問題となるのなら、シュガーレスの
  商品を買う前にラベルをチェックしたり使用量を制限しましょう。)
                                                     P22
 味覚や臭覚の変化
 病気や治療の間、味覚や臭覚に変化が起こることがあります。肉やたんぱく質の多い食品は苦味を感じたり金属の味がしたりします。化学療法、放射線療法、ガンそれ自身も多くの食品の味を損ないます。歯の問題も食品の味を変化させます。しかしたいていは、治療が終われば、味覚や臭覚の問題は無くなります。
 疾患や治療により各人が異なった味覚や臭覚の変化をするので、それらの変化を予防する絶対に確実な方法というものはありません。しかしながら以下にこの問題に対処する方法をあげておきます。(もし、口の痛み、歯肉の痛み、のどの痛みなどがある場合は主治医や看護師や登録栄養士などに相談しましょう。痛むところに怪我をしないで済む方法を教えてくれるでしょう。)

◇ 見栄えがよく香りのよいものを選び、準備しましょう。
◇ もし、牛肉のような赤みの肉がいやなにおいに感じるのであれば、鶏肉、七面鳥、卵、
  乳製品、さっぱりした味の魚などを試してみましょう。
◇ 甘い果物のジュース、甘いワイン、イタリアンドレッシング、甘ずっぱいソースなどでマリ
  ネすると肉や鳥、魚などに味わいをつけることができます。
◇ 少量のバジル、オレガノ、ローズマリーなどの味わいのある調味料を使ってみましょう。
◇ オレンジやレモネードのような酸味の強い食品は、味覚豊かに感じるかもしれません。
  すっぱいレモンカスタードはおいしく感じるかもしれませんし、必要なたんぱく質やカロリ
  ーの摂取ができます。(もし、口やのどに痛みがあるのなら、すっぱいものや柑橘類は、
  傷みや不快感を起こすかもしれません。)
◇ 匂いが不快であれば、食事を室温に戻したり、換気扇を回したり、調理中はふたをしたり
 、天気のよい日には外で調理をするのもよいでしょう。
◇ 野菜に味を加えるのに、ベーコンやハムやたまねぎなどを使ってみましょう。
◇ 食べ物の味や香りに影響する様な問題がある場合は、それを取り除くため、歯科医に
  かかりましょう。
◇ 主治医や歯科医に、適切なうがい薬や歯の衛生についてたずねましょう。
                                                    P−23


(もどる)
 吐き気

 嘔吐があっても無くても、吐き気は手術、化学療法、放射線療法、生物学的療法の一般的な副作用です。吐き気は、疾患そのものによったり、ガンや治療に無関係な状況でもおこります。治療後すぐに吐き気を生じる人もいれば、治療後2〜3日しておこる人もいます。たいていの人には、吐き気が起こりません。また、吐き気が起こっても、治療が終われば無くなってしまいますし、この副作用を効果的に抑える新薬もあります。この薬は制吐剤(アンチエメティックス)と呼ばれ、吐き気を抑えるために化学療法の開始時に処方されます。
 原因が何であれ、吐き気は十分な食事による必要な栄養分の摂取の妨げになります。ここにその役に立つヒントを述べておきます。

◇ 吐き気や嘔吐を抑える制吐剤について主治医にたずねてみましょう。
◇ 次のような消化のよい食品を試して見ましょう。
 ・ ト−スト、クラッカー、プレッツェル
 ・ ヨーグルト
 ・ シャーベット
 ・ エンゼルケーキ
 ・ 小麦や米やオートミールのクリーム
 ・ ゆでたポテトや米や麺類
 ・ 焼いたり茹でたりした皮無しの鶏肉、(揚げてはいけない)
 ・ 桃の缶詰やそのほかの柔らかい口当たりのよい果物類や野菜類
 ・ 澄んだ液体
 ・ 氷塊
 ・ 炭酸飲料 (日本においては適切かどうか?)(吐き気予防の観点では利用する事が
  ある)
                                                   P−24
◇ 次のような食品を避けましょう
 ・ 脂肪の多いもの、油っこいもの、揚げたもの
 ・ キャンディー、クッキー、ケーキなど非常に甘いもの
 ・ 強い匂いのあるもの


 嘔吐
 嘔吐は、治療や食品の匂いや、胃や腸内のガスや運動などにより引き起こされ、吐き気に続いて起こります。人によっては、病院のような、特定な人の集まりや環境によって嘔吐が起こることがあります。吐き気と同様に、人によっては治療直後に嘔吐が起こったり、また治療後1〜2日して起こることもあります。
 吐き気がひどかったり、1〜2日続くようであれば主治医に相談しましょう。吐き気や嘔吐を抑える制吐剤を処方してくれるでしょう。
 吐き気を抑えることができれば嘔吐を防ぐことができますが、それができなくなることもあるでしょう。リラクゼーションや黙想が役立つこともあります。これは通常深いリズミカルな呼吸と静かな集中法に基づいており、どこででもできるものです。もし嘔吐が起こったら更なる発生を予防するために、次のことをしてみましょう。

◇ 嘔吐が静まるまで、何も食べたり飲んだりしない。
◇ 嘔吐が静まったら、水やブイヨンのような澄んだ液体を少量飲みましょう。表−2(P−
  42)には、他の澄んだ液体の例が出ています。10分ごとにティースプーン一杯をのむ
  ことから始め、20分ごとにティースプーン一杯を増やし、少しずつ増やしていって最後に
  は30分ごとにティースプーン2杯を飲みましょう。
◇ 澄んだ液体を飲むことができるようになったら、流動食ややわらかい食品を試してみま
  しょう。表―3(P−43)には、他の流動食の例が載っています。嘔吐を起こさずに食べ
  られるだけのものを少しずつ、何回も取りましょう。大丈夫だと思えるようになったら、
  普通の食事に戻しましょう。牛乳に弱いのであれば、完全流動食の代わりに、柔らかな
  食品を食べましょう。完全流動食には大量の乳製品が使用されています。登録栄養士に
  柔らかな食品について訊ねてみましょう。
                                                    P−26


(もどる)
 下痢
 下痢には、化学療法、腹部への放射線療法、感染、食物過敏、感情の乱れなどさまざまな原因があります。下痢がうまく抑えられるように、主治医に相談して原因を突き止めましょう。
 下痢の間は、食物は急速に腸を通過してしまうので、十分なビタミン、ミネラル、水分などを吸収する暇がありません。これは、体がうまく機能するための十分な水分を保持できない、いわゆる脱水症状をひきおこします。長期にわたったりひどい下痢症状は、深刻な問題を引き起こしますので、それがひどかったり、2〜3日以上続くようであれば、主治医に相談してください。ここに下痢に対処する方法を述べておきます.

