| 翻訳へもどる | ガン治療の凍結手術
Cryosurgery in Cancer Treatment Q & A |
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キーポイント ・ 凍結手術は異常細胞を凍らせて死滅させる技術で、ある種のガン、ある種の前ガン、 非ガン性疾患の治療で、身体内と皮膚上で用いられます。 ・ 凍結手術は、肝ガン、他の部位から肝臓に拡大したガン、前立腺の腺内にとどまる前立 腺ガン、子宮頸の前ガン状態、骨のガンおよび非ガン腫瘍の、手術の代替治療である。 ・ 凍結治療は他の治療よりも副作用が少なく、費用も安く、回復期間も短い。 ・ 技術はまだ研究中であり、長期的な効果に対して不明である。 |
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| １．凍結手術とは何か ２．凍結手術でどのようなガンが治療されるか ３．凍結手術はどのような場合に前立腺ガンの治療に用いられるか、 また、副作用は何であるか ４．凍結手術はどのような場合に原発性肝ガンや肝転移ガン（体のほかの部位から 肝臓に拡大したガン）の治療に用いられるか ５．凍結手術で合併症や副作用が起こるか ６．凍結手術の利点は何か ７． 凍結手術のリスクは何か ８． 凍結手術の将来は ９． 凍結治療は現在どこで受けられるか |
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| （もどる） | １． 凍結手術とは何か 凍結手術（冷凍療法とも呼ばれる）は、異常細胞を破壊するために液体窒素（またはアルゴンガス）の非常に冷たい状態を用います。凍結手術は皮膚のような外部の腫瘍の処置に用いられ、液体窒素は綿棒や噴霧装置によりガン細胞に直接塗付されます。 凍結手術は身体内（身体内の腫瘍および骨の内部の腫瘍）の治療にも用いられます。内部の腫瘍には、液体窒素やアルゴンガスは冷凍プルーブと呼ばれる中空の針により循環され腫瘍に接触されます。医師は超音波やＭＲＩを用いて冷凍プルーブを誘導し、細胞の凍結状態を監視します。これにより近くの健康な細胞の損傷を少なくします。（超音波は、器官や組織により跳ね返り、ソノグラムと呼ばれる画像をつくります。）プルーブの周りに作られた氷の結晶は近接した細胞を凍結させます。腫瘍のさまざまな部位に液体窒素を送るために、数本のプルーブが使用されることもあります。プルーブは、手術により腫瘍にうずめこまれたり、皮膚を通して腫瘍に差し込まれます。凍結手術後は、冷凍された組織は自然に解凍し、身体内に吸収されるか（内部腫瘍の場合）、かさぶた（外部腫瘍の場合）となります。 |
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| （もどる） | ２． 凍結手術でどのようなガンが治療されるか 凍結手術は数種のガンと、前ガン、非ガン性疾患を治療するのに用いられます。前立腺ガンと肝ガンに加え、以下の種類に効果的です。 ・ 網膜芽細胞腫（目の網膜に影響を与える小児カン）。腫瘍が小さくて網膜の特定部分に あるときのみ凍結手術が効果的。 ・ 早期皮膚ガン（基底細胞ガンと有棘細胞ガン）。 ・ 光線性角質化症として知られている前ガン性の皮膚増殖 ・ 子宮頸部上皮内ガン（子宮頸部ガンに進行する可能性のある子宮頸の異常細胞変化）と して知られている子宮頸の前ガン性疾患 凍結手術は骨内部の低悪性度ガン性および非ガン性腫瘍を処置するのにも用いられます。広範囲に及ぶ手術と比較して関節障害のリスクを低下し、四肢の切断などを減少することができます。皮膚の病変が小さく局所的な場合には、ＡＩＤＳ関連のカポシ肉腫の治療にも用いられます。 乳ガン、結腸、腎臓などのガンなどを含む多くのガンの治療法として凍結手術は評価されています。また、ホルモン療法、化学療法、放射線療法、手術などとの併用についても、凍結手術出は検討されています。 |
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| （もどる） | ３． 凍結手術はどのような場合に前立腺ガンの治療に用いられるか、 また、副作用は何であるか 凍結手術は、前立腺の腺内に局限される早期前立腺ガン患者に用いられます。しかし、まだこの治療法は、標準前立腺切除法やさまざまな放射線治療ほど確立されてはいませんし、長期的な効果も不明です。凍結手術は狭い領域に対して有効なので、腺の外部や遠隔部に拡大した前立腺ガンの治療には用いられません。 凍結手術の利点は、繰り返し処置できることや、年齢やそのほかの医学的な問題のために外科手術や放射線治療を受けることができない患者の治療に用いられることです。 前立腺ガンの凍結手術では副作用を引き起こすことがあります。これは、すでに放射線治療を受けたことのある男性によく見られます。 ・ 凍結手術は尿流を閉鎖したり、失禁（尿流量に関するコントロールの欠如）を引き起こすことがあります。しかしこれらは 一時的なことが多いです。 ・ 多くの男性は性交不能（性機能の損失）になることがあります。 ・ 時には、凍結手術は直腸に損傷を引き起こすことがあります。 |
