独断的JAZZ批評 926.

NAJPONK
アルバム制作のあり方に疑問を感じる
"A CHILD IS BORN"
NAJPONK(p) 2014年3月 スタジオ録音 (ANIMAL MUSIC : ANI 0452
)

NAJPONKは今までに4枚のアルバムを紹介しているが、一番最初に接した"AUTUMN IN NEWYORK"(JAZZ批評 236.)が心に沁みる秀逸なアルバムで、今でも時々聴きたくなる。
5枚目の本アルバムはピアノ・ソロだ。NAJPONKはブルース・フィーリングも併せ持ったチェコのピアニストだ。本名は逆さ読みのJAN KNOP。
沢山のスタンダードに混ざって、オリジナルが4曲とカバー曲が5曲挿入されている。

①"IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING" STANDARD テーマを2コーラス弾いただけで終わってしまう。
②"A CHILD IS BORN" 
STANDARD これも同様にアドリブなしで終わる。
③"YOU ARE MY SUNSHINE" STANDARD やっと、リズミックな演奏になった。
④"QUETION AND ANSWER" 
PAT METHENY METHENYには同名タイトルのアルバム(JAZZ批評 27.)がある。DAVE HOLLANDとROY HAYNESが参加している優れものだ。
⑤"BLUES FOR BENJAMIN" 
ORIGINAL 愛息、BENJAMINへのブルース。
⑥"CAMINHOS CRUZADOS" 
JOBIN
⑦"ELEANOR RIGBY" 
LENON/McCARTNEY ビートルズ・ナンバーも入れてきた。
⑧"I'M AFRAID THE MASQUERADE IS OVER" STANDARD
⑨"IF I SHOULD LOSE YOU" STANDARD
⑩"ANOTHER BLUES FOR BENJAMINO" ORIGINAL 愛息、BENJAMINへのふたつ目のブルース。
⑪"WALTZ FOR PLATKA" ORIGINAL
⑫"JUST ONE OF THOSE THINGS" STANDARD
⑬"I WISH YOU LOVE" STANDARD
⑭"BLUES FOR BIX" ORIGINAL ミディアム・ファーストのブルースなのでテーマが前と後ろで2コーラスずつ。アドリブは4コーラス。
⑮"I HEAR A RHAPSODY" 
STANDARD 2コーラス。
⑯"STRAIGHT NO CHASER" 
T. MONK アドリブが4コーラス。
⑰"YOU CAN DEPEND ON ME" STANDARD 
⑱"UGLY BEAUTY / PANNONICA" T. MONK


アルバムの総収録時間が49分。この中に18もの曲が入っている。1曲あたり3分を切る。必然的に、スタンダードなどはテーマを弾いたら、アドリブはなかったり、あってもせいぜい1コーラス。これは物足りない、食い足りない。せめて10曲程度にして、1曲あたり5~6分くらいは弾いてほしいものだ。でなければ、アドリブの楽しさを堪能できないではないか!
演奏も素性は良いけど淡々としてサラッと流した感じだ。日頃、弾き慣れた曲なのだろう、肩の力が抜けている。ホテルのラウンジとか喫茶店のBGMには良いかもしれない。
ジャズ・ファンでこういうアルバム作りを望んでいる人がいるのだろうか?アルバム制作のあり方に疑問を感じさせるアルバムになってしまった。   (2015.03.21)

試聴サイト:
http://www.animalmusic.cz/katalog/najponk-a-child-is-born
        https://www.youtube.com/watch?v=Me6WdGyRtwU
        https://www.youtube.com/watch?v=5Ajd3aMrQDA



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