◇ 下痢で失う体液を補うために、多量の液体を飲みましょう。表―2,3(P−42,43)に
  液体の例がでています。
◇ 三度の食事ではなく、少しずつ何度も食べましょう。
◇ ナトリウムやカリウムを含む食品や液体を十分に取りましょう。これらの重要なミネラル
  成分は体が正常に機能する働きをしますが、下痢の時は失われてしまいます。ナトリウ
  ムを多く含む食品にはブイヨンや脂肪分の少ないブロスなどがあります。下痢を起こさな
  い、カリウムを多く含む食品にはバナナ、桃や杏のネクター、茹でたポテトやマッシュポテ
  トなどがあります。スポーツドリンクにはナトリウムとカリウムが含まれており、また吸収し
  やすい形の炭水化物も含んでいます。

◇ 次の食品を試してみましょう。
 ・ ヨーグルト、カッテージチーズ
 ・ 米、麺類、ポテト
 ・ 小麦のプリンやクリーム
 ・ 卵(白身が固まるまで茹でたもの、揚げないもの)
 ・ 粒の無いピーナッツバター
 ・ 白パン
 ・ 皮をむいた缶詰の果物や、十分に調理された野菜類
 ・ 皮無しの鳥や七面鳥、脂肪の少ない牛肉、魚(茹でたり焼いたりしたもの、揚げてない
  もの)
                                                   P−27
◇ 次のものを避けましょう。
 ・ 下痢がひどくなるのであれば、油っぽいもの、脂肪の多いもの、揚げ物。
 ・ 生野菜や皮と種、筋の多い繊維質の皮をむいてない果物。
 ・ 繊維質の多い野菜類: ブロッコリー、とうもろこし、乾燥豆、キャベツ、えんどう豆、カリ
  フラワーなど。
◇ 熱かったり冷たかったりする食品や液体を避けましょう。室温の液体を飲みましょう。
◇ コーヒーやある種のソーダ類やチョコレートなど、カフェインの多いもの。
◇ 急な短期間の下痢に見舞われたなら、その後12時間から14時間は何も食べずに澄んだ
  液体のみを飲みましょう。(P−51の図参照)これは腸を休ませ、下痢で失った重要な
  液体を補うためです。主治医や看護師にこの症状を知らせましょう。
◇ 牛乳や乳製品を取るときには注意をしましょう。それらに含まれている乳糖は下痢を
  悪化します。しかし、たいていの人は、少量であれば(1−1/2カップ)の牛乳や乳製品は
  大丈夫です。
                                                    P−28


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 特殊用途食品
 ガンやその治療のために特別な食事が必要な場合は、主治医や登録栄養士は、特殊用途食品を処方してくれます。たとえば、口、のど、食道、胃などが痛むときには柔らかな食事が適しています。また治療が乳製品の消化を困難にするのなら、低乳糖食品をとる必要があるでしょう。他の特殊用途食品には澄んだ流動食、全流動食、繊維質制限食などがあります。
 特殊用途食品は栄養のバランスが取れていて長期間の摂取が可能なものや、長期間の栄養補給ができない数日間用のものもあります。特殊用途食品が必要だとおもったならば、主治医や登録栄養士に相談して摂取計画を立ててください。もし、糖尿病や腎臓病、心臓病などですでに特殊用途食品を利用しているときにも主治医や登録栄養士とともに摂取計画を立ててください。


 乳糖不耐症
 乳糖不耐症とは、体が乳糖を消化することや吸収することができないことをいいます。牛乳や、牛乳をベースにした食品(チーズやアイスクリームなど)や牛乳を加えられた食品(プリンなど)は乳糖を含んでいます。
 乳糖不耐症は抗生物質治療や胃への放射線治療や、他の消化管に影響を及ぼす治療によって起こることがあります。乳糖を消化する腸が、治療の間正常に機能しなくなるのです。治療終了後または腸機能が快癒した後、乳糖不耐症という症状(ガス、さしこみ、下痢)が数週間から数ヶ月で無くなってしまう人もいれば、永久に食生活を変えなければならない人もいます。
 もしこの問題があるのならば、主治医は乳糖含有の低い食品をとるように指示するでしょう。どのような低乳糖食を取ったらよいかについて登録栄養士と相談して指導を受けてください。                                                 P−29
 スーパーマーケットには乳糖を減少させたり除去されたりした牛乳や乳製品が販売されているでしょう。また自分で低乳糖食品や乳糖除去食品を作ることもできます。
 次のものは簡単な乳糖除去プリンのレシピです。

 無乳糖チョコレートプリン

ベーキングチョコレート 1オンスx2 (28×2=56g)
無乳クリーム、大豆フォームラーまたは無乳糖牛乳 1カップ
コーンスターチ テーブルスプーン1杯
グラニュー糖 1/4カップ
バニラエッセンス ティースプーン1杯

小さなフライパンやアルミホイルでチョコレートを溶解する
シチュー鍋にコーンスターチとグラニュー糖を入れる
コーンスターチが解けるまで牛乳を加えてかき混ぜる
残りの牛乳を加える
中火で暖める
チョコレートを加えてよくかき混ぜ、沸騰させる
火からおろして、バニラエッセンスを加え、冷やす

