□ 釈迦如来画像
神護寺では、高雄山寺時代から法華会を開いており、高雄の法華会はのちのちまで神護寺の名高い行事であった。 この釈迦如来像も、おそらく法華会に用いるために製作されたのであろう。 肉身は金色とし、朱衣には七宝つなぎの截金文様に彩色の円花文を散らしている。 朱衣の周辺は、反暈または照暈といって、白くぼかされている。 仏画の最盛期である院政時代の趣向を反映した優婉な作品で、このころ法華経信仰の隆盛からこのような耽美的な芸術作品が数多く作られた。