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| （もどる） | ４． 凍結手術はどのような場合に原発性肝ガンや肝転移ガン（体のほかの部位から 肝臓に拡大したガン）の治療に用いられるか 凍結手術は、拡大していない原発性肝ガンの処置に用いられます。特に、何かの医学的な要因で外科手術ができないようなときに用いられます。また、別の部位（結腸や直腸など）から肝臓へ拡大したガンの治療にも用いられます。また、時によっては凍結手術の前や後に化学治療や放射線治療がなされることもあります。肝臓の凍結手術は胆管や主要血管に損傷を与える事があり、出血（多量の出血）や感染症を引き起こすこともあります。 |
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| （もどる） | ５． 凍結手術で合併症や副作用が起こるか 凍結手術には副作用がありますが、外科手術や放射線治療などの副作用よりも軽度です。副作用は腫瘍の位置によります。子宮頸部上皮ガンの凍結手術は女性の受胎能力に対する影響は見られませんでしたが、さしこみ、疼痛、出血などを引き起こすことがあります。皮膚ガン（カポシ肉腫を含む）の治療では傷跡やこぶを作ることがあります。神経が損傷を受ける場合には、知覚の損失を起こすことがあり、まれに、治療部位の色素の損失と体毛の損失を起こすこともあります。骨腫瘍の治療に用いられたときには、近傍の骨組織の破壊につながることもあり、骨折を起こすこともあります。しかしこれらの副作用は治療開始後からしばらくは見られないことで、他の治療により発現を遅らせることもできます。希なことですが、凍結手術はある種の化学治療と干渉することがあります。この治療法の副作用が従来の手術や放射線による副作用よりも軽度であるいとはいえ、長期的な副作用を見定めるためには更なる研究が必要です。 |
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| ６． 凍結手術の利点は何か 凍結手術は他のガン治療に比べて多くの利点があります。皮膚を通して行う凍結プルーブの小さな切開や挿入口だけで、外科手術のような身体への大きな侵襲性がありませんので、手術の痛みや出血や他の合併症などが最小限に抑えられます。また、凍結手術は他の治療に比べて安価であり、回復期間が短く、入院も短期間であったり必要がないこともあります。凍結手術は局所麻酔のみで行われることもあります。 凍結手術の処置を限定された領域のみに行うことができるので、近くの健康な組織の破壊を回避することができます。処置は何度でも繰り返しても安全なので、外科手術、化学治療、ホルモン治療放射線などの標準治療とともに用いることができます。また外科手術ができなかったり、標準治療に反応しなくなったガンの治療の選択肢ともなります。また、年齢や他の医学的な条件から、従来の手術ができない患者の治療としても用いられます。 |
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| ７． 凍結手術のリスクは何か 凍結手術のリスクは長期的な効果の不明なことにあります。また、医師が画像機器検査（身体内部の画像を映し出す検査）により見出される腫瘍を治療することには効果的ですが、極小のガンの拡大を見逃す事もあります。さらに、有効性がまだ評価中なので保険適用の問題が生じるときもあります。 |
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| ８． 凍結手術の将来は ガンの制御や、生存期間の改善を図るための凍結手術の有効性を見定めるには更なる付加研究が必要です。本研究からのデーターにより、外科手術や化学治療、放射線などの標準治療と凍結手術とを比較することができるようになります。さらに、凍結治療を他の治療と併用する可能性について研究を行っています。 |
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９． 凍結治療は現在どこで受けられるか |