出来上がり:2食分
1食分 : 3/4カップ
1食あたりのエネルギー : 382kcal
1食あたりのたんぱく質 : 1g

                                                     P−30


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 便秘
 抗ガン剤や鎮痛薬などは便秘を起こすことがあります。また便秘は食事の中に十分な水分や繊維質が含まれていないときや、長期間床についていたときなどにも起こります。以下に便秘の予防法と対処法があります。

◇ 十分な水分を取る。毎日少なくとも8オンス(224g)のグラスに8杯飲みましょう。これは
  便を軟らかくします。別な考え方では、体重1ポンド(約1kg)について1/2オンス(12g)の
  水分を取りましょう。
◇ トイレに行く30分ほど前に暖かい飲み物を飲みましょう。
◇ 食事の繊維質分を増やしてもよいかどうか、主治医に相談しましょう。(高繊維質の食事
  がよくないタイプのガンがあります。)もし可能ならば、全粒のパンやシリアル、ドライフ
  ルーツ、小麦のふすま、小麦胚芽、生の果物や野菜、乾燥した豆類などを取りましょう。
  繊維質の働きを良くするために十分な水分を取ることも忘れないでください。

 次のページに便秘を楽にする簡単なレシピがあります。

◇ 毎日少し運動をしましょう。どのような運動がよいかどれくらいの量がよいか主治医や
  理学療法士と相談しましょう。

もしこれらの方法の効果がなければ、便秘を解消する薬を主治医に処方してもらいましょう。
下剤や便軟化剤などを使用するときには必ず主治医に確認しましょう。
                                                    P−31


(もどる)
 アップル/プルーン ソース

未加工のふすま 1/3カップ
アップルソース 1/3カップ
つぶして煮詰めたプルーン 1/3カップ


すべての材料を混ぜて冷蔵庫で冷やす
就寝前にテーブルスプーン1−2杯を飲む。
水8オンス(224g)を飲む。

注:必ず水を飲んでください。そうしないと便秘が治りません。

出来上がり : 16食分
1食分: テーブルスプーン1杯

1食あたりのエネルギー : 10kcal
                                                   P−32


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 疲労とうつ病

 ガン治療の方法はいずれも強力で、数週間から数ヶ月続きます。それは治療前の状態よりも悪くなったり不愉快になったりします。たいていの人は疲れきったり、落ち込んだり、集中することができなくなるといいます。ガン治療による疲労には、欠食、無気力、血球数の低下、うつ病、睡眠不足、薬の副作用など、さまざまな原因があります。疲労を感じるようであれば、自分だけでなく医療チームとともにこの問題を取り上げることは大切なことです。さらに原因の多くは治療することができるので、疲労の原因を突き止めることが大切です。
 疲労やうつ病は食事の問題にはなりませんが、食物に対する興味や買い物に行く意欲や健康な食事を作ることなどに影響を与えます。以下にいくつかの対策をあげておきます。

◇ あなたの気持ちと恐れていることについて話しましょう。自分の気持ちを開放的にして
  おくことは、問題に対処しやすくします。看護師やソーシャルワーカーに話をすることを
  考えましょう。心配事や恐れを少なくする方法を教えてくれます。
◇ 治療法や起こる可能性のある副作用やその対処法などをよく知りましょう。知識がある
  ことや、それをもとに行動できるということは自己管理ができることになります。主治医と
  話したり質問することを躊躇してはいけません。
◇ 十分な休息をとることを心がけましょう。
 ・ 長時間の休息ではなく、短く何度も休息をとりましょう。
 ・ 休息時間を含めて一日の計画を立てましょう。
 ・ 居心地のよい椅子でよい本を読むとか、友人と好きなビデオを見るとか、休息時間を
  素敵な時間にしましょう。
 ・ 普段の活動をより簡単なものや短いものに替えましょう。自分でできる以上のことをして  はいけません。
◇ 治療に関係が無くなる時まで、好きな食べ物は食べないでおきましょう。そうすればその
  食べ物は不快感や苦痛感のイメージには関係しなくなるでしょう。
◇ できれば、短時間の散歩や規則的な運動をしましょう。これは疲労を少なくして、気分を
  高揚させることに役に立ちます。
                                                    P−33


(もどる)
 食中毒の予防

 大部分の抗ガン剤は、感染と戦う細胞である白血球を作る能力を減少させるので、治療を受けているガン患者は、免疫系が弱められています。このためガン患者は特に感染症と食中毒を回避する注意をしなければなりません。以下は食中毒を回避するいくつかのヒントです。

・ 生の果物や野菜をよく洗いましょう。もしよく洗うことができないならば(キイチゴなど)それ
 を食べるのをよしましょう。メロンの皮のようなザラザラした皮は、切る前によくこすり洗い
 をしましょう。
・ 手や調理器具(ナイフやまな板など)の表面を調理の前後に注意深く洗いましょう。特に
 生肉を取り扱った場合は念入りに洗いましょう。
・ 調理台の上ではなく、冷蔵庫で肉を解凍しましょう。
・ 卵や肉は完全に調理しましょう。
・ 生の甲殻類はよしましょう。低温殺菌か加工されたサイダーやジュース、低温殺菌された
 牛乳やチーズのみを使いましょう。

 食品医薬品局(FDA)は、食中毒を予防するための、上記やそのほかのヒントを集めた小冊子を出版しています。申し込み希望については“資料”の章を参照。


 補助ビタミン、ミネラルは効果があるか

 ガン患者の多くは、ビタミンやミネラルや他の栄養補助食品(植物性化学物質など)が、体を強くしたり、抗ガン作用を持っているかを知りたいことでしょう。ガン治療の期間中によく食事をする患者が、疾患や治療の副作用によく対処できることがわかっています。栄養補助食品やハーブが、ガンの治療や再発防止に効果的であるという科学的な根拠はありません。
 NCIはビタミン、ミネラル、そのほかの栄養分は、通常の健康的な食事から摂取することを強く勧めます。ビタミン、ミネラルなどの補助食品を摂取する前に、主治医や看護師や登録栄養士や理学療法士と話をしましょう。ある種のビタミンやミネラル類の過剰摂取は、それらの不足と同様に危険なものです。また、ある種のビタミンの過剰摂取は、ガン治療の本来の作用をとめてしまうこともあります。これらの問題を回避するために、これらの商品の自己判断での摂取はやめ、主治医の指示にしたがいましょう。


