五〇、円(まど)かな心 | ||
眞丸(まんまる)きその形にあやかりて作られたるは何なるぞ。丸き御玉は誰も知る、マコト心のしるし也。 心丸くして角(かど)なくさば誠の心也(なり)。円(まど)ならざる心は誠ならねば、時折は円かならざる心の様もあらはれて、誠ならざる働きを示す事あり。されど誠の心の姿は眞丸(まんまる)くして角なきにあり。丸き心を持つ人の集は、誠に滑かにして常に平和の友たるなれど、若(も)しも丸からざる心を持てる者あれば、兎角(とかく)に集ひは円かならずして争い事も起こるなり。されば吾等の集ひをして、常に円かならしめんには、各々(めいめい)の心の角を取り去りて、心の元の姿となす可(べ)き也(なり)。各々(めいめい)心丸ければ、何事を為し何事を計り合ひても角立たず、常に丸やかに治りて、此世の中は何時までも、平らけく安けき世とはなるべき也(なり)。 |
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