 代替療法とは

 疾患を治療するためのさまざまな治療法について、聞いたり読んだりすることでしょう。それが従来の治療法に付け加えて用いられるときに、それを補完療法といいます。また、従来の方法の代わりに用いられるときに、代替療法と呼ばれます。数多くの医療センターで、補完及び代替療法の科学的な側面を評価し、それを実証する研究を開発しています。これらの治療法の多くは、まだ完全には研究されておらず、それが効果があるとも安全であるとも証明されていません。研究により、効果が無かったり有害であったりする治療法もわかっています。これらの中には、標準治療の邪魔になったり従来の治療の害になったりする治療法もあるので、もしこのような治療法を取り入れようと考えているのであれば、主治医や看護師に相談することが重要です。医師や看護師は、すでに行われた研究の結果や、その治療が安全であるか、また今行われている治療の邪魔になるかどうかについて話をしてくれるでしょう。NCIは、承認され効果の認められた治療法を行う医師によって処方された治療計画に従うように強く求めます。通常外の治療法に独自で依存しようとすることは、貴重な治療の時間を失い、ガンを抑え回復するチャンスを少なくしてしまうことになるでしょう。
                                                   P−35

 介護者への特記事項

 ガン治療の期間を通して、友人や愛する人を援助するさまざまなことがあります。“治療中の食事の問題への対処”(前章)に書かれているヒントや示唆を読んでください。患者のために食事や食物を準備するにつれて、数多くのことが役に立つことでしょう。
 それに加えて、その対処に役に立つ、記憶しておきたい事柄をここに述べておきます。

◇ 患者の味覚が日々変化することを心得ておきましょう。大好きだったものがまずいといっ
  て食べなかったり、昨日まで食べられなかった料理が食べられるようになったりします。
◇ 手近なところに食べ物をおいておきましょう。たとえば
 ・ 患者の気分が優れないときには、アップルソースやプリンのパックとスプーンをベッド
  サイドのテーブルに。
 ・ 冷蔵庫の棚に、カットしたニンジンを袋に入れて。

◇ 患者が食べたくなった時にすぐ食べられるように、食事や食品を用意しておきましょう。
◇ 患者が1種類か2種類のものしか食べられないという、副作用の治まるまでの数日間の
  準備をしておきましょう。まったく何も食べられなくても、十分な水分を取ることを促しまし
  ょう。表―2,3(P−42,43)には水分のさまざまな例がありますし、“副作用への対処”
  の章には十分な水分を補給するためのたくさんのアイディアがあります。
◇ 患者のニーズや懸念について、患者にとって一番良いと思われるアイディアについて
  患者と話をしましょう。介護者は柔軟な介護をしましょう。どのようなときでも患者が主体
  的であると感じるようにしましょう。
◇ 患者に飲食を強いることのないようにしましょう。威圧するのではなく、励ましましょう。
                                                   P−36


(もどる)
 ガン治療後

 放射線療法や化学療法、そのほかの治療法などに起因する副作用はガン治療が終了すると無くなります。副作用が起こっていたとしてもだんだんによくなり、食物や食事に関する関心が戻ってくるでしょう。しかし、体重の減少などの副作用は残ることがあります。この場合はこの問題に対処するために医師に相談してください。
ガ ンの治療が終了し、気分が回復すれば、従来の健康的な食事に戻りたいと思うことでしょう。健康的な食事で蓄えられた栄養で治療に立ち向かったように、治療後のこの大切な時期に最善を尽くすことを考えることでしょう。でも、食事の摂取によりガンの再発を防ぐことができるという研究は現在ありません。しかし、正しい食事が体力を回復し、体の組織を再構成し、気分を高揚させることがわかっています。ここに基本となることがあります。

◇ 毎日いろいろな食品を食べましょう。一つの食品に必要なすべての栄養素が入っている
  ということはありません。
◇ 果物や野菜を十分に取りましょう。生でも調理されても、野菜、果物、果物のジュースは、
  必要なビタミン、ミネラル、繊維質を供給してくれます。
◇ パンや穀類、特に全粒パン、オート麦、玄米などのいろいろな全粒の穀物を取りましょう
  。これらは炭水化物、ビタミン、ミネラル、繊維質などの優れた供給源です。
◇ 脂質、塩分、糖分、アルコール、燻製や塩漬けの食品を控えめにしましょう。低脂肪乳製
  品、少量(一日に6〜7オンス(約170g〜200g)以下)の赤みの肉、皮無しの鳥肉類を選
  びましょう。煮たり、蒸したり、ゆでたりなどの低脂肪の調理を心がけましょう。
                                                    P−37

 アメリカ農務省とアメリカ保険社会福祉省は、アメリカ人が健康的な食品を選択する方法を知るための資料を公表しました。この小冊子の終末にある“資料”の章にこの資料の入手法についての情報があります。健康な食事のガイドラインに関する疑問やこのガイドラインが 現在の自分自身に当てはまらないときには登録栄養士に相談しましょう。
長期間の治療が必要とされる患者や、胃や腸の一部の切除手術が必要な患者もいます。これらの人たちは、食事に関する懸念をずっと持ち続けることもあります。もしあなたがそうであるのなら、医師や登録栄養士に相談しましょう。長期間にわたり対処しなければならない事柄に関する情報や、独自の食事計画などについての情報が得られるでしょう。


(もどる)
 食事に戻る方法

 治療が終わり、気分が回復したとしても、完全に元に戻ったとは感じられないことでしょう。ここに通常の食事や時間に、適切にゆっくりと戻るための方法があります。

◇ なれた、簡単に調理できる単純な食事を作りましょう。
◇ 2食分か3食分をつくり、残りは後の食事のために冷蔵庫に保存しておきましょう。
◇ 調理を簡単にするために、スーパーのサラダバーや調理済みの食品を利用しましょう。
◇ 以前に食事を楽しくしていたことを思い出し、それを心がけましょう。
◇ 調理や買い物の手伝いを友人や家族に頼むことをためらわないようにしましょう。
                                                    P−38
                                                    P−39



(もどる) 表―1   ガン治療の食事への影響


ガン治療


食事への影響

副作用:症状

外科手術  よい栄養摂取の必要性が高まる。
 消化の緩慢化、口、のど、胃などの機能が低下する可能性がある。
 十分な栄養は、傷の治癒や体の回復を
早める。


患者の体重不足や体力不足の場合は、手術の前に
高たんぱく質や高カロリーの食事療法が処方される。
 手術後に、初めのうちは普通の食事が取れない患者も
いるので、経静脈栄養(中心静脈栄養などの経鼻または
胃ろうを介して)による栄養補給を受けることがある。



放射線療法 がん細胞を破壊するときに、体の健康な
細胞や正常な器官に影響を与えることが
ある。





 頭部、頸部、胸部、胸への治療の影響。
・ 口渇
・ 口の痛み
・ のどの痛み
・ 嚥下の困難(嚥下障害)
・ 食物の味覚変化
・ 歯の問題
・ 痰の増加

胃や骨盤への治療の影響。
・ 吐き気と嘔吐
・ 下痢
・ 痙攣、膨満感



化学療法 がん細胞を破壊するときに、消化器官への損傷や食欲減退、食事能力の減衰が起こることがある。




・ 吐き気と嘔吐
・ 食欲不振
・ 下痢
・ 便秘
・ 口やのどの痛み
・ 体重の増加や減少
・ 食物の味覚変化



生物学的療法
(免疫療法)
ガン細胞を攻撃するように免疫系を刺激
することが、食欲や食事能力に影響を
与える。





・ 吐き気と嘔吐
・ 下痢
・ 口の痛み
・ 体重の激減
・ 口腔内の乾燥(ドライマウス)
・ 食の味覚変化
・ 筋肉痛、倦怠感、発熱



ホルモン療法
ある種の療法は食欲を増加し、また体液のバランスを変えることがある。 ・ 食欲の変化
・ 体液の貯留




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表―2    澄んだ液体の例

・ ブイヨン
・ 透明な脂肪の無いブロス 
・ 澄んだ炭酸飲料
・ コンソメ
・ クランベリー/グレープジュース
・ フルーツ味の飲料
・ 果肉の無い果物の氷  
・ 無乳の果物の氷 
・ フルーツポンチ
・ 蜂蜜
・ ゼリー
・ プレーンゼラチンデザート 
・ アイスキャンデー
・ スポーツドリンク
・ 柑橘類の絞りジュース
・ 絞ったレモネード/ライムエード
・ 裏ごしした野菜のスープ
・ 紅茶
・ 水

                                                    P−42


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表―3   完全流動食の例

・ すべての果物ジュースとネクター
・ ブイヨン、ブロス
・ バター、クリーム、油、マーガリン
・ 炭酸入り飲料
・ チーズ入りスープ
・ コーヒー、紅茶
・ 新鮮な、または冷凍プレーンヨーグルト
・ 果物飲料
・ フルーツポンチ
・ 蜂蜜、ゼリー、シロップ
・ アイスミルク
・ 液体代用食
・ 牛乳 :全タイプ
・ ミルクシェイク
・ 低温殺菌のエッグノック
・ コーンスターチのプリン
・ ゼラチンデザート
・ ピューレしたジャガイモのスープ
・ 精製されまたは裏ごしした、調理された穀物類
・ シャーベット
・ 裏ごしした少量の肉のブロスまたはゼラチン
・ 滑らかなアイスクリーム
・ ソフトカスタード、焼きカスタード
・ 絞ったジュースのレモネードやライムエード
・ 裏ごしやミキサーにかけたスープ
・ 薄く切った果物のピューレ
・ トマトジュース
・ クリームスープのトマトピューレ
・ 野菜ジュース
・ 水
                                                    P−43


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表―4   即席の簡単な軽食

・ アップルソース
・ パン、マッフィン、クラッカー
・ バターポップコーン
・ 全粒の穀類や果物やナッツ、小麦胚芽、グラノーラを使ったケーキやクッキー
・ シリアル
・ ハードまたはセミソフトのチーズ
・ チーズケーキ
・ チョコレートミルク
・ クラッカー類
・ クリームスープ
・ チーズ、豆、サワークリームで作ったディップ
・ 果物(生、缶詰、乾燥)
・ ゼラチンのサラダとデザート
・ グラノーラ
・ 固ゆで卵やデビルエッグ
・ アイスクリーム、フローズンヨーグルト、アイスキャンデー
・ ジュース
・ ミルクシェイク、“インスタントな朝食”
・ ナッツ類
・ ピーナッツバター
・ ピタとホムス
・ ピザ
・ プリンとカスタード
・ サンドイッチ
・ 野菜類(生、調理)
・ 全乳または2%乳脂肪(低脂肪)牛乳
・ ヨーグルト
                                                    P−44


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表―5  カロリー摂取の増やし方

 
バターとマーガリン
・ スープ、マッシュポテト、焼きジャガイモ、ホットシリアル、荒挽きの小麦、米、麺類、調理
 した野菜などにくわえる。
・ クリームスープやソース、グレービーなどの中にかき混ぜながら入れる。
・ ハーブや調味料を加えて味を調え、調理した肉、ハンバーガー、魚、卵料理などにかける
・ えび、ホタテ、カニ、ロブスターなどの魚介類や生野菜のディップとして、溶かしバターや
 溶かしマーガリンを使う。

 
ホイップクリーム
・ ホットチョコレート、デサート、ゼラチン、プリン、果物、パンケーキ、ワッフルなどに加糖
 したものを乗せる。
・ 加糖しないものをマッシュポテトや野菜ピューレに混ぜ込む。

 
牛乳とクリーム
・ クリームスープやソース、卵料理、揚げ物の衣、プリン、カスタードに使用する。
・ ホットまたはコールドシリアルにかける。
・ 麺類、パスタ、米飯、マッシュポテトなどに混ぜる。
・ チキンや魚の丸焼きにかける。
・ ハンバーガーやミートローフ、コロッケなどのつなぎにする。
・ 低脂肪牛乳の代わりに全乳を使う。
・ レシピのミルクの変わりにクリームを使う。
・ クリームでホットチョコレートを作り、マシュマロを加える。

 
チーズ
・ キャセロール、ジャガイモ、野菜などの上で溶かす。
・ オムレツに加える。
・ サンドイッチにはさむ。
                                                   P−45
 
クリームチーズ
・ パン、マッフィン、果物のスライス、クラッカーなどに塗る。
・ 野菜に加える。
・ ボール状に丸めて砕いたナッツ、小麦胚芽、グラノーラなどで表面をまぶす。

 
サワークリーム
・ クリームスープ、焼いたジャガイモ、マカロニチーズ、野菜、ソース、サラダドレッシング、
 シチュウー、焼肉、魚などに加える。
・ ケーキ、果物、ゼラチンデザート、パン、マフィンなどのトッピングとして使う。
・ 果物や生野菜のディップとして使う。
・ おいしいデザートとして、果物の上に乗せ、ブラウンシュガー(三温糖)を加え食べる前に
 冷蔵庫でよく冷やす。

 
サラダドレッシングとマヨネーズ
・ サンドイッチに使う。
・ 肉、魚、卵や野菜のサラダにかける。
・ コロッケのつなぎに使う。
・ ソースに加えたりゼラチン料理などに使う。

 
蜂蜜、ジャム、砂糖
・ パン、シリアル、ミルク飲料、フルーツ&ヨーグルトデザートに加える。
・ チキンなどの肉の上塗りに使う。

 グラノーラ
・ クッキー、マフィン、パンなどの種として。
・ 野菜、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、カスタード、果物などに振りかける。
・ 果物とグラノーラの層にして、焼く。
・ 乾燥果物やナッツに混ぜ、軽食にする。
・ プリンの材料のパンや米の代わりに使う。

 
乾燥果物 (干しぶどう、プルーン、杏、ナツメヤシ、イチジク)
・ ドライフルーツを調理し、朝食やデザートや軽食とする。
・ マフィン、クッキー、パン、ケーキ、米や穀物料理、シリアル、プリンなどに加えたり、料理の
 詰め物にする。
・ パイやターンオーバーの中身として焼く。
・ 人参やサツマイモ、ヤムなどの調理野菜や、どんぐりや砕いたバターナッツに取り合わ
 せる。
・ ナッツやグラノーラと取り合わせ、軽食にする。

 
卵
・ サラダやドレッシング、野菜、キャセロール、肉のクリーム煮などに、固ゆでして細かく切った卵を加える。
・ 卵、牛乳、砂糖で濃いカスタードを作る。
・ 固ゆでした黄身を使って、デビルエッグの詰め物やサンドイッチのペーストを作る。
・ マッシュポテト、野菜ピューレ、ソースなどに混ぜ合わせる。(生の卵には食中毒原因菌
 などが混じっていることがあるので、卵を加えてからも加熱続けること。)
・ カスタードやプリンやキッシュ、スクランブルエッグ、オムレツなどに卵や白身を追加する。
 またホットケーキやフレンチトーストの衣などに調理前に加える。

 
調理食品
・ 肉や野菜にまぶす。
・ 摂取が許容されていれば、鉄板焼きや揚げたりできるものなら加工する。これは網焼きや
 煮たりするよりもカロリーを付加します。
・ ソースやグレービーを加える。
                                                    P−47


表―6  たんぱく質摂取の増やし方

 固形または半固形のチーズ
・ サンドイッチ、パン、マフィン、トルティーヤ、ハンバーガー、ホットドッグ、その他の肉や
 魚、野菜、卵、デザート、果物のシチュー、パイに乗せ、溶かす。
・ スープ、ソース、キャセロール、野菜料理、マッシュポテト、米飯、麺類、ミートローフなどに
 削りかける。

 カッテージチーズ、リコッタチーズ
・ 果物や野菜に混ぜたりつめたりして使う。
・ キャセロール、スパゲッティ、麺類、オムレツやスクランブルエッグやスフレなどの卵料理に
 加える。
・ ゼラチン、プリンタイプのデザート、チーズケーキ、パンケーキなどに混ぜる。
・ クレープ、シェルパスタ、マニコットなどに混ぜ込む。


 牛乳
・ 可能であれば、飲料水の代わりに飲んだり、料理などに使う。
・ ホットシリアル、スープ、ココア、プリンなどに使う。
・ 野菜や他の料理にクリームソースを加える。

 脱脂粉乳
・ 普通の牛乳や乳飲料、たとえば低温殺菌されたエッグノックや、ミルクシェイクなどに加え
 る。
・ キャセロール、ミートローフ、パン、マッフィン、ソース、クリームスープ、マッシュポテト、
 カスタードプリン、乳製品のデザートなどに混ぜいれる。

 市販商品
・ “栄養強化のための市販商品”の章(P−10)を参照。
・ 牛乳飲料やデザートに“即席朝食”粉末を加える。
・ アイスクリーム、ミルク、果物に混ぜたり、高タンパクミルクセーキの味付けとして使う。
                                    P−48
 アイスクリーム、ヨーグルト、冷凍ヨーグルト
・ ジンジャエールやコーラのような炭酸飲料に加える。
・ ミルクセーキのような、乳飲料に加える。
・ シリアル、果物、ゼラチンを使ったデザート、パイなどに加えたり、柔らかな果物や調理
 した果物に混ぜ合わせる。
・ ケーキの薄切り、クッキー、グラハムクラッカーなどの間にアイスクリームや冷凍ヨーグルト
 などをサンドイッチする。
・ 果物やバナナなどと一緒に、朝食用のドリンクを作る。

 卵
・ 固ゆでにして細かく切った卵を、サラダ、野菜、キャセロール、肉のクリーム煮などに加え
 る。
・ キッシュ、パンケーキ、フレンチトーストなどに、卵や白身を追加して加える。
・ スクランブルエッグやオムレツに白身を追加して入れる。
・ 卵や高たんぱく乳や砂糖で、栄養豊富なカスタードを作る。
・ 固ゆでした黄身を、デビルエッグの詰め物やサンドイッチスプレッドに加える。
・ 治療が感染にかかりやすくすることがあるので、生の卵は食中毒原因菌を含んでいる
 かもしれないので使用することは避けましょう。卵を食べるときは十分に調理されているか
 焼かれていることを確認しましょう。加熱不十分の卵は食べるのを避けましょう。

 ナッツ、種子、小麦胚芽
・ キャセロール、パン、マフィン、ホットケーキ、ワッフルなどに加える。
・ 歯ごたえのあるトッピングとして、果物、シリアル、アイスクリーム、ヨーグルト、野菜、
 サラダ、トーストなどに使う。パン粉の代わりに使う。
・ パセリ、ほうれん草、香草、クリームなどと一緒に、麺類、パスタ、野菜ソースなどに混ぜる
・ 砕いたナッツをバナナの表面にまぶす。
   
                                                P−49
 ピーナッツバター
・ サンドイッチ、トースト、マッフィン、クラッカー、ワッフル、パンケーキ、果物の薄切りなどに
 塗る。
・ にんじん、カリフラワー、セロリなどのディップとして使う。
・ 乳飲料や他の飲み物に混ぜる。
・ ソフトクリームやヨーグルトに混ぜる。

 肉や魚
・ 細かく切った調理された肉や魚を、野菜、サラダ、キャセロール、スープ、ソース、
 ビスケットの生地などに加える。
・ オムレツ、スフレ、キッシュ、サンドイッチの中身、チキンやターキーの詰め物として使う。
・ パイ生地やビスケット生地などで包んで焼く。
・ 焼きジャガイモの詰め物として加える。

 豆類 
・ 豆類を調理して豆腐と一緒にスープにしたり、キャセロールやパスタやチーズと肉が入っ
 た穀物料理に加える。チーズや牛乳と一緒に調理して、すりつぶす。
                                                    P−50


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 副作用の経過の記録

 ここに、ガン治療中に経験した食事に関係する副作用に関する記録の様式をあげておきます。自由にコピーして自分自身の記録にしてください。この期間中に副作用の経過を見守っている医療チームとこの情報を共有することもよいでしょう。

名 前                週                 
                  
 最終の治療の種類と日付
治療の種類                     日付      年     月     日

                                      
体 重       Kg   週一度計測する

 以下はガン患者が経験する食事に関する副作用のリストです。上に記入した週に起こった副作用に関する欄にチェックを付けましょう。チェックした右に1〜3の番号でそのひどさの程度を記録しておきましょう。

   1:穏やか  2:中程度  3:ひどい
副作用 月 火 水 木 金 土 日
食欲 □ □ □ □ □ □ □
口  痛み/渇き □ □ □ □ □ □ □
吐き気 □ □ □ □ □ □ □
嘔吐 □ □ □ □ □ □ □
便秘 □ □ □ □ □ □ □
下痢 □ □ □ □ □ □ □
疲労感 □ □ □ □ □ □ □
その他 □ □ □ □ □ □ □

 他の疑問や気になること:下の欄を使って、医療チームと話し合いたい疑問や気になることを記録しておきましょう。
                                                   P−51


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用語解説

Adjuvant Treatment 補助療法
 手術や放射線療法の後で、ガンが戻るのを防ぐために与えられる抗ガン剤やホルモンなど。

Anorexia 食欲不振
 食欲を失うこと。ひどい体重の減少を伴う。

Antiemetics 制吐剤
 吐き気や嘔吐を抑える薬剤

Biological Therapy (Immunotherapy) 生物学的療法
 感染や病気と闘う免疫系の能力を活性化したり再強化する治療法。この治療には身体の自然な防御系からの生産物が利用される。

Calorie カロリー
 食品から摂取されるエネルギーの測定単位。体は、呼吸、血液循環、体の動きなどの器官を働かすための燃料としてカロリーを必要としています。病気になった場合には熱やその他の症状と戦うためにより多くのカロリーを必要とします。

Cells 細胞
 生きているものを形作っている、組織の最小単位。すべての細胞は特別な構造と機能を持ち、複製能力があります。

Chemotherapy 化学療法
 ガン治療に薬剤を使う治療法。

Dehydration 脱水症状
 正常な活動を維持するための体内の水分を多量に失うこと。重篤な下痢や嘔吐は脱水症状を引き起こすことがあります。

Diet 食品
 食べたり飲んだりするもの。液体と固体がある。

Digestive tract 消化管
 食品を食べたり、消化したり、排出したりする体の器官。口、食道、胃、腸などを含む。

Diuretics 利尿剤
 身体から水分や塩分を排出する薬剤。
                                                   P−52
Dysphagia 嚥下障害
 飲み込むことの困難。

Edema 浮腫
 くるぶし、足、腕、腹部などの組織に過剰な水分を蓄積すること。

Fiber 食物繊維
 体が消化できない植物食品の部分。食品をすばやく体外に排出する助けとなる。食物繊維は、果物、野菜、乾燥豆類、ナッツ、種子、パン、穀類に含まれています。動物性の食品には含まれていません。(肉、牛乳、卵)

Fluids 液体
 飲むもの、飲料。

Hormone therapy ホルモン療法
 胸、前立腺、その他のガンの治療でのホルモンを遮断する薬剤を使用する。これは再発防止に用いられます。

Immunotherapy 免疫療法
 生物学的療法(Biological Therapy)参照

Infection 感染
 病原菌が体内に進入し、病状を発生させたときに感染と呼ばれる。感染は体のどこにでも起こります。感染部位により、発熱やその他の問題を起こします。身体の防御機能が強ければ、進入した病原菌と戦い感染を防止します。ガン治療はこの防御機能を弱めますが、健康な食事はこの防御機能を強化します。

Lactose 乳糖
 牛乳や乳製品に含まれている糖分。

Lactose intolerance 乳糖不耐症
 乳糖を消化する能力の欠乏。遺伝やある種の手術により起こることがある。手術による乳糖不耐症は、時間がともに消失します。多くの店には乳糖を含まない乳製品が売られています。

Minerals ミネラル
 身体の機能を正常に保ち、排出されにくい少量の栄養素。鉄分、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどはミネラルです。
                                                   P−53
Nutrient 栄養素
 化学的な化合物(水、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)で、食品を形作る。これらの化合物は成長、機能、生存など、身体のさまざまな働きに用いられます。

Nutrition 栄養物
 必要な栄養素を身体にとりいれるには、三段階あります。初めに、食物を飲んだり食べたりする。次に、体内で食物が栄養素に分解される。第三段階で栄養素が血流に乗って、“燃料”やそのほかの目的で使われるために、身体のさまざまな部分に運ばれます。身体に適切な栄養素を取り入れるためには、鍵となる栄養素を含んだ食物を十分に食べたり飲んだりする必要があります。

Phytochemicals 植物化学物質
 植物から発見された有用な化学物質です。これらの化学物質はガンにかかる危険性を減少させると考えられています。

Potassium カリウム
体液のバランスや、他の重要な身体機能に欠くことのできないミネラルです。

Protein たんぱく質
 身体にカロリーを供給する三大栄養素の一つです(他の二つは、脂質と炭水化物)。食べたたんぱく質は、筋肉、骨、皮膚、血液などの一部になります。

Radiation Therapy 放射線療法
 ガンなどの病状を治療する高エネルギーの放射線を使った治療法です。外部放射線治療は、高エネルギーの放射線でガンを狙う機械を使用します。内部放射線療法は、ガン患部のできるだけ近くの身体内に、放射線を発する物質を設置する療法です。

Registered Dietitian 登録栄養士
 食物、栄養物、生物学、生理学などに深い科学的な知識を持つ医療看護の専門家です。これらの知識は健康増進、疾病予防、カウンセリングや教育などに役立てられます。

Sodium ナトリウム
 体液のバランスを保つために必要なミネラルです。ナトリウムは、食卓塩に含まれています。ナトリウムの過多は、体内水分の保留を引き起こします。
                                                   P−54
Soft diet ソフトダイエット
 調理やつぶしたり裏ごししたり混ぜたりして軟らかくなる、味の無い低脂肪の食品です。

Surgery 手術
 外科手術

Tissue 組織
 特定の器官を形作る、塊状や板状の細胞。

Total parenteral nutrition 中心静脈栄養
 静脈に留置された針を通して必要な栄養素を補給する栄養法

Vitamins ビタミン
 身体が成長や生存に必要とする少量の栄養素で、ビタミンA,C,Eなどがある。
                                                   P−55


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情報について

 ガンに関する情報は、下記のリストのほかにもいろいろな情報源があります。リスト外の情報に関しては、地域の図書館、書店、地域の支援グループなどで調べてみてください。地域の新聞の健康、科学、地域のイベントなどの欄にもガン支援や情報源がリストアップされていることもあります。


 国立ガンセンター ( National Cancer Institute )

ガン情報サービス (CIS)
フリーダイヤル 1―800―4―CANCER (1-800-422-6237)
テレタイプ   1-800-332-8615
ガン治験に関する答えや疑問、ガン関係のサービスや支援に関してはNCIのウェブサイトからも情報が得られます。NCIの印刷物も提供されています。
  オンライン www.cancer.gov
チャットライン www.cancer.gov/help


 アメリカ栄養士協会 American Dietetic Association (ADA)

 ADAは、登録された栄養士と食品や栄養関連の分野で仕事をしている専門家で組織されています。近隣の登録栄養士の紹介や、食品や栄養に関する音声情報を聞くには、ADAの消費者栄養ホットライン 1-800-366-1655 へ連絡してください。またはADAのホームページ http://www.eatright.org を参照してください。


 その他の本
 ガン患者、その家族、友人、そのほかの人たちに、国立ガンセンターの本は有用であろうと思います。1-800-4-CANCER に連絡するか、www.cancer.gov/publications から無料で入手することができます。

・ 化学療法とあなた Chemotherapy and You
・ 放射線療法とあなた Radiation Therapy and You
・ 化学療法中の留意事項 Helping Yourself During Chemotherapy
                                                    P-56
・ 疼痛の管理 Pain Control
・ 時間を作って Taking Time
・ 臨床試験への参加 Taking Part in Clinical Trials
・ ガンに罹ったら If You Have Cancer


 国立ガンセンター、アメリカ農務省、アメリカ保険社会福祉省は、健全な食物摂取に関する数種の資料を刊行しています。治療終了後にこれらが役に立つことでしょう。刊行物には以下のものが含まれています。

・ 栄養と健康 Nutrition and Your Health : Dietary Guidance for Americans


 アメリカ農務省、アメリカ保険社会福祉省
・ 食品ガイドピラミッド アメリカ農務省


 これらの印刷物や他のUSDAの栄養に関する出版物の入手に関しては、以下に連絡してください。

U.S. Department of Agriculture
Human Nutrition Information Service
6505 Belcrest Road
Hyattsville, MD 20782

 食品医薬品局(FDA)は“招きたくない夕食への訪問者:食品に由来する疾病の予防”(The Unwelcome Dinner Guest: Preventing Food-Borne Illness)を出版しました。これには食品に由来する疾病、安全な食品貯蔵、安全な調理と保存温度、安全な食品の取り扱い、そのほかの食品に由来する疾病に関する有益な情報と症状に関するヒントが載っています。ガン患者や他の免疫系の虚弱な人たちには食品由来の疾病に注意する必要があるので、この小冊子は非常に役にたつことでしょう。この小冊子は、10冊以内は無料ですので必要なかたは、FDAの消費者サービス局まで連絡してください。

 Food and Drug Administration
Office of Consumer Affairs
5600 Fishers Lane
Room 1675, HFE88
Rockville, MD 208578
                                                    P-57

記録










                                                   P−58
                                                   P−59
                                                   P−60
(もどる)
NHI Publication No.06-2079
Revised July 1997
Printed